著者
口野 直隆 大島 一二
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY ECONOMIC AND BUSINESS REVIEW (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1-12, 2015-02-27

This paper examines the strategy of development in Chinese food service market focusing on Saizeriya's case, one of the leading Japanese food service chain. In spite of expanding share of Japanese food service industry in Chinese market, media says that some companies are facing difficulties. Saizeriya's case could be described as a success when defining it as consequent increase of numbers of restraint after entering Chinese market. In this case study, factors of Saizeriya's success were analyzed focusing on it's strategy on1) procurement of food materials and2) labor management. This paper described how Saizeriya developed their business in Chinese food industry with using these strategies.
著者
中村 南美子 萩之内 竹斗 浅野 陽樹 池田 充 龍野 巳代 赤井 克己 大島 一郎 中西 良孝 髙山 耕二
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Kagoshima University (ISSN:24321885)
巻号頁・発行日
no.71, pp.23-30, 2021-03-30

都市部でのニホンアナグマ(以下,アナグマ)の生息実態に関する基礎的知見を得ることを目的とし,地方都市における大学キャンパスでのアナグマの出現状況とそれによる農作物への被害発生状況について検討した。2019 年1~12 月に自動撮影カメラ4 台を教育学部実習地,農学部附属農場(研究圃場ならびに動物飼育棟)および植物園内に設置し,アナグマの出現状況については静止画,農作物への被害発生状況については動画でそれぞれ撮影した。自動撮影カメラで野生哺乳類は計302 枚撮影され,そのうちタヌキは147 枚(48.7%)と最も多く,次いでアナグマは113 枚(37.4%),ノネコは41 枚(13.6%)およびイタチは1 枚(0.3%)の順であった。場所別ではアナグマが教育学部実習地で最も多く観察された。月別にみたアナグマの撮影頻度指数は,5~7 月で高く,1~3 月および8 月で低かった。しかしながら,その出現は年間を通じて認められ,5 月には教育学部実習地でビワの実の採食被害が認められた。以上より,地方都市にある大学キャンパスでアナグマは年間を通じて生活しており,農作物の一部に採食被害が起きていることが明らかになった。
著者
濱口 郁枝 吉田 有里 森 由紀 大森 敏江 中野 加都子 松村 俊和 山本 存 藤堂 俊宏 宮田 倫好 上島 一泰
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.143, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 女子大生のコーヒーの嗜好について調査し、好まれるコーヒーを検討した。 方法 兵庫県内の一大学の女子学生を対象とし、コーヒーを飲む頻度や嗜好に関する質問紙調査と、2回の官能評価を実施した。1回目は、普段コーヒーを飲まない24名に円卓法で検討した。試料は、H:数種のブレンド・焙煎標準、J:ミャンマー産をブレンドに追加・焙煎軽め、P:オリジンごとに分けて焙煎、の3種とし、ブラックとミルクや砂糖を入れて評価した。2回目は64名に、1回目の結果をもとに改良したものと、エチオピア産のシングルオリジンをブラックで味わい、2点嗜好試験法で比較した。 結果 ドリップコーヒーを飲む者は23%と少なく、カフェラテなど甘めのコーヒーを飲む者が70%と多かった。官能評価1回目の結果、Hは、香ばしくて美味しく飲みやすいが酸味がある、Jは、ブラックでも飲みやすくミルクと砂糖を入れると一番美味しい、Pは、酸味が強く美味しさは他より劣る、との評価が得られた。そこで、評価の高いJの焙煎度を上げてコクを出し、ミャンマー産の豆をインドネシア産マンデリンG-1にかえて改良した。2回目の結果、酸味、総合評価ともにJの改良が好まれた(各p<0.01)。Jの改良を飲んだ後は、コーヒーの好みの程度が上昇した(p<0.01)。したがって、穏やかな酸味とバランスのとれた味わいのブレンドコーヒーは、ブラックでも女子大生に好まれることが示唆された。
著者
神津 玲 藤島 一郎 朝井 政治 俵 祐一 千住 秀明
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.93-96, 2007-08-31 (Released:2017-04-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1

摂食・嚥下障害例では誤嚥,特に唾液誤嚥(不顕性誤嚥)が問題になることが少なくない.その予防のために,呼吸理学療法の一手段である体位管理が臨床的に有用であることを経験する.今回,唾液誤嚥に及ぼす体位の影響について検証を行った.重度嚥下障害例を対象に,仰臥位,後傾側臥位,前傾側臥位の各体位での唾液誤嚥の動態を喉頭内視鏡を用いて観察した.その結果,仰臥位および後傾側臥位では,唾液の著明な咽頭貯留,吸気時の喉頭侵入や呼気時の吹き出しを認めたが,前傾側臥位では咽頭貯留,喉頭侵入ともに認めなかった.唾液誤嚥の予防に前傾側臥位の有用性が示され,臨床現場における患者管理の一環として積極的に導入する価値があるものと考えた.
著者
島 一則
出版者
日本教育行政学会
雑誌
日本教育行政学会年報 (ISSN:09198393)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.27-61, 2018 (Released:2019-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to : ⑴ identify the “Standards” at the national level in the Basic Plan for Promoting Education ; ⑵ clarifying changes of the “Standards” at the national level from the 1st term to 3rd terms of the Basic Plan for Promoting Education ; and ⑶ comparing the standards between elementary / secondary education levels and post-secondary education level, to identify the advantages and disadvantages of the “Standards” at the national level in the Basic Plan for Promoting Education.The Basic Plan for Promoting Education (2008-2012, 2013-2017, 2018-2022) are used as text data, applying the text mining approach. The research results are summarized as follows. ⑴ Section 3 clarifies that there are three types of the “Standards” at the national level in the Basic Plan for Promoting Education (“Law” type, “Guide line” type, and “Index type”) Next identified are the “Index” type of “Standards” at the national level, which represents the national goals of education in a numerical manner, as research objects for section 5 & 6. ⑵ There were huge changes in “Index” type of “Standards” at the national level in both quantitative and qualitative ways from 2008-2012 to 2013-2017, and also 2013-2017 to 2018-2022. ⑶ The “Index” type of “Standards” at the national level were introduced to the Basic Plan for Promoting Education a bit further into elementary / secondary education levels than the post-secondary education level.The “Index” type of “Standards” at the national level may have advantages for promoting some national goals of education, for example the student test scores. At the same time, they have numerous problems : ⑴ inadequate definition of the index problem, ⑵ unstable index problem, ⑶ vague responsible actor problem for index, ⑷ legal compatibility of index, ⑸ integrity among indices, ⑹ validity and reliability of the index, and ⑺ data and statistics for the index.Even though there are many problems in terms of “Standards” at the national level, educational administration research must face and overcome these problems in order to improve the quality of education.
著者
丹野 翔伍 髙島 一昭 山根 剛 山根 義久
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.49-52, 2013-06-20 (Released:2014-12-06)
参考文献数
5

6カ月齢と11カ月齢の雑種猫が,人用に市販されている乾燥スルメイカを摂食した後に嘔吐したとの主訴で来院した。富士フィルムメディカル株式会社DRI-CHEM7000V(以下,DRI-CHEM)を用いた血液検査にて,2症例ともに血中クレアチニン濃度の著しい上昇が認められた。皮下輸液および制吐処置などの治療により,翌日にはクレアチニン濃度は正常に回復し,臨床症状も消失した。 後日,健常猫を用いて乾燥スルメイカの摂食試験を行った。その結果,前述の臨床例と同様に,嘔吐およびDRI-CHEMを用いた血液検査で血中クレアチニン濃度の上昇が認められた。しかし,同検体を酵素法で測定したところ血中クレアチニン濃度の上昇は認められなかった。したがって,猫が乾燥スルメイカを摂食した場合,DRI-CHEMでは偽高クレアチニン血症を生じることが判明した。
著者
牛島 一成 志村 正子 渡辺 裕晃 山中 隆夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.259-266, 1998-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

1994年度と1995年度に, 大学の公開講座として運動不足気味の一般市民向けに「体と心にエアロビクス教室」を実施し, その参加者(男性2名, 女性26名, 計28名)を対象に数種の有酸素運動を約2カ月間にわたって, 1回1.5時間程度, 週2回のペースで行って, 心身への長期的影響および短期的精神影響を検討した.長期的精神影響としては, SDSおよびSTAI-Tの著明な低下が認められた.1995年度のみ実施したCMIにおいても身体的自覚症および精神的自覚症の低下傾向, 精神的自覚症のうちの抑うつおよび不安項目群での低下傾向が認められた.これらより, 習慣的で長期的な有酸素運動の実施がメンタルヘルスを考えるうえで大変重要であると思われた.しかし, 性格・行動型である自己抑制傾向, 「いい子」度, タイプA傾向およびI型(情緒不安定内向)傾向には変化が認められなかった.基礎体力では, 2カ月の運動後に無酸素性作業能力のみが増加していた.運動種目ごとにSTAI-S, POMS, Nowiis気分評定表を用いて短期的精神影響を検討したところ, 愉快さ, 活動性, 社会的愛情および活力・積極性はいずれの運動種目でも増加する方向へと変化し, STAI-S, POMSのTMDおよび混乱・物おじはいずれも低下する方向へと変化していた.これらの結果は, メンタルヘルスを目的とした運動処方の可能性を示唆する.
著者
青島 一平 内田 圭 丑丸 敦史 佐藤 真行
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.238-249, 2017-07-31 (Released:2017-07-31)
参考文献数
36

都市緑地は都市域における重要な生態系サービス源であり,都市住民の生活満足にも貢献している。しかしながら,都市部における人口増加に伴って,緑地が提供する生態系サービスが十分に考慮されずに都市開発が進められている。都市部の緑地が軽視されてしまう理由として,生態系サービスが可視化されていないことが挙げられる。市街地に点在する都市緑地が果たす役割は生態系サービスの中でも文化的サービスによるところが大きく,その価値は一般的な市場では取引できない性質のものである。本研究では,こうした非市場価値を貨幣評価するためにLife Satisfaction Approach(LSA)を適用する。この手法を用いることで,人々の主観的な生活満足度が緑地から受けている影響を貨幣単位で評価し,それを緑地の価値として認識することができる。本研究は兵庫県の六甲山系を含む阪神間地域を事例に,GIS(地理情報システム)を利用して地理データを独自に構築した。都市緑地については学校林,社寺林,公園緑地を特定した。その上で,同地域で社会調査を実施し,それらデータを合成して緑地の価値評価を行った。その結果,生活満足度をベースにしたときに,都市緑地は森林の6倍程度の価値を有することが示された。さらに本研究では心理学分野で使われるK6指標を採用することで,緑地が近隣住民の精神的健全性に与える影響についても分析した。結果として,都市緑被率の高いところに居住する人ほど,精神的健全性が良好な状態にある傾向を示した。さらに都市緑地の中でも社寺林が精神的健全性に与える影響が顕著であることを示した。本研究では,LSAを適用して森林と都市緑地の価値を区別して推定した。それによって都市緑地は近隣住民の主観的福利に大きく貢献していることが明らかとなり,主観的福利の観点から都市緑地の評価を行う必要性が示された。一方で森林については,LSAでは価値の過小評価につながってしまう可能性が示唆された。
著者
鄭 艶花 野島 一彦
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.111-117, 2008
被引用文献数
1

This research, by focusing on the Internet dependence tendency process and consciousness, aimed at establishing and assessing the following three hypotheses; 1)the Internet dependence tendency is progressive, with a process which advances from "affirmative merits" to "distinction trouble with reality", 2) university students with higher Internet dependence tendency are less aware of their dependence tendency, 3) university students with lower Internet dependence tendency are more aware of their dependence tendency, A questionnaire survey of 360 university students, first, confirmed the hypothesis l)by showing that Internet dependence tendency is progressive and that the progression from "affirmative merits" to distinction trouble with reality" is not a linear process but a process with 10 routes. Second, students with higher Internet dependence tendency consist of those who were aware of their tendency, those who were not and those who were unable to decide which group they belonged, which confirmed the hypothesis 2) partially. Third, wider variations in the level of awareness were found among students with lower Internet dependence tendency, which also confirmed the hypothesis 3) partially.
著者
金子 元久 矢野 眞和 小林 雅之 藤村 正司 小方 直幸 山本 清 濱中 淳子 阿曽沼 明裕 矢野 眞和 小林 雅之 濱中 淳子 小方 直幸 濱中 義隆 大多和 直樹 阿曽沼 明裕 両角 亜希子 佐藤 香 島 一則 橋本 鉱市 苑 復傑 藤墳 智一 藤原 正司 伊藤 彰浩 米澤 彰純 浦田 広朗 加藤 毅 吉川 裕美子 中村 高康 山本 清
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2005

本研究は、1)日本の高等教育についての基礎的なデータを大規模調査によって蓄積し、その分析をおこない、2)それをもとに各国の高等教育との比較分析を行うとともに、3)その基礎にたって、日本の高等教育の課題を明らかにすること、を目的とした。とくに大規模調査については、(1)高校生調査(高校3年生4000人を、その後5年間にわたり追跡)、(2)大学生調査(127大学、約4万8千人の大学生について学習行動を調査)、(3)社会人調査(9千事業所、2万5千人に大学教育の経験、評価を調査)、(4)大学教員調査(回答者数約5千人)、(5)大学職員調査(回答者数、約6千人)、を行い、それをデータベース化した。
著者
菅原 隆 宮下 采子 松田 由佳里 吉田 光徳 樫村 勉 菊池 雄二 副島 一孝
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.72-77, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
9

尿道までいたる陰茎凍傷を合併した凍傷の症例を治療する機会を得たので報告する. 症例は26歳の男性. 冬山登山中に遭難し, 3日後に救助された. 前医救命センターで初療後, 受傷後29日目に凍傷の治療目的に当院に転医した. 当院で初診時に両手指と両足趾, 左鼠径部, 陰茎に黒色壊死を認めた.  受傷後33日目に壊死組織のデブリードマンを行った. その後, 陰茎腹側に尿道欠損を生じたためデブリードマン後14日目に口腔粘膜移植による尿道再建術を行い, 再建した尿道は陰嚢皮膚よりの皮弁で被覆を行った. 術後経過は良好で, 術後1年半以上が経過した現在も良好な排尿機能を維持しており, 退院後に挙児も得ており勃起機能と妊孕性も温存されている.  凍傷による尿道損傷は非常にまれな病態であると考えられる. 尿道損傷に対して本例では口腔粘膜移植による再建を行った. 術後良好な結果が得られており, 凍傷による尿道損傷に対して尿道再建術は有用であった.
著者
小山 秀美 加世田 景示 上西 愼茂 今村 清人 坂元 信一 大島 一郎 片平 清美 河邊 弘太郎 岡本 新 小林 栄治 下桐 猛
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13459961)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.3-7, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

黒毛和種で発生する白斑は、品種の特性に負の影響を与え、一部で経済的損失となる損徴の1 つである。本研究では、Fontanesi ら(2012)によって西欧品種で白斑の有無と関連があると報告されたMITF 遺伝子の変異(g.32386957A&gyT )が黒毛和種でも存在することを確認し、白斑の有無との関連性を検討した。材料には鹿児島県産黒毛和種79頭(正常40 頭および白斑39 頭)のゲノムDNA を供し、ダイレクトシークエンス法および対立遺伝子特異的PCR法(AS PCR)により当該変異の確認および遺伝子型判定を行った。その結果、黒毛和種でも当該変異の存在を確認できた。さらに、これらを白斑群と正常群に分け、遺伝子頻度についてカイ二乗検定を試みた結果、両群間の遺伝子型構成に高度な有意差があり(P = 1.53 × 10-6)、当該変異が黒毛和種の白斑の有無にも強く関連することを示した。しかし、一部で例外が確認されたことから、当該変異だけでは白斑発生の全てを説明できないことも示唆された。
著者
神戸 将彦 中島 潤 村田 将人 澤田 悠輔 一色 雄太 市川 優美 矢嶋 尚生 福島 一憲 荒巻 裕斗 河野 慧 沼崎 あゆみ 森 瑞樹 大嶋 清宏
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.359-362, 2020-11-01 (Released:2020-12-16)
参考文献数
14

症例は30歳代,女性.自傷目的にキョウチクトウの葉12枚を摂取し,増悪する嘔気のため摂取19時間後に当院へ救急搬送された.来院時,傾眠,四肢脱力および振戦がみられ,心拍数50/分の洞性徐脈だったが,それ以外は安定しており,血清カリウム値も4.1 mEq/lと正常範囲だった.救急外来で活性炭と緩下剤を投与し,経過観察目的に同日集中治療室(ICU)入院とした.ICU入室後の全身状態は安定しており,第2病日に一般病棟へ退室した.その後の経過も良好で第5病日に退院した. キョウチクトウは公園や街路樹などに広く利用されているが,全木にオレアンドリン等の強心配糖体を含むため有毒である.国内でのキョウチクトウ中毒の報告は極めて稀だが,重症化し死亡に至る場合もあるので,早期からの中毒物質同定および積極的な治療介入が重要である.
著者
大熊 るり 植松 海雲 藤島 一郎 向井 愛子
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.180-185, 2002-04-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
18
被引用文献数
5 2

上部消化管造影検査施行中に発生したバリウム誤嚥について調査を行い,誤嚥への対策について検討した.7年半の間に検査を受けた262,888名を対象に,誤嚥発生率の推移や誤嚥が確認された118名のプロフィール等につき調査した.誤嚥者の年齢は30~94(平均65)歳.70歳以上では誤嚥発生率が70歳未満の約10倍となっており,高齢受診者への配慮が必要と思われた.また誤嚥発生率が平成11年度から12年度にかけて上昇しており,これは検査に使用するバリウム製剤の粘性が低下した時期と一致していた.誤嚥対策として,検査前に嚥下障害に関するスクリーニングを行うこと,使用するバリウム製剤の粘性を検討すること等が考えられた.
著者
浜島 一成
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.627, pp.1077-1081, 2008-05-30 (Released:2009-02-25)

For the rebuilding in the Eiroku era(1563), a contract price was determined in each of principal phases of the project of the Shoden. The contract prices for buildings other than the Shoden were separately determined for those buildings. For the rebuilding in the Tensho era(1585), on the other hand, the total contract price was fixed first and was then taken into consideration for determining the number of buildings to be constructed and other items.
著者
安部 順子 山田 康一 吉井 直子 柴多 渉 大島 一浩 掛屋 弘
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.325-330, 2020-11-30 (Released:2021-01-21)
参考文献数
19

40 歳代の女性.慢性腎臓病(CKD)にて維持血液透析を週 3 回施行中で,内シャント閉塞のため人工血管植え込みあり.今回,同部位の人工血管感染からのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌血症,化膿性椎間板炎および両側腸腰筋膿瘍の診断にて入院となり,ダプトマイシン(DAP)1 回 6 mg/kg を週 3 回透析後に開始したが,週末は「サンフォード感染症治療ガイド」に基づき 1.5 倍に増量投与した.約 7 週間後,炎症反応は正常化し,画像所見上膿瘍も消失.DAP の週明けのトラフ濃度(Cmin)は 24.3 μg/mL 以下で,クレアチンキナーゼ(CK)値はほぼ正常範囲内で推移し,その他の副作用もなかった.本症例について,DAP の血中濃度 7 点からのシミュレーションにより,週 3 回の血液透析患者に対する週末の投与方法について薬物動態学的に検討した結果,有効性,安全性,耐性菌誘導の抑制の観点から,週末は 1.5 倍量 1 回の投与方法が最適であることが予測できた.