著者
大島 慶一郎 江淵 直人 青木 茂 深町 康 豊田 威信 松村 義正 北出 裕二郎 舘山 一孝 二橋 創平 小野 数也 榎本 浩之 木村 詞明 田村 岳史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

海洋中深層循環及びその変動を決めうる海氷生産量を、衛星データ等から見積もるアルゴリズムを開発し、そのグローバルマッピングを初めて行った。沿岸ポリニヤでの高海氷生産過程を長期係留観測から明らかにし、アルゴリズムの検証も行った。南極第2の高海氷生産域であることが示されたケープダンレー沖が未知の南極底層水生成域であることもつきとめた。南極海とオホーツク海では、海氷生産量の変動が底層水や中層水の変質とリンクしていることを明らかにし、中深層循環弱化の可能性を指摘した。
著者
佐藤 豪 木村 穣 小崎 篤志
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では生活習慣の変容を促進し、また従来から問題とされているせっかく新しい生活習慣を身につけてもそれが逆戻りしてしまう現象について、基本的に無理をして生活習慣の変容を行っても、その後その効果が持続しない、そこには安心感というものがベースになっていないためであるということを検討してきた。このような点の検討を行うために、喫煙者と非喫煙者との性格特性や身体的な感覚の相違などについての分析を行い、これについての知見を得た。それに基づいて、生活習慣変容のためのプログラムを策定し、それを WEB 上で展開するという研究を行った。
著者
山本 明 吉田 哲也 安楽 和明 稲葉 進 井森 正敏 上田 郁夫 音羽 真由美 折戸 周治 木村 誠宏 佐貫 智行 鈴木 純一 田中 賢一 西村 純 野崎 光昭 槇田 康博 松永 浩之 松本 浩 元木 正和 矢島 信之 山上 隆正 吉村 浩司 Golden Robert Kimbell Barbara Mitchell Jon Ormes Jonahtan Righter Donald Streitmatter Robert
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.103-119, 1996-03

超伝導マグネット・スペクトロメーターを用いた宇宙粒子線観測・気球実験(Balloon Borne Experiment with a Superconducting Magnetic Rigidity Spectrometer)は,宇宙起源反粒子探索及び宇宙粒子線の精密観測を目的とする日米・国際共同実験として推進されている[1-7]。NASAおよび宇宙科学研究所を相互の代表機関とし,東京大学,高エネルギー物理学研究所,神戸大学,ニューメキシコ州立大学が研究に参加している。日本側グループがスペクトロメーター本体を準備し,アメリカ側グループが気球の飛翔,制御を担当している。この実験計画は,1980年代にNASAを中心に検討されたASTROMAG計画の準備研究に於て,ソレノイド型超伝導マグネット・スペクトロメーターの構想を提案し,基礎開発を行なった事から,その第一段階となる気球実験としてスタートした[8-9]。この実験協力が1987年にスタートして以来6年の準備期間を経て,1993年に第一回の気球飛翔実験に成功した。1994年には第二回,1995年には第三回・気球飛翔実験に成功した。実験は,北磁極に近いカナダ北部のマニトバ州リンレークからアルバーター州ピースリバーにかけて実施され,合計約50時間の科学観測に成功し,実験機器も無事回収されている。これまでにBESS93の気球飛翔実験についてデータ解析を完了し,運動エネルギー500MeV以下の運動エネルギー領域で,反陽子を4イベント検出した[10-12]。この結果は,低エネルギー領域(<500MeV)での初めての明確な宇宙線反陽子の観測として評価を受けている。BESS93&acd;95の総合的なデータ解析からは,途中経過として,運動エネルギー<1.2GeVに於て,合計&acd;50イベントの反陽子候補を検出している。また反ヘリウムの探索については,1993年&acd;1995年のデータを合わせ,従来の観測よりも一桁高い感度での存在上限値(反ヘリウム/ヘリウム比=8×10^<-6>,@95%CL)を得ている[13-15]。実験は,結果が現われ始めた段階であるが,経過と現状を報告する。
著者
佐藤 剛 木村 廣道
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.113-117, 2011 (Released:2011-06-30)

医薬品産業を中核とする医療産業には日本の経済を牽引する知的集約産業としての期待が高まっている. しかしながら, 産業の担い手である日本の製薬企業は世界企業に対して規模において劣後しており, 革新的なイノベーション創出による地位の向上が求められている. 医療技術のシーズの担い手は, 医学・工学・薬学研究の進展とともに, 企業に限らず大学・研究機関, ベンチャー企業などへと多様化してきており, グローバル化が進む医療産業の中でオープンイノベーションを促進する基盤の整備・発展が望まれる.
著者
木村 保夫 國井 秀伸
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.257-264, 1998-12-25
被引用文献数
2

Shoot morphology and growth characteristics of two morphologically similar submerged plants, Ranunculus nipponicus var. submersus and R. nipponicus var. okayamensis, were compared to clarify their morphological and ecological differences. Under both field and experimentally equalized conditions, these two plants were clearly distinguishable from each other on the basis of leaf and peduncle size by separating the reproductive and vegetative shoots, and also by leaf color during winter. Both plants showed continuous shoot growth in thc field, and seasonal change was higher for R. nipponicus var. okayamensis than for R. nipponicus var. submersus, possibly because of fluctuations of water temperature in the field. While the flowering of R. nipponicus var. submersus occurred all year round with a peak during June and July, that of R. nipponicus var. okayamensis was seen only during May and November. As to the effect of temperature on shoot growth, both plants showed thermophobic traits, and no significant difference. The elongation rate of R. nipponicus var. okayamensis was higher than that of R. nipponicus var. submersus in both of the water sampled from the Hongu River and the Utsumiya Rive, which are the natural habitats of R. nipponicus var. submersus and R. nipponicus var. okayamensis, respectively. The present results provide support for the suggestion that these two plants may be varieties rather than ecotypes.
著者
守屋 正彦 井川 義次 山澤 学 柴田 良貴 藤田 志朗 木村 浩 菅野 智明 程塚 敏明
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

儒教は、日本では古代より受容され、中国を中心とした東アジアでの一大文化圏を形成してきた。儒教は地域特有の文化と融合もし、礼拝のあり方、また聖像やそれを荘厳する絵画・彫刻は、東アジアの、また日本の各地域に展開し、礼拝の「かたち」は、儀式のあり方、礼拝の諸像の形式や配置、また唱道する詩文や作法などに見られた。その表象について、本研究では東アジアのいくつかの孔子廟を調査し、地域間の文化の同一性と民族的な表現の相違について確認し、5年に及ぶ研究期間中に国際シンポジウムを開催するとともに、年次報告書を作成して研究成果を発信した。
著者
木村 靖子 島田 玲子 松田 賢一 宅見 央子
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03898814)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.16-26, 2004-03-10

近年,若年女性における食生活の乱れが問題になり,それとともに身体的症状を訴えることも多くなっている。本研究では,身体的症状で訴えの多い便秘と食生活,生活状況との関連性を検討するために,本学短大生47名を対象に連続した1週間の食事調査と生活状況,排便状況の調査を行った。47名のうち,1週間の排便日数が4日以下の22名を便秘傾向群,5日以上の25名を非便秘傾向群として統計的に比較した。その結果,便秘,非便秘にかかわらず本学短大生は食品の総摂取量が少なく,エネルギーおよび各栄養素の充足率がかなり低いのが特徴であり,予想以上に粗末な食事内容であることが示唆された。便秘傾向群と非便秘傾向群を比較すると,便秘傾向群は食品の総摂取量が有意に少なく,その結果としてエネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,マグネシウム,亜鉛,ビタミン_B1,ビタミンB_6,食物繊維などの充足率が有意に低くなった。また,食事のとり方においても1日の喫食回数が有意に少なく,食事時間も不規則な傾向を示した。生活状況は起床時刻,就寝時刻ともに遅かった。以上の結果より,若年女性の便秘は食事の絶対量の不足と不規則な食事時間,夜型の生活パターンが起因していると考えられる。
著者
豊島 裕子 遠藤 陽一 木村 直史 小幡 徹 衛藤 謙
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

(1) ヒトは、大きく分けてストレスが身体反応を起こしやすいタイプと、そうでないタイプに分けられる。前者では、ストレス負荷に対して脳血流が急激に増加する、脳波の伝達が速くなる、心電図所見で交感神経優位になっているなど、過剰な反応が確認された。(2) また、ヒトにストレスが加わると、血小板が活性化され、血栓を作りやすくなることがわかった。つまり、ストレス耐性の低いヒトでは、ストレス負荷で、血栓性疾患を起こしやすいことがわかった。
著者
木村 常在
出版者
聖徳大学
雑誌
紀要 (ISSN:02863332)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.89-104, 1975
著者
石川 啓 木村 秀也 吉川 省子
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.39-46, 2008 (Released:2008-01-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2

ウンシュウミカン樹において発芽期前後に葉面散布された尿素の吸収・移行特性を明らかにするため,15Nトレーサー法を用いて2か年間の圃場試験とポット試験を行った. マシン油乳剤との混用の有無に関わらず,葉面散布された尿素は3月下旬においても旧葉から吸収され,6月中旬までにその57%が春季新生器官に移行した.ただし,根部への移行量は極めて少なかった.葉面散布された尿素の吸収量は,少なくとも3回散布までは散布回数に比例して増加し,その利用率は散布窒素量の約40%前後であった.これらのことから,3月下旬~4月上旬の尿素葉面散布は,窒素レベルが低下している樹に対して全窒素を増加させる効果があることが示された.
著者
木村彰一著
出版者
白水社
巻号頁・発行日
1985
著者
吉川 友也 斉藤 和巳 元田 浩 大原 剛三 木村 昌弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.1899-1908, 2011-11-01
被引用文献数
2 5

本論文では,非同期時間遅れ付き独立カスケード(AsIC)モデルと非同期時間遅れ付き線形しきい値(AsLT)モデルのそれぞれの場合を仮定して,観測した単一の拡散系列から各時刻における期待影響度(期待影響度曲線)を高精度で推定する問題に取り組む.単純な方法として,観測した拡散系列のアクティブノード数を数えて期待影響度曲線とすることが考えられるが,拡散系列は情報拡散の確率的な動作によって多様な結果になるため,この方法での期待影響度曲線推定には本質的な限界がある.本論文の提案法では,観測した拡散系列から各モデルのパラメータをEMアルゴリズムによって学習し,学習したモデルパラメータを使って,シミュレーションによって期待影響度曲線を推定する.提案法を評価するために,現実のソーシャルネットワーク構造データを用いて人工的に拡散系列を生成して評価実験を行う.生成される拡散系列の長さは,同じ条件であっても多様な長さになる.我々は,提案法を使うことによって,多様な長さの拡散系列からでも期待影響度曲線を高精度で推定できることを示す.
著者
矢吹 朗彦 杉浦 幸一 加藤 俊明 桑原 惣隆 木村 晋亮
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.913-921, 1977-08-01

1974年から1975年にかけ,石川県七尾市を中心とした無脳症の集中的多発的発生を見,能登地方をはじめ北陸三県に於ける本症の疫学的調査と病因的ウイルス感染の存在について検討し,次の結果を得た. (1) 1975年迄の過去5年間で,石川県を中心とした北陸三県に於いて78例の無脳症が確認された. (2) 本症の男女比 : 41対35(75例調査,双胎1例),初産経産婦比 : 26対31(57例調査)であつた. (3) 妊娠初期経過(24例調査) : 無症状3,悪阻9,感冒及び発熱9,性器出血8及び糖尿病2例あり,16例が投薬を受けた. (4) 無脳症娩出後,次の妊娠分娩を追跡し得た12例は正常児分娩9,反復無脳児分娩3であつた. (5) その他の事項として,羊水過多症11(27例中),双胎無脳症1,母体疾患として糖尿病2,心疾患1,精神分裂症1例があつた. (6) 1975年迄の過去5年間の北陸三県に於ける無脳症罹患率は,平均0.08〜0.4%であり,最高は七尾市能登病院の0.4%で,その発生には地域的集中傾向がうかがわれた. (7) 年次的には1974-1975年に多発傾向を見,しかも1974年に妊娠初期を経過したものが多数を占めた.年次的最高罹患率は,能登病院の1974年に於ける0.6%であつた, (8) 10症例の無脳症及びその両親の血清22検体について,ウイルスHI抗体価11項目とCF抗体価20項目について検査し,抗サイトメガロウイルス抗体を19検体に,抗コクサッキーBウィルス4及び5型抗体を,夫々21及び20検体に証明した. (9) 結論として,無脳症の発生病因は,まず遺伝的因子の存在(又は欠除)が考えられ,さらにそれを誘発する要因として,サイトメガロウイルス及びコクサッキーBウイルスの重複感染があり得ると推論された.
著者
坂本 一之 小田 竜樹 木村 昭夫 木村 昭夫 R.I.G. Uhrberg M. Donath
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

半導体表面上に作製した低次元ナノ構造体での巨大スピン分裂など、特異なラシュバ効果の観測とその起源の解明を目的に実験と理論の両面より研究を遂行した。その結果、固体表面の対称性に起因した、表面垂直方向に100%偏極したラシュバスピンや、不可欠だと思われていた時間反転対称性がなくてもラシュバ効果が起こることなど、それまでの常識を覆すようなラシュバ効果を報告した。また、ラシュバスピンの向きが原子核近傍の電荷分布の非対称性により決定されることも示した。