著者
岩田 佳雄 小松﨑 俊彦 浅沼 春彦 北山 弘樹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.863, pp.18-00124, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
7

If damping alloy is used as structural material, a structure with high damping performance can be produced and its vibration and noise can be reduced. Damping mechanism of the damping alloy is to convert vibration energy into thermal energy. The damping performance of the damping alloy is not as good as it is used in a dynamic damper. This paper proposes a method of enlarging equivalent loss factor of a damping alloy spring by using a negative spring constant and it is confirmed that the equivalent loss factor of a damping alloy cantilever becomes large by the attraction force of magnet used as the negative spring constant. Optimal design of the dynamic damper which consists of the damping alloy cantilever and a pair of magnets is explained. The vibration suppression effect due to the dynamic damper is demonstrated by means of measuring the compliance and the time history response by impact excitation. The vibration suppression effect depends on the vibrational amplitude due to nonlinearity of the attraction force of magnet but can be sufficiently expected in comparison with the case without the dynamic damper.
著者
岩田 吉生 青柳 まゆみ
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.47-56, 2016-03

本研究では,大学の全学共通科目における特別支援教育関連科目の開講状況を調査し,講義内容・形態,指導上の工夫,課題等について検討することを目的とする。尚,研究Ⅰは,日本教育大学協会・全国特別支援教育研究部門の会員が所属する大学71大学(国立大学52大学,私立大学19大学)を対象とし,「特別支援教育に関する講義」の開講状況に関して,「教職に関する教育科目」または「教職に関する教育科目以外」で必修化している国立大学は,40校中22校(55.0%)に上り,国立大学の半数以上で,特別支援教育に関する講義が必修化されていることがわかった。研究Ⅱは,国立大学の3大学の教育学部を対象に,国立総合大学の教育学部における特別支援教育関連科目の開講状況について調査した。その結果,3大学で,特別支援教育を専門とする専任教員によって必修または選択の特別支援教育の講義が開講されていた。特別支援教育が主専攻ではない学生たちも特別支援教育の基礎を学び,理念・教育制度,指導・支援の方法等の理解を深めていることが明らかにされた。
著者
松原 康策 仁紙 宏之 岩田 あや 内田 佳子 山本 剛 常 彬 和田 昭仁
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.7-12, 2012
被引用文献数
2

わが国の小児期侵襲性肺炎球菌感染症 (invasive pneumococcal disease,IPD) の季節変動とそれに関連する因子を明らかにするために,地域中核病院小児科で IPD 患者を後方視的に検討した.対象は,1994 年7 月から2011 年 6 月までの 17 年間に西神戸医療センター小児科で IPD と診断された 15 歳以下の 72 例 (2回の反復例を3 例に認め,患者数は 69 症例) である.疾患内訳は occult bacteremia 48 例,肺炎10 例,髄膜炎10 例,眼周囲蜂窩織炎3 例,乳突洞炎1 例であった.IPD の関連因子として,1) 月齢,2) 同胞数,3) 未就学の同胞数,4) IPD 発症時の本人の保育園・幼稚園の通園の有無,5) 未就学の同胞がいる場合にその同胞の通園の有無の 5 因子を,カルテ記載または電話問診で調査した.季節変動の結果は,4~5 月 (n=21) と 11~12 月 (n=20) の二峰性のピークを形成し 7~9 月 (n=8) の夏季に最も少なかった.4~5 月の 21 例はその他の月に発症した 51 例と比較して,本人の通園している割合 (4~5 月群vs その他の月に発症群,12/21[57.1%]vs 12/51[23.5%];odds ratio,4.3;95% confidence interval,1.5~12.8;p=0.006) においても,また,本人,かつ/または,同胞が通園している割合 (17/21[80.9%]vs 27/51[52.9%];odds ratio,3.8;95% confidence interval,1.1~12.8;p=0.027) においても有意に高かった.しかし,発症月齢 (中央値:14 カ月 vs 15 カ月),同胞数 (0 人[9 例],1 人[11 例],2 人[1 例]vs 0 人[21 例],1 人[27 例],2 人[2 例]),未就学同胞数は 2 群間に相違を認めなかった.一方,11~12 月の第 2 峰群とその他の月群においては上記 5 因子に有意な相違を認めなかった.<BR> 以上から,わが国の小児期 IPD は二峰性の季節変動を示し,4~5 月のピークは通園者が有意に多いことが判明した.4 月からの集団保育への参加が肺炎球菌の保菌率の上昇をもたらし,4~5 月の小児期 IPD のピークを形成する重要な要因のひとつと推測された.
著者
岩田 亮 平野 重雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-10, 2009-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

設計におけるアイデアは手描き(スケッチ)によって創出されるといっても過言ではない.この考え方を仮に肯定するならば,設計者に要求される能力とは,思考しながら線を引ける能力である.定規や二次元・三次元CAD などポインティングデバイスを介して線を引いている時,手描きに比べ,人の頭脳が働いていないことは感覚的にわかる.考えながら線を引く作業を大局的に捉えれば,工業的な判断力と思考力を培う助けとなる. 一方,三次元CAD の利便性も顕著なことは事実であり,利用しない理由は見つからない.そこで,三次元CAD を設計ツールとして,アイデアを具現化する際の手描きの重要性について考察した. 本論では,1)CAD の有用性とほころび,2)手描きの利便性,3)図面としての手描きの文化,4)直感的な線と色が創りだす独創性,5)教育における基礎とツールの連関について述べる.
著者
青柳 まゆみ 岩田 吉生
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 (ISSN:24240605)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-31, 2017-03-31

本稿では、教員免許状更新講習を開設している全国の大学および短期大学407校を対象に質問紙調査を実施し、障害のある受講者の受け入れ実態や支援内容、課題等について分析した。障害のある受講者の受け入れ実績を持つ大学は、回答校245校中112校(45.7%)であった。障害のある受講者の総数と受け入れ校数は、平成21年度は54名(30校)であったが、平成26年度には191名(72校)となり、受講者数は3.5倍、受け入れ校数は2.4倍に増加した。障害別では、人数・校数ともに「その他の障害等」の増加が特に顕著であった。設置形態および規模別では、全体的に大規模および中規模の国立大学において受講者の増加が顕著であり、障害者の受け入れと受講上の支援に大きく貢献している様子が伺えた。配慮の内容は障害別で異なるが、講習内容の情報保障、移動介助、試験時の配慮等、基本的な事項を中心に行われていた。
著者
岩田 洋夫 矢野 博明
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、全方向に動く移動機構を有する可動床が、循環することによって無限に続く歩行面を提供する、歩行感覚呈示装置を実装し、それに昇降機構を搭載することによって、階段などの凹凸面のある歩行面を模擬することを実現した。本システムが体験者に与える効果を、足圧力等の計測によって評価した。
著者
阿部 芳郎 岩田 治
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
油脂化学協会誌 (ISSN:03727742)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.219-220, 1954
被引用文献数
1

シロナガスクジラのひげよりとれた脂質について成分検索の結果, 約20%のステリンを抽出することができステリンの大部分がコレステリンであることを確認した。なお, 組成脂肪酸は主としてモノエテノイド酸からなるように思われる。
著者
岩田 佳子 岩田 満 田野 俊一
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.7-16, 2003 (Released:2010-06-28)
参考文献数
45
被引用文献数
1 2

As the computers are ubiquitous, the linguistic communication by the digital media (e.g. e-mail) has become very popular. However, the simple text doesn't express our emotion, so it is importanto establish the emotional font generation support system that can estimate the user's emotion from sentences and generate the suitable fonts dynamically. Firstly we pointed out that the font shape, the emotion andKanseihad the close relation and influenced each other. Secondly we have deduced the basic elements of the font shape, the emotion andKanseiby categorizing the large number of words that appear in the articles of the font design. As the result we had 32 elements for the emotion, 34 forKanseiKansei and 56 for the font shape. Finally we conducted the experiment to know the relation among them. The result showed that the emotion andKanseigave the influence on the font shape independently in some cases and dependently in the other cases. We have successfully deduced several rules to generate the font shape form the specified emotion andKansei.
著者
大宮司 勝弘 竹内 淳 岩岡 竜夫 岩田 利枝
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集
巻号頁・発行日
vol.74, no.636, pp.505-513, 2009

The purpose of this study is to identify the architectural characteristics of Kyoto Tower Building, which was designed by Mamoru Yamada. The description of space composition and the features of the architectural design of Kyoto Tower Building, at the initial completion time, are based on a documentary film showing the building under construction and pictures and drawings held by Osaka Yamada Mamoru Architects and Engineers. On the basis of Yamada's studies of the floor plans, the rough drawings and perspectives, the design process of this building is analyzed.
著者
岩田 修一 陳 迎 金田 保則
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

データ駆動型の方法論の基礎を提示するため、データサイエンスの視点から検討した.材料データを記述するための変数群 : メタデータは複雑で、精度や粒度も多様であるため、それらの非均質性に適応可能な測度論を検討し、データシステムの基本的な枠組みとした.データは、測定対象の属する空間あるいはメタデータが張る空間の部分集合についての「何か」をはかった結果についての記述であり、部分集合の測度とよばれる.データ駆動型材料設計は、データを集積することによって、社会のニーズに対応した解空間を作成し、ニーズに最も適合した材料の組成、諸構造、特性、価格を特定する設計作業と定義した.測度については、観測・測定方法あるいは経済性の限界に依り不完全であるため、多様なデータ群を目的に沿って誤差を補正し不完全な部分をモデルや近似により補完し、ニーズに合うデータ群を探索(写像)するプロセスを、材料データベースをプラットフォームにして実装し、データ駆動型材料設計の実例の蓄積をWeb 上で展開した.
著者
青木 一真 黒柳 奨 クグレ マウリシオ ヌグロホ アント サトリヨ 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2291-2300, 2005-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文ではSVMにおけるマージンをベースとした特徴選択手法を提案する.しかし一般的なマージン(Normal Marginと呼ぶことにする)の場合,マージンの大きさとSVMの学習により得られる識別関数の良さが適切に対応しない場合があることが明らかとなった.すなわち,Normal Marginを評価値とした特徴選択を行って得られた特徴セットが,必ずしも最良の識別関数を与えるとは限らない.そこでこの問題を解決するために Confident Margin(CM)という新しい評価基準を導入し,それを用いた特徴選択アルゴリズム SBS-CM を提案する. SBS-CM による人工データや実データを用いた実験を行った結果,従来手法よりも良い結果を得ることができた.また評価値CMの値の変化から最適な特徴セットをおおよそ求めることが可能であった.
著者
古積 博・岩田 雄策 山﨑 ゆきみ 寺園 淳
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.113-120, 2013-04-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
7

ここ数年,金属スクラップの火災が輸送中(船舶,陸上),港湾施設で頻発している.そこで,最近の火災事例を現地調査し,また,問題点,火災原因を明らかにするため,各種危険性評価実験を行った.金属スクラップ自体は容易に火災になることはないが,火災となった場合,高温となり,消防隊が接近しにくいこと,消火までに長時間を要することも多く,海上交通の安全や環境への影響等が懸念されている.ここでは,著者らが現地調査を行ったいくつかの事例を紹介するとともに,金属スクラップ火災の現状と消火活動上の問題点について実験的に検討した.その結果,電池類の短絡,トナー粉の摩擦等による発火の可能性があることがわかった.
著者
岩田 雅弘 吉田 俊久
出版者
SOCIETY OF COMPUTER CHEMISTRY, JAPAN
雑誌
Journal of Chemical Software (ISSN:09180761)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-48, 1994-04-01 (Released:2009-08-13)
参考文献数
11

文書組版処理ソフトTEX上で、化学構造式や実験装置などの図表を簡単に出力するためのマクロコマンドの開発を行った。開発したマクロコマンドは、化合物の構造式、実験器具図、その他 (周期表、ボーアモデルによる電子配置の模式図、防災ラベル) を出力するコマンドである。作成している文書中に、マクロコマンドを記述するだけで構造式などの図を出力できた。
著者
曽キ 岩田海 石橋豊 福嶋慶繁 菅原真司
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.409-410, 2012-03-06

本稿では、力覚メディア・サウンド・ビデオを用いて二人の奏者が遠隔合奏を行い、QoE(Quality Of Experience)評価によってネットワーク遅延の影響を調査している。遠隔合奏では、著者の一人がピアニカの演奏を行い, 被験者がピアニカの演奏を聞き、ピアニカの奏者側にあるタンバリンのビデオを見ながら、演奏に合わせて、触覚インタフェース装置を遠隔操作してタンバリンを叩く。QoEとして、触覚インタフェース装置の動かしやすさ、インタラクティブ性(触覚インタフェース装置の動きとビデオの中の装置の動きのずれ)、ピアニカとタンバリンの音の同期品質、及び総合品質を評価している。
著者
平井 正文 岩田 博英 宮崎 慶子 小山 明男 小南 幸哉
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.31-37, 2012-02-25 (Released:2012-02-28)
参考文献数
16

弾性着衣や弾性包帯の四肢静脈疾患,リンパ浮腫への臨床応用では,圧迫圧と同様に伸び硬度も考慮するべきである.本文では,伸び硬度測定器を用いた弾性ストッキング,弾性包帯の単独使用あるいは種々の組み合わせ下における伸び硬度の測定結果を記載した.伸び硬度は,その組み合わせ方法─2枚の弾性ストッキング,弾性ストッキングの上に弾性包帯,2本の弾性包帯─によって変化するが,各組み合わせの中では,最初の圧迫圧が強く,また軽度伸縮性包帯を一番外側に用いたときに大きな伸び硬度が得られた.各組み合わせの伸び硬度を比較すると,2本の軽度伸縮性包帯を用いた組み合わせが最大の伸び硬度を示し,2枚の弾性ストッキングの重ね着が最も小さな伸び硬度であった.それゆえ,圧迫療法を組み合わせるときには,圧迫圧に加え伸び硬度も考慮し,それぞれの長所と短所を頭に入れて組み合わせ方法を選択するべきである.
著者
岩田規久男編著
出版者
東洋経済新報社
巻号頁・発行日
2004
著者
眞田 明 辻 善夫 岩田 和大 川野 道則 岩蕗 仁 下山 安彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00511-17-00511, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
6

Hydraulic breakers, which are used to demolish concrete structures or rocks etc., make a loud noise. It is considered that one of the major noise sources of the breaker is the longitudinal vibration resonance of the breaker's chisel. Hence, in order to suppress the noise, a chisel in which a dynamic damper is integrated is proposed in this paper. The proposed dynamic damper consists of ring-shaped weight and ring-shaped plastic spacers. To install it on the chisel, a portion of the chisel must be made slender because the diameter of the chisel is limited by size of the chisel holder of the breaker. Because of this structure, the resonance frequencies of longitudinal vibration modes of the chisel are changed with parameters of the dynamic damper, such as the sizes and the position, etc. Therefore, it is difficult to design the dynamic damper with conventional ways. First, vibration response of the proposed chisel is derived with the transfer matrix method theoretically. Second, experimental results of the frequency response are shown and confirm the validity of the theoretical model. Then, effects of the parameters of the dynamic damper are investigated with the model. Finally, the experimental results of the impact noise during demolishing work are shown. These results show that the proposed chisel is valid and feasible for reducing the noise from hydraulic breakers.