著者
長田 典子 北村 紗衣 湯澤 優美 斉藤 賢爾 門林 岳史 折田 明子 横山 太郎 木下 知威 森山 至貴 松田 英子
出版者
北村紗衣
巻号頁・発行日
2012-04-12

表象文化論学会第4回大会パネル「共感覚の地平 : 共感覚は『共有』できるか?」, 2009年7月5日, 京都造形大学, 京都
著者
村中 文人 岩間 直子 斉藤 知明 殿内 暁夫 赤田 辰治 武田 潔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.9, pp.711-716, 2006-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

カプロン酸エチル高生産酵母Sacckaromyces cereuisiae3703-7株はグルコース濃度15%培養温度25℃で培養した時カプロン酸エチル生成が最大であった。糖類ではグルコースよりはシュクロース, フルクトース基質の方がカプロン酸エチル生成が多かった。親株の3703株はカプロン酸エチル生成に対するグルコース濃度,培養温度の効果はほとんどなく, その生成量は3703-7株と比較して1/7-1/10であり, 低かった。これらの結果からフルクトース,グルコースとシュクロースを糖組成とするリンゴ搾り粕を原料として3703-7株をエタノール発酵することによりカプロン酸エチルや酢酸エチルの香気物質を生成することが示唆された。リンゴ搾り粕から糖濃度の異なる2種類の抽出液,×5抽出液(糖分6.4%を含む)および×1抽出液(糖分10.4%を含む)を調製し, 3703-7株を植菌し, 15℃ および25℃ で培養した。カプロン酸エチルは×1抽出液の方が多く生産された。×1抽出液で25℃8日間培養後, エタノールは5.23%生成され,カプロン酸エチル, 酢酸エチルと酢酸イソアミルはそれそれ3.12ppm, 7.13ppm, 0.45ppmであった。この発酵液の蒸留液はリンゴの香りに加えてカプロン酸エチルの甘い香りを有するエタノール32.3%のフレーバーアルコールであった。
著者
伊藤 章 斉藤 昌久 淵本 隆文
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.71-83, 1997-07-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
1 5

A study was performed to compare joint torque development with EMG activities, and to investigate the relationship between peak torque and power during different phases of leg movement at different sprint velocities from the starting dash to full stride. Cinematographic recordings of sprint movement together with ground reaction forces and EMGs from seven lower limb muscles were obtained from four male sprinters at the 1st, 3rd, 5th, 9th, 13th and 19th (maximal velocity) steps from the sprint start. Joint torque and power in the hip, knee and ankle were computed from analysis of the film and ground reaction forces. The results can be summarized as follows: 1) The developmental patterns of joint torque and power, and the EMG activities were similar from the first step to the maximal velocity. 2) The phases of torque development were parallel to the related EMG activities. 3) Stretch-shortening cycles of muscle were observed in the m. Soleus during the foot contact period and in the m. Biceps femoris during the latter half of the swing period. 4) There was no peak torque or power that showed a decrease with increased sprint velocity. 5) Peak torque and power that increased with sprint velocity were (a) torque and positive power of the hip flexors during the first half of the swing period, (b) torque of the hip extensors during the latter half of the swing period, (c) torque and negative power of the knee extensors during the first half and latter half of the swing period, (d) torque of the ankle extensors during the middle of the foot contact period, (e) negative power of the ankle extensors during the first half of the foot contact period, and (f) positive power during the latter half of the foot contact period. These results suggest that muscles in the hip and knee joints cooperate with the change in swing movement, and that muscles in the ankle joint cooperate with the change in drive movement as sprint velocity increases. 6) The peak torque and power that remained high independent of sprint velocity were (a) torque and positive power of the hip extensors from the middle of the swing period to the middle of the foot contact period, (b) torque of the ankle extensors during the foot contact period, and (c) power of the ankle extensors during the latter half of the foot contact period. These results indicate the importance of the hip extensors and ankle extensors in sprinting.
著者
斉藤 美彦
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.15-26, 2006

In fiscal 1965, the Japanese Government could not continue to balance the budget and started to issue government bonds. Gross debt of the national government grew rapidly following the first oil crisis. Consequently, Japanese banks and the Bank of Japan have greatly increased their holdings of government bonds. The Bank of Japan, in particular, has had to increase the amount of outright purchases of long-term government bonds since the introduction of the quantitative easing policy in March 2001. Recently, many market participants and economists argue that a largely treasury-only portfolio of central banks would be appropriate as the markets for government bonds are large and liquid. This paper first examines the course of this large increase in the outright purchase of government bonds by the Bank of Japan, and then looks at a popular belief that the issuance of central bank notes should be supported by long-term government bonds. In addition, the paper shows that this popular belief is premised on the specific historical condition of the fiscal deficit. The paper also looks at the relationship between orthodox monetary policies and the accumulation of government bonds. The paper does not follow the old argument that central banks should hold only gold, foreign exchange and real bills, rather, it contends that the main issue is the way contemporary capitalism, financial systems and monetary policies are analyzed. Japan's future fiscal condition will be severely affected by its ageing society and the apparently ever increasing strength of the Yen. Under such circumstances, the Bank of Japan is likely to be under pressure to maintain the price of long-term government bonds and thereby keep long term interest rates low. Such a policy is likely to affect central bank independence, a very dangerous prospect. Finally, this paper emphasizes that central bank notes are not supplied exogenously. Private sector banks supply money (deposits) endogenously and people obtain central bank notes by withdrawing deposits. The demand for central bank notes is a part of the total demand for monetary aggregates supplied by private sector banks. The relationship, therefore, between the accumulation of government bonds and the structure of balance sheets of central banks concerns the overall contemporary financial systems.
著者
斉藤 浩一 高橋 郷史 サイトウ コウイチ タカハシ サトシ Koichi Saito Satoshi Takahashi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-9, 2005-09-20

本研究は、最近言われる「理科嫌い」について、教育心理学的に原因を追求するものである。さらに、教育方法等に提言を行う。本稿では、実際の高校生に対してアンケート調査を行う。ここではまず「理科志向」という概念を設定し、それに満たない者を「理科離れ」の状態にあると定義する。さらに、これまでの理科教育やこれから志向する理科系への意識がどのように、因果関係を持っているか実態を捉え、モデルを構築する。以上によって、どのような教育施策が有効か、提言を行うものである。
著者
斉藤 正佳 赤羽根 良和 永田 敏貢 栗林 純
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第27回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.100, 2011 (Released:2011-12-22)

【はじめに】 内側型変形性膝関節症(以下,内側OA)は,関節軟骨の変性を基盤とした非炎症性の疾患である.臨床的症状として動作の開始時・立ち上がり・階段昇降時に膝関節内側部痛を訴え,様々な病態を合併する.その中でも,鵞足炎はもっとも多い合併症の一つであるが,内側OAは,膝内反,下腿内旋位を呈しているため,鵞足はむしろ弛緩しており,これまでのところ,鵞足炎を有した内側OAの発症機序は明らかにされてこなかった. 今回,内側型OAの荷重・非荷重のX-pを検討する事で,鵞足炎の引き金となる特徴的な所見が得られたので報告する. 【対象および方法】 平成21年4月から平成23年5月までに当院を受診し,内側OAと診断された47例47足である(男性:13例13足,女性:34例34足,年齢:68.02 ±11.21歳).OAの重症度分類は,腰野の分類で,grade 0は0例,grade1は16例,grade2 は25例,grade 3は4例, grade 4 は2例,grade 5は0例である. 方法は, 鵞足部に圧痛や同部に疼痛が認められた群を鵞足炎群(25例25足,男性:4例,女性21例,平均年齢:66.10±12.36歳)と圧痛や同部に疼痛が認められなかった群を非鵞足炎群(22例22足,男性:9例,女性13例,平均年齢:69.14±9.62歳)に分類した.つづいて,X-pより荷重時・非荷重時の大腿骨内側顆と脛骨内側顆の距離を計測(荷重時値・非荷重時値,単位:_mm_)した.さらに,非荷重時と荷重時における大腿骨内側顆の距離の差(移動量,単位:_mm_)を計測した.また,FTA,非荷重時FTAについても計測した.尚,統計学的処理はノンパラメトリック検定,Mann-WhitneyU検定を使用した. 【結果】 鵞足炎群の非荷重時値は7.21±3.05_mm_,荷重時値は8.33±3.23_mm_,移動量は内側へ1.12±1.61_mm_,FTAは183.91±4.75°,非荷重時FTAは181.38±2.11°であった.非荷重値と荷重値は,有意差を認めた (p<0.01).鵞足炎無し群の非荷重時値は8.26_mm_±2.2_mm_,荷重時値は7.31±2.49_mm_,移動量は外側0.96±1.13_mm_,FTAは182.77±1.82°,非荷重時FTAは180.77±2.41°であった.非荷重値と荷重値では有意差は認められなかった.また,鵞足炎群と鵞足炎無し群の非荷重時値,の有意差が認められなかったが,鵞足炎群と鵞足炎無し群の移動量の差は,有意差を認めた(p<0.001). 【考察】 鵞足炎は,鵞足構成筋による鵞足腱炎と鵞足腱深層に位置する滑液包による鵞足包炎の両者を含み,スポーツ障害として代表的な疾患である.その臨床的な特徴所見は,鵞足部への圧痛や同部への動作時痛である.圧痛の原因は,脛骨回旋の不安定性により鵞足腱や鵞足滑液包表面に対する直接的な摩擦や圧迫が持続的に加わり,生理的限界を超える過大な応力が炎症を引き起こすと言われている.スポーツ障害膝における鵞足炎の発症は,外反膝・knee in toe outを呈するアライメントである事が多い.鵞足腱には伸張ストレスが加わりやすいため,その発症は理解しやすい.しかし,内側OAでは鵞足はむしろ弛緩位であるため,その肢位を考慮すると発症要因が不明となる. そこで,我々はX-pにて内側OAにおける荷重位・非荷重位を比較検討してみた.鵞足炎群と鵞足炎無し群の非荷重時値の有意差が認められなかったことから,大腿骨内側顆の形態的構造が鵞足炎を発症するとは考えられない.しかし, 鵞足炎群における非荷重時値と荷重時値の差は認められ,鵞足炎無し群では認められなかったこと,さらに,鵞足炎群の移動量と鵞足炎無し群の移動量の差も認められたことから,鵞足炎群では,荷重時に大腿骨の内側への移動量が大きくなることで,鵞足構成筋に伸張ストレスが生じ,鵞足炎が発症したと考えられる. 鵞足周囲における停止部の詳細な構造は,縫工筋腱は下腿筋膜に覆われ,その間に長い線維束が存在する.縫工筋を覆っている下腿筋膜の深層にも線維束が位置し,その直下に薄筋腱が位置している.そして,半腱様筋腱,半膜様筋腱の拡張線維,内側側副靭帯という順で停止している.つまり,大腿骨の内側偏位に対して,鵞足構成筋はスタビライザーとして機能するが,縫工筋・薄筋は長い線維束や下腿筋膜で覆われているため,可動性・滑動性が少ないと考えられる.特に,薄筋腱は大腿骨内側顆の内側かつ深層を走行するため,内側偏位に対して直接的にストレスを受けやすいと考えられる.一方,半腱様筋腱の表層には,縫工筋腱・薄筋腱を覆っている様な組織・線維は存在しないため,可動性・活動性があり大腿骨内側偏位に対するストレスから免れやすいと考えられる. これらのことから,大腿骨の内側偏位には鵞足筋の中でも,縫工筋腱,薄筋腱が伸張ストレスをうけやすく,鵞足炎を生じたのではないかと考えられる.
著者
小川 謙 横岡 真由美 石角 鈴華 斉藤 容子
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.91-95, 2006-06-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
9

N95マスクの装着に際し, フィットテスト, フィットチェックによるトレーニングが重要であると言われている. 今回, 我々は自己流で装着した場合, どの程度正しくマスクがフィットしているのかの実態調査を行い, また集団指導でもフィットチェック及びフィットテストを含む実技指導は効果があるかを検証した. その結果, S病院に勤務する職員79名の内61%が, 自己流ではマスクがフィットしていなかった. さらに, フィットしなかった職員を「指導群」「非指導群」の2群に分け, 集団実技指導の効果を検討したところ,「指導群」において有意にN95マスクがフィットするようになつた (P<0.05). このことから, 指導の重要性が明らかとなり, 方法は個別指導でなくとも, 集団指導でも効果があることが示唆された. 一方, 指導した群においても36%がフィットしなかった. これらの職員に対しては, 個別指導を加え, さらに密着性が得られない場合は, フィットするマスクの選択ができるよう, 数種類の常備が必須である.
著者
藤木 典生 中井 哲郎 金沢 弘 渡辺 稔夫 柿坂 紀武 和田 泰三 岡田 喜篤 津田 克也 細川 計明 山本 学 阿部 達生 近藤 元治 斉藤 隆治 渋谷 幸雄
出版者
日本先天異常学会
雑誌
日本先天異常学会会報 (ISSN:00372285)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.101-112, 1972

最近10年間に先天異常ことに心身障害児に対する一般の関心が大いに高まってきて、染色体分析や生化学的な代謝異常のスクリーニングの改善によって、早期診断、保因者の検索、適切た治療が進められてきた。こうした染色体異常や代謝異常でたくても、一般の人々が家系の中に発生した先天異常が遺伝性のものであるか、従って結婚や出産にあたってその再発の危険率などについて、しばしば尋ねられることが多い。我カは既に過去10年間にわたって遺伝相談を行ってきたが、今回これら二機関のデーターについて集計した結果について報告する。京都では、研究室で染色体分析や生化学的なスクリーニングことにアミノ酸分析を行っているためもあって、精薄が最も多く、近親婚の可否、精神病の遺伝性、先天性聾唖の再発率、兎唇、その他遺伝性疾患の遺伝的予後だとが主なものである。実施にあたっては、予約来院した相談者は人類遺候学の専門の知識をもったその日の担当医によって家族歴、既往歴など約2時間にわたる詳細な問診と診察の後に、その遺伝的予後についての資料が説明され、パンチカードに記入ファイルされるが、夫々臨床各科の専門医の診察の必要な場合には、その科の相談医の日が指定されて、専門的な診療指示が与えられる。愛知では、昨年末までの8ケ月間の一般外来忠児約900名について集計分類してみると、精薄が31.5%を占め、次いで脳性まひ、てんかん、自閉症、タウソ症候群、先天性奇形を含む新生児疾患、小頭症、情緒障害児、水頭症、脊椎異常、フェニールケトン尿症、脳形成異常、その他となっており、また、これらの心身障害児の合併症として骨折その他の外傷、上気道感染、胃腸障害が約30%に認められた。臨床診断にあたっては、臨床各科の医師と、理療士、心理判定士、ケースワーカーなどのパラメディカルスタッフからなる綜合診断チームが新来愚老の診察にあたって、綜合的な診断と専門的な指示が与えられるように考慮されている。心身障害児の成因分析をパイロット・スタディーとして試みたが、大半の症舳こ妊娠分娩或いは新生児期に何等かの異常を認めた。このことは、このような不幸な子供を生まないようにするためには、妊娠分娩時の母子の健康管理が遺伝の問題と共にいかに大切であるかを示すものである。今后、この方面の基礎的研究が各機関で進められると同時に、患者・保因老の早期発見、結婚出産に対する適切な指導を行うために、各地にこのような心身障害児のためのセンターが作られるように切望すると同時に、人類遺缶学が基礎医学のみでなく、臨床医学の一部としても、卒後研修の中にとり入れられることを切望する。
著者
木幡 義彰 内山 和郎 佐々木 敬典 土屋 和彦 須藤 一郎 杉浦 弘和 白鳥 泰正 窪田 良彦 宮岡 正明 斉藤 利彦
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.263-266, 1993-06-18 (Released:2015-07-15)
参考文献数
16

症例1は35歳男性(国籍 : カメルーン)。1992年1月,粘血便を主訴に受診。便潜血反応陽性を認めたため,大腸内視鏡検査を施行し,上行結腸下部の粘膜に刺入した白色調の寄生虫を認めた。虫体は鉗子にて摘出し,検索の結果,鞭虫の雌成虫であった。虫体摘出後も症状持続し,メベンダゾール投与にて軽快した。症例2は29歳男性。1991年1月,2年前から持続する左側腹部痛を主訴に来院。大腸X線検査にて横行結腸にポリープを疑ったが,大腸内視鏡検査にて盲腸の粘膜に刺入した寄生虫を8匹認めた。虫体は鉗子にて摘出し,検索の結果,アニサキス幼虫であった。主訴との関連は考えにくく,緩和型大腸アニサキス症と診断した。大腸内視鏡により腸管寄生虫症を確認し摘出した症例はまれであり,本邦報告例とともに若干の考察を加え報告した。
著者
斉藤 正佳 赤羽根 良和 永田 敏貢 栗林 純
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.27, pp.100, 2011

【はじめに】内側型変形性膝関節症(以下,内側OA)は,関節軟骨の変性を基盤とした非炎症性の疾患である.臨床的症状として動作の開始時・立ち上がり・階段昇降時に膝関節内側部痛を訴え,様々な病態を合併する.その中でも,鵞足炎はもっとも多い合併症の一つであるが,内側OAは,膝内反,下腿内旋位を呈しているため,鵞足はむしろ弛緩しており,これまでのところ,鵞足炎を有した内側OAの発症機序は明らかにされてこなかった. 今回,内側型OAの荷重・非荷重のX-pを検討する事で,鵞足炎の引き金となる特徴的な所見が得られたので報告する. 【対象および方法】平成21年4月から平成23年5月までに当院を受診し,内側OAと診断された47例47足である(男性:13例13足,女性:34例34足,年齢:68.02 ±11.21歳).OAの重症度分類は,腰野の分類で,grade 0は0例,grade1は16例,grade2 は25例,grade 3は4例, grade 4 は2例,grade 5は0例である. 方法は, 鵞足部に圧痛や同部に疼痛が認められた群を鵞足炎群(25例25足,男性:4例,女性21例,平均年齢:66.10±12.36歳)と圧痛や同部に疼痛が認められなかった群を非鵞足炎群(22例22足,男性:9例,女性13例,平均年齢:69.14±9.62歳)に分類した.つづいて,X-pより荷重時・非荷重時の大腿骨内側顆と脛骨内側顆の距離を計測(荷重時値・非荷重時値,単位:_mm_)した.さらに,非荷重時と荷重時における大腿骨内側顆の距離の差(移動量,単位:_mm_)を計測した.また,FTA,非荷重時FTAについても計測した.尚,統計学的処理はノンパラメトリック検定,Mann-WhitneyU検定を使用した.【結果】鵞足炎群の非荷重時値は7.21±3.05_mm_,荷重時値は8.33±3.23_mm_,移動量は内側へ1.12±1.61_mm_,FTAは183.91±4.75°,非荷重時FTAは181.38±2.11°であった.非荷重値と荷重値は,有意差を認めた (p<0.01).鵞足炎無し群の非荷重時値は8.26_mm_±2.2_mm_,荷重時値は7.31±2.49_mm_,移動量は外側0.96±1.13_mm_,FTAは182.77±1.82°,非荷重時FTAは180.77±2.41°であった.非荷重値と荷重値では有意差は認められなかった.また,鵞足炎群と鵞足炎無し群の非荷重時値,の有意差が認められなかったが,鵞足炎群と鵞足炎無し群の移動量の差は,有意差を認めた(p<0.001).【考察】 鵞足炎は,鵞足構成筋による鵞足腱炎と鵞足腱深層に位置する滑液包による鵞足包炎の両者を含み,スポーツ障害として代表的な疾患である.その臨床的な特徴所見は,鵞足部への圧痛や同部への動作時痛である.圧痛の原因は,脛骨回旋の不安定性により鵞足腱や鵞足滑液包表面に対する直接的な摩擦や圧迫が持続的に加わり,生理的限界を超える過大な応力が炎症を引き起こすと言われている.スポーツ障害膝における鵞足炎の発症は,外反膝・knee in toe outを呈するアライメントである事が多い.鵞足腱には伸張ストレスが加わりやすいため,その発症は理解しやすい.しかし,内側OAでは鵞足はむしろ弛緩位であるため,その肢位を考慮すると発症要因が不明となる.そこで,我々はX-pにて内側OAにおける荷重位・非荷重位を比較検討してみた.鵞足炎群と鵞足炎無し群の非荷重時値の有意差が認められなかったことから,大腿骨内側顆の形態的構造が鵞足炎を発症するとは考えられない.しかし, 鵞足炎群における非荷重時値と荷重時値の差は認められ,鵞足炎無し群では認められなかったこと,さらに,鵞足炎群の移動量と鵞足炎無し群の移動量の差も認められたことから,鵞足炎群では,荷重時に大腿骨の内側への移動量が大きくなることで,鵞足構成筋に伸張ストレスが生じ,鵞足炎が発症したと考えられる.鵞足周囲における停止部の詳細な構造は,縫工筋腱は下腿筋膜に覆われ,その間に長い線維束が存在する.縫工筋を覆っている下腿筋膜の深層にも線維束が位置し,その直下に薄筋腱が位置している.そして,半腱様筋腱,半膜様筋腱の拡張線維,内側側副靭帯という順で停止している.つまり,大腿骨の内側偏位に対して,鵞足構成筋はスタビライザーとして機能するが,縫工筋・薄筋は長い線維束や下腿筋膜で覆われているため,可動性・滑動性が少ないと考えられる.特に,薄筋腱は大腿骨内側顆の内側かつ深層を走行するため,内側偏位に対して直接的にストレスを受けやすいと考えられる.一方,半腱様筋腱の表層には,縫工筋腱・薄筋腱を覆っている様な組織・線維は存在しないため,可動性・活動性があり大腿骨内側偏位に対するストレスから免れやすいと考えられる. これらのことから,大腿骨の内側偏位には鵞足筋の中でも,縫工筋腱,薄筋腱が伸張ストレスをうけやすく,鵞足炎を生じたのではないかと考えられる.
著者
坂井 純子 加藤 達郎 平岡 秀雄 斉藤 勝
出版者
東海大学体育学部
雑誌
東海大学紀要 体育学部 (ISSN:03892026)
巻号頁・発行日
no.11, pp.p61-70, 1981

The purpose of this study was to investigate if a volleyball player could change the course of the spike by a signal given at various stage in spiking motion, and to find the differences of the spike form on these conditions. Conditions were to make a full swing spike toward a cross course and to change the spike course toward a straight course when signal was shown. All of spike motions were filmed and analyzed. Points of view for analyzing are following : a) Initial velocity of the ball. b) Maximum velocity of the finger. c) Body angle to the direction of running. d) Direction of spiking hand after striking the ball. Results of these experiments indicates that : 1) If the signal was switched on just before the beginning of the forward swing in spiking, all subjects could change the spike course on most occasions. On this study, "just before the beginning of the forward swing" meant about 0.30 to 0.35 seconds before the beginning of the forward swing. 2) Initial velocity of the ball, on the case when the signal was given just before the beginning of the forward swing, was later than ones on the another cases. 3) However, the finger velocity of this case was faster just before meeting to the ball. 4) There were no significant differences on the body angle to the direction of running jump at the various spike motions. 5) Directions of the arm after spiking the ball was decided depending on the course of the spike.
著者
赤羽根 良和 永田 敏貢 斉藤 正佳 栗林 純
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第27回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.125, 2011 (Released:2011-12-22)

【はじめに】 外傷性頚部症候群(以下、WAD)は交通外傷をはじめ、外力によって発生する頭部・頚部・肩甲部痛を包括した症候群である。その病態は筋、筋膜、靭帯、椎間関節、椎間板などの頚椎支持機構の損傷を意味する。その中でも筋の損傷は、修復過程の中で攣縮に伴う硬結状態を呈しやすく、鋭い疼痛の発生や頚椎可動域の著しい制限を引き起こすといわれている。 本研究では数あるWADの症状の中で、後頭部から頭頂部にかけての範囲に生じる頭痛について、運動療法と物理療法において治療成績を比較検討したので報告する。 【対象の選定について】 対象の選定方法としては、_丸1_愁訴に頭痛を認めること、_丸2_大後頭神経に限局した圧痛があり、圧迫を加えると後頭部に放散痛を認めること、_丸3_頚部の屈曲可動域が屈曲30°以下に制限されていること、_丸4_肩峰床面距離(以下AFD)は2横指以上認め、いわゆる猫背姿勢を呈すること、_丸5_頭痛は臥床時と比較して座位・立位姿勢の持続により増悪しやすいこと、_丸6_定期的に週に3回の来院が可能であることの6項目を全て満たしたものとした。 【対象】 対象は、停車中に側方および後方からの追突により頭・頚部を交通外傷されて、対象の選定条件を全て満たした30例(男性12例、女性18例、平均年齢42.8歳)とした。さらに運動療法を実施した15例(男性6例、女性9例、平均年齢42.5歳)と物理療法を実施した15例(男性6例、女性9例、平均年齢43.1歳)に分類した。 頭痛を主体としたWADの治療効果を検定するに当たり、交通外傷後から運動療法および物理療法の開始期間、頭痛が発生するまでの期間、初診時のX線側面像における第1頚椎の前縁と後縁を結んだ上縁から、第7頚椎椎体上縁までのなす角(以下、頚椎前弯角と略す)、初診時の頚部屈曲角度、初診時のAFDは両群間に有意差はなく、妥当な比較検討が可能と判断した。 治療効果の判定には頚椎屈曲角度、頚椎伸展角度、AFD、頭痛が消失した割合を、治療開始後2週、4週、6週の時点で求めて運動療法群と物理療法群で比較検討した。 【運動療法】 _丸1_姿勢の矯正を目的としたエクササイズ 猫背姿勢となった脊柱アライメントを、生理的な頚椎の前弯と胸椎の後弯位を再獲得し、頭部の位置が矯正されることを目的に実施した。 _丸2_頭半棘筋のリラクゼーション 損傷した頭半棘筋の攣縮を改善させ、筋肉内を貫通する大後頭神経が除圧されることを目的に実施した。 【物理療法】 ソーマダイン 損損した軟部組織の修復および治癒の促進を目的に、愛知電子工業社のソーマダイン(SIRIUS)を使用した。 【解析手順】 頚部の屈曲角度、伸展角度、AFD、頭痛消失期間について運動療法群と物理療法群で比較検討をした。統計学的検討においては、スチューデントのT検定およびマン・ホイットニーのU検定を用いた。 【結果】 頚部の屈曲角度の推移は、治療開始後2、4週では有意差を認めなかったものの、6週では運動療法群の方が有意に改善された(p<0.05)。 頚部の伸展角度の推移は、治療開始後2週では有意差を認めなかったものの、4、6週では運動療法群の方が有意に改善された(p<0.05)。 AFDの推移は、治療開始後2、4、6週において、有意に可動域は良好であった(p<0.05)。頭痛が消失した割合は、治療開始後2、4週では有意差を認めなかったものの、6週では運動療法群の方が消失した割合が多かった(p<0.05)。 【考察】 頚部周囲筋群などの攣縮に伴う頚部の屈曲制限は、治療開始後6週以降において、頭半棘筋のリラクゼーションと大後頭神経を除圧する運動療法が有効と考えられた。 またWAD患者では、頚部・胸部周囲筋のバランス機構が破綻するため、頚椎の前弯消失と胸椎過後弯化を招来し、頭部は胸郭よりも前方位となり、肩甲帯はプロトラクトする。このため早期から頚部の伸展角度とAFDを改善させ脊柱姿勢を矯正することは、頚部周囲筋群の持続的な攣縮を緩和するきっかけになり、頭痛の速やかな改善につながると考えている。 また頭痛の改善については、治療開始後6週以降において運動療法群の方が有意に消失した割合が多かった。これは早期から頭半棘筋のリラクゼーション、大後頭神経の除圧および姿勢の矯正を速やかに図ったことが要因と考えられる。しかし治療開始4週間以内であればソーマダインは運動療法と同様な頭痛の治療効果が期待できると考えられる。4週以内であれば、簡便であり短い治療時間で効果が発揮できるソーマダインが有効であり、また4週以上継続する場合は、運動療法に治療方針を変えるなどの治療戦略が重要と考えられた。
著者
斉藤 慎一 吉武 裕 鈴木 正成
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.45-52, 1983 (Released:2009-04-28)
参考文献数
25
被引用文献数
10 11

A possibility whether an oral feeding of citrate, which has been reported to inhibit phosphofructokinase in vitro, following exercise to exhaustion could increase the rate of glycogen repletion in liver and soleus muscle was tested in treadmill running trained (experiments 1 and 2) and swimming trained rats (experiment 3). An exhaustive running or swimming was loaded at the end of the experiments, resulting in a significant reduction in liver and soleus muscle glycogen stores. The feeding of 1.0 and 0.5g of citrate per kg of body weight just after the exhaustive running could significantly increase the liver glycogen repletion during a 2-hr recovery period, but this was not observed in soleus muscle (experiment 1). As compared with a single feeding of 3.3g of glucose per kg of body weight, a mixed feeding of 0.5g of citrate and 3.0g of glucose after an exhaustive running (experiment 2) and swimming (experiment 3) could significantly enhance the repletion of glycogen stores in both liver and soleus muscle. These results clearly indicate that the postexercise feeding of citrate can stimulate the glycogen repletion in liver and skeletal muscle during an early period of recovery.
著者
保坂 茂 山本 碧 斉藤 竜也 大島 新司 大嶋 繁 大島 公恵 久津間 信明 本間 精一 小林 大介
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.64-70, 2013 (Released:2013-09-05)
参考文献数
14

Objective: In this study, we evaluated distinctive types of physical predisposition in patients with common side effects.Method: We selected 500 and 1,200 individuals with and without a previous diagnosis of side effects, respectively, through web-based research.  Then, we conducted a decision tree analysis for investigating the status of 100 types of physical predisposition in these individuals.Results and Conclusion: The individuals who had suffered from hepatic disorder and answered “relevant” for “predisposition to swelling” (likelihood ratio of a positive result [LR+] 2.17; p=0.004) and “very relevant” for “predisposition to skin dryness” (LR+ 3.52; p<0.001) enhanced the probability of extracting individuals who developed side effects.  The individuals who had suffered from skin disorder and answered “relevant” for “predisposition to eczema and inflammation” and “not relevant” for “predisposition to higher temperature” had an LR+ of 2.22 (p<0.001).  The individuals with “predisposition to worsening of physical condition on a rainy or high-humidity day” are more likely to develop side effects with the use of antibiotics and NSAIDs, compared to those without this predisposition (antibiotics: LR+ 2.33; NSAIDs: LR+ 2.51).  The results of this study indicate that we can identify patients with a high risk of side effects through an interview on predisposition.
著者
斉藤 美香
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学心理学紀要 = Bulletin of Faculty of Psychology Sapporo Gakuin University
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.13-27, 2019-10-31

本研究は大学生のメンタルヘルスリテラシー(以下,MHL)が援助要請行動にどのように影響を与えているか検証することを目的とする。調査方法は大学生163名にビニエット(想定事例)を提示し,MHL,事例への対処法,事例の当事者であった場合を想定した対処法,友人であった場合を想定した対処法,自己肯定感尺度,専門家への援助要請態度尺度からなる質問紙を実施した。ビニエットを用いることにより,具体的な場面をイメージし,当事者性をもって回答しやすくなり,大学生が考える現実味ある対処法について知ることをめざした。分析の結果,MHLのうち状態の深刻さと精神的な病気の可能性を認知でき,援助要請行動の肯定的結果が想定されることが専門家への援助要請行動の促進に関与することが明らかになった。自分が当事者だと想定する場合は,専門家よりも身近な家族や友人への援助要請を選択することが示された。論文