著者
山田 哲治 塚本 浩史 白石 友紀 野村 哲也 奥 八郎
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.532-540, 1990-10-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
17 22

サクラてんぐ巣病菌(Taphrina wiesneri),モモ縮葉病菌(Taphrina deformans),スモモふくろみ病菌(Taphrina pruni)など,植物に増生病を引き起こすタフリナ属病原糸状菌はインドールピルビン酸(IPyA),インドールアセトアルデヒド(IAAld)を中間代謝物としてトリプトファン(Trp)からインドール酢酸(IAA)を合成する。これらの糸状菌はまた,インドールアセトニトリル(IAN)をIAAに転換する能力をもつ。IANをIAAに転換する酵素,IANニトリレースは基質誘導を受ける適応酵素であるが,TrpをIPyAに転換する酵素,Trpアミノトランスフェラーゼは基質によって誘導を受けない。
著者
伊藤 瑛里 西脇 眞二 泉井 一浩 山田 孝之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>This paper proposes a scheme for imposing geometrical constraints in topology optimization to obtain structures considering the visibility of the product user, based on a fictitious physical model. First, a level set-based topology optimization method is concisely introduced, and geometrical requirements for the visibility are clarifid. A fictitious physical model described by a steady-state advection-dffusion equation is then constructed based on the requirements. In this model, virtual heat sources correspond to material domains and the advection direction is aligned with a radial direction around a view point. The visibility is evaluated by the values of the fictitious physical model, and the regions to see, where the value of the fictitious physical field is high, represent blind area. Next, an optimal problem is introduced based on the fictitious physical model. Finally, in the numerical examples, the proposed method yields optimal structure considering the visibility, confirming the validity and the utility of the proposed method.</p>
著者
樋口 正樹 打越 学 島崎 哲弥 山路 修平 山田 智樹 岡崎 博樹 加納 春洋
出版者
富山救急医療学会
雑誌
富山救急医療学会 (ISSN:21854424)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.9, 2020-09-12 (Released:2021-02-06)

A病院は県庁所在地であるB市内にある2次救急病院であり感染症指定医療機関に指定されている。県内の感染者の発生は他県に比較し遅れていたが、最初の陽性確定者から接触者の感染、立ち寄り先での感染などで一気にクラスターが発生し多くの感染者が発生することとなった。それに伴いA病院での入院対応、B市保健所より接触者の受診、PCR検査の依頼が急増し担当者はその対応が困難な状況となった。A病院において事業管理者の命にてCOVID-19対策本部(以下対策本部とする)の立ち上げを行うこととなり対策本部事務局(以下事務局)の運営をA病院DMAT隊員にて行うこととなった。院内は通常医療、Covid-19 対応の2本柱での運営を方針として対応を行っていた。そのような対応を行う中で、A病院内X病棟においてスタッフの感染が確定、その後相次いでスタッフ、患者の感染が確認されクラスターが発生した。A病院の感染拡大の他にB市内では老人保健施設、デイサービス、障害者施設など数か所でクラスターが発生していた。 そのような中で院内対応に加えA病院ではDMAT隊員によって担った業務に患者搬送がある。今回、クラスターが発生したA病院において院内対応中で行った患者搬送を振り返り検証を行うことで今後の感染対策、患者、傷病者搬送の一助とするべく検証を行うこととした。
著者
山田 麻紗子 渡邊 忍 小平 英志 橋本 和明
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.133-151, 2017-09-30

筆者たちは児童虐待への効果的支援のあり方を探るため,2015 年の児童虐待対応の先進国であるアメリカ(ニューヨーク市,バージニア州)視察に続いて,2016 年に韓国(ソウル市)の関係機関10 ケ所を,次の2 つの知見を得るために視察した.それらは,①韓国の児童虐待に関わる各関係機関の役割・機能,②各関係機関の連携・協働の実際についてである.その結果,過去10 年間における韓国の児童虐待等に関する取り組みには格段の進歩があり,日本にとって学ぶ点が複数みられた.政府,司法,地方自治体,民間機関が縦横に連携・協働している点やひまわり児童センターの総合支援システムには,目を見張るものがある.本稿では,韓国ソウル市における児童虐待,児童福祉の現状と課題などを紹介したい.
著者
豊田 弘司 山田 陽平
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 = Bulletin of Nara University of Education. 奈良教育大学 編 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.51-55, 2019-11

偶発記憶に及ぼす欲求階層構造に基づく符号化の効果 【日本語要旨】本研究は, Maslow(1962)による欲求階層構造に対応して偶発記憶成績が規定されるか否かを検討した。30名の参加者は,小冊子によって記銘リストが提示され,各ページに印刷された語(漢字1字)が示す対象に対して,生存欲求処理条件では「生きるために必要ですか?」,親和欲求処理条件では「人と親しくなるために必要ですか?」,快-不快処理条件では「どんな印象ですか?」に対して6段階評定(生存及び親和条件では,とても必要~全く必要でない;快-不快条件では良い感じ~嫌な感じ)で該当する数字を選択していった。このような方向づけ課題を行った後,挿入課題を行い,その後に偶発自由再生テストを実施した。その結果,全体の再生率においては生存欲求処理条件と親和欲求処理条件が快-不快処理条件よりも再生率が高かったが,生存欲求処理と親和欲求処理条件間に差はなかった。また,評定値が5及び6であった語(有効な精緻化がなされた語)の再生率においては,生存欲求処理条件が親和欲求処理条件よりも再生率が高かったが,他の条件間に差はなかった。これらの結果は,Nairneら(2007)が提唱するサバイバル処理(本研究における生存欲求処理)による符号化の有効性を示唆するとともに,Maslow(1962)の欲求階層構造に対応して記憶成績が規定される可能性を示唆した。
著者
大島 寛斗 小松 孝徳 山田 誠二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3J5OS9b02, 2020 (Released:2020-06-19)

年々コンピュータの処理速度が向上しているものの、ユーザはコンピュータの処理を待つという状況からは逃れられない。そこで、待ち状態にあるユーザの負担を軽減する様々な方法が提案されているが、本研究では短い周期のアニメーションが繰り返し提示される「スロバー」に着目し、その構成要素とユーザの主観的待ち時間との関係を分析することを目的とした。具体的には、スロバーの「回転速度」「大きさ」という二つの要因が、ユーザの待ち時間に与える影響について調査を行った。その結果、スロバーの提示時間が5秒の場合,回転速度が遅く、表示サイズが大きいと、その待ち時間が有意に短く感じられることが明らかとなったが、提示時間が長くなるにつれてその効果が薄れることが明らかとなった。この結果より、スロバーの構成要素を微調整することで、ユーザの主観的待ち時間を暗黙的に操作できる可能性が示されたといえよう。
著者
伏信 進矢 山田 千早 荒川 孝俊 北岡 本光
出版者
一般社団法人 日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.103-108, 2020-05-20 (Released:2021-06-01)
参考文献数
30

レボグルコサン(LG)はグルカンの熱分解で生じるグルコースの1,6-アンヒドロ糖であり,LG資化性の真核微生物から得られたLGキナーゼとそれを利用した研究は近年大きな進展がみられた.我々は先行研究をもとに細菌Pseudarthrobacter phenanthrenivoransからLG脱水素酵素(LGDH)を取得しその生化学的性質及び構造と機構を明らかにした.LGDHはLGとNAD+に特異的な活性を示し,3-ケトレボグルコサンを生成する酸化反応を触媒することがわかった.さらに,LGDHの結晶構造をNADH及びLGとの複合体を含めて決定することに成功し,その構造的特徴や基質認識,反応機構などを明らかにした.LGを含むアンヒドロ糖はバイオマス燃焼や農産物熱処理などで大量に生じていることから,それらを資化できる微生物とその酵素の研究は近年ますます盛んになっている.今後は,真核微生物由来のLGキナーゼだけでなく,細菌由来のLGDHの利用研究も発展すると期待される.
著者
山田 全毅
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.31-36, 2021 (Released:2021-02-10)
参考文献数
13

Since the COVID-19 pandemic, there have been remarkable advances in diagnosis. Initially, the indication for diagnostic tests was strictly controlled by the government. Currently, however, various tests, from point-of-care testing to rapid PCR, are available for many clinics and hospitals. At the same time, the interpretation of test results became harder due to the existence of different types of testing as well as different qualities in the same type of testing. This review aims to overview the available test types and understand the basics of these tests to interpret the test results appropriately, especially in transplant recipients.
著者
河村 葉子 辻 郁子 杉田 たき子 山田 隆
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.170-177, 1997-06-05
参考文献数
11
被引用文献数
4

ステンレス製器具及び食器からの鉄, クロム, ニッケル, 鉛及びカドミウムの溶出について検討を行った. 溶出した鉄, クロム, ニッケルにおいては, 溶出溶媒では水<4%酢酸<0.5%クエン酸, 溶出条件では室温24時間<60℃30分間<95℃30分間<沸騰2時間の順に, 溶出量が多くなった. 市販及び使用中の器具及び食器について, 4%酢酸で60℃又は95℃30分間の溶出試験を行ったところ, 新品では鉄50~1,110ppb, クロム5~28ppbの溶出が認められたが, 使用中の製品では検出頻度, 検出値ともに低く, 繰り返しの使用により溶出量が低下するものと考えられた. また, 鉛は使用中の製品1検体から検出されたが, 25ppbと微量であった. 一方, カドミウム及びニッケルはいずれの製品からも検出されなかった.
著者
遠藤 史郎 山田 充啓 矢野 寿一 北川 美穂 平潟 洋一 賀来 満夫 徳田 浩一 八田 益充 國島 広之 猪俣 真也 石橋 令臣 新井 和明 具 芳明 青柳 哲史
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.50-56, 2012
被引用文献数
1 3

&nbsp;&nbsp;2011年3月11日の東日本大震災に伴う宮城県名取市館腰避難所においてインフルエンザアウトブレイクが発生した.同避難所では200名の避難者が共同生活を営んでおり,40%が65歳以上の高齢者であった.初発例発生から5日目の4月8日当避難所の巡回診療を行っていた名取市医師会会長よりインフルエンザアウトブレイクに対する介入要請があり,対応策構築のために同避難所へ介入した.介入時既に,non-pharmaceutical interventions: NPIとして,発症者全員の隔離が行われていたが,隔離以外の手指衛生をはじめとするNPIは十分には行われていなかった.一方で,計22名への予防投与が行われていた.したがって,NPIを中心とした基本的対策の強化(ⅰ:マスク着用率の向上,ⅱ:手指衛生の適切な実施の啓発,ⅲ:換気の実施,ⅳ:有症状者の探知および発症者家族のモニタリング強化,ⅴ:発症者の隔離)を現場スタッフと確認し,一方,現場医師と予防投与は基本的対策を徹底したうえで,なお,感染が拡大した場合のみ考慮すべき対策であること,また,その範囲・適応などに関して協議した.4月13日,2度目の介入を行い新規発症者は18日の1人を最後に終息した.避難所におけるインフルエンザアウトブレイクは過去にも報告が少なく,初めての経験であった.予防投与はあくまで補助的な方策であり,アウトブレイクの規模や感染リスクを考慮し,さらにNPIの強化徹底を行った上で行うことが必要であると考えられた.<br>
著者
三好 保 藤井 正信 今木 雅英 吉村 武 山田 勇樹 中村 武夫 山崎 亮二 松本 和興
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1013-1018, 1988-12-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
15

Four young male adults were fed a semisynthetic diet including rice and chicken as protein for seven days (Basal diet period), and in the following seven days 30g of corn oil and then for seven days 30g of lard were added at the expense of part of the corn starch and sugar in the basal diet (Test diets period). Urine and feces were collected completely throughout the periods and the contents of fat and energy in these excreta were determined. The results obtained were follows:1) Digestibility of fat was 98.8% (corn oil) and 100.0% (lard).2) The ratio of the total available energy to intake energy (Net Energy Avaiability) was 98.8% (corn oil) and 98.0% (lard).