著者
西田 和広 水谷 浩之 津留 正臣 川上 憲司 檜枝 護重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.63, pp.83-86, 2008-05-22
被引用文献数
1

低位相雑音VCOの構成として,線路共振器に能動回路および同調回路をそれぞれタップ結合で接続したデュアルタップ結合型線路共振器を用いたVCOを提案する.共振器の解析式を導出し,数値計算により,外部Qと共振周波数の可変帯域幅とがタップ位置によって独立に設定可能であることを示している.能動回路にGaAs 2um HBTを用い,共振器にアルミナ基板を用いた12GHz帯における試作の結果,能動回路の接続位置により位相雑音が,同調回路の接続位置により発振周波数の可変帯域幅が,それぞれ独立に設定できることを確認している.また,可変帯域幅226MHz(1.88%)において,100kHz離順における位相雑音-117.6〜-114.4dBc/Hzを得,本構成の有効性を確認している.
著者
川尻 真也 川上 純 岩本 直樹 藤川 敬太 荒牧 俊幸 一瀬 邦弘 蒲池 誠 玉井 慎美 中村 英樹 井田 弘明 折口 智樹 江口 勝美
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.190-194, 2008 (Released:2008-06-30)
参考文献数
12

症例は56歳,女性.主訴は多発関節痛.1999年に拇趾MTP関節の痛風発作を発症した.その後,痛風発作を繰り返すもコルヒチン内服にて症状は軽快していた.しかし,2006年頃より関節痛は全身の多関節におよび,持続性となった.2007年4月,多発関節炎の精査加療目的にて当科紹介入院となった.入院時,著明な高尿酸血症を認めた.入院中,関節炎発作による全身の関節痛および高熱を認めた.関節液所見にて白血球に貪食された尿酸ナトリウム針状結晶を認め,痛風と診断した.デキサメタゾン4 mg筋注およびコルヒチン投与により症状は改善した.
著者
川上 正浩 坂田 浩之 Masahiro KAWAKAMI Hiroyuki SAKATA
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, 2016-01-31

全項目を対象に因子分析を繰り返し、10 因子解 (73 項目:表1)を採用した。第1 因子はメディアで 喧伝される不思議現象に対する懐疑である"懐疑"因 子、第2 因子は神仏や霊の存在を信奉する"スピリチュ アリティ信奉"因子、第3 因子は不思議現象を楽しむ 態度である"娯楽的享受"因子、第4 因子は占いやお まじないを嗜好する"占い・呪術嗜好性"因子、第5 因子は自ら知覚する社会的現実を根拠に宇宙人や霊の 存在を否定する"社会的現実を根拠とした否定"因子、 第6 因子は霊体験の有無を表す"霊体験"因子、第7 因子は血液型性格判断に端を発する社会的問題を危惧 する"血液型性格判断に対する批判"因子、第8 因子 は事件の件数等の事実に基づき、霊や霊能力の存在を 否定する"事件の頻度を根拠とした否定"因子、第9 因子は不思議現象に対する恐怖である"恐怖"因子、 第10 因子は問題の原因を前世に帰属することに対す る否定的な"前世帰属に対する否定"因子であると解 釈された。以上の10 因子は、旧尺度の6 下位尺度に、 社会的現実を根拠とした否定、血液型性格判断に対す る批判、事件の頻度を根拠とした否定、前世帰属に対 する否定の4 下位尺度を加えたものであると解釈でき る。 *この研究は、日本心理学会第79 回大会において発 表された。
著者
川上 梅
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.397-408, 2007

身体プロポーションの年代差は従来から指摘されてきたことではあるが, 近年の若年女子は中高年女子よりも著しく高身長である.このため, 身長に対するプロポーションの年代差には, (1) 同一身長で比較したプロポーションの年代差だけではなく, (2) 身長の差異による影響が含まれていると考えられる.そこで, 20代から90代までの成人女子の身体計測データ (人間生活工学研究センター, 1992-1994年計測<SUP>1) </SUP> ) を使用して, 前面からみたプロポーションを表す身長に対する各身体計測値の割合を算出し, 身長一括グループの場合の年代変化, および同年代を身長グループで分類した場合, つまり年代別身長グループ別のこれらの割合の変化を検討した.年代区分は20代から60代までは10歳毎, 70-90歳は一括とし, 身長グループ区分は5cm毎とした.この結果, 多くのプロポーションが身長と密接に関係することが確認できた.また, 身長一括の年代別平均値の比較では, 隣接する多くの年代間で有意差が認められ, 年齢が若くなる程高身長に伴うプロポーションになると解釈される結果が得られたが, 身長グループ別の年代別平均値の比較では, 隣接する年代間の有意差は減少し, 同一身長であれば年代差が認められないプロポーションも多いことが明らかになった.<BR>同一身長で比較しても隣接する年代間で有意差が認められ, プロポーション自体の年代差が存在すると考えられたものとしては, 20代は30代よりも, 比股下高および比前ウエスト高が大きく, 比ヒップ幅が小さいことから, 長脚でウエストが高いとともに下半身がほっそりとしていることなどが明らかになった.ただし, 20代の身長160cm以上では比股下高は横ばいとなったことから, 長脚化に歯止めがかかるものと考えられる.また, 同一身長で比較すると, 小顔化は徐々に生じている年代変化ではなく, 比全頭高は身長145-150cmでは50代以下で, 155-160cmでは60代以下で小さいというステップ状の年代変化を示すことが確認できた.また頭部の幅である比耳珠間幅の平均値は, 年齢に関係なく身長に対してほぼ線形に変化し, 隣接する年代間では差が認められなかった.一方, 顔面の幅である比下顎角幅は身長145-160cmの広範囲において50代以下では顕著に小さいことが明らかになった.
著者
竹内 朋代 野口 雅之 川上 康 大河内 信弘
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.21-28, 2016 (Released:2016-06-22)
参考文献数
9

Biobank is the facility for preserving and providing biospecimens such as human cells, tissues and blood with their clinical data. Every year the establishment biobank has increased all over the world. The human biospecimens are rarely provided for researchers who want to use them for life-science research in Japan; the preservation is done well, though. Recently the ethical guidelines for life-science research using of human biospecimens have been amended. Through this revision, researchers can be easy to use these human biospecimens than before. It is expected this will provide the chances to progress life-science research. The next step of banking the human biospecimens is to examine the quality of the samples and to prepare the standard operating procedure. It is also extremely expected that biobank will be the basis for research toward the highly advanced medical technology.
著者
川上邦基 編
出版者
日本陶磁器協会
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1926
著者
松本 和彦 藤木 徹一 本多 牧生 脇田 昌英 川上 創 喜多村 稔 才野 敏郎
出版者
Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.17-25, 2012
被引用文献数
1

海洋地球研究船「みらい」では,採水にニスキン−X採水器を取り付けたCTD採水システムを使用している. ニスキン−X採水器は蓋閉用のスプリングが採水器外側に配置され, ボトル内部へのゴムや微量金属による汚染を極力排除できる仕組みとなっている. 通常, 一次生産量測定用のサンプリングには海水サンプルへの微量金属等の汚染防止を徹底するため, 内部にテフロンコーティングを施し, ボトル内部及び部品各種を酸洗浄した採水器をクリーンニスキンとして使用している. クリーンニスキンとその他のノーマルニスキンで採水した場合に, 実際に一次生産量に差が生じるのかを確かめたところ, ノーマルニスキンで採水した場合に一次生産量測定値が激しく低下した. その差を生じる原因を把握するための追加実験を行うと, ノーマルニスキンで使用しているニトリルゴム製Oリングが一次生産を阻害していることが明らかとなった.
著者
高野倉 睦子 吉永 実蕗 川上 鈴奈
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.257-258, 2014-11-20

女性用ファンデーションなどの弾性ウェアは,本来美しいシルエットを形成するために着衣するものである。しかしながら,加齢に伴い真皮の厚さの減少や萎縮が起こった高齢女性においては,弾性ウェアの着用により身体形状が変形し,外観審美性の低下が多々見られる。そこで,本研究では,高齢女性において美しいバックシルエットを形成するブラジャー設計のための基礎資料を得ることを目的として,まず比較対象である健康な若年女性における皮膚の性状と皮下構造について明らかにするため,健康な若年女性7名を被験者として,左上半身など26か所の皮膚弾力性と,同一部位の皮下脂肪厚と筋肉厚を測定し,部位差について検討した。
著者
北山 研二 一之瀬 正興 川上 善郎 村瀬 鋼 木村 建哉
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、「らしさ」の概念を中核とする表象の問題(表現することと現れることの関係性)に関して、理論研究と実証事例研究を交差させて、国際シンポジウム、研究会、調査を実施しながら討論を重ねた。理論研究次元では、存在と現象、自然と文化、一般性と個別性という哲学的対立概念を表象次元で交錯させる「らしさ」の位置づけについて包括的な考察をした。実証研究次元では、社会心理学的事例研究によって、情報社会における事件と事件らしさ、ニュースとニュースらしさの相互関連性が実証された。文学的事例研究によって、演劇では真実らしい人物造型が重要であること、また地方色を出す文学が現地事情よりは文化的コード(らしさ)によって形成されること、さらに美術的事例研究によって、実物(真なるもの)より表象性(真らしきもの)が問題であることが、論証された。映画的事例研究によっては、「自然さ」の文法「真らしさ」が映画的リアリティーであるだけではなく、その多くが身体的反射性に由来することが確認された。さらに歴史テレビ映画や写真映画の事例研究によって、「真なるもの」と「真らしきもの」の明快な判別ができないことも証明された。文化論的事例研究つまり文化としてのらしさの研究では、それぞれの「らしさ」が文化的多層性の産物であり、その反映であるはずの実物(真なるもの)を特定できないことが確認された。こうして本研究の目的、「らしさ」という概念を軸に、表象文化の成立と変遷を「自然」の成立との交替として捉え直し、近現代の表象文化の諸展開について具体的・包括的な見取り図をつくることは、おおむね達成された。
著者
千葉 勇人 川上 和人 鈴木 創 堀越 和夫
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-17, 2007
被引用文献数
1 32

小笠原諸島は,亜熱帯気候に属する海洋島で,多くの海鳥の繁殖地となっている。しかし,各島嶼における海鳥の繁殖実態はこれまでに十分に調査されておらず不明点が多い。そこで,我々は諸島に属する66の島嶼について海鳥の繁殖実態調査を行った。調査は上陸と周囲からの観察による野外調査および,文献調査により行った。その結果,小笠原諸島で1968年以後に繁殖が確認された海鳥は15種であった(コアホウドリ,クロアシアホウドリ,シロハラミズナギドリ,アナドリ,オナガミズナギドリ,オーストンウミツバメ,クロウミツバメ,アカオネッタイチョウ,カツオドリ,アオツラカツオドリ,アカアシカツオドリ,オオアジサシ,セグロアジサシ,クロアジサシ,ヒメクロアジサシ)。これらのうち最も繁殖場所が多かったのはカツオドリで,次はオナガミズナギドリだった。アカアシカツオドリは1度営巣が確認されたのみで,この巣も台風により破壊されており,その他に記録はない。セグロミズナギドリは小笠原で繁殖していると考えられているが,戦前に繁殖記録があるだけで最近の繁殖は確認できなかった。海鳥の繁殖種数は島の面積と正の相関があったが,撹乱があった島では種数が少ない傾向があり,人間の活動などが海鳥の繁殖分布に大きな影響を与えていると考えられる。ノヤギ,ノネコ,クマネズミなどの移入哺乳動物は,捕食や環境改変により個体群に大きく影響している可能性があり,海鳥の保全のためにはこれら移入種を管理することが望ましい。
著者
川上 裕生 浦 晃 三輪 誠 鶴岡 慶雅 近山 隆
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.66-72, 2013-11-01

将棋プログラムの評価関数は大量の棋譜を利用した機械学習によって調整する。これにはプロ棋士の棋譜が用いられているが棋譜の数には限りがあり、新たに指し手の教師情報のついた局面を作成するには大きなコストが必要となる。本稿では、教師情報を付けるコストを削減するために、能動学習を用いて学習に有効に働く局面を選択する手法を提案する。既存の棋譜を用いて提案手法の評価を行ったところ、将棋の評価関数の学習に有効な局面が存在し、その選択が可能であることを示した。
著者
梶本 裕之 川上 直樹 前田 太郎 舘 [ススム]
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.120-128, 2001-01-01
被引用文献数
55

経皮電流刺激により皮膚感覚を提示する触覚ディスプレイを提案する.過去の多くの皮膚感覚ディスプレイでは言語報告によって表される種々の感覚(圧覚, 振動覚, 手触り等)を表現するTop-downの設計法がとられてきたが, それらの感覚は各種感覚受容器の活動を組み合せた結果であるため, こうして設計されたディスプレイはある限られた感覚を提示するにとどまっていた.これに対して我々の方針は, 感覚神経をその種類別に刺激するというものである.種類別刺激が可能であれば, それらを組み合せることであらゆる感覚を生成することができるだろう.これらの刺激を, 視覚との類似性から「触原色」と呼ぶことにする.刺激手段として皮膚表面からの電気刺激を用いる.電気刺激自体の歴史は古いが上記のような原色作成の試みはなく, 多くが単なる特殊感覚のad-hocな生成に終わっている.本論文では受容器選択的刺激のための二つの方法を提案する.一つはアレー状電極を用い, 各電極の重み付け変化で刺激深度を変化させる手法である.もう一つはこれまでの経皮電気刺激が陰極電流を刺激として用いていたのに対し, 陽極電流を使うことで神経軸索の方向に選択的な刺激を行う手法である.
著者
川上 利香
出版者
日本生活体験学習学会
雑誌
生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.51-57, 2007-03

宇美町子育て支援センター・ゆうゆうは、住民の要望がきっかけとなり生まれ、行政と住民が協働で運営にも関わっている子育て支援センターである。各地の子育て支援の取り組みを参考に、多くの方にご協力頂きながら「地域の子育てコミュニティー施設」として、親子が主体的に過ごすことができ、「見よう見まねで子育てができる」場所を目指して、平成15年4月に開館後、3年9ヶ月が経過し、本稿はその実践活動をまとめたものである。
著者
池田 啓子 川上 潔 佐竹 伸一郎
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

Naポンプα2サブユニットは脳(アストロサイトと海馬の錐体細胞)に高発現し,家族性片麻痺性偏頭痛2型(FHM2)の原因遺伝子である。常染色体優性遺伝形式のFMH2は痙攣や小脳症状を合併する。研究代表者はその病態解明と新しい治療法・治療薬の開発を目指し,α2サブユニット遺伝子ノックアウトマウスを用いて解剖・組織学的解析,電気生理学的解析を行った。ノックアウトマウスでは皮質拡延性抑制 (CSD)の誘発閾値が低い傾向が観察された。また,ヒトで見つかる遺伝子変異をマウス相同部位に導入したトランスジェニックマウス3種類の作成と,疾患モデルマウスとしてのスクリーニングを行い,今後の研究の基盤作りを試みた。