著者
田中 秀一 川西 昌浩 加茂 正嗣 西原 賢太郎 山田 誠 横山 邦夫 伊藤 裕
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.200-206, 2011-03-20

骨粗鬆症性椎体圧迫骨折では,圧潰椎体の後壁が脊柱管内に突出して脊柱管狭窄をきたし,腰痛に加えて神経症状を呈すことがある.今回,本病態の7症例(平均74歳)に対し低侵襲治療を目的に,一期的に椎体形成術と後方除圧術を施行し短期治療成績を検討した.術後,腰痛は全例で軽快し,JOA scoreは術前10.6から術後20.3,椎体高は前方と中央で有意に改善した.歩行不能であった3例とも歩行可能となり,跛行は4例中3例で消失した.こく短期間の検討では,同法は低侵襲に骨折椎体の前方支持性と神経症状,腰痛を改善できた.同法の有効性を論じるには症例の蓄積と長期経過観察が必要だが,特に固定術が躊躇される症例で治療オプションとなる可能性がある.
著者
森 幹彦 山田 誠二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.487-494, 2000-05-25
被引用文献数
21

ブックマークエージェントは, ユーザが興味をもったURLを登録してあるブックマークファイルを参照し, ユーザ間で情報の共有を行うシステムである.このエージェントは, 既存の検索エンジンよりも効果的に情報の検索を行うことができる.ユーザがあるWebページをブラウジングによって探そうとしているとき, このエージェントはユーザの要求していると思われるWebページをブックマークの中から検索して, ユーザのブラウザにハイパリンクとしてのリストを提示することができる.更に, エージェントは他のユーザのエージェントと交信することにより, 他のユーザのブックマークの検索も行うことができる.小規模で興味の似たユーザからなるグループにおいてこのエージェントを用いることで, ブックマークというユーザによってあらかじめフィルタリングされている情報を利用できるため, ブックマークエージェントは既存の検索エンジンよりも適合率の高いWebページの提示が可能である.このことは, ブックマークエージェントの性能評価のため6人のユーザを使った実験により確認された.
著者
岡部 正幸 山田 誠二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究では,ファイアウォールログ分析タスクにおいて人とコンピュータが協調して問題解決を行うために役立つ相互フィードバック設計について検討する. 分析手法として用いるk-近傍法に基づく外れ値検出において,外れ値スコアを計算するための部分特徴空間の探索を対話的に効率よく行うための提案を行う.
著者
野間 晴雄 森 隆男 高橋 誠一 木庭 元晴 伊東 理 荒武 賢一朗 岡 絵理子 永瀬 克己 朴 賛弼 中俣 均 平井 松午 山田 誠 山元 貴継 西岡 尚也 矢嶋 巌 松井 幸一 于 亜 チャン アイン トゥアン グエン ティ ハータイン チャン ティ マイ・ホア 水田 憲志 吉田 雄介 水谷 彰伸 元田 茂光 安原 美帆 堀内 千加 斎藤 鮎子 舟越 寿尚 茶谷 まりえ 林 泰寛 後藤 さとみ 海老原 翔太
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

東アジア世界に位置する歴史的地域としての東シナ海,日本海,黄海・渤海・中国東北地方,広義の琉球・ベトナム,朝鮮半島の5つの部分地域として,環東シナ海,環日本海沿岸域の相互の交流,衝突,融合,分立などを広義の文化交渉の実体としてとらえる。それが表象された「かたち」である建築,集落,土地システム,技術体系,信仰や儀礼,食文化等を,地理学,民俗建築学,歴史学・民俗学の学際的研究組織で,総合的かつ複眼的に研究することをめざす。いずれも,双方向の交流の実体と,その立地や分布を規定する環境的な側面が歴史生態として明らかになった。今後はこの視点を適用した論集や地域誌の刊行をめざしたい。
著者
寺田 和憲 川合 直裕 山田 誠二 伊藤 昭
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

縁起担ぎとは,真の因果が存在しないにもかかわらず,特定の行為を行うことで良い結果を期待することである.本研究では,縁起担ぎを探索と搾取のトレードオフの観点からモデル化し,心理実験によって,以前に行われたタスクの成功率が高い場合には,たとえ明らかにタスクの成否に関係なくても無意識に同一の行動を選択し,成功率が低い場合には,異なる行動を選択する傾向があることを検証した.
著者
山田 誠二 馬場 快彦
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.77-82, 1990-03-01
被引用文献数
7

日常の身体活動による消費エネルギー量の容易な測定・推定法の確立を目的として, 加速度計を内蔵したカロリーカウンター(Kenz Calorie Counter)を用いて, 男女20名の大学生をトレッドミルにて運動負荷した際の消費エネルギー量測定を行い, 呼気ガス分析法と比較検討した. カロリーカウンターに内蔵されている加速度計は, トレ・ンドミルの速度変化に伴い加速度指示強度が変化するが, 8km/h以上では指示強度が飽和する傾向が認められた. 4-5km/hのトレッドミル速度における運動の消費エネルギー量はカロリーカウンター法ではガス分析法に比べて, 有意に高い値となった. 安静時から9km/hまでのトレッドミル速度の運動では, 呼気ガス分析法とカロリーカウンター法による消費エネルギー量の両者にはよい相関がみられた. 以上より, カロリーカウンターによって歩行・走行を中心とした日常身体活動の消費エネルギー量の推定力可能であることが示唆された.(1989年11月15日 受付, 1989年12月28日 受理)
著者
山田 誠二 山口 智浩
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.289-297, 2005
参考文献数
16
被引用文献数
4 1

擬人化エージェントと人間との間に効果的なコミュニケーションを実現するためには, 双方が相手の表情から相手の感情, 負荷状態などの内部状態(マインド)を同定し, 相手のマインドに沿った行動をとることが重要である.しかし, 人間と擬人化エージェントが互いに相手の表情からマインドを同定することは, 一般に困難である.なぜならユーザはエージェントの表情の解釈において, 個人差, 文化的差異などをもつため, すべてのユーザにとってマインドを容易に推定できる表情をもったエージェントを設計することは難しいからである.本論文では, 人間と擬人化エージェントがマインドマッピングをお互いに学習して相互適応を実現する枠組みを提案する.マインドマッピングとは, 人間や擬人化エージェントの表情からマインドへの写像である.人間とエージェントは, 相互読心ゲームと呼ばれるゲームを行うことにより, 相手のマインドマッピングを学習していき, 相互適応が実現される.この相互適応において, エージェントは, 観測された人間の顔画像を事例とした事例に基づく学習により, マインドマッピングを学習し人間に適応する.一方, 人間側は自由に学習をしてエージェントに適応する.PCとCCDカメラを用いてこの枠組みを実装し, 我々の枠組みで実際にマインドマッピングの相互適応が実現されることを実験的に示す.また, マインドマッピングの相互適応を高速化するヒューリスティックスを提案する.
著者
山田 誠二 村瀬 文彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.46-54, 2001 (Released:2002-02-28)
参考文献数
12

In this paper, we develop an organization method of page information agents for adaptive interface between a user and a Web search engine. Though a Web search engine indicates a hit list of Web pages to user’s query using a large database, they includes many useless ones. Thus a user has to select useful Web pages from them with page information indicated on the hit list, and actually fetch the Web page for investigating the relevance. Unfortunately, since the page information on a hit list is neither sufficient nor necessary for a user, the adequate information is necessary for valid selection. However which information is adequate depends on a user and a task. Hence we propose adaptive interface AOAI in which different page information agents are organized through man-machine interaction. In AOAI, the page information agents indicating different page information on a hit list like the file-size, network traffic and a page title are prepared at first. A user evaluates them through searching with a search engine, and the agents are organized based on the evaluation. As results, different organizations are achieved depending on a user and a task. Finally we make experiments with subjects and find out AOAI is promising for adaptive interface between a user and a search engine.
著者
山田 誠二 小松 孝徳
出版者
国立情報学研究所
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

主に家庭内での利用を想定して設計されたロボットエージェントは,人間との協調作業において,自分の状態を人間に簡潔かつ明確に伝える必要がある.そのようなロボットの態度表出において,ロボットの「外見」と表出される「表現」の関係を実験的に解明することが,本研究の目的であった.この関係に対する我々の仮説は,最も有益で基本的な態度のプリミティブである,正・負・中立のような基本的な態度の表出では,動物や人間に類似した外見と行動による表出は不要で,動物や人間の外見とはかけはなれたエージェントによる,単純かつ直観的でささいな表出(subtleexpressions)の方が効果的であるというものである.この仮説が成り立てば,ある種の態度表出においては,エージェントの外見を動物や人間に近づけるために無駄に多大なコストをかけることなく態度をユーザに理解させることが可能となり,エージェントと人間との自然なインタラクションを効率的かつ容易に実現できる.この仮説を広く一般的に成り立つことを理論的,あるいは実験的に示すのは現実には難しいが,我々は,ロロボットらしい外見のMindStromsが単純なビープ音を表出した場合とより複雑な犬に近い外見のAIBOが体の動きやLEDの点滅を組み合わせた複雑な表出をした場合について,どちらが基本的態度を人間により正確に伝えるかを比較する実験を計画,実行し,その結果その仮説が成り立つことを示した.
著者
足利 健亮 金田 章裕 応地 利明 成田 孝三 山田 誠 青木 伸好
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

都市の立地決定は、計画都市の場合、大別して二つのタイプに分かれる。一つは近代以前に多いタイプで、立地決定が1人の権力者によって為されるものである。もう一つは近現代に多いタイプで、権力者というよりは為政者の合議によって決定が下される。後者のタイプは、特に時代が新しいものは、立地決定に至る経過が記録に残されていると考えてよいから、それを把握することは容易である。しかし、北海道の諸都市や新大陸の諸都市でも、19世紀以前の計画都市では、立地決定に至る経過の完全な復原は、史料の散逸ではやくも困難になっていることが多い。一方、近代以前の計画都市の選地にあたっては、多くの場合選地主体者たる権力者の意図が記録されることはない(戦略機密なので)から、文献史料による方法で「意図」と「経過」を解くことは不可能と言ってよい。ところが、都市が作られたという事実は地表に、従って地図上に記録されて残り続けてきているから、これを資料として上記設問の解答を引き出すことが可能となる。徳川家康や織田信長の城と城下町の経営の意図、つまり安土や江戸をどうして選んだかという問題は、上記の歴史地理学的手法による研究で解答を得ることができた。例えば、江戸を徳川家康が選んで自らの権力の基盤都市として作ったのは、不確かな通説とは異なり、富士が見えるという意外な側面の事実を「不死身」と読みかえて、自身の納得できる理由[選地理由]としたと説明する方が明快であることを、研究代表者は明らかにした。その他、各研究分担者によって日本古代地方官衙、同近代の計画都市、前近代アジア都市、アメリカ・ワシントン、カナダ諸都市など具体的に取り上げて選地理由と経過を明快に説明する結果を得た。詳細は、報告書(冊子)に論述された通りである。
著者
山田 誠二 小野田 崇 高間 康史 岡部 正幸
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人間と知的システムが協調しながら問題解決を行う知的インタラクティブシステムの実現のために,ユーザからのフィードバックを最小限に抑えてパフォーマンスを向上させる最少ユーザフィードバックの枠組みの提案し,その様々な要素技術を開発した.最小ユーザフィードバック実現のためには,少ないユーザフィードバックを最大限に利用する技術が必要であるが,より効率的な制約クラスタリングアルゴリズム,類似度判定に適したGUI(Graphical User Interface)の基礎調査研究,人間の能動学習を促進するGUI,独立成分分析による非階層的クラスタリングの初期値決定法などを開発し,その有効性を実験的に検証した.
著者
松川 節 三宅 伸一郎 小長谷 有紀 二木 博史 井上 治 二神 葉子 中村 和之 白石 典之 白石 典之 村岡 倫 小野田 俊蔵 バイ カル 山田 誠
出版者
大谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

モンゴル国に現存する世界文化遺産エルデニゾー僧院の保存・保護に向けて,基礎研究と現地における本調査を行った結果, (1)エルデニゾー僧院およびモンゴル帝国の首都カラコルムの歴史を解明する新たな文字資料2点を発見, (2)エルデニゾー立地点における8世紀~20世紀までの考古学的文化層について基礎データを収集, (3)モンゴル国政府に向けて,エルデニゾー寺院の研究と保存保護に関する6項目からなる「提言書」を提出などの成果を得た。
著者
窪田 充見 手嶋 豊 大塚 直 山田 誠一 水野 謙
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

無形の利益が侵害された場合の損害賠償における損害の把握と賠償額の決定に関して、(1)損害論のあり方(水野)、(2)延命利益の賠償(大塚)、(3)自己決定権侵害における損害賠償(手嶋)、(4)純粋財産損害の賠償(山田)、(5)慰藉料請求権の内容と機能(窪田)の各テーマについて、各担当者が、我が国の判例と学説ならびに比較法的な状況を分析し、研究会においてその分析と解釈論的な提案を検討するという形で共同研究を進めた。その結果、(1)損害論のあり方においては、担当者より、従来の裁判例の分析を踏まえたうえで、口頭弁論終結時までの「プロセスにおける不利益状態」を類型ごとに規範的・金銭的に評価したものを損害と捉えるという従来の損害=事実説対差額説という図式に入らない損害概念の把握が提案された。(2)延命利益の賠償については、近時の最高裁判決を、延命利益論、割合的因果関係論、確率的心証論、機会の喪失論、救命率に応じた救命可能性の侵害論などの最近の理論的枠組の中で、どのように位置づけるのかを検討した。(3)自己決定権侵害における損害賠償においては、医療における自己決定権侵害を理由とする損害賠償額の決定について、従来の裁判例のマクロ的ならびにミクロ的な分析がなされ、具体的にどのような衡量要素によって賠償額が決まっているのかが析出された。(4)純粋財産損害の賠償については、この問題が、権利構成の法秩序に組み込まれてこなかった問題であるとして、裁判例の検討を手がかりとして、一般財産の状態自体が被侵害法益となるのではないかとの解釈論的提案がなされた。(5)慰藉料請求権については、ドイツ法の判例の展開を分析し、慰藉料の機能の拡張に関する問題が精神的損害固有のものではなく、損害賠償法一般の役割の問題として位置づけられるべきものに変遷してきたことを分析した。
著者
金坂 清則 山田 誠 新谷 英治 勝田 茂 坂本 勉 天野 太郎 小方 登 秋山 元秀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、19世紀の世界をリードした西欧の中でもとりわけ重要だった大英帝国の人々が行った旅や探険とその記録としての旅行記について、アジアに関するものに絞り、歴史地理学的観点を主軸に据えつつ、歴史学者や言語学者の参画も得て多面的に研究し、そのことを通して、未開拓のこの分野の研究の新たな地平を切り開く一歩にした。また、その成果を地理学のみならず歴史学や文学の世界にも提示して学問分野の枠組みを越えることの有効性を具体的に提示し、かつそれを一般社会にも還元することを試みた。このため、I英国人旅行家の旅と旅行記に関する研究、II英国人の旅と旅行記に関するフィールドワーク的研究、III旅のルートの地図・衛星画像上での復原、IV19世紀のアジアを描く英国人の旅行記文献目録編纂という枠組みで研究を進めた。Iでは、このような研究の出発点となるテキストの翻訳に力点を置く研究と、それ以外の理論的研究に分け、前者については最も重要かつ代表的な作品と目されるJourneys in Persia and Kurdistanについてそれを行い、後者については、最重要人物であるイザベラ・バードやその他の人々の日本・ペルシャ・チベット・シベリアへの旅と旅行記を対象に研究した。IIについては、イザベラ・バードの第IV期の作品であるJourneys in Persia and Kurdistanと、第V期の作品であるKorea & Her NeighboursおよびThe Yangtze Valley and Beyondを対象とし、このような研究が不可欠であり、旅行記の新しい読み方になることを明示した。またツイン・タイム・トラベル(Twin Time Travel)という新しい旅の形の重要性を提示し、社会的関心を惹起した。IIIでは縮尺10万分の1という従来例のない精度でバードの揚子江流域の旅のルートを復原すると共に、この種の研究に衛星画像の分析を生かすことができる可能性を西アジアについて示した。また今後の研究に必須の財産となる目録を編纂した(IV)。
著者
村田 博士 小野田 崇 山田 誠二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

我々は,対話的情報検索である適合フィードバックを分類学習として捉え,性能の高い分類学習アルゴリズムであるサポートベクターマシン(SVM)を適用する手法を提案している.本論文では,この対話的文書検索手法について,SVMに基づく手法に適したカーネルを提案し,本手法の有効性を検証するために検証実験を行った.その結果,特にTFベクトル表現において,性能が大きく向上することがわかった.
著者
山田誠一
雑誌
日医新報
巻号頁・発行日
vol.3639, pp.48-51, 1994
被引用文献数
1