著者
美島 健二
出版者
公益社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.592-601, 2016-12-20 (Released:2017-02-20)
参考文献数
35

The most common cancers in oral cavity are squamous cell carcinoma (OSSC), which accounts for more than 90% in oral cancers. The 5-year overall survival rate of early stage of OSCC is over 90%, while that of advanced stages is still poor. It is important to treat precancerous lesions including leukoplakia and erythroplakia to improve the prognosis. Malignant transformation rates of leukoplakia and erythroplakia range from 5% to 10% and 40% to 50%, respectively. Biopsy is performed to microscopically divide these lesions into oral intraepithelial neoplasia (OIN) /CIS and oral epithelial dysplasia. In addition to histological findings, immunohistochemical analysis such as Ki-67, p53, cytokeratin13, 17, and p16, is also helpful for the diagnosis. After surgical treatment, the resected specimens from OSCC patients are examined in details regarding prognostic factors, which are disease staging, resection margin free of diseases, tumor thickness, and extracapsular dissemination of lymph nodes. Furthermore, it is reported that EGFR-, NOTCH-, PI3K-, PTEN-and AKT-mediated pathways are involved in OSCC proliferation, suggesting that these factors can be expected to be promising molecular targets for OSCC treatment.
著者
西本 一志 竹内 慎吾 高島 健太郎 KAZUSHI NISHIMOTO SHINGO TAKEUCHI KENTARO TAKASHIMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2022-GN-116, no.20, pp.1-8, 2022-03-07

創造性の高いアイデア発想をするためには,テーマに関連しつつ認知外の意外な情報を収集することが重要であるとされる.本研究では,既存のモノを対象として,その使い方に関する新しいアイデアを創造するための発想技法であるMonoBocai を提案する.従来から,既存のモノの普通ではない使い方を発想することによるアイデア生成はしばしば行われている.しかしながら,そのような発想を行う際に,どうしても有用性のあるアイデアを生成しようとする意識が働き,発想の飛躍がなかなか生じない.そこで,モノが持つ隠れたアフォーダンスをあぶりだすための手段として,お笑いジャンルの1つである「モノボケ」を活用することを試みる.In order to create highly creative ideas, it is important to collect unexpected information that is related to the theme but outside of cognition. In this study, we propose a new idea generation technique, named MonoBocai, for creating ideas for new uses of existing objects. Conventionally, idea generation by thinking of unusual ways to use existing objects is often carried out. However, when people generate such ideas, it is difficult for them to make a leap of faith because they are conscious of trying to generate useful ideas. In this paper, to generate new ideas, we propose to utilize "prop comedy", a Japanese traditional comedy style, as a means of revealing hidden affordances of the existing objects.
著者
西本 一志 竹内 慎吾 高島 健太郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会インタラクション2022論文集
巻号頁・発行日
pp.736-739, 2022-02-21

創造性の高いアイデア発想をするためには,テーマに関連しつつ認知外の意外な情報を収集することが重要であるとされる.本研究では,既存のモノを対象として,その新しい使い方に関するアイデアを創造するための新しい発想技法である MonoBocaiを提案する.従来から,既存のモノの普通ではない使い方を発想することによるアイデア生成はしばしば行われている.しかしながら,そのような発想を行う際に,どうしても有用性のあるアイデアを生成しようとする意識が働き,発想の飛躍がなかなか生じない.そこで,モノが持つ隠れたアフォーダンスをあぶりだすための手段として,お笑いジャンルの 1つである「モノボケ」を活用することを試みる.本稿では,提案する発想技法について説明し,その有効性を検証するために実施した予備的な実験とその結果について述べる.
著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
no.12, pp.9-16, 2013-09

独立行政法人北方領土問題対策協会は,1998 年より「北方領土」に日本語講師を派遣し日本語コースを開いてきた。これまでのべ3000 人以上の現地のロシア人住民が日本語を学んだ。2011 年からこの事業のための教科書開発の検討会が設けられ教科書の開発に取り組んでいる。「北方領土」という特殊な地で実施される日本語教育のための日本語教材であり,教材開発は諸所において色々な配慮のもとに具現化されていった。その特徴は,「ビザなし交流」の場面を意識したダイアローグを「小会話」として積み重ねる,キリル文字による日本語表記,日本語には適宜ロシア語訳を付ける,必要な説明や解説はすべてロシア語で行う,などである。この日本語コースは「ビザなし交流」の一環として,北方領土問題の解決に寄与するために行われている事業であり、何よりも教師と学習者がお互いの立場を理解し敬愛し合い,人と人とのしっかりした信頼関係が構築されていることが重要である。
著者
村島 健司
出版者
学校法人 関西学院大学先端社会研究所
雑誌
関西学院大学先端社会研究所紀要 (ISSN:18837042)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.55-69, 2017 (Released:2021-05-15)

台湾における災害復興は、日本の事例とは大きく異なっており、国家ではなく宗教団体が中心的役割を果たしている。本稿では、台湾仏教団体による異なる二つの災害復興支援を事例に、宗教団体がいかなる正当性にもとづき災害復興支援を実施しているのかを考察する。「九二一大地震」後の復興過程において、仏教団体が災害後における社会秩序形成の中心となり得たのは、戦後の台湾社会において、国家による資源の分配を十分に享受できない人々の生を保障し、その社会的連帯の中心であったことに由来しており、支援者/被支援者の両義的立場に基づく復興支援が正当性を獲得する要因となっていた。しかし、「八八水災」後の復興過程では、仏教団体の復興支援は正当性を獲得することができなかった。八八水災の被災者にとっての仏教団体とは、政府へのオルタナティブではなく政府のエージェントとして、外部から被災地へとやって来て、復興支援を施すことと引き換えに被災者から従来の生活を奪い、仏教団体の「慈善的覇権」に組み込むことを強要するものであった。その社会秩序は、復興支援の経験に富む仏教団体がすでに用意していたものであり、被災者との関係性の中で構築されたものではなく、そこに正当性が生じることはなかった。つまり、災害後における社会秩序とは、あらかじめ規範的なものが存在するのではなく、常に支援者と被災者とのあいだで揺れ動いているのである。正当性とはその過程の中で生まれ、本稿ではそれを支援者/被支援者の両義的立場と捉えた。
著者
五十嵐 敦之 佐伯 秀久 安部 正敏 椛島 健治
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.133, no.6, pp.1491-1504, 2023-05-22 (Released:2023-05-20)
参考文献数
14

本調査では,アトピー性皮膚炎に対する抗炎症外用薬(ステロイド外用薬,タクロリムス軟膏,デルゴシチニブ軟膏)3剤の使用実態や医師の治療満足度を把握する目的で,皮膚科専門医を対象としたアンケート調査を実施した.ステロイド外用薬は,効果が良好との回答が多く,急性期治療における治療満足度が高かった.デルゴシチニブ軟膏は,副作用等の安全性に対する懸念が少ないとの回答が多かったが,他の薬剤との併用や変更などの使用実態についての情報は十分でなく,リアルワールドでのエビデンスを構築していく必要性が確認された.
著者
内野 博司 本多 勇介 中島 健太 佐々木 功二 小林 明 田中 江里 久米 信夫 酒井 崇 嶋崎 豊 石川 巌 岡野 信雄 京極 英雄 船越 昭治 北田 嘉一 淵之上 康元 田中 萬吉
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.107, pp.107_19-107_30, 2009-06-30 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

茶新品種‘ゆめわかば’が埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所で育成された。‘ゆめわかば’は1968年に‘やぶきた’ב埼玉9号’の交配により得られた個体群より選抜され,1994年から2003年に県単試験を含む栄養系適応性試験,裂傷型凍害抵抗性及びもち病抵抗性検定試験を実施し,更に2004年,2005年には香気の更なる発揚を目的に試験を行った。この結果,優秀と認められ,2006年10月17日に茶農林53号‘ゆめわかば’として命名登録,2008年10月16日に品種登録された。‘ゆめわかば’は摘採期が‘やぶきた’より1日から2日遅い中生品種である。生育,収量とも‘やぶきた’並である。耐寒性は赤枯れ抵抗性が「強」,青枯れ抵抗性が「やや強」,裂傷型凍害抵抗性が「強」でいずれも‘やぶきた’より強い。また,病虫害抵抗性は,炭疽病に「やや強」である。製茶品質は外観が優れ,内質も‘やぶきた’並に優れる。また,摘採葉を重量減15%から20%に軽く萎凋させることによって,香気及び滋味が向上する。耐寒性が強いために,関東やそれに類似した冷涼な茶産地に適する。
著者
福島 健太郎 内田 奈緒 岡田 謙介
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.45-59, 2021 (Released:2021-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

テスト解答データから解答者の学習要素の修得状態に関する情報を引き出す方法として,認知診断モデル(Cognitive Diagnostic Models, CDM)が注目されている.特に,多枝選択型のCDMは誤答時の情報も有効活用できると考えられ,実際にいくつかのモデルが提案されてきた.一方で,多枝選択型CDM をテストへ応用するためには,項目の各選択枝に対して,要求される学習要素を規定したQ行列を事前に設定する必要がある.その作成コストの問題と公開データの欠如から,先行研究でも数値シミュレーション研究にとどまっている例が多く,テスト開発にあたっての実証分析上の知見は乏しいのが現状である.そこで本研究では,Q 行列を付与した英語の多枝選択形式のテスト開発を行い,収集した実データに対してCDM を適用して,どのような診断結果が得られるのかを調べた.結果として,モデルがデータに対する一定の予測力を持つことが確認されたものの,今回検討した倹約的なモデルでは多枝選択形式特有の解答行動を十分反映できていない可能性が示され,さらなるモデル開発への示唆が得られた.
著者
中野 貴文 中村 智美 仲村 佳彦 入江 圭一 佐藤 啓介 松尾 宏一 今給黎 修 緒方 憲太郎 三島 健一 神村 英利
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.7, pp.909-916, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
34
被引用文献数
3 4

Warfarin (WF) shows a number of interactions with other drugs, which alter its anticoagulant effects. The albumin binding interaction is one such pharmacokinetic mechanism of drug interaction with WF, which induces a rise in the free WF concentration and thus increases the risk of WF toxicity. Teicoplanin (TEIC) is an anti-methicillin-resistant Staphylococcus aureus drug, which also binds strongly to albumin in the plasma. Therefore, co-administration of TEIC may displace WF from the albumin binding site, and possibly result in a toxicity. The present study was performed to investigate the drug-drug interaction between WF and TEIC in comparison with controls treated with vancomycin (VCM), which has the same spectrum of activity as TEIC but a lower albumin binding ratio.The records of 49 patients treated with WF and TEIC or VCM at Fukuoka University Hospital between 2010 and 2015 were retrospectively reviewed. These 49 patients consisted of 18 treated with TEIC in combination with WF, while 31 received VCM in combination with WF. Prothrombin time-international normalized ratio (PT-INR) showed a significant increase of 80.9 (52.0-155.3) % after co-administration of TEIC with WF. In contrast, the rate of PT-INR elevation associated with VCM plus WF was 30.6 (4.5-44.1) %. These observations suggested that TEIC can cause a rise in free WF concentration by albumin binding interaction. Therefore, careful monitoring of PT-INR elevation is necessary in patients receiving WF plus TEIC.
著者
松島 健 山下 幹也 安原 達二 堀口 浩 宮町 宏樹 戸田 茂 高田 真秀 渡邉 篤志 渋谷 和雄 Takeshi Matsushima Mikiya Yamashita Tatsuji Yasuhara Koh Horiguchi Hiroki Miyamachi Shigeru Toda Masamitsu Takada Atsushi Watanabe Kazuo Shibuya
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.395-408, 2003-11

南極氷床上のクレバス帯等の,地上からは到達困難な地域での人工地震観測を目的とした投下型地震観測装置(南極ペネトレータ)を開発し,第43次日本南極地域観測隊で実施する東南極みずほ高原における人工地震探査で使用するために,22本のペネトレータを昭和基地に持ち込んだ.しかし,開発の遅れに伴う国内試験の不足から種々の不具合が発生し,今回は本観測での使用をあきらめざるを得なかった.当初の目的は果たすことができなかったが,国内では得られない環境でのペネトレータ投下実験を行い,投下姿勢,着地衝撃力,温度変化等の貴重なデータを得るとともに,南極内陸部での実際のヘリコプター運用への知見を得ることができた.これらの成果はペネトレータ型地震計の改良のみならず,今後の各種投下型観測機器の開発・製作に多いに役に立つものと考えられる.
著者
中島 健二
出版者
金沢大学経済学会
雑誌
金沢大学経済論集 (ISSN:02890615)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.83-118, 2000-03-25

金沢大学経済学部・助教授
著者
佐藤 匡 瀬山 邦明 田島 健
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じる呼吸器疾患である。一方、近年本邦において急速に普及している加熱式タバコの毒性に関する評価は定まっておらず科学的実証の社会的ニーズが高まっている。本研究では、従来のタバコ煙に対する肺傷害の解析システムを用いて、加熱式タバコと従来のタバコ煙曝露との比較検討を行い、長期的な加熱式タバコ使用の呼吸器系に与える影響についての新しいエビデンスを創生することを目的とする。