著者
越智 聖志 木村 克俊 山本 泰司 上久保 勝美 名越 隆雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_1003-I_1008, 2015
被引用文献数
2

1980年1月,北海道の日本海側に位置するK海岸に大型の低気圧が来襲し,大型バスと救急車が高波による越波の影響を受け,路外へ滑動および横転する事故が発生した.本研究では,事故時の関係者および当時の新聞記事などから事故状況を分析し,縮尺1/30の2次元水理模型実験により,事故発生当時の護岸背後地における越波状況を再現した.また,波力実験を行って越波流速を指標として被災車両に作用した越波による波力の定量的評価を行うとともに,越波流速と滑動距離との関係を明らかにした.さらに,当該事故発生後に越波対策として消波ブロックが設置された断面に対して越波流量および越波流速を求め,通行車両の安全性を確認した.
著者
山本 捷子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.219-227, 2005-03-01

日本赤十字社は、120年余にわたり、もともと戦時救護ならびに天災時救護のための看護婦を養成してきた。戦前は日本が関係した戦争時に傷病兵や捕虜の救護を行ない、濃尾大地震や関東大震災においても災害救護を行なってきた。戦後は、日本赤十字社法の元に国内の災害ならびに国際赤十字の一員としてICRCや国際赤十字・赤新月社連盟の調整の元に、紛争地や被災地で救援活動あるいは保健衛生の向上に貢献している。その活動の歴史を振り返り、現在の日本赤十字看護教育における災害看護教育の課題を考察した。特に、災害に対する人々の関心の高まりや人権意識が強くなった現在、また複合災害が頻発する国際社会において活動する際に求められる看護実践能力や態度について、問題と解決の方策を探るべく私見を述べた。
著者
下畑 光夫 山本 秀樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.23-24, 1995-09-20

銀行などの多くの金融機関では金融自動取引機(ATM)が備えられており、通常は定期的(1日1回等)に現金を補充している。現金補充が少ない場合には利用者への取引停止や臨時の現金補充作業が発生する。また、多すぎる場合には金融自動機内に多量の現金を死蔵させることになり資金運用の効率を下げてしまう。本稿では、日と曜日の2つの要素から金融自動機の現金変動量を予測する方法について述べる。要素内の成分量は、多変量解析の数量化第1類を用いて過去の取引データから算出している。
著者
藤原 正幸 久保 敏 山本 正昭
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.185-194, 1997-12-12
参考文献数
14

波浪エネルギーを利用して海水交換を行うために砂浜に造成されたヒラメ稚魚の中間育成池において、流動と水質の変動特性を明らかにする目的で現地観測を行った。測定項目は、流速、水温、塩分、溶存酸素(DO)で、さらに流動パターンを把握するため染料拡散実験を実施した。海水流入量は海水位と波高によって変動し、海水取入口から流入した海水は池内において循環流を形成して流出口に向かう。それゆえに水温とDOが最大値を示す時刻は場所によって異なることになる。DOに関しては海水取入口が閉じている状態では朝の6時に最低値の飽和度60%まで減少する。またDO収支から推定すると、池内におけるすべての消費過程を考慮したDO消費速度は0.162mg/l/hrとなった。そのうちの60%は水中懸濁物、20%はヒラメの呼吸によるもので、残りは底質による消費であった。塩分収支から推定した海岸地下水流入量は海水流入量と比較すると無視できる程度であった。
著者
山口 寿 川真田 正信 仲井 由宣 山本 恵司
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.463-468, 1982-05-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

By use of X-ray diffractometry, thermal analysis and infrared spectroscopy, the crystal forms of N-(2, 6-dimethylphenyl)-Δ8-dihydroabietamide were investigated. Two polymorphic forms (form I and II), two solvates (cyclohexane and CCl4), and an amorphous form were identified. Heating of form II induced a solid transformation to form I. The transition of form I and II to the amorphous form was observed by grinding. Each solvate contained 9.0% cyclohexane and 16.0% CCl4 respectively, i.e., drug : solvent=2 : 1. The activation energy of the desolvation was determined from TG curves by using Ozawa's method, and calculated as 72.2 kcal/mol for the cyclohexar solvente, and 35.5 kcal/mol for the CCl4 solvate.
著者
斎藤 幸恵 山本 篤志 太田 正光 有馬 孝禮 内海 泰弘 古賀 信也 門松 昌彦 坂野上 なお 山本 博一
出版者
The Japan Wood Research Society
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.25-32, 2015

伝統技術による檜皮採取が剥皮木の木部性質を変化させるか否か明らかにすることを目的として,檜皮採取前後のヒノキ木部ヤング率,セルロースミクロフィブリル傾角(MFA)について検討した。同一林分のほぼ等しい環境に生育する>69年生ヒノキペア5組を選定し一方から檜皮を一度採取し他方を対照木とした。採取年およびその前後に形成された計<18年輪について放射方向に連続的に試料採取し,同一の母細胞から形成された試験体を作製,ヤング率とMFAの変化を年輪毎に平均し時系列で比較した。剥皮・対照木の個体差を除くため,ある年に形成された年輪の測定値と前年輪の測定値の差を,その絶対値の総和で割り標準化した「変化率」で比較した。その結果,檜皮採取に起因した明瞭な変化は認められなかった。熟練原皮師による形成層を傷つけない方法による檜皮採取は少なくとも,環境や遺伝的要因による変動を上回る木部性質の変化は及さないと結論づけられた。
著者
山本 清文 武内 麻美
出版者
花園大学文学部
雑誌
花園大学文学部研究紀要 = Annual journal Faculty of Letters, Hanazono University (ISSN:1342467X)
巻号頁・発行日
no.49, pp.1-13, 2017

本研究では、冬季オリンピックで増加しつつあるスキー競技に着目し、これまでの伝統的種目と長野オリンピック以降の新種目に分け、全記事面積、記事面積、写真面積とそれらを性別に測定し、新聞紙面の掲載面積の実際や傾向を把握することを目的とした。
著者
山本 教人
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-26, 2010

<p> オリンピックメダルやメダリストが、メディアによってどのように描かれているのかを物語の観点から明らかにするために、1952年ヘルシンキ大会から2008年北京大会を報じた「朝日新聞」の記事を対象に、内容分析を行った。<br> 我が国のメダリストに関する分析から、次のことが明らかとなった。メダルの多くが体操、柔道、レスリング、水泳などの種目で獲得されていた。近年、オリンピック新種目での女子選手の活躍が顕著であった。多様な企業に所属する選手が増加傾向にあった。<br> オリンピックでメダルを獲得することは、我が国の国力を世界に向けて示すことであり、メダリストの養成は国策として報じられていた。1970年代前半までのメダリストのメディアイメージは、類い希なる「根性」の持ち主であり、メダリストには超人的な存在の名が冠せられた。精神主義を介してつながる、国家と個人の関係イメージを指摘できた。<br> 東西両陣営によるオリンピックを通した国力の誇示、オリンピックの商業主義が進行する状況で、商業資本を利用したメダルの獲得は、ますます国策として位置づけられるようになった。この時期のメディアは、プレッシャーに負けず実力を存分に発揮する選手を理想のアスリート像として提示した。<br> 1990年代前半のスポーツをめぐる状況の変化のなかで、新しいタイプのメダリストがメディアに登場した。この時期の報道は、メダリストの個人情報に焦点化したものが多く、彼らをひとつのロールモデルとして位置づけているように思われた。このような報道においては、国策としてのメダル獲得と、メダリスト個人の体験はつながりを失ったものとしてイメージできた。しかし時に、選手の振る舞いや言動を通して、国家や組織から自由ではないアスリートの姿がメディアに描かれることもあった。スポーツの商業主義化やメディアの多様化は、今後、国策としてのメダル獲得とメダリスト個人の関係をますます複雑・多様化すると考えられた。</p>
著者
村木 俊之 山本 博雅
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.740-743, 2012-09-05 (Released:2013-03-05)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
坪内 春夫 中島 正博 山本 勝彦 宮部 正樹
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.36, pp.45-48, 1992
被引用文献数
2

The effects of the elimination of fungi and mycotoxins in imported green coffee beans were examined. Each sample was divided into 3 types (22 samples each) ; 1) green coffee beans before handpicking, 2) good beans after handpicking, 3) bad beans after handpicking. All the samples were tested for both fungi and contaminations of ochratoxin-A (OCT-A). OCT-A was detected in 11 out of 22 bad samples (50%, x=6.14 ppb, range 0.08-72.7 ppb), in 7 out of 22 good samples (32%, x=0.49 ppb, range 0.08-7.67 ppb), and in 9 out of 22 samples before handpicking (41%, . x=0.79 ppb, range 0.16-7.20 ppb), respectively. Levels of OCT-A and numbers of fungi in green coffee beans were decreased by the handpicking method.
著者
山本 啓三 宮島 佐介
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.133-138, 2001
被引用文献数
2

経済現象の一例として、毎年5月に発表される前年分の高額納税者リストを取り上げ、その納税額と順位の関係を考えた。これは複雑な入れ子構造的経済活動の結果の一側面であり、フラクタル的な規則性があると考ている。全国、都道府県別の高額納税額順位リストより、次の特徴を得ている。高額納税額はその順位に対してベキ乗則となり、その全国のベキ乗則の指数は米国のCEOの給与と賞与のみから得られる指数と一致している。又、各都道府県のベキ乗則の指数はその地域の経済活動の指標となり得ることも示唆している。
著者
山本 道也
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.15-30, 1994-01

1985年に行われた1旬につき2回,計49回の2.5Km-帯状センサスにより,茨城県竜ヶ崎市近郊(竜ヶ岡)では,7科41種2,329個体のチョウが目撃され,群集構造,種数,個体数,多様性,優占種の季節変化について解析が行われた。以下はその結果である。1.総目撃個体数5以上のチョウ29種の25の調査季節への個体数分布マトリックスに,群分析と主成分分析を併用して,四つの活動季節と,五つの群集を分類した。2.8〜11月中旬には,ヤマトシジミ>キチョウ>キタテハが優占する全13種からなる秋群集が成立していた。3.9月は,オオチャバネセセリ>イチモンジセセリが優占する全5種からなる初秋群集が成立していた。4.6,7月と9月は,モンシロチョウが優占する全6種からなる夏秋群集によって特徴づけられた。5.5〜7月はヒメウラナミジャノメが優占する全14種からなる初夏群集が成立していた。6.3月下旬〜4月はルリシジミが優占する全3種からなる春群集が成立していた。7.目撃総数が大幅に減少し,特に,初夏群集の後退が顕著であった。
著者
勝見 英正 草森 浩輔 坂根 稔康 山本 昌
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.9, pp.1129-1133, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
7 6

Bisphosphonates are carbon-substituted pyrophosphate (PCP) analogues that exhibit high affinity to hydroxylapatite and inhibit bone resorption after their administration. They are widely used as the first-choice drug for the treatment and prevention of bone diseases, including Paget's disease, hypercalcemia of malignancy, and osteoporosis. However, the oral bioavailability of bisphosphonates is quite low (1-2%). In addition, the oral administration of bisphosphonates has been associated with mucosal damage, including gastritis, gastric ulcer, and erosive esophagitis. Therefore, it is highly desirable to develop new delivery systems that improve their bioavailability and safety. In this review, recent challenges in the developments of novel delivery system of bisphosphonates are summarized. Then, future developments of delivery system of bisphosphonates are also discussed in order to improve their therapeutic efficacy and safety in the treatment of bone diseases.

1 0 0 0 OA 古今類句

著者
山本, 春正
出版者
巻号頁・発行日
vol.[6], 1666