著者
菊地 慎二 平島 健一 杉坂 憲明
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.887-891, 1998-09-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

This paper presents a unified analysis of isotropic out-of-plane shear problems with concentric circular elastic inclusions. The applied disturbances considered in this paper are longitudinal shear stress at infinity, analysis is based on the complex variable method using the Möbius transformations by Honein and Herrman. Several numerical examples are given by many graphic representation.
著者
水池 千尋 石原 康成 堀江 翔太 大谷 豊 水島 健太郎 久須美 雄矢 立原 久義
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0271, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】可動域制限を伴う肩関節疾患では,結帯動作が障害され,日常生活動作に支障をきたすことがあるが,その改善に難渋することが多い。肩関節の可動域制限に対するアプローチは徒手療法,物理療法などがあり,近年では機器を用いた運動もセルフエクササイズとして行われている。これまで我々は,機器を用いたディップ運動が肩関節可動域に及ぼす影響について調査し,肩甲上腕関節(glenohumeral joint:以下,GHj)よりも肩甲胸郭関節(scapulothoracic joint:以下,STj)の可動域が拡大すると報告してきた。しかしながら,男女では筋骨格系に違いがあるため,同様の運動を行っても効果に差が生じる可能性が考えられる。そこで,本研究の目的は,機器を用いたディップ運動による肩関節可動域の変化とその性差について検証することとした。【方法】対象は,肩に整形外科的疾患を有さない健常成人20名40肩[男性:11名,女性:9名,平均年齢:33(21-50)歳]とした。運動に使用した機器は,Hogrelディッピングミニ(是吉興業株式会社製)である。運動は,機器のシートに着座した状態で肩のディップ運動を実施した。速さは対象者自身のタイミングとし,回数は40回,負荷は約50N,時間は3分程度であった。運動前後に,肩関節自動挙上角度(以下,挙上角度),第7頸椎棘突起から母指先端までの距離(以下,指椎間距離)を測定した。指椎間距離は結帯動作の指標として用いた。また,上肢下垂位と挙上時における肩甲棘と上腕骨長軸のなす角度(spino-humeral angle:以下,SHA)を測定し,上肢下垂位と挙上時の値の差によって,GHjの可動範囲を評価した。挙上角度とSHAの測定はゴニオメーターを用い,指椎間距離の測定にはメジャーを用いた。統計学的処理は,運動前後の比較には対応のあるt検定,男女間の比較には対応のないt検定を用いた。なお,有意水準は危険率5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,ヘルシンキ宣言に基づき,対象者には事前に研究の目的や手順を十分に説明し,口頭にて同意を得た。また,本研究は所属する職場の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】男女の比較では,運動前のSHAは男性:103.9±12.7°,女性:106.8±12.9°であり,女性が大きかった(p<0.05)。その他の値に差はなかった。すなわち,女性ではGHjの可動範囲が大きかった。運動前後の比較では,挙上角度は男性:運動前158.2±8.5°,後162.3±7.4°,女性:運動前157.5±8.3°,後160.3±7.8°であり,男性は運動後に拡大した(p<0.05)が,女性は差が無かった。すなわち,男性で挙上角度が拡大していた。指椎間距離は男性:運動前150.9.±57.9mm,後137.5±52.7mm,女性:運動前120.8±37.7mm,後111.1±38.0mmであり,男女ともに短縮した(p<0.05)。すなわち,性別によらず結帯動作は改善していた。SHAは男女とも運動前後で差はなかった。すなわち,性別によらずGHjの可動範囲は変わらなかった。【考察】本研究の結果,男女の比較では運動前の挙上角度は差が無く,SHAは女性が大きかった。すなわち,女性の方がGHjの動きが大きく,STjの動きが小さいことが示された。三次元CTを用いた解析から,上肢挙上時に女性では肩甲骨の上方回旋角度が小さいため代償的に肩甲上腕運動での動きが大きくなることが報告されており,本研究もこれを支持する結果となった。次に,運動後に男女とも指椎間距離は短縮し,挙上角度は男性のみ改善がみられた。ディップ運動では僧帽筋上部線維,菱形筋,前鋸筋,上腕三頭筋に強い筋活動がみられたという報告があり,これらの筋の反復収縮と相反神経抑制によって肩甲骨周囲筋の柔軟性の向上が引き起こされたと考えられる。女性の挙上角度は変化が無かったが,120°以上の挙上では肩甲骨の動きに加え,胸椎伸展運動の連動が必要とされる。元々胸郭と肩甲骨の可動性が低く,筋力が小さい女性にとって,本研究の負荷設定では,肩甲骨と胸椎周辺の可動性の改善度が少なかったと推察された。以上から,ディップ運動を実施する際は,男女の特性に適した負荷設定と効果判定を行うことで,より効果的な介入ができる可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】男女の筋骨格系の違いによってディップ運動の効果に差が生じることが示唆された。このことから,男女の特性に適した負荷設定を行うことが効果的な介入方法に繋がる可能性を見出したことに意義があると考えられる。
著者
窪田 香織 野上 愛 高崎 浩太郎 桂林 秀太郎 三島 健一 藤原 道弘 岩崎 克典
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.3, pp.110-114, 2014
被引用文献数
1

我が国は超高齢社会を迎え,認知症患者数の増加は深刻な問題である.しかし認知症の根治的治療法は確立しておらず,患者の日常生活動作(activity of daily living:ADL)を低下させない新しい認知症治療薬が求められている.その中で,ADLを低下させずに認知症の症状を改善する漢方薬・抑肝散が脚光を浴び,主に幻覚,妄想,抑うつ,攻撃行動,徘徊などの行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)に使われている.しかし,その作用機序はよく分かっていない.そこで漢方薬である抑肝散の認知症治療薬としての科学的背景を明らかにすることが必要となった.我々は,抑肝散がメタンフェタミン投与による興奮モデル動物において自発運動の異常増加を抑制すること,単独隔離ストレスによる攻撃行動,幻覚モデルとしてのDOI投与による首振り運動,不安様行動,ペントバルビタール誘発睡眠の短縮や夜間徘徊モデルの明期の行動量増加のようなBPSD様の異常行動を有意に抑制することを明らかにした.また,8方向放射状迷路課題において,認知症モデル動物の空間記憶障害を改善することを見出した.記憶保持に重要な海馬において神経細胞死の抑制やアセチルコリン遊離作用が認められ,これらの作用によって抑肝散の中核症状に対する改善効果も期待できることが示唆された.さらに,中核症状,BPSDいずれにもNGFやBDNFなどの神経栄養因子の関与が注目されているが,抑肝散には神経栄養因子様作用や神経栄養因子増加作用があることが分かり,この作用も中核症状・BPSDの改善効果に寄与するものと考えられる.以上のことから,抑肝散は,認知症患者のBPSDならびに中核症状にも有効で,さらに他の神経変性疾患や精神神経疾患の治療薬としても応用が期待できることが示唆された.
著者
小島 健
出版者
立正大学経済学会
雑誌
経済学季報 (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.105-129, 2005-03-20

1993年の憲法改正によってベルギーは連邦国家に移行した。ベルギーの連邦化は第二次大戦後の国内における地域対立の激化と地方自治要求の高まり、ヨーロッパ統合の進展など国内外の環境変化に対応したものであった。本稿はベルギー建国以来、劣位におかれてきた北部フランデレンの発言力向上、2度の世界大戦による影響に留意しながら、1970年の戦後最初の憲法改正以来、4度の憲法改正によって徐々に形成されたベルギー連邦制の歴史的意味を考察することを目的とする。また、本稿では、ベルギー連邦制がヨーロッパ統合の進展と同時進行的であったことに注目して、ヨーロッパ統合の議論における連邦制につながる地方自治の要求の高まりについても考察する。この点については、まずヨーロッパ審議会で採用され、ついでまーすとりひとじょうやくにもとりいれられた「補完性原理」受容の過程に即して検討する。
著者
中島 健介 末松 憲治 谷口 英司 竹田 英次 辛坊 俊行 佐々木 善伸 高木 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.557, pp.1-5, 2000-01-20
参考文献数
8
被引用文献数
2

近年, 移動体通信の普及により, 携帯電話等で使用されるL帯マイクロ波デバイスの小形化, 低コスト化が進んでいる.ここでは, これらデバイスを利用した低コストな移相器モジュール構成を提案する.この移相器モジュールは, GaAs SW-BANKとチップインダクタ / チップコンデンサで構成されたハイパスフィルタ / ローパスフィルタ切換え形の移相回路を低コストなガラエポ基板上に構成したものである.本構成によるL帯5ビット移相器モジュールを試作した結果, 従来のGaAs-MMIC移相器と比べ, GaAs半導体基板の総面積を約1 / 6に低減でき, また, サイズ, 性能ともに同程度の良好な結果が得られた.
著者
新井 康平 矢島 健郎
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.128, no.11, pp.1679-1686, 2008-11-01 (Released:2008-11-01)
参考文献数
31
被引用文献数
5 9

A communication aid with human eyes only is proposed. A set of candidate character is displayed onto computer screen of relatively small and light Head Mount Display: HMD that is mounted on glasses of which user wears on. When user looks at a candidate character with his/hers left eye while right eye picture is taken with small and light web camera that also is mounted on the glasses. The proposed system can selects 81 characters with two layers of 9 by 9 character candidate image. Other than these there is another selective image including control keys and frequently use of sentences. By using image matching between previously acquired template image for each candidate character and the currently acquired image, the proposed system realizes that which character in the candidates is selected. By using blinking and fix one's eye on combine together, the proposed system recognizes that user determines the selected key from the candidates. The blinking detection method employs a morphologic filter to avoid misunderstanding of dark eye detection due to eyebrows and shadows. Thus user can input sentences. User also may edit the sentences and then the sentences are read with Text to Speech: TTS software tool. Thus the system allows support conversations between handicapped and disabled persons without voice and the others peoples because only the function required for conversation is human eyes. Also the proposed system can be used as an input system for wearable computing systems. Test results by the 6 different able persons show that the proposed system does work with acceptable speed, around 1.5 second / character.
著者
川中 翔 西田 京介 倉島 健 星出 高秀 藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.35, pp.121-126, 2012-05-10

Twitterを情報源としてユーザ属性を活用したブランド特徴分析手法を提案する.提案法ではツイートから抽出するブランドの特徴語と,自己紹介文から抽出するユーザの属性語の共起から,ブランドの特徴語毎に関係の強い属性語を獲得する.提案法は,特に新しい点として,周囲のユーザから該当する属性語推定手法を含む.Twitterの実データを用いた実験において、属性語推定手法はランキング手法に比べ良い結果を示した.提案法は,限定的な実験ながら,属性語推定を行うことで,特徴語と関係の強い属性語を数多く獲得することを可能にした.
著者
飯尾 能久 松本 聡 松島 健 植平 賢司 片尾 浩 大見 士朗 澁谷 拓郎 竹内 文朗 西上 欽也 廣瀬 一聖 加納 靖之 儘田 豊 宮澤 理稔 辰己 賢一 和田 博夫 河野 裕希 是永 将宏 上野 友岳 行竹 洋平 Bogdan ENESCU
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.463-475, 2006-03-31 (Released:2010-03-11)
参考文献数
44
被引用文献数
1 2

The 2004 Mid Niigata Prefecture Earthquake (MJMA 6.8) occurred on 23 October 2004. The mainshock was followed by four aftershocks with MJMA≥6.0. This earthquake is located in the Niigata-Kobe Tectonic Zone in which large strain rates (>0.1ppm/y contraction) have been observed by GPS data. We deployed three temporary online seismic stations in the aftershock area. Combining data from the temporary stations and from permanent stations around the aftershock area, we determined aftershock locations, and estimated the structures and the stress change in and around the aftershock region. Based on these results, we suggested a generating process of the 2004 Mid Niigata Prefecture Earthquake supposing that a very weak region exists in the weak zone in the lower crust just beneath the seismogenic fault.
著者
三浦 信幸 高橋 克巳 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1523-1535, 1998-05-15
被引用文献数
10

本論文では,個人適応型WWWにおけるユーザモデル構築法を提案する.個人適応型WWWとは,従来の一般的なWWWが,基本的には,すべてのユーザに対して同一の情報内容を同一の情報提示方式で提供してきたのに対し,ユーザモデルとコンテンツモデルの擦合せにより,ユーザ1人1人の特性に応じて提供する情報内容・情報提示方式をユーザごとに動的に変更しながら動作するWWWである.本提案手法の特徴を以下に示す.1)ユーザに余計な負荷となる事前アンケートは用いず,WWWへのアクセス履歴のみからユーザの特性を把握する.2)ユーザモデルをグラフで表現することにより,ユーザのアクセス行動の遷移をモデルに反映できる.3)WWWコンテンツ自身のハイパーリンク構造やコンテンツの意味的な関係を表現したコンテンツモデルとユーザのアクセス履歴を組み合わせてユーザモデルを構築することにより,より多様な個人適応が可能なモデルを構築できる.本論文ではユーザモデルとして,状態モデル・行動モデル・学習モデル・メタモデルの4つを提案し,主に状態モデルについて,実際に外部に公開中の2つのWWWサイトのアクセス履歴に適用し,約4万人分のユーザモデル構築を行い,構築結果の評価実験を行った結果,ユーザ間の相違点・共通点を適度に表現できること,従来法では見つかりにくいユーザ特性を見つけられること等を確認し,提案手法の有効性を示した.This paper proposes a user-models construction method for personal-adaptive WWW.Though Web system has provided same information in same layout to all users,personal-adaptive WWW adapts contents of information and how to users'preferences.Features of our proposal method is as follows.1) User-models are constructed from access histories,not using questionnaires.Questionnaires are excessive works for users.2) User-models are represented as graphs in order to express users'activities.3) User-models are constructed from access histories and WWW contents-models.As WWW contents-models express hyperlink structures of contents and semantic relationships among contents.These user-models enable more various personal-adaptations.We define four user-models,user-status model user-activity model,user-learning model and user-meta model.We show experimental results of constructing user-models,especially user-status model,from access histories of real two public WWW sites.We constructed fourty thousand users'models and the results show effectiveness of our method in the viewpoints that we can get more various and more interesting users'profiles than what are produced by usual construction methods and that constructed user-models have both different points and common points.
著者
岡部 恒治 三島 健稔 鈴木 俊夫 西村 和雄 西森 敏之
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、日本に伝わる和算・そろばんにある、イメージを利用し、直感的に理解させる思考法を用いて、数学が苦手な学生・生徒にわかりやすく理解させるための方策の研究である。この研究に基づいて、小学生向きの自学自習教科書を実際に作成した。その目覚しい成果は産経新聞、読売新聞、フジテレビなどでも紹介された。また、代表者の岡部は、この成果を用いてお台場のパナソニック・センターに18年8月に開設された「RiSuPia」の数学関連の展示コンテンツの監修をした。三島は教材の電子化に関して多大な貢献をした。このRiSuPiaは、数学に関しての本格的な体験的施設としては、現在本邦唯一のものである。このリスーピアも、NHKはじめ各テレビ局や新開でも大きく報道された。ここでは、和算・そろばんの果たした意義やその思考法を来場者自ら体験してもらうようにもなっている。
著者
三島 健 櫻井 英俊 吉元 昭裕 野下浩平
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.4007-4015, 2008-12-15

ゲームHexでは,具体的な必勝手順を求めるために,様々な数学的技法が提案されている.8×8や9×9など大きい盤面に対する必勝手順を導くためには,これらの技法に基づいたシステムで人間とコンピュータの共同作業ができるものを実装する必要がある.本稿では,与えられた局面に対してユニオン連結性を判定するプログラムAとBを提示する.プログラムAは局面表を用いたAND-OR探索に基づくものであり,Hex特有の着手選択アルゴリズムにより強化した.プログラムBは,さらに仮想準連結などを組み込んで改良したものである.これらのプログラムは,実行時間と探索節点について評価する.ベンチマーク問題として,Noshitaによる7×7と8×8の必勝手順に現れる約40種類の難しい問題を選んだ.我々の実験結果によると,これらの局面の正しさは,非常に速く検証できた.このことは,我々のプログラムが実用に使えるということを意味する.着手選択(順序付けと先行排除)は,人間の熟練者と同程度に正確であると評価できる.本稿の実験結果をみると,我々のプログラムは,8×8以上の必勝手順の検証・発見のための対話システムを開発する際に最も基本的な道具として使えることが分かる.
著者
大島 健吉
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.154, pp.1114-1118, 1895-12-26
著者
倉島 健 手塚 太郎 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.67, pp.47-53, 2005-07-13
参考文献数
14
被引用文献数
1

人間の行動は時間的・空間的要因によって規定されている.Blogの普及により,地域を実際に体験した個人の情報発信が活発になり,さらには記述された日時が記録されているというBlogの特性によって,このような人間の動きに関する情報が得られるようになった.本研究においては,ある場所について書かれた個々のテキストから,人々の体験を,時間・空間・動作・対象属性間の相関ルールマイニングによって抽出する手法を提案する.そして,ユーザがそれらの属性を指定することで,抽出した体験を柔軟に検索・要約することのできるシステムの提案を行う.これにより,容易にその地域における人々の行動を把握することが可能となる.The prevalence of Blogs has enabled observation of the personal experiences in a certain location and time. Such information were traditionally unavailable except indirectly through local newspapers and periodicals.This paper proposes a method of obtaining spatially-specific experiences of urban visitors, for example, visitors' activities at several sight-seeing spots and their evaluations, by extracting association rules from the contents of Blog articles.By geographical mapping of Blog articles, the proposed system enables users to observe visitors' real activities and impressions of their visiting places, which are often more diverse than the guidebooks and more trustworthy than the advertisements.
著者
島 健 岡田 芳和 西田 正博 山根 冠児
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.25-34, 1992-02-20

椎骨脳底動脈循環不全症の大多数の症例は頭蓋外椎骨動脈起始部病変に起因する.本稿では椎骨動脈の露出法と各血行再建術をレビューするとともに,術式の長所,短所につき検討を加えた.薬物療法,星状神経節ブロックでも効果なく,反復する頸性めまいの原因としてのVA起始部のcoiling, kinkingに対し,C_6横突起孔のunroofingとVA走行矯正を行う方法は術式も容易で有効な治療法と思われる.VA起始部の狭窄性病変に対するVA-SA transposition, VA-vein graft-SAバイパスは術式の容易さ,手術侵襲も比較的少なく,VA-CCA transpositionに比して,脳主幹動脈2本の同時遮断という脳虚血の危倶も少なく,優れた術式と考えられた.術中ABR,VAのstump pressure等術中モニターの重要性についても述べた.
著者
中島 健一朗
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.105-110, 2023 (Released:2023-04-21)
参考文献数
21
被引用文献数
1

ヒトを含め動物が生きていくうえで, 食欲は最も重要な本能の1つである。脳は食欲調節の中心的な役割を担い, その破綻は過食や食欲不振を引き起こす。これは最終的に肥満やサルコペニアにつながるため, 食欲をコントロールしつつ適切な食物 (栄養素) を摂ることが, 健康維持および未病状態の改善に非常に重要となる。食欲の特徴は全身のエネルギーを一定に保つ摂食 (恒常性の摂食) と食の美味しさを追求する摂食 (嗜好性の摂食) に分類できる点である。また, これらの性質は食物の機能という点から見ると, 脳が栄養, 感覚, 機能性成分を感知し, 評価・選択して摂取する仕組みと言える。近年, 脳内の摂食調節の複雑なネットワークが次々に明らかになってきたが, 本項では代表的な仕組みと今後の課題を紹介する。
著者
大髙 理生 中島 健 吉田 晶子 鳥嶋 雅子 川崎 秀徳 山田 崇弘 和田 敬仁 小杉 眞司
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.84-93, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
22

遺伝性腫瘍診療では,診断後発端者に血縁者への情報共有を推奨するが,困難な場合がある.欧米では受診勧奨の研究があるが,本邦の実態は不明である.2020年より遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer;HBOC)は遺伝学的検査が保険収載され,血縁者への対応も求められる.本研究はHBOC患者血縁者への情報共有と受診勧奨の施設での課題抽出を目的とし,乳房悪性腫瘍の治療実績国内上位100施設を対象に質問紙調査を行った.初回調査で回答を得た44施設(44%)のうち5例以上のHBOC診断数の31施設を対象とし29施設(94%)から二次調査回答を得た.26施設(90%)で血縁者のリスク説明は実施だが,発端者家系に特化した資料配布は17施設(59%)で未実施であった.課題は,「未発症血縁者のサーベイランスが保険適用外」「血縁者と疎遠な関係性」であった.受診勧奨支援は施設間差を認め,その解決には多角的な検討が必要と考えられた.
著者
大島 健司
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

がん細胞は、自身の生存に有利になるように、正常組織とは全く異なる代謝動態を獲得していることが知られており、がん特異的な代謝経路の同定とそれを標的とした治療法の開発が近年試みられている。我々は中枢神経系でのみ機能が明らかにされていたセリンラセマーゼという代謝酵素が、大腸がんにおいてL-セリンからピルビン酸を産生する新たながん代謝経路を担い、がん細胞の増殖を促進することを明らかにした。そして、セリンラセマーゼ阻害剤が大腸がん細胞の増殖を抑制し、さらには従来の抗癌剤である5-フルオロウラシルとの併用で大腸がん細胞の増殖を顕著に抑制することを明らかにした。
著者
島 健二 沢崎 憲夫 森下 寿々枝 垂井 清一郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.435-440, 1973-09-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
17
被引用文献数
2

Experiments have been carried out to determine whether a stimulatory effect of glucose administerd orally on the secretion of gut glucagon was associated with the absorption process of glucose from the intestine. For this purpose, oral and intravenous glucose tolerance tests were performed in gastrectomized subjects treated 60 minutes previously with phenformin (DBI) which has been reported to cause an impairment of intestinal absorption of glucose, and changes in blood sugar, IRI, total IRG and pancreatic glucagon levels were compared with those obtained during the control experiment in which no DBI was administered previously.DBI pretreatment flattened the blood sugar and IRI responses to oral glucose significantly but did not alter the response to the intravenous glucose. The drug produced no significant changes in basal plasma pancreatic glucagon and total IRG levels. Thirty minutes after the oral glucose alone, the total IRG level rose to a peak of 1.55±0.17ng/ml, a value being not different from the maximum level of 1.67±0.18ng/ml observed during the test pretreated with DBI. However, the mean total IRG levels obtained 120 and 180 minutes after the oral glucose with DBI were significantly higher than the corresponding values without DBI which seemed to be attributed to glucose retention in the gut caused by the drug. No significant changes in mean plasma levels of pancreatic glucagon were noted after the oral glucose with and without DBI. The intravenous injection of glucose caused a slight decline in total IRG concentration to the same extent in the both occasions.These results suggest that gut glucagon is released in response to contact of glucose with the intestinal mucosal surface rather than the intestinal absorption of glucose.