著者
冨澤 かな 木村 拓 成田 健太郎 永井 正勝 中村 覚 福島 幸宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.129-134, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)

東京大学附属図書館U-PARL(アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門)は,本学所蔵資料から選定した漢籍・碑帖拓本の資料画像をFlickr上で公開している。資料のデジタル化とアーカイブ構築のあり方を模索した結果,限られたリソースでも実現と持続が可能な,小さい構成でありながら,広域的な学術基盤整備と断絶せず,高度な研究利用にも展開しうる,デジタルアーカイブの「裾野のモデル」を実現しうる方策として選択したものである。その経緯と現状及び今後の展望について,特に漢籍・碑帖拓本資料の統合メタデータ策定,CCライセンス表示,OmekaとIIIFを利用した研究環境構築の試みに焦点をあてて論ずる。
著者
木村 拓也
出版者
東北大学
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.67-99, 2006-03

本稿の目的は、戦後日本において「テストの専門家」が一体誰であったのかを、学力調査と入学者選抜を含んだ「大規模学力テスト」の関係者一覧を作成し、それを通史的に辿ることによって検討することである。「テストの専門家」は、戦後直後に「教科の専門家」「教育測定(テスト理論)の専門家」「サンプリングの専門家」の構成で出発し、「文部省全国学力調査」が開始される1956(昭和31)年頃には「教科の専門家」のみを指すものとなっていた。1972(昭和47)年以降、「教科の専門家」と並んで「テストの専門家」として名乗りを上げたのが「教育心理学者(教育評価論者)」であり、現在まで文部科学省の調査においてはこの付置が継続している。更に最近では、「情報処理の専門家」「付帯調査に関心を抱く教育社会学者」が「テストの専門家」に加わりつつあるといった新たな局面(フェイズ)を迎えている。最後に、現在の「テストの専門家」の付置が引き起こす諸問題を指摘することで、今後の「大規模学力テスト」に必要とされる人員構成が示唆された。
著者
木村 拓也
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.165-186, 2007-05-31 (Released:2018-07-01)
参考文献数
47
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to reexamine the use of “Comprehensive and Multi-dimensional Evaluation” as the basis for University Entrance Examinations. Though the phrase “Comprehensive and Multi-dimensional Evaluation” itself was first articulated in the 1997 report of the Central Council for Education (Chuou Kyoiku Shingikai), the concept itself came into existence immediately after the postwar period. In fact, “comprehensive evaluation” was merely an excuse for avoiding having to add the score of Japanese Scholastic Aptitude Test (Shingaku Tekisei Kensa, used from 1947 to 1954) into the total score of the University Entrance Examination. Moreover, the term “multi-dimensional evaluation” appeared in the outline of the University Entrance Examination (Daigaku Nyugakusha Senbatsu Jisshi Youkou), as it is proposed in the first report of the National Council on Educational Reform (Rinji Kyoiku Shingikai) in 1985.In fact, the report of the Central Council for Education (Chuo Kyoiku Shingikai) in 1971 stated that “Comprehensive and Multi-dimensional Evaluation” was scientifically valid as a basis for University Entrance Examinations. The report is famous as the only report based on evidence, and is generally known as the “1971 Report” (Yonroku Toushin). In the interim report, the Central Council for Education stated that follow-up surveys by the National Institute for Education and the Educational Test Research Institute (Nouryoku Kaihatu Kenkyujyo) had proven that a “Comprehensive and Multi-dimensional Evaluation” could be a valid selection method for predicting a good Grade Point Average after entrance to university.However, the two surveys cited contained simple statistical errors. The first, survey by the National Institute for Education, failed to control for the “Selection Effect.” A “Selection Effect” is a “restriction in range problem,” caused by cutting off the distribution at the passing grade. As a result, there is a tendency to misunderstand the fact that, in actuality, academic achievement tests on University Entrance Examinations have little relationship with Grade Point Average after entering university. To tell the truth, this problem had been pointed out as early as 1924 by Japanese psychologists who were interested in Entrance Examinations. In the second survey, by the Educational Test Research Institute, the inevitable nature of multiple correlation coefficients was ignored. As the number of independent variable increases one by one, the multiple correlation coefficient necessarily reaches the maximum of 1. In this paper, the follow-up research data from the Educational Test Research Institute is recalculated using a multiple correlation coefficient adjusted for the degrees of freedom. The conclusion is different from that reached by the Central Council for Education.This demonstrates that there is absolutely no scientific ground for the use of “Comprehensive and Multi-dimensional Evaluation.” In other words, it is not necessarily correct that putting a lot of effort into University Entrance Examinations and using anything more than academic achievement tests as reference for University Entrance Examination will lead to more students gaining good grades after entering university. If this mismeasure of academic achievement is not properly recognized, the number of university students who cannot achieve even low basic competence level will surely increase.
著者
木村 拓也
出版者
東北大学大学院教育情報学研究部
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
no.4, pp.67-99, 2006-03

本稿の目的は、戦後日本において「テストの専門家」が一体誰であったのかを、学力調査と入学者選抜を含んだ「大規模学力テスト」の関係者一覧を作成し、それを通史的に辿ることによって検討することである。「テストの専門家」は、戦後直後に「教科の専門家」「教育測定(テスト理論)の専門家」「サンプリングの専門家」の構成で出発し、「文部省全国学力調査」が開始される1956(昭和31)年頃には「教科の専門家」のみを指すものとなっていた。1972(昭和47)年以降、「教科の専門家」と並んで「テストの専門家」として名乗りを上げたのが「教育心理学者(教育評価論者)」であり、現在まで文部科学省の調査においてはこの付置が継続している。更に最近では、「情報処理の専門家」「付帯調査に関心を抱く教育社会学者」が「テストの専門家」に加わりつつあるといった新たな局面(フェイズ)を迎えている。最後に、現在の「テストの専門家」の付置が引き起こす諸問題を指摘することで、今後の「大規模学力テスト」に必要とされる人員構成が示唆された。
著者
木村 拓人 柳本 卓 日高 浩一 上原 崇敬 大島 達樹 伏島 一平 酒井 猛
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.142-149, 2019-03-15 (Released:2019-04-02)
参考文献数
38

外洋域に分布するヒラマサ3種(Seriola lalandi, S. dorsalis, S. aureovittata)の遺伝的差異から集団構造を明らかにするため,北西太平洋(日本沿岸,北西太平洋外洋,天皇海山)およびタスマン海で漁獲された個体を用いて,mtDNAのND4,CRおよびCOI領域の塩基配列を分析した。その結果,北西太平洋の4つの漁獲地点の個体間に遺伝的な差はなく,これらの北太平洋と南太平洋のタスマン海の集団間には有意な差があることがわかった。
著者
木村 拓也 Lauro Augusto Cescon Matteo Zanfi Chiara Pinna Antonio Daniele 福澤 正洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.1883-1891, 2008-11-01
参考文献数
21

イタリアのボローニア大学S'Orsola-Malpighi附属病院で過去7年間に脳死ドナーから成人の小腸単独移植を28例(29移植)に行ったので報告する.方法:原疾患は短腸症候群と小腸機能不全が29移植中27移植(93%)で,移植の適応としては中心静脈アクセスの確保不能,中心静脈栄養に関連した合併症(繰り返す感染症,肝機能障害)が20例(69%)を占めた.免疫抑制剤はdaclizumab,alemtuzumab,antithymocyte globulinのいずれかをinductionに用い,tacrolimusを維持に用いた.Daclizumab投与例ではプレドニゾロンも併用した.結果:患者/グラフトの5年生存率は74%/71%であった.拒絶反応は13例に認め,全例にステロイドパルス療法を,2例にはOKT3を追加投与したが,1例は回復せず,graftの摘出を要した.6例死亡したが(中央値:400日)敗血症3例,アスペルギルス肺炎2例,CMV腸炎による多発穿孔1例とすべて感染症関連であった.生存例22例中19例は中心静脈栄養を必要とせず,経口摂取で生活し,生活の質が保たれていた.考察:成人の小腸単独移植は,induction therapyの導入や適応の選択などで他の臓器移植とほぼ同じ生存率を得ることが可能となってきた.小腸移植は小腸機能不全や短腸症候群患者における有用な選択枝となりえるが,拒絶反応,感染症で失う症例も多く,さらなる工夫が必要である.
著者
山田 政寛 岡本 剛 島田 敬士 木村 拓也 大久保 文哉 小島 健太郎 緒方 広明
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
基幹教育紀要 = Bulletin of kikan education (ISSN:21892571)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.61-72, 2016

Higher educational organizations are required to improve educational quality recently in order to faster active life-long learners, and take several educational methods for that purpose such as the establishment of learning support out of class settings for active learning. Portfolio, in particular, e-portfolio is one of the helpful tools to promote the reflecting and planning of learner's learning outcome, which play an important role in the promotion of active learning. £-portfolio allows learner to store, manage, access, and maintain their learning outcome using electric devices, on the other hand, it has the functional limitations such as handwriting and annotations. However, the difference of learner's perceived effects on their learning is under the discussion, due to the lack of the findings about comparative research between e-portfolio types. This research aims to investigate the differences of the learner's perceived effects on their learning with between paper-based and e-portfolios. The findings reveal that paper-based portfolio was more effective than e-portfolio, in terms of the instructor's presence and the perceived ease of the access to the feedback from instructors. The perceived effects of e-portfolio in terms of the management and access ware superior to that of paper-based portfolio.
著者
野崎 俊貴 木村 拓海 川野 秀一
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.117-131, 2016 (Released:2017-05-01)
参考文献数
20

オンライン学習とは, 近年機械学習の分野において注目を集めている学習法であり, その利点は, 逐次的にデータを学習しモデルを構成することにある. 本稿では, 適応正則化学習 (Adaptive Regularization of Weight Vectors; AROW) と呼ばれるオンライン学習モデルの特徴選択を可能にするために, スパース推定に基づく方法を提案する. 推定アルゴリズムには, 座標降下法 (coordinate descent method) を用い, これにより高速化も実現する. 提案手法は, いくつかのチューニングパラメータに依存しているため, これらの値を交差検証法を用いて客観的に選択する. ベンチマークデータに基づく数値実験を通して, 提案手法の有効性を検証する.
著者
木村 拓也 西郡 大 山田 礼子
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:13440063)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.189-214, 2009

<p> 本研究は,国際的に通用する「学士」水準の維持・向上が求められて行く中で必要とされる「大学教育効果」の測定方法論について検討したものである.本研究では,サンプルサイズ,多量の質問項目,従属変数にまつわる追跡調査と大学生調査が孕む構造的問題について,潜在クラス分析を用いることでその解決を試みた.まず,大学入学前後の状況を表した「高大接続情報」を用いて,潜在クラス分析を行い,5つの学生群にクラス分けした上で,学生の各クラスへの帰属確率を求めた.次に,因子分析によって,多量の質問項目をカテゴリー化して因子得点を求め,各学生群の帰属確率との間でノンパラメトリック回帰分析を行った.こうした分析方法により,各大学が学生の特徴に応じた「学士課程教育の構築」に資する基礎情報を過誤なく獲得する可能性を提示することができた.</p>
著者
冨澤 かな 木村 拓 成田 健太郎 永井 正勝 中村 覚 福島 幸宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.129-134, 2018

<p>東京大学附属図書館U-PARL(アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門)は,本学所蔵資料から選定した漢籍・碑帖拓本の資料画像をFlickr上で公開している。資料のデジタル化とアーカイブ構築のあり方を模索した結果,限られたリソースでも実現と持続が可能な,小さい構成でありながら,広域的な学術基盤整備と断絶せず,高度な研究利用にも展開しうる,デジタルアーカイブの「裾野のモデル」を実現しうる方策として選択したものである。その経緯と現状及び今後の展望について,特に漢籍・碑帖拓本資料の統合メタデータ策定,CCライセンス表示,OmekaとIIIFを利用した研究環境構築の試みに焦点をあてて論ずる。</p>
著者
野崎 俊貴 木村 拓海 川野 秀一
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.117-131, 2016

オンライン学習とは, 近年機械学習の分野において注目を集めている学習法であり, その利点は, 逐次的にデータを学習しモデルを構成することにある. 本稿では, 適応正則化学習 (Adaptive Regularization of Weight Vectors; AROW) と呼ばれるオンライン学習モデルの特徴選択を可能にするために, スパース推定に基づく方法を提案する. 推定アルゴリズムには, 座標降下法 (coordinate descent method) を用い, これにより高速化も実現する. 提案手法は, いくつかのチューニングパラメータに依存しているため, これらの値を交差検証法を用いて客観的に選択する. ベンチマークデータに基づく数値実験を通して, 提案手法の有効性を検証する.