著者
篠原 和子 平田 佐智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2N4OS16a1, 2015 (Released:2018-07-30)

時間概念が空間的に表象される際の空間軸の写像構造については多くの先行研究がある.特に認知言語学の概念メタファー理論では,普遍的概念写像構造を探る方向で研究が進められてきたが,近年,書記体系や読みの経験など文化や状況による影響も指摘されている.本発表では,縦書き・横書き両方を併用する複雑な書記体系をもつ日本語の話者が,時間的順序列をどのように空間軸で表象するかについての実験研究を報告する.
著者
篠木 俊雄 前田 毅 舟木 治郎 平田 勝哉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.78, no.787, pp.415-419, 2012 (Released:2012-03-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

Supposing the design of ethanol steam-reforming reactors, the authors conduct experiments for Cu/ZnO/Al2O3 catalyst. Using a household-use-scale reactor with well-controlled temperature distributions, the authors compare experimental results with chemical-equilibrium theories. It has revealed by Shinoki et al. (2011) that Cu/ZnO/Al2O3 catalyst shows rather high performance with high hydrogen concentration CH2 at low values of reaction temperature TR. So, in the present study, the authors reveal the influences of liquid-hourly space velocity LHSV upon concentrations such as CH2, CCO2, CCO and CCH4 and the influence of LHSV upon the ethanol conversion XC2H5OH, in a range of LHSV from 0.05 h-1 to 0.8 h-1, at S/C = 3.0 and TR = 520 K. And, the authors reveal the influences of the thermal profile upon CH2, CCO2, CCO, CCH4 and XC2H5OH, for several LHSV's. To conclude, with well-controlled temperatures, the reformed gas can be close to the theory.
著者
小川 博士 髙林 厚志 池野 弘昭 竹本 石樹 平田 豊誠 松本 伸示
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.345-356, 2019-03-25 (Released:2019-04-12)
参考文献数
32
被引用文献数
3

我が国の理科教育では,科学や理科学習に対する態度の低迷が問題となっている。本研究は,実社会・実生活との関連を志向する真正の学習論に着目し,中学校理科において,単元開発及び実践を行い,科学や理科学習に対する態度の向上に有効であるかを明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために,中学校第2学年の生徒132人を対象として,「電流と磁界」の単元開発を行い,授業を実施した。学習効果を検証するために,「科学や理科学習に対する態度」に関する質問紙を用いて事前事後調査を行った。また,単元後の生徒の感想記述を分析した。その結果,「科学に関する全般的価値」や「科学に関する個人的価値」などにおいて,事後の平均値の方が事前のそれよりも有意に高かった。また,生徒の感想記述を計量テキスト分析し,コード化した。コード間のJaccard係数を算出したところ,「科学の内容」と「日常生活」や「日常生活」と「有用感」などの関連度が高かった。以上のことから,実社会・実生活との関連を志向する真正の学習論に着目した中学校理科授業が,生徒の科学や理科学習に対する態度の改善に一定の効果があることが明らかとなった。
著者
バラニャク平田 ズザンナ
出版者
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
雑誌
人間文化創成科学論叢
巻号頁・発行日
no.21, pp.231-240, 2019-03-31

The Takarazuka Revue is a popular Japanese theatrical company consisting solely of female performers. Since its establishment in 1914 Takarazuka has often been considered as part of shōjo culture but was its representation the same throughout its history? This paper examines how Takarazuka's representation has evolved after the staging of The Rose of Versailles in 1974 and attempts to localize its position in contemporary Japanese pop-culture. First, by reviewing Takarazuka's position as part of pre-war shōjo culture and through content analysis of The Rose of Versailles, I evaluate the effect the play's staging has had on the Revue. Then, by conducting a discourse analysis of Takarazuka's representation as seen in anime, manga, and variety TV programs, I localize Takarazuka within Japanese pop-culture and discuss the transition process of its representation. The paper distinguishes three primary themes surrounding Takarazuka's post-Rose of Versailles representation in the media: Takarazuka as a setting for girls' comics, Takarazuka as a parody, and Takarazuka's zealous fans. The results of the analysis show, although Takarazuka is still strongly associated with shōjo culture, it has since surpassed the genre and can be seen to have spread to other pop-culture genres such as fan culture and Japanese idol culture.
著者
生田 正文 丹羽 正和 檀原 徹 山下 透 丸山 誠史 鎌滝 孝信 小林 哲夫 黒澤 英樹 國分(齋藤) 陽子 平田 岳史
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.89-107, 2016-03-15 (Released:2016-06-21)
参考文献数
67
被引用文献数
11

既往文献の火山ガラス屈折率データからは識別が困難であった桜島の歴史時代の噴火(文明,安永,大正)軽石について,本研究では火山ガラスの水和部と未水和部とを区別して屈折率測定を行い,斜方輝石の屈折率も含めてそれぞれの軽石に違いがあることを見出した.一方,宮崎平野南部で掘削したコアに含まれる軽石濃集層に対して鉱物組成分析,火山ガラスの形態分類や屈折率測定,斜方輝石の屈折率測定,および炭質物の放射性炭素年代測定を行い,本研究による歴史時代の桜島噴火起源の軽石の分析と比較した.また,それぞれの火山ガラスについてレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法による主成分・微量元素同時分析を行った.その結果,軽石濃集層は桜島文明テフラに対比されることが判明した.桜島文明テフラは,軽石の状態で宮崎平野南部まで到達していた可能性が高い.
著者
窪田 瞬 平田 順一 小島 麻里 國井 美紗子 冨田 敦子 釘本 千春 土井 宏 上田 直久 田中 章景
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.370-373, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
10

要旨:症例は79 歳男性.糖尿病で内服加療を行っていたが,突然発症の右不全片麻痺を来し当院に救急搬送された.頭部MRI 拡散強調画像で左内包後脚に高信号を認めた.血糖が30 mg/dl と著明に低下しており50%グルコースを静注したところ症状は速やかに消失し,片麻痺の原因は低血糖によるものと考えられた.患者は過去にも低血糖による内包後脚のMRI 異常信号を呈し,右不全片麻痺を発症していた.低血糖発作による脳卒中様の片麻痺は過去にも報告がみられるが,同一部位に繰り返しMRI 異常信号を認めた例はこれまでにない.内包後脚が低血糖への脆弱性が高い脳組織の一つであることが示された.
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.73-81, 2011

インドには,ユーラシア大陸においてインドのみにしか観られない乳加工技術がある。ライム汁(植物有機酸)を凝固剤にしてチーズを加工したり,加熱濃縮系列群の乳加工を採用したりと,大変珍しい技術が存在している。また,乳製品の菓子である乳菓にも種類が多い。鴇田の報告(1992)からも分かるように,類似した乳加工技術や乳製品がインドでは多種多様に発達している(図1)。新しい乳菓を開発しようとしている菓子職人,和食と乳製品との融合を図ろうとしている開発者には,ぜひインドを訪問されてみられるとよい。斬新なアイデアが得られることであろう。 本稿と次号Vol.53 No.7ではインドの都市と農村での事例を中心にして,乳製品の種類とその加工法,そして,利用のされ方について紹介する。インド乳製品の多様性の整理を試みるために,本稿では類型分類法として,乳のみを素材とした乳製品と添加物を付加した菓子的な乳製品とを区別するために,乳のみを原材料として加工した乳製品を「乳のみの乳製品」,乳を主な材料にし,砂糖やナッツ類などを添加して加工した菓子様乳製品を「乳菓」として区別する。「乳のみの乳製品」には,酸乳,バター,チーズ,バターオイル,バターミルク,クリームなどを含み,その製造工程は乳のみを原料とした加工技術により構成される。一方,「乳菓」を加工する工程は,「乳のみの乳製品」に添加物を付加し,乳製品を様々な菓子に加工する乳加工技術となる。本稿では,インドの複雑な乳製品の土台となる「乳のみの乳製品」について先ずは報告する。
著者
平田 卓也 砂本 文彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.692, pp.2213-2221, 2013

This study aims to show the diversity of transformation of Buddhism facilities by the anti- Buddhist movement in the Meiji era.<br>The 88-places of pilgrimage in Kochi clan had been influenced by the Policy of Separation of Buddhism and Shintoism.<br>Facilities of temples were transformed as follows;<br>1. Some were demolished and the site of them had been used as agricultural land and shrine.<br>2. Some of facilities were remained and converted to various use, for example, elementary school, housing, without adaptation.
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.84-97, 2011

東アジアは,本来,乳文化圏にはない。本シリーズ第1稿目53(1)の伝統的搾乳地帯を示した図1を参照されたい(平田,2011)。日本人,朝鮮人,漢人などの一般市民は,基本的には乳製品を食してこなかった。しかし,東アジアでは,牧畜民系統の北魏(AD 386年〜AD 556年)や元(AD 1271年〜AD 1368年)に長く統治されてきた歴史があり,乳製品の利用を示す古文書が多数残されている。また,日本では,貴族階級の一部の人びとに乳製品が医薬的に利用されていたことが『本草和名』『医心方』などの古文書や木簡に示されている(廣野,1997;有賀,1998)。東アジアの古文書には,酪,乾酪,漉酪,馬酪酵,酥,生酥,熟酥,蘇,蘓,醍醐といった乳製品が登場する。これらの乳製品がいったいどのようなものであったのだろうか,その再現は太古の昔の復元というロマンに満ち,極めて興味深い。 これらの乳製品は,時代と共に生起・消滅する。つまり,参考とする古文書によって,再現対象とする乳製品の内容が異なってくる。本稿では,『斉民要術』をテキストに,東アジアにおける古代乳製品を再現した結果を紹介しよう。『斉民要術』は,北魏時代(AD 386年〜AD 556年)の末期,AD530年〜AD 550年に賈思勰によって編纂された。北魏は,牧畜民由来の鮮卑の集団が華北地方に建国した国家である。何故に『斉民要術』を取り挙げるかというと,1)編纂されたのがAD 530年〜AD 550年と極めて古いテキストであること,2)乳加工の説明が詳細に記述されていること,3)斉民要術が引用した編纂文献数が約180と,後代の古文書と比較すると極めて少ないことから,生乳から最終産物までの一連の乳製品の再現にあたっては混乱をより避けられるであろうことに主によっている。 『斉民要術』に登場する乳製品の語彙は,牛乳を原料としてつくる酪・漉酪・乾酪・酥と,ロバとウマの混合乳を原料としてつくる馬酪酵である。ロバとウマの乳は入手が困難なため馬酪酵は再現実験を諦め,酪・漉酪・乾酪・酥についてのみ再現した結果を紹介してみたい。古代の東アジアや日本の乳製品を再現し,新たなる商品化を試みられている開発者の方々の参考になれば幸いである。
著者
平田 航 日下 博幸
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.338-353, 2013-07-01 (Released:2017-12-05)
参考文献数
17
被引用文献数
2

「二つ玉低気圧型」は日本で有名な気圧配置の一つで,全国各地に大雨や強風をもたらしやすいと言われている.本研究では二つ玉低気圧を並進タイプ,日本海低気圧メインタイプ,南岸低気圧メインタイプの三つに分類し,降水量や降水の強さ,降雪の深さについて気候学的解析を行った.また,比較のために一般的な日本海低気圧と南岸低気圧についても同様の解析を行った.並進タイプは全国に降水をもたらし,日本の南岸で降水量が多い.日本海低気圧メインタイプでは全国的に降水量が少ないが,本州の日本海側で冬季にふぶきとなりやすい特徴があった.南岸低気圧メインタイプは日本の南岸と北陸地方で特に多くの降水をもたらし,冬季には比較的広い範囲に降雪をもたらす.二つ玉低気圧3タイプで降水分布に生じる違いは,前線の有無に依存する.さらに,二つ玉低気圧が強雨をもたらすときは,南側の低気圧が日本列島により近いコースをとることがわかった.
著者
平田 倫啓 鹿野田 一司 松野 元樹 小林 晃人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.214-220, 2018-04-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
28

物質中の電子は,物質の結晶構造や対称性,元素組成などによって決まるさまざまな大きさの見かけ上の質量,有効質量をもつ.近年,特定の条件がそろったときに,固体中の電子が質量ゼロの相対論的な粒子のように振る舞うことが見出され,大きく注目されている.このように質量がゼロの奇妙な電子状態のことを「ゼロ質量ディラック電子」と呼び,グラファイトを単層剥離し作製するグラフェン中で10年ほど前に確認された.それ以降,ゼロ質量のディラック電子は,表面のみ金属的な伝導特性を示すトポロジカル絶縁体,その類縁物質であるトポロジカル半金属,さらには有機物質中などでも見つかり,「ディラック物質」の科学として新たな広がりを見せている.ゼロ質量ディラック電子の運動は,ディラックコーンと呼ばれる線形なエネルギー・運動量の分散関係で記述される.このコーン型分散をもつことの帰結として,コーンの交点近傍では,キャリア数が極端に少なくなり,通常の金属や半導体で見られるクーロン相互作用の(遍歴電子による)遮蔽効果が消失する.このため,普通は隠れているクーロンポテンシャルの長距離成分(∝1/r)が復活し,従来とは全く異なる電子相関効果が期待される.実際,グラフェンにおいては,電子相関が(通常とは逆に)電子の速度の特異な増大を引き起こし,その結果,コーンが内向きに変形する現象が確認されている.しかし,グラフェンでは電子相関の大きさ自体が小さく,また乱れなどの影響で,交点まわりでの電子の励起を詳細に検証することが難しい.このため,ディラックコーン系における電子相関効果の全貌は,実験的に十分には解明されていない.そんな中,筆者らのグループは最近,強い電子相関と高い結晶性を合わせもつ,有機物質α-(BEDT-TTF)2I3のゼロ質量ディラック電子系に着目し,低エネルギー励起と相関効果の検証に有効な核磁気共鳴(NMR)測定を行った.理論モデルの数値解析を併用し精査することで,ディラックコーン系の電子相関効果に,従来物質とは著しく異なる階層性が存在することを明らかにした.α-(BEDT-TTF)2I3における13C NMR測定によって,局所電子スピン帯磁率の温度依存性が導出される.コーン交点に位置するフェルミ準位のまわりでの熱励起特性を調べることで,三つの電子相関効果が異なる温度(エネルギー)スケールで現れることが示される.すなわち,(A)室温から100 K程度までの温度領域では,従来の強相関電子系と同様に,短距離相互作用によるバンド幅(運動エネルギー)の抑制が生じる.(B)~100 K以下になると,クーロンポテンシャルの長距離成分によって電子速度が増大し,ディラックコーンの顕著な変形(右下図)が見られる.さらに,(C)60 K以下の温度領域になると,オンサイトのクーロン斥力によって磁場誘起のフェリ磁性分極が発現する.ディラックコーン系の電子相関効果に,このように多彩な階層構造が見出されたことは,ディラック物質全般における多体効果を解明し理解していく上での第一歩である.

3 0 0 0 OA 霊能真柱 2巻

著者
平田篤胤
巻号頁・発行日
vol.[1], 1813
著者
平田 光男 城所 隆弘 上田 伸治
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.129, no.9, pp.938-944, 2009-09-01 (Released:2009-09-01)
参考文献数
9
被引用文献数
16 16

This paper proposes a new design method of nanoscale servo control for a Galvano scanner by using FFSC (frequency-shaped final-state control) method. In the Galvano scanner, it is important to reduce the residual vibration after positioning; further, this scanner must be robust to the variation of the resonance modes of the plant. In this paper, a feedforward input is designed by using FFSC by considering not only nominal performance but also robust performance. Simulations and experimental results are shown to evaluate the effectiveness of the proposed method.