著者
市原 勇一 黒木 淳 尻無濱 芳崇 福島 一矩
出版者
北九州市立大学経済学会
雑誌
北九州市立大学商経論集 (ISSN:13472623)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1・2・3・4合併号, pp.35-47, 2021-03

本稿は,中小企業における管理会計システムの整備度と管理会計活用能力のギャップが財務業績に与える影響を検証した。中小企業327社のデータを分析した結果,管理会計活用能力を超える過剰な管理会計システムをもつ企業ほど売上高経常利益率が低くなることが示された。これらから,優れた管理会計システムはそれだけで業績を向上させるわけではなく,十分な管理会計活用能力を有することではじめて業績が向上することが示唆された。
著者
宮城島 一史 石田 和宏 対馬 栄輝 百町 貴彦 柳橋 寧 安倍 雄一郎 小甲 晃史
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.9, pp.1188-1193, 2021-09-20 (Released:2021-09-20)
参考文献数
14

はじめに:本研究の目的は,腰椎椎間板ヘルニア(LDH)術後超早期の腰椎伸展運動の即時効果を調査することである.対象と方法:対象は,LDH摘出術を実施した32例とした.術後2~3日目に10分間の腰椎伸展運動(腹臥位での腰椎持続伸展保持)を実施した.結果:手術によりいずれの症例も症状は改善したが,更に10分間の腰椎伸展運動を行うことにより,腰痛・下肢痛・しびれのVAS(mm)は有意に改善した(腰痛27.7→17.8,下肢痛4.5→2.2,しびれ11.4→7.7,それぞれp<0.05).改善15例(46.9%),不変17例(53.1%)であり,悪化例は存在しなかった.10分間の腰椎伸展運動後,8例(25.0%)で腰痛が即時的に消失,3例(9.4%)で下肢痛・しびれが即時的に消失した.また,1例は下肢症状の範囲が即時的に縮小し,下腿後面と足部の痛みが足部の痛みのみとなった.患者満足度(VAS)は81 mmと良好であった.結語:術後超早期の腰椎伸展運動は,悪化例は存在せず,即時的な腰痛の軽減が得られ,安全かつ有効な理学療法であることを示唆した.
著者
藤島 一郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Suppl.2, pp.S129-S141, 2009 (Released:2010-12-01)
参考文献数
47
被引用文献数
2
著者
安藤 美華代 竹内 俊明 山本 玉雄 福島 一成 大原 健士郎
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.593-600, 1995-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In an ealier study we investigated the psychological aspects of fasting therapy with Naikan, using questionnaires, the Rorschach test, and the Baum test. Our results showed that all patients showed some improvement, and that the therapy contributed toward psychological stability. In the present study, we increased the number of subjects, and used standard psychotherapy as the control condition with which to assess the effectiveness of fasting therapy, its suitability for effect, and its adaptability, based on results from CMI, YG, TEG, and the Rorschach test. The subjects were 37 patients hospitalized due to psychosomatic disease and neurosis who had undergone fasting therapy. Fourteen of these cases were followed for half a year. Controls were patients, matched for age, sex and disease, who had been suffering from psychosomatic disease or neurosis and had been given psychotherapy. The effect of fasting therapy was assessed by having the case physician evaluate patients under nine headings (symptoms, mental stability, interpersonal relations, understanding of the disease, attitudes toward work, disposition, cheerfulness, emotional control, and judgment) all measured on a 4-points scale. No patients received a negative assessment, and treatment was judged to be highly effective in 18 cases and somewhat effective in 19 cases. The 5 patients who interrupted therapy were similarly studied. The results showed that the standard psychotherapy group showed some improvement in subjective self esteem, but little change in deep personality structure. In comparison, those who continued with fasting therapy steadily improved in subjective self esteem, emotional control, ego strength, and self image. In those patients showing a marked improvement, there was also some improvement in conflict concerning affective wants. These results suggest that the fasting therapy induces in patients a sense of having been "psychologically reborn" after having undergone an extreme physical state. As we had expected, the effects of fasting therapy gave rise to the following observations : questionnaires are inadequate for revealing changes in deep personality structure, while patients in whom the effect of therapy was less pronounced seemed to have less imagination and empathy, but greater internal tension. Furthermore, although the patients who were unable to complete therapy were good at affective expression and introspection, they also tended to be aggressive and to have anxiety about affection. For that reason, these patients are less well suited to undergo fasting therapy with its many restrictions, accordingly, a more mild form of therapy should be devised for these patients.
著者
三島 一仁 山本 祐吾
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_245-II_253, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
27
被引用文献数
4

本研究では,和歌山市をケーススタディの対象地として,清掃工場の焼却排熱を活用した下水汚泥のバイオオイル化システムを検討し,エネルギー消費量および温室効果ガス(GHG)排出量を定量的に評価した.その結果,清掃工場と下水処理場の両施設が余剰排熱(電力換算)を介して連携し,さらに下水処理場にバイオオイル化技術を導入するケースでは,それぞれの施設でのエネルギー消費量を上回る焼却排熱とバイオオイルが回収可能であり,エネルギー自立しうるポテンシャルを有することが明らかになった.また,同ケースでは,施設間の連携や新技術の導入を実施しないケースと比較して,GHG排出量が37.3%削減されることがわかった.
著者
工藤 慎太郎 濱島 一樹 兼岩 淳平 小松 真一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CcOF1067, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】足部横アーチ(横アーチ)の低下は,中足骨頭部痛や外反母趾の発生機序と関係するため,その形態を捉えることは,臨床上重要である.横アーチの測定方法として,第1~5中足骨頭の距離を足長で除した横アーチ長率(TAL)が知られ,その妥当性が報告されている.しかし,その再現性については検討されていない.また,TALは静止立位で測定する.臨床上,静止立位において,横アーチが保持できているが,歩行や走行などの動的場面において,横アーチが保持できず,中足骨頭部痛などを惹起している例も存在する.つまり,従来のTALは横アーチの形態を捉えることができるが,その保持機能を捉えられない.我々は先行研究において,従来のTALに加えて,下腿最大前傾位(前傾位)でTALを測定し,その差から横アーチの保持機能を捉える方法を報告した.本研究では,従来のTALと共に,前傾位でのTALの測定方法の再現性を検討することを目的とした.【方法】対象は健常成人8名(男女各4名,平均年齢19.3±2.4歳)の右足とした.検者は経験年数15年目と2年目の理学療法士(検者A・B)および理学療法士養成校に就学中の学生(検者C)の3名とした.各検者には実験実施1週間前に測定方法を告知した.各被験者に対し,1施行で静止立位と前傾位でのTALを3回測定し,中央値を採用した.測定にはデジタルノギス(測定誤差±0.03mm)を用いた.1施行ごとに1時間休息し,3施行繰り返した.統計学的手法にはPASWstatistics18を用いて,級内相関係数(ICC)と標準誤差(SEM)を求めた.なお,検者内信頼性にはICC(1,k),検者間信頼性にはICC(2,k),測定結果の解釈にはShroutらの分類を用いた.【説明と同意】被験者には,本研究の趣旨を紙面と口頭で説明し,同意を得た.【結果】検者AのICC(1,k)は静止立位で0.82(SEM:0.67),前傾位で0.92(SEM:0.36)であった.検者BのICC(1,k)は静止立位で0.80(SEM:0.02),前傾位で0.79(SEM:0.02)であった.検者CのICC(1,k)は静止立位で0.75(SEM:0.03),前傾位で0.98(SEM:0.04)であった.静止立位でのICC(2,k)は0.75(SEM:0.13),前傾位でのICC(2,k)は0.81(SEM:0.03)であった.【考察】歩行や走行において,立脚終期で,前足部に荷重が加わると,横アーチは低下する.中足骨頭部痛や外反母趾などの前足部の障害において,横アーチの過剰な低下を認めることがあるため,横アーチの形態を捉えることは臨床上重要になる.本研究の結果から,従来のTALは3名の検者とも,Shroutらの分類でgood以上と,高い検者内・検者間信頼性を示している.よって,横アーチの測定方法としての従来のTALの信頼性は高いと考えられた.諸家により,内側縦アーチの測定方法であるアーチ高率や踵骨角,第一中足骨底屈角の再現性は,触診の難易度と密接な関係があることが報告されている.そのため,従来のTALで高い再現性が得られた原因は,中足骨頭の側面に軟部組織が比較的少なく,触診が容易であるためと考えられた.臨床においては,横アーチの形態を捉える方法として,レントゲン上での第1,5中足骨角の測定やフットプリントでの評価などが用いられることが多い.しかし,レントゲンでの評価は,理学療法の臨床場面で簡便に測定することは不可能である.またフットプリント上の評価は信頼性に関して検討がされているが,報告者によって見解が異なっている.すなわち,従来のTALは,他の測定方法と比較して,簡便かつ定量的な測定方法と考えられる.一方,臨床において静止立位では,横アーチが保持できている例でも,歩行動作などの場面では,横アーチが過剰に低下する例も経験する.我々は先行研究において,動作場面での横アーチの保持機能を測定するには,従来のTALでは不十分であり,前傾位でのTALと比較することが必要なことを報告した.本研究の結果から,従来の方法と同様に,前傾位でのTALも,高い検者内・検者間信頼性を示している.そのため,前傾位でのTALの測定も臨床において簡便かつ定量的な測定方法であり,両肢位でのTALの測定は,横アーチの形態と保持機能を評価し得る信頼性の高い測定方法と考えられた.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から,従来のTALと前傾位でのTALの測定方法の信頼性が証明され,横アーチ保持機能の簡便かつ定量的な測定が可能になると考えられた.つまり,有痛性足部障害の疼痛発生機序を捉える場合や,足底挿板療法を処方する際に,同方法は客観的な測定方法として有効になると考えられる.
著者
吉田 拓矢 松島 一司 林 陵平 図子 あまね 苅山 靖
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.17129, (Released:2018-08-06)
参考文献数
37

The purpose of this study was to evaluate the multistep drop jump (DJ) test in elite jumpers according to changes in test performance, ground reaction force, and lower limb joint kinetics with changes in drop height. Male jumpers (n=10) performed a DJ from 4 drop heights (0.3, 0.6, 0.9, and 1.2 m). The DJ-index was calculated by dividing the jump height by the contact time. The rate of change of the DJ-index (a/b) was the slope/intercept of the regression line (Y = aX+ b) derived from 4 values of the DJ-index for each subject. Jump motions in the sagittal plane and ground reaction force data were recorded using a high-speed camera and force platform, respectively. The DJ-index was lower at 1.2 m than at other drop heights. The contact time increased along with the drop height. There was no significant difference in jump height between the drop heights. The amount of negative work by 3 lower extremity joints increased with increasing drop height. The jump events performance (IAAF Score) and DJ-index at each drop height only showed a significant correlation at 1.2 m. The correlation between IAAF score and a/b was significant between these variables. According to individual characteristics, increased drop heights were associated with different patterns of change in the DJ index. Therefore, subjects were grouped according to characteristics using a/b as an index. Sub.A, who had the highest jump-event performance in the study, had participated in international meetings, and had won a medal at the World Junior Championships. The DJ-index for this subject at 0.3 m was close to the mean value, but at 1.2 m was highest among all the subjects. In contrast, the DJ-index for Sub.C at 0.3 m was highest among the subjects. However, the DJ-index decreased greatly with an increase from 0.3 m to 1.2 m. Therefore, to evaluate the performance of jumpers, it is important to use a varied range of heights, including a higher drop height (approximately 1.2 m), focusing on the rate of change with increasing drop height.
著者
高垣 マユミ 田爪 宏二 中谷 素之 伊藤 崇達 小林 洋一郎 三島 一洋
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.111-122, 2011-03-30 (Released:2011-09-07)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

本研究では, コンフリクトマップ(Tsai, 2000)の理論的枠組みを, 中学校2年地理「世界から見た日本のすがた」の学習内容に適用した授業を考案した。授業実践を通して, コンフリクトマップのいかなる教授方略が, 「認知的な側面」及び「動機づけ的な側面」の変化に対してどのような影響を及ぼすのかを, 探索的に検討することを目的とした。単元前後, 及び授業後の質問紙調査に基づく数量的分析と, 自由記述に基づく解釈的分析の結果, 以下に示すような変化が明らかになった。1)コンフリクトマップの「決定的な事象」において, 「先行概念(日本と世界の地理的事象の非一貫性=ミクロな理解)」と「科学的概念(地理的事象の世界規模的規則性=マクロな理解)」を関連づける教授方略によって, 「知識活用への動機づけ」が高められる。2)コンフリクトマップの「知覚的な事象」において, ITを活用し地形をシミュレーションする教授方略によって, 「合科動機づけ」が高められる。3)知識活用への動機づけ, 及び合科動機づけが促される過程で, 表面的な知識の暗記ではなく地理学習の意味を追求する「状態的興味」が高まっていく可能性が示唆された。
著者
福岡 講平 柳澤 隆昭 渡辺 祐子 鈴木 智成 白畑 充章 安達 淳一 三島 一彦 藤巻 高光 松谷 雅生 西川 亮
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.387-391, 2015 (Released:2016-02-06)
参考文献数
11

【緒言】脳幹部腫瘍は, 極めて予後不良な疾患であり, 生存期間の延長に寄与したと証明された化学療法は, 未だ存在しない.今回我々は,放射線治療後再進行を来した脳幹部腫瘍に対する低用量持続経口エトポシド療法の投与経験を報告する.【方法】当院で加療した脳幹部腫瘍症例に対し,後方視的に経口エトポシド療法の効果および有害事象に関し検証した.【結果】対象症例は,11例で,診断時年齢中央値5歳(3–10歳),男女比は1:10であった.10例が画像所見のみで診断し,1例が他院にて生検施行され,膠芽腫と診断された.診断から中央値7か月(2–19か月)で放射線治療後の腫瘍再進行を認め,経口エトポシドが開始になっていた.経口エトポシドへの治療反応性に関しては,画像所見が改善,または変化無であった症例は,画像評価の行われた9例中3例であったのに対し,臨床症状は11例中8例で改善または維持,ステロイド投与量は投与中であった8例のうち,2例で中止,2例で減量を行うことができた.エトポシド投与期間は,中央値6か月で,最長24か月投与が可能であった症例も認められた.症例の全生存期間は,中央値19か月(6–38か月)であった.【結語】脳幹部腫瘍,放射線治療後再進行例において,経口エトポシド療法により明らかに臨床症状の改善が得られる症例が認められ,試みるべき治療方法であると考える.
著者
中島 一敏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.547-552, 2016-03-10 (Released:2017-03-10)
参考文献数
16

中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome:MERS)は,2012年から3年以上,サウジアラビアを中心に患者発生が継続し,2015年8月27日までに,世界26カ国から1,511人の患者が報告されている.アラビア半島以外での患者発生は小規模にとどまっていたが,2015年5~7月に韓国で発生したアウトブレイクでは186人が感染した.MERSは,重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome:SARS)と比較し,ヒトコブラクダでウイルスが維持されている動物由来感染症であり,同時多発的な国際伝播,航空機内での感染,市中感染などが起こっていないことなどの特徴があり,SARSで2~3とされている基本再生産数は1未満と推定されている.現在,SARSのように大規模で国際的な拡大の予兆は認められていないが,未知なことも多く,今後,ウイルスの変異に伴い,感染性が高まる可能性も否定できない.動物からの感染予防,院内感染対策などを強化するとともに,発生動向の国際的な監視が必要である.
著者
西川 満則 横江 由理子 久保川 直美 福田 耕嗣 服部 英幸 洪 英在 三浦 久幸 芝崎 正崇 遠藤 英俊 武田 淳 大舘 満 千田 一嘉 中島 一光
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.491-493, 2013 (Released:2013-09-19)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

緩和ケアとは,生命を脅かす疾患による問題に直面した患者・家族の苦痛を和らげquality of life(QOL)を改善するプログラムである.日本の緩和ケアは,がんを中心に発展し非がんへ広がりつつある.当院では,非がんも対象に加え緩和ケアを推進すべくEnd-Of-Life Care Team(EOLCT)を立ち上げた.当初6カ月間の延べ依頼数は109件で,約4割を占める非がんの内訳は,認知症,虚弱,慢性呼吸器疾患,慢性心不全,神経難病等であった.活動内容は,オピオイド使用も含めた苦痛緩和,人工呼吸器・胃瘻・輸液の差し控え・撤退の意思決定支援(Advance Care Planning:ACP),家族ケアで,法的・倫理的問題に配慮し活動している.このEOLCTの活動は,老年医学会の立場表明,厚生労働省の終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインに親和的であり,非がん疾患も含めた緩和ケアを推進する有用なシステムになりうる.特に胃瘻や人工呼吸器の選択に象徴される難しい意思決定を支援する働きが期待される.
著者
阪田 真己子 丸茂 祐佳 八村広三郎 小島 一成 吉村 ミツ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.49-56, 2004-01-23
被引用文献数
4 3

本研究は,日本舞踊における身体動作の感性情報処理研究の一環として,感性評価実験によって得られた主観的情報と,モーションキャプチャシステムによって得られた物理的情報との対応関係を検討することを目的としている.日本舞踊の既存の演目の中から,「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」という7種の感性情報を伝達すると想定される振りについて,モーションキャプチャを用いた計測と分析を行った.本稿では特に時性要因としての速度情報に着目し,主成分分析によって特定された各振りの代表マーカの速度情報と感性評価で得られた主観的な情報との関連性について検討した.The purpose of the current study is to investigate the correspondence between subjective information obtained from KANSEI evaluation experiments and physical data obtained using a motion capture system. This study is a part of the current research dealing with KANSEI information found in the physical movements in Japanese traditional dance. Using existing Japanese traditional dance programs, several motions which are supposed to communicate seven KANSEI information of 'lonely', 'happy', 'solemn', 'sharp', 'flowing', 'dynamic' and 'natural' were selected. These motions were then measured and analyzed using a motion capture system. In the current study, in particular, special attention was paid to the speed data as the time factor. And investigation was made between the speed data of the representative marker of each motion and subjective factors which had been obtained from KANSEI evaluation experiments.
著者
水谷 雄一郎 髙島 一昭 山根 剛 山根 義久
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.165-171, 2015-12-25 (Released:2016-12-25)
参考文献数
38

鳥取県中部に位置する倉吉動物医療センター・山根動物病院に来院した猫のFeLV抗原陽性率,FIV抗体陽性率などを過去10年分,カルテの記録をもとに回顧的に調査した。FeLV抗原陽性率は10年間の平均で15.1%であり,年ごとの陽性率を見る限りはFeLV陽性率は横ばい傾向と思われた。FIV抗体陽性率は10年間の平均で17.5%であり,年ごとのFIV陽性率は上昇傾向にあるように思われた。口内炎の罹患率は FIV / FeLV陰性群11.4%,FeLV単独陽性群20.8%,FIV単独陽性群27.6%,FIV / FeLV陽性群37.5%であった。リンパ腫の発症率はFIV / FeLV陰性群0.6%,FeLV単独陽性群16.4%,FIV単独陽性群2.6%,FIV / FeLV陽性群2.1%であった。死亡年齢はFIV / FeLV陰性群9.2歳,FeLV単独陽性群4.2歳,FIV単独陽性群9.6歳,FIV / FeLV陽性群7.0歳であった。
著者
山崎 貴子 伊藤 直子 大島 一郎 岩森 大 堀田 康雄 村山 篤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.176-183, 2008-06-20

マイタケに含まれるプロテアーゼの作用と低温スチーミング調理の併用による牛肉軟化について検討した。マイタケ抽出液は50-70℃で最もカゼイン分解活性が高く,70℃で8h反応させたあとでも30-40%の活性が残っており,熱安定性が高かった。マイタケ抽出液とともに牛モモ肉を低温スチーミングすると,茹でた場合や,水またはしょうが抽出液を使った場合に比べて,溶出するタンパク量が多かった。しかしうま味に関係するグルタミン酸は特に溶出は増えておらず,むしろマイタケとともにスチーミングした肉で有意に増加していた。組織観察の結果,マイタケ抽出液で処理したものはタンパクが分解されている様子が観察された。破断測定および官能評価では,マイタケ抽出液とともにスチーミングしたものは有意に散らかく,噛み切りやすいという結果となった。マイタケと低温スチーミング調理を併用すると,効果的に食肉を軟化できることが示唆された。
著者
中島 一憲 溝口 るり子
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.429-435, 1993-04-15

【抄録】 我が国では稀な病態である多重人格を主とする多彩な症状を呈した解離型ヒステリーの1例を報告した。症例は19歳の女性。発現した症状は,人格交代,健忘および遁走,幻聴などであり,人格交代では,本来の第一人格とは対照的な特徴を持っ第二人格と,13歳以前の第一人格への自動的な年齢退行を示した人格の二つの交代人格がみられた。第二人格への交代には,就職や失恋体験との時間的関連が強く認められた。入院治療が症状消退に対しては有効であった。 本症例では,特有な性格特徴を基盤として,現実生活における葛藤状況からの逃避や願望充足という意義を持つ心理的防衛機制が働き,症状発現に至ったものと考えられた。また13歳時の「母親の急死」という心的外傷体験が病理性をはらみ,症状発現に関与していたと推定された。さらに人格交代に対する治療的かかわり方や心理検査についても考察を加えた。