著者
山田 美香
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.83-95, 2008-06

本論文は、植民地時期台湾における少年刑務所行刑をふまえ、看守、教誨師について論じるものである。とくに刑務所内で教育に従事した教誨師や看守がどのような経歴を持っていたのか、また警察官及司獄官練習所について論じる。それによって彼らが行刑教育に如何に関わったのかを明らかにする。台湾では、看守となる者の経歴は多様であったが、基本的に刑務所看守という職業の性質上、軍隊経験者、台湾に通じた者が採用された。他の職業から中途採用されるルート、本願寺から派遣された者が本願寺ルートを通して登用試験を受けることなく、総督府の看守となるというルートもあった。また、少数の看守を選抜した監獄官練習所・刑務官練習所では、看守にできる限り法治主義に基づく法律の講義、現地に融合するための台湾語の習得に時間を割いた。教誨師は、本願寺派が多数を派遣した。
著者
山田 明日香 谷川 孝弘 巣山 拓郎 松野 孝敏 國武 利浩
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.296-303, 2008
被引用文献数
5

トルコギキョウの初秋出し栽培における切り花品質の向上を目的として,4 種類の赤色光(R; 660 ± 30 nm):遠赤色光(FR; 730 ± 30 nm)比の高い光源を用いた長日処理について検討した.赤色蛍光灯,カラー蛍光灯(R-type),電球型赤色蛍光灯および電球型昼光色蛍光灯の R:FR 比はそれぞれ 62.0,100.0,8.8 および 8.5 であった.'ダブルピンク'の苗を 7 月 11 日に定植し,定植直後から発蕾まで上記の光源を用いて暗期中断を行った.その結果,平均発蕾日は無処理の 8 月 11 日と比較して光源の種類により 2~5 日間遅れた.いずれの光源を用いた暗期中断も,無処理と比較して開花時の主茎の節数,側枝数および花蕾数が増加し,切り花長が長くなった.カラー蛍光灯(R-type)および電球型赤色蛍光灯を用い,トルコギキョウの 3 品種に対して暗期中断を行った.'キングオブスノー'の暗期中断区での平均開花日は無処理と同じであったが,'ダブルピンク'および'ピッコローサスノー'の平均開花日は,カラー蛍光灯(R-type)または電球型赤色蛍光灯で無処理よりも 3~6 日間遅れた.さらに,これらの光源により 3 品種とも無処理と比較して主茎の節数が増加し,茎長および切り花長が長くなった.'ダブルピンク'を供試し,実用上最も使用しやすい電球型赤色蛍光灯を用いた長日処理を日の出前 6 時間,日没後 6 時間,暗期中断 6 時間および終夜電照で行い,併せて無処理区を設けた.平均発蕾日と平均開花日は,すべての処理の中で終夜電照により最も遅れた.しかし切り花長は,日の出前電照により他の処理よりも長くなった.以上の結果から,定植直後から主茎の発蕾まで,電球型赤色蛍光灯を用いた午前 0:00 から明け方 6:00 までの長日処理により,初秋期出し栽培での切り花品質を向上させることができる.<br>
著者
寺田 和憲 山田 誠二 伊藤 昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.73-81, 2012

We conducted an experimental investigation on human adaptation to change in an agent's strategy through a competitive two-player game. Modeling the process of human adaptation to agents is important for designing intelligent interface agents and adaptive user interfaces that learn a user's preferences and behavior strategy. However, few studies on human adaptation to such an agent have been done. We propose a human adaptation model for a two-player game. We prepared an on-line experimental system in which a participant and an agent play a repeated penny-matching game with a bonus round. We then conducted experiments in which different opponent agents (human or robot) change their strategy during the game. The experimental results indicated that, as expected, there is an adaptation phase when a human is confronted with a change in the opponent agent's strategy, and adaptation is faster when a human is competing with robot than with another human.

1 0 0 0 OA 箏曲大意抄

著者
山田松黒 著
出版者
林芳兵衛[ほか]
巻号頁・発行日
vol.首巻, 1903
著者
山田 哲夫 村山 鉄郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-114, 2003-02

症例1は55歳女で,充満時膀胱部痛,頻尿を主訴とし,抗生剤を内服したが軽快しないため受診した.膀胱組織に著しい浮腫と充血,軽度なリンパ球と好酸球浸潤が見られた.硬膜外麻酔と水圧療法,Serotonin selective reuptake inhibitor(SSRI)の投与を行った.治療後,膀胱症状や腰痛,頸部痛を主とした全身の筋肉痛が軽快した.症例2は63歳女で,充満時膀胱部痛を主訴とし,膀胱組織にかなり強い浮腫や充血,軽度な炎症細胞浸潤が認められた.硬膜外麻酔と水圧療法,SSRIの投与を行い,疲労時稀に排尿痛,膀胱痛を軽度に感じるのみとなった.筋線維症候群の症状と膀胱症状はほぼ平行した
著者
鈴木 惇 安部 恵 板垣 千尋 山田 正子 中澤 勇二 伊藤 晋治
出版者
修紅短期大学
雑誌
修紅短期大学紀要 (ISSN:13498002)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.57-65, 2007

ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ、ブルー・デ・コース、ロックフォールおよびスティルトン)における脂肪酸の分布状態を組織化学的方法により調べた。ブルーチーズにおける結晶性の構造物、脂肪およびタンパク質の基質は、脂肪酸の染色により染また。この知見は、遊離脂肪酸が結晶性の構造物、脂肪およびタンパク質の基質に分布したことを示す。カビが増殖した部位およびその周囲のタンパク質の基質は濃く染まった。カビが増殖した部位から離れるにつれて基質は薄くなり、染色されなくなった。結晶は濃く全体に染まった。表層が染まり内部が染まらない結晶が僅かにあった。全体が染まる脂肪球、表面の一部が染まる脂肪球および染まらない脂肪球が存在した。表面の一部しか染まらない脂肪球および全体が染まらない脂肪球の内部には、偏光装置による複屈折性が観察された。スティルトンは、カビが増殖した部位から広い範囲が染色された。ロックフォールとブルー・デ・コースでは、カビが増殖した部位およびその周囲が染まった。ゴルゴンゾーラでは、カビが増殖した部位が染まったが、染色される範囲は小さかった。スティルトンは、ほかのブルーチーズよりも脂肪酸が広く分布し、ゴルゴンゾーラは、ロックフォールとブルー・デ・コースよりも脂肪酸の分布は少なかった。ロックフォールとブルー・デ・コースの脂肪酸の分布は、同じ程度であった。
著者
山根 優一 吉田 英樹 森 聡 山田 将弘
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.248, 2016

<p>【目的】</p><p>近年,脳卒中患者に対する上肢への電気刺激療法として,末梢神経電気刺激療法(Peripheral nerve stimulation:以下,PNS)の効果が注目されている.下肢に対するPNSの報告は散見する程度で,感覚障害に対する報告も,我々が調査した限りではほとんどない.また,40分間以上の報告が多く,患者の体力面や集中力を考慮すると,臨床での適応は困難であることが多い.今回,重度感覚障害を呈した回復期脳卒中患者に対する短時間の下肢PNSと課題指向型練習の併用が,下肢の感覚障害と歩行能力に及ぼす影響をABデザインで検討したので報告する.</p><p>【方法】</p><p>症例は右視床梗塞で左片麻痺を呈した50代の男性であった.発症前より,糖尿病で両下肢に感覚鈍麻があったが,脳梗塞発症後,感覚障害の程度と範囲に増悪を認め,表在感覚は脱失していた.本研究開始時,発症後36病日経過しており,Brunnstrom stage 上肢Ⅴ,手指Ⅵ,下肢Ⅵで著明な麻痺は認められず,歩行は4点杖で自立していた.主訴は両下肢末梢の感覚脱失,立位・歩行時の膝折れ感であった.電気刺激装置は低周波治療機器(イトーESPURGE, 伊藤超短波社製)を使用した.電気刺激条件は対称性二相性パルス波,周波数100Hz,パルス幅250μsec,刺激強度は筋収縮が視覚的に確認できない感覚閾値とした.刺激部位は麻痺側脛骨神経とし,電極間距離5cmで電極を貼り付けた.治療時間は20分間とし,課題指向型練習を併用して行った.課題指向型練習は椅座位で,両足関節の底背屈運動を行った.評価項目は,足部触覚,振動覚,Functional assessment for Hemiplegic Gait(以下,FAHG),10m歩行の所要時間とした.足部触覚は非麻痺側大腿部を10とし,麻痺側の足背部,踵部,母趾球,小趾球の触覚をNumerical Rating Scale(以下,NRS)で測定した.振動覚検査は音叉(C-128Hzアルミ音叉,ニチオン製)を用いて,麻痺側大腿骨外側上顆を10とし,麻痺側内果をNRSで測定した.10m歩行の測定は,助走路と減速路をそれぞれ除いた10mの所要時間をストップウォッチで2回測定し,速かった方を代表値とした.研究デザインはABデザインを採用し,基礎水準期(以下,A期)を課題指向型練習のみとし,操作導入期(以下,B期)をPNS併用で課題指向型練習を行った.A期とB期の期間はそれぞれ1週間であり,計2週間の実施期間とした.治療介入は1日1回とし,週7日の介入とした.評価は介入前,A期終了後,B期終了後に行った.</p><p>【結果】</p><p>足部触覚は,介入前では足背部0,踵部3,母子球0,小趾球1,A期終了後では足背部0,踵部0,母子球0,小趾球0,B期終了後では足背部0,踵部2,母子球1,小趾球0であり,著明な変化は認められなかったが,足底の知覚領域が拡大したという内省報告が得られた.振動覚は介入前2,A期終了後3,B期終了後5であった. FAHGは介入前6点,A期終了後8点,B期終了後12点であった.10m歩行の所要時間は介入前23.88秒,A期終了後23.75秒,B期終了後20.75秒であった.</p><p>【考察】</p><p>結果より,PNSと課題指向型練習の併用は,表在感覚よりも深部感覚を優位に改善する可能性が考えられた.下肢PNSと課題指向型練習を併用したことで,20分間という短時間でも感覚野の興奮性が増大した可能性が考えられた. FAHGが改善した理由としては,下肢PNSに伴う麻痺側下肢の感覚障害の改善が考えられる.また,PNSでは運動野の興奮性が増大することも報告されている.下肢PNSにより麻痺側下腿三頭筋の筋出力が向上し,麻痺側下肢の荷重応答期から立脚中期にかけての下腿の前傾が可能となり,10m歩行の所要時間や歩行速度に変化を認め、歩行能力を改善したと考えられた.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は飯塚市立病院倫理審査会に承認を得て行った.症例には治療主旨,安全性と個人情報の取り扱いについて口頭と書面で説明し,署名にて同意を得た.</p>
著者
溜井 美帆 山田 雅宏 渡辺 義浩 石川 正俊
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.712-719, 2013 (Released:2013-10-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3 1

In recent years, there has been an increasing demand to digitize a huge number of books. A promising new approach for meeting this demand, called Book Flipping Scanning, has been proposed. This is a new style of scanning in which all pages of a book are captured while a user continuously flips through the pages without stopping at each page. Although this new technology has had a tremendous impact in the field of book digitization, page turning is still done manually, which acts as a bottleneck in the development of high-speed book digitization. Against this background, this paper proposes a newly designed high-speed, high-precision book page turner machine. Our machine turns the pages in a contactless manner by utilizing the elastic force of the paper and an air blast. This design enables high-speed performance that is ten times faster than conventional approaches and, in addition, causes no obstruction in the digitization process. This paper reports the evaluation of the proposed machine using various types of paper with different qualities. Our machine achieved high success rate when turning pages at around 300 pages/min, showing that it is a promising technology for turning pages at high-speed and with high precision.
著者
田中 創 白坂 祐仁 矢野 雅直 小牟禮 幸大 森澤 佳三 西川 英夫 副島 義久 山田 実
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第31回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.144, 2009 (Released:2009-12-01)

【はじめに】 臨床において立位の回旋動作に左右差を来している症例をよく経験する.しかし,その回旋動作の左右差がどのような因子によって成されているかを明確にした文献はない.よって,今回は立位の回旋動作に関与する因子として体幹と股関節の回旋量に着目して検討したので報告する. 【対象】 身体に重篤な既往のない健常成人20名(男性18名,女性2名) 平均年齢24.7±8歳. 【方法】 左右の踵をラインに合わせ,歩幅は任意の状態での立位とした.この肢位をスタートポジションとし左右への回旋を行い,これを1)立位回旋量として測定した.また,検者による骨盤固定での回旋を2)体幹回旋量として測定した(骨盤より上位の体節による回旋).3)股関節の回旋は立位の状態を再現するために腹臥位,股関節屈伸中間位での外旋と内旋の角度を計測した.計測は日本整形外科学会による評価法に従い,ゴニオメーターを使用して測定した.計測から得られた立位回旋量(左右),体幹回旋量(左右),股関節内外旋量(左右)の値に加え,それぞれの回旋量の関係を調べるためにSpearmanの相関分析を用いた. 【結果】 立位右回旋と体幹右回旋(r=.451,p=.046),立位左回旋と体幹左回旋(r=.450,p=.046),股関節外旋(右-左)と股関節内旋(右-左)(r=-.475,p=.034)に有意な相関関係が認められた. 【考察】 立位の回旋運動では,右回旋において骨盤帯の右回旋が生じることから,右股関節では寛骨に対する大腿骨の相対的な内旋運動,左股関節では寛骨に対する大腿骨の相対的な外旋運動が生じると考えられている.立位の左回旋でも同様に逆の作用が生じるとされている.そのため,仮に立位の回旋運動に左右差が生じていれば,それが股関節の可動性にも影響を及ぼしているのではないかということが推察された.本研究では立位の回旋運動においてはほぼ全ての被験者に左右差を認めたものの,それと股関節の可動域の関係性は認められなかった.その要因として,股関節の回旋可動域の計測を他動運動で行ったことが挙げられる.通常,立位の回旋運動は荷重下での運動となるため,股関節には自動運動での作用が強いられる.そのため,他動的に計測した今回の値とは関連性が認められなかったものと考えられる.これは日常の臨床においても,立位の回旋運動に変化を与えたい場合には他動運動が変化するだけでは十分な効果は得られないということを示唆する結果となった.今後は可動性という量的側面に加え,筋・筋膜系,神経制御等といった質的側面にも着目して検討していきたい.
著者
山田 雅子 勝山 奈々美 中川 映里 花村 真梨子 諸星 浩美 玉内 登志雄
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.448, 2011

(緒言)近年、身体拘束を廃止しようと医療機関では拘束廃止の取り組みが増加してきている。抑制には紐で縛る抑制「フィジカルロック」、薬物による抑制「ドラッグロック」、言葉による抑制「スピーチロック」があることを知った。私たちは「動かないで!」等の言葉を、言葉による抑制であるという意識なく患者に使用していることに気付いた。そこで、医療現場で勤務する看護師を対象に言葉による抑制「スピーチロック」について意識調査を行った。(方法)看護師174名に独自で作成したアンケート用紙を用いて実施した。1)看護師の背景、2)スピーチロックの認知度、3)例題の言葉に対する認識の程度、等5項目に対し記入を求めた。(結果) スピーチロックを「知っている」と回答した者は26.6%であった。言い方の変化としてスピーチロックと認識されるのは「ちょっと待って!!」が43.2%であることに対し、「ちょっとお待ちください」が1.9%と、差がみられた。スピーチロックと捉える言葉を「毎日聞く」と回答した者は50%を占めた。(考察)言葉は目に見えないもので、抑制であるという定義づけが難しく、他の身体抑制よりも看護師の認識が薄い。そのため不必要な抑制は行わないように心がけていても、言葉で相手を抑制している現状があることを知った。同じ意味でも言葉を変えるだけで抑制に対しての感じ方も変わってくることがわかり、接遇とスピーチロックは関係が深く、接遇の改善でスピーチロックを減らすことができると考える。看護は人と人とのつながりであり、良い接遇は不必要な抑制を減らし、良い看護につながると、多くの看護師が感じていた。看護の現場ではスピーチロックという言葉に対する認識は薄いが、スピーチロックにならないための対策を考えていく必要がある。
著者
山田 高誌 ヤマダ タカシ Yamada Takashi
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, 2018-03-31

本論文は, 18世紀後半のナポリの諸劇場と関わりをもった作曲家, 台本作家, 演奏家, それぞれの待遇の経年変化, キャリアの変化について, ナポリ銀行歴史文書館所蔵, 興行師による支払い文書史料113点の支払い文書全訳とともに, その労働条件, 職務を解明するものである.
著者
奥村明徳 中村剛士 加納政芳 山田晃嗣 村川賀彦
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.117-118, 2013-03-06

HRIでは,人とロボット間のインタラクションで得られる情報を元に,ロボットの疑似感情を生成・振舞として表出することがよく行われる.本研究では,RSNPを利用し,外部環境から情報をクラウド経由で獲得し,ロボットのマインドの生成・振舞表現に活用することを提案・実装する.これにより,より人と人の間のインタラクションに近い自然なコミュニケーションの実現を目指す.先行研究では,特定の環境下で生成したロボットマインドに基づくロボットの振舞にたいし,人がその振舞に同調する可能性について調査を行い,ある程度可能であるとの見込みを得た.そこで,本稿では多様な気候の外部環境下において,ロボットが人に同調できるか確認を行い,提案手法の有用性を確認する.
著者
白浜 龍興 大庭 健一 岸本 幸次 山田 省一 佐藤 亮五 中野 真 加藤 雅士 古川 一雄 長谷川 和子 村越 明子 箱崎 幸也 真方 良彦 中川 克也
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.881-890_1, 1988

著者らは昭和53年より厳しい環境の下で行われる,いわゆるレンジャー訓練の前後に上部消化管内視鏡検査を施行し,上部消化管に急性病変が認められることを経験している.9年間のレンジャー訓練生421名中,胃潰瘍36例(8.5%),十二指腸潰瘍25例(5.9%),胃十二指腸潰瘍5例(1.2%)を認めた,これらのうち急性胃潰瘍41例(5例は十二指腸潰瘍と併存)について検討した.単発30例(73.2%),多発11例(26.8%)で62病変であった.62病変のうち胃角小彎に29病変(46.8%)が認められた.内視鏡的経過観察をみると治癒に8週以上を要した治癒遷延例は6例(14.5%)で胃角小彎の潰瘍が4例,胃角部と胃体部の多発性潰瘍1例,胃角部から胃体部の帯状潰瘍が1例であった.この6例中4例が再発(同部位再発,再発誘因は演習)し,うち2例が慢性潰瘍化したと考えられた.