著者
加藤 智之 越島 一郎 梅田 富雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.107-120, 2018 (Released:2018-10-09)
参考文献数
18
被引用文献数
2

近年、IoTやIndustry 4.0などのデジタル技術を基盤とした新しい価値創出のための概念が注目されており、実際に全く新しいビジネスが展開されている。これらは、デジタル革命と言われているように従来型の経営からデジタル技術を生かした経営変革に向うデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれ、世界的なトレンドとなっている。日本の製造業においても、これらのDXを実現しようとしているが、既存のビジネスモデルやビジネスプロセスをデジタル技術が活きるように変容することができず、対応が遅れているのが現実である。そこで、本論では日本企業の強みを活かしながらもDXに対応できるような組織体について議論し、日本的なDXのための経営手法としてP2Mが有効であると考え、関連する事例とともに関連事項について説明する。
著者
宅見 央子 中村 弘康 福田 真一 松田 紫緒 小城 明子 大野 友久 白石 浩荘 米谷 俊 藤島 一郎 植松 宏
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.183-191, 2009-12-31 (Released:2020-06-28)
参考文献数
35

本研究の目的は,①健康成人30 名,②試験食品であるビスケットの摂食・嚥下に問題のない一般高齢者20 名,③リハビリテーション科外来通院中の脳血管障害後遺症患者11 名(以下,「リハ患者」)に一般のクリームサンドビスケット(以下,一般品とする)と,口どけのよいクリームサンドビスケット(以下,低付着性品とする)を摂食させ,摂食時の咀嚼回数・時間,嚥下回数・時間の観察評価と,自由嚥下後の口腔内残留量を測定することにより,安全性および日常の食生活への応用の観点からビスケットの物性と摂食・嚥下機能との関係を検討することである.健康成人と高齢者の咀嚼回数および,全3 群の咀嚼時間においては,一般品に比べて低付着性品が有意に低値を示した.対象者間の比較においては,一般品と低付着性品の両方で,リハ患者と高齢者の咀嚼回数および咀嚼時間は健康成人に比べて有意に多かった.また,健康成人と高齢者の嚥下回数,および健康成人の嚥下時間においては,一般品に比べて低付着性品が有意に低値を示した.健康成人では,一般品と低付着性品の口腔内残留量に差がなかったが,高齢者とリハ患者では,一般品に比べて低付着性品の口腔内残留量が有意に少なかった.健康成人と高齢者では「口の中での付着」「口どけのよさ」などにおいて,一般品と低付着性品に有意な差がみられ,低付着性品のほうが高い評価を得た.摂食・嚥下機能の低下しているリハ患者や高齢者は,一般品と低付着性品のいずれにおいても,咀嚼回数・時間を健康成人より増加して対応していた.しかし,口腔内残留量は健康成人より有意に多かった.以上の結果より,低付着性品は,高齢者などの咀嚼・嚥下機能低下者に適した食品であり,咀嚼・嚥下機能低下者には,口腔内に残留しにくい食品の提供が重要であることが示唆された.
著者
大島 一史
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.490-496, 2003 (Released:2004-08-27)
参考文献数
5
著者
北島 一輝 飯塚 浩二郎 藤原 伸也 河村 隆 鈴木 智
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1A1-U04_1-_1A1-U04_2, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)

Recently, volcano activation is increasing. Accordingly, various disasters occur. Among them, a debris avalanche has heavy effect for people who are living around volcano. Therefore, the observation method to surveillant volcano surface is necessary. In this study, we focus on to surveillant amount of volcano ash using excavator. Light and small observation tool is better than heavy tool in case of volcano surface. Because of we would like to move the observation tool to upper position of volcano surface. If the observation tool is light and small, the autonomous carrier like multi copter can move it. Our group develops light small excavator by slider mechanism and rotary drilling.
著者
松本 郁実 高島 一昭 山根 剛 山根 義久 岡野 司 淺野 玄
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.13-17, 2011-03-20 (Released:2012-04-04)
参考文献数
17

(財)鳥取県動物臨床医学研究所は鳥取県中西部において保護される傷病野生鳥獣の治療を行っており,今回過去10年間に搬入された傷病野生鳥獣のうち,タヌキに注目して疥癬罹患状況の調査を行った。タヌキの保護要因としては,交通事故が原因と思われる骨折や外傷が多くみられたが,疥癬に罹患したタヌキも2003年に初めて搬入され,その後も2005年2頭,2006年5頭,2007年4頭,2008年2頭の計14頭が搬入された。月別でみると,タヌキの搬入頭数は3月と9月に多く認められたが,疥癬罹患タヌキはそれらとは少しピークがずれた晩春や秋から冬にかけて搬入された。また,岐阜大学応用生物科学部の野生動物管理学研究センターに搬入された疥癬罹患タヌキの傾向と比較したところ,当研究所および岐阜県の当該施設において,搬入された疥癬罹患タヌキは2008年までは似た形で推移した。

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著者
松尾 泰 向井 利典 牧島 一夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.22-23, 2009-03

追悼 平尾邦雄先生/追悼 西島和彦先生/東京大学大学院理学系研究科・博士学位取得者一覧/あとがき
著者
福島 一嘉 高橋 誠 長野 裕友 小山内 州一 吉川 貞雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.4, pp.585-590, 1988-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
7

各種N-アルキル置換アルキレンジアミンを合成し,それらを配位子とするビス(ジアミン)ニッケル錯体を用いて,D-グルコース,D-マンノースのC-2エピマー間において,それぞれのC-2エピマー化反応を行なった。その結果,N,N'-ジアルキルエチレンジアミンを配位子とした場合によくC-2エピマー化反応が起こり,平衡まで達することがわかった。さらに,置換基と,して長鎖アルキル基を導入すると,アルキル鎖長が長いほど平衡点がグルコース側に偏り,エピマー間に優位差が生じることがわかった。これは遷移中間体である含糖錯体の,糖とジアミンの結合部分の立体化学によると考えられる。また,糖のエピマー化反応において,ジアミンニッケル錯体は触媒として働き,糖の1/10程度の濃度でも活性が落ちないことがわかった。さらに,カルシウムとモノアミンを用いた系でC-2エピマー化を検討した。この場合,エピマー化と同時にエンジオール転移によると考えられるフルクトースの生成も見られた。
著者
山島 一浩
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement2, pp.101-104, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

Web上で利用者がインタラクティブに空間イメージ編集を支援するシステムについて述べる.まず空間イメージを記述する書式として, 1996年に開発された3DMLを取り上げ, その記述構造を再考した.次に編集対象と3DML書式の要素との対応付けを行い, 編集支援システムに組み込んだ.編集支援システムは, Tomcat (Webサーバ) 上で稼働する.空間イメージの書式は, 利用者の編集過程で動的に生成される.開発は, Web2.0を指向し, JSP (Java Server Pages) と, Ajax技術により, サーバ側とクライアント側の処理を分担するようにした.編集対象の空間イメージは, 室内とした.壁, 床, 天井の配置とそのテクスチャ, 照明を編集対象とした.本稿では, 和室の制作過程を例示し, 利用者に文化的な知識背景を反映させた設計支援策の可能性について述べる.
著者
島 一
出版者
日本中国学会
雑誌
日本中国学会報 (ISSN:03873196)
巻号頁・発行日
no.33, pp.p58-70, 1981
著者
倉島 一喜 鍵山 奈保 石黒 卓 春日 啓介 森本 康弘 小澤 亮太 高野 賢治 磯野 泰輔 西田 隆 河手 絵理子 細田 千晶 小林 洋一 高久 洋太郎 高柳 昇 柳沢 勉
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.483-489, 2020-07-20 (Released:2021-02-07)
参考文献数
19
被引用文献数
4

現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では50 歳以上で低酸素血症を認めた段階で他疾患に適応のある抗ウイルス薬の投与が推奨されている.しかし治療が必要となる重症化因子についての検討は少ない.今回COVID-19 により入院した患者で抗ウイルス薬による治療を必要とした群と経過観察のみで改善した群を後方視的に検討し,抗ウイルス薬が必要となる臨床所見について検討した.まず当院に入院した49 例のCOVID-19 感染患者について,A 群:無症候性病原体保有者,B 群:症状あり,ウイルス肺炎像なし,C 群:ウイルス肺炎像あり,呼吸不全なし,D 群:ウイルス肺炎像あり,呼吸不全あり,に分類した.C 群は無治療で軽快し,D 群では抗ウイルス薬治療が行われた.重症度と相関した背景因子と症状は年齢,合併症の有無,喫煙歴,発熱,下痢であったが,治療を必要としたD 群に特徴的な所見は喫煙歴のみであった.次に重症度と相関した臨床検査値はPaO2,リンパ球数,D-dimer,AST,CK,LDH,CRP,PCT,ferritin であったが,多変量解析で治療必要群と有意に相関した検査値はリンパ球数,CRP,ferritin となった.両群を区別するカットオフ値をROC 曲線より求めると,リンパ球数1,200/μL 以下,CRP 2.38mg/dL 以上,ferritin 394ng/mL 以上となった.画像所見では,抗ウイルス薬治療を要しなかったC 群と要したD 群とを最もよく区別する所見は浸潤影の有無だった.以上よりこれらの重症化因子は呼吸不全への進展を考慮すべき臨床指標になると思われた.また喫煙歴,リンパ球数1,200/μL 以下,CRP 2.5mg/dL 以上,ferritin 400ng/mL 以上,CT 上の浸潤影の5 つをリスク因子として選ぶと発症からPCR 陰性化までの日数と強い相関を示した(p<0.0001).
著者
真島 一郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.406-432, 1991

本稿の目的は,西アフリカ,象牙海岸共和国のダン族に於ける仮面表象を通して,秘密結社の政治体制を支えるその「力」観念の特質を探っていくことにある。ギニア湾西部のいわゆる《ポロ結社文化》の諸社会に比べ,ダンの社会では,権力の行使が秘密結社に集中している。ただ,結社権威の観念的な拠り所となる「力」は,実は妖術と同一の概念あり,重大な規範侵犯への制裁も妖術制裁の形をとっている。とりわけ,森由来の精霊である仮面は秘密結社と密接に連係し,結社と同じ「力」に訴えることで,制裁への恐怖に裏付けられた規範維持に寄与している。だが結社のイデオロギーは,邪悪な妖術と同じ本質を持つ「力」を自らの手で完全に正当化することができない。そこに,ダンの仮面表象に於いては例外的な,「面なき仮面」の生きる余地が生じてくる。秘密結社という支配集団は,「誰でもない」その声に託して,権力への自己言及の道を開こうとするのである。
著者
大島 一浩 溝端 康光 掛屋 弘 桑原 学 井本 和紀 山入 和志 柴多 渉 山田 康一 切通 絢子 加賀 慎一郎 西村 哲郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.600-603, 2020

<p>A 38-year-old man diagnosed as having COVID-19 pneumonia was transferred to our hospital from another hospital. The patient had received favipiravir at the previous hospital, and as he still had severe respiratory dysfunction, we added hydroxychloroquine and azithromycin to the treatment regimen for COVID-19 pneumonia at our hospital. The respiratory status improved gradually with the treatment and the patient began to be weaned from mechanical ventilation. However, on the 5<sup>th </sup>hospital day, the patient developed ventricular fibrillation (Vf) and cardiac arrest, with return of spontaneous circulation (ROSC) 2 minutes after the start of cardiopulmonary resuscitation. An electrocardiogram recorded after the ROSC showed not QT interval prolongation, but first-degree atrioventricular block. Nevertheless, because both hydroxychloroquine and azithromycin could cause QT interval prolongation, both were discontinued and the Vf did not recur. The patient was transferred to another hospital after extubation and had no neurological deficit. Herein, we report a patient with COVID-19 pneumonia who developed Vf while being treated with hydroxychloroquine,azithromycin and favipiravir.</p>
著者
倉島 一喜 小川 晴彦 大家 多喜雄 藤村 政樹 松田 保 小林 勉
出版者
Japanese Society of Allergology
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.160-163, 1991-02-28 (Released:2017-02-10)

喘息発作では粘液分泌の亢進, 粘液線毛輸送系の障害が認められ, 粘液栓の形成や末梢気道の閉塞をきたすと考えられる. サーファクタントは粘稠なゲル層をゾル層と開離させるほか, 末梢気道の開存性に重要な役割を果たしていると考えられる. 今回我々は喘息患者の発作時にサーファクタント吸入療法を行い, その効果について検討した. 方法は喘息発作にて来院した患者11名を無作為に次の2群に分けて治療した. 対照群5名では生食1mlをジェットネブライザーにて吸入し, サーファクタント治療群6名ではサーファクタント TA 10mg(1ml生食に懸濁)を同様の方法で吸入した. 両群とも投与前後で呼吸機能, ガス分析の測定を行い薬剤の効果を検討した. その結果, 喘息発作時, 生食吸入群では, FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2に有意な変化はみられなかった. サーファクタント治療群では吸入後FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2はそれぞれ11.7%, 27.3%, 33.2%, 13.4%上昇した. またPaCO_2には有意な変化は認められなかった. 以上より喘息発作時においてはサーファクタント吸入療法の有用性が示唆された.
著者
安元 健 中島 一郎 Raymond BAGNIS 安達 六郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.1021-1026, 1977-08-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
7
被引用文献数
201 274

Experiments were designed to see whether a dinoflagellate, Diplopsalis sp. nov, found in a toxic sample of detritus collected from a ciguatera-endemic area is the cause of ciguatera. The dinoflagellate in the detritus was separated from other materials by means of sedimentation and sieving through sieves of various mesh sizes. Bioassay of the dinoflagellaterich samples thus obtained proved that the toxicity of each sample was proportionally related to the number of the dinoflagellate cells in the sample. Subsequent extraction of the dinoflagellate sample followed by fractionation of the extracts with solvents afforded two major toxins; a diethyl ether soluble toxin and an acetone precipitable toxin. The former toxin was judged to be identical, or closely related, to ciguatoxin, a major toxin in ciguatera, on the basis of various column and thin layer chromatographic properties. A close similarity was also observed between the acetone precipitable toxin and maitotoxin, a secondary toxin isolated from ciguateric surgeonfish. Judging from these results, it was concluded that Diplopsalis sp. nov is very likely to be the cause of ciguatera.
著者
小島 一生 村松 浩幸 室岡 聡也 小松 裕貴
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Suppl., pp.169-172, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
7
被引用文献数
3

中学生にネットトラブルに関して保護者への相談を意識させるために,ゴールベースシナリオ(GBS)理論に基づいたシナリオゲーム教材を開発することを目的とした.教材は,主人公を女子中学生とし,母親と関わりながら「不当な請求」,「個人情報」,「著作権」,「掲示板トラブル」の各内容に関する情報を収集し,その対応法を選択する構成とした.開発は,Flashによるゲーム制作ツールでおこなった.1年生64名を対象にした授業実践での評価から,1)中学校の授業で使用可能なこと,2)シナリオゲーム型や親子の設定により,本実践の範囲内において保護者への相談の意識が一定程度向上したこと,が確認できた.
著者
大平 美咲 角銅 しおり 門司 映美 鍋島 一樹 塩貝 勇太 深山 慶介 ハーランド 泰代 植野 拓 中司 貴大 澤田 芳雄
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.332, 2010

【目的】<BR>包括的呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)における患者教育の重要性は広く認識され、効果も実証されつつある。しかし、呼吸器疾患に対するクリニカルパスは、さまざまなバリアンスがあるため困難なことが多く、慢性呼吸器疾患に対するクリニカルパスについての報告は少ない。今回、当院にて2週間の呼吸リハビリテーション教育入院を開始し初期評価での継続と非継続の因子の検討を行った。<BR>【対象】<BR>2008年2月~2009年12月に入院しインフォームドコンセントが得られた慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)患者(継続群10名68歳±14歳、非継続群11名 71歳±21歳)。<BR>【方法】<BR>入院期間の2週間で運動療法と多職種での包括的な患者教育を中心とした呼吸リハビリテーションクリニカルパス(以下、呼吸リハパス)を作成した。肺機能検査(肺活量、%肺活量 以下%VC、1秒率 以下FEV1.0%)、標準評価(MRCの息切れスケール、身体所見、BMI、横隔膜呼吸の熟達度grade)、ADL評価(千住らのADLテスト)、下肢筋力検査(等尺性膝伸展筋力)、運動耐容能検査(シャトルウォーキングテストまたは6分間歩行テスト)、セルフマネージメント検査(Lung information Needs Questionaire 以下LINQ)を多職種で検査・評価を行う。両群内において初期評価の各項目をそれぞれ比較した。解析方法はwilcoxon順位和検定を用い、p<0.05を優位水準とした。<BR>【結果】<BR>両群間において統計学的な有意差は認められなかった。継続群ではMRCスケールより呼吸困難は様々であったが下肢筋力は保たれておりLINQの点数は低くセルフマネージメントは高い傾向であった。非継続群ではFEV1.0%が低くMRCスケールは重症傾向でありLINQの点数は高くセルフマネージメントは低い傾向であった。<BR>【結論】<BR>継続群では呼吸困難は様々であったが身体機能・セルフマネージメントは比較的保たれていた。初期評価時に呼吸リハの教育を受けた経験がない症例が多く呼吸リハパス終了時の最終評価ではセルフマネージメントにおいて統計学上有意に向上した。非継続群ではLINQの点数よりセルフマネージメントに欠ける傾向がみられた。FEV1.0%が平均56%と低肺機能でありMRCスケール3以上、下肢筋力、運動耐容能が低く初期評価の介入で呼吸困難が増強し運動への動機づけが困難であり継続できなかったと思われる。COPDの呼吸リハは運動療法を主軸としたプログラムが有効であり患者教育も同様に必須条件である。今回の検討を通して同一疾患においても肺機能以外にも呼吸困難の程度や下肢筋力の個々の身体能力を評価し、現呼吸リハパスの適応と不適応を判別できる基準が分かった。パス適応ではない患者にはコンディショニングやADLを中心とした介入が必要であり個別性を重視した内容のプログラムと継続方法についての検討が必要である。また、個々に必要な患者教育を十分に行なっていくことが運動療法を進めていく上でも改めて重要であると感じた。
著者
奴賀 俊光 小島 一幸 永友 繁 前川 真紀子
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.S1-S4, 2017 (Released:2017-04-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

2015年と2016年に東京都内湾運河部の防衝杭上でウミネコの繁殖を確認した.2015年6月18日にヒナを,2016年5月10日には同じ場所で3卵の巣を2巣確認し,周囲に10~20巣程度あると考えられた.5月18日にはヒナを確認し,6月24日には16羽の幼鳥を確認した.過去の繁殖記録から,ウミネコは内陸部から海岸部へ徐々に営巣地を移し,当地で営巣するようになったと考えられる.