著者
伊藤 秀和 石澤 広明 石川 和夫 大倉 力 木村 嘉孝 西澤 賢一 長谷川 有貴 長谷川 有貴
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.811-815, 2010-12-01

近年の食の安全,安心に対する要求は高く,色々な問題が発生し,複雑化している.照明学会としてこの分野に寄与するため,平成19年に「食物安全への赤外放射応用研究調査委員会」が活動開始した.赤外線とさらに広い波長範囲の光までも含んで,色々な研究・調査が実施された.この3年間の研究期間を終了し,研究活動を振り返り,今後の見通しも含め,委員会メンバーによる座談会を平成22年7月26日に実施した.
著者
大野 陽介 木村 辰幸 依田 育生 藤井 伸朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.200, pp.19-24, 1995-07-28
参考文献数
6

ATMトランスポートネットワークのオペレーションシステム(OpS)における新しい警報転送方式を提案する。本方式は、故障通知を通信警報ではなく操作状態の変化通知により行なうこと、VP警報をビットマップとしてまとめること、の2つの特徴をもつ。これによりOpSにおける高速な警報処理を可能にした。本方式を実際のATM網に適用し、性能を評価し、事象発生から操作端末に最初の表示を行なうまでの時間は故障発生時で4秒から7秒、故障回復時でm秒から11秒程度であることを確認した。
著者
崔 光煥 木村 建一
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.51, pp.43-51, 1993-02-25
被引用文献数
1

再生器,熱交換器,蓄乾槽,および除湿器からなる太陽熱利用開放形吸収式除湿乾燥システムのうち,再生器について屋内で行った実験の結果を報告する.従来の屋外の実験では,外気条件の変動,特に風速の変動が激しいため,再生器の特性を把握することが困難である.そこで,開放式模型再生器を製作し,定常状態で再生表面の温度を一定にし,水溶液の流量を制御しながら再生器の空気層の高さと風速を変え屋内実験を行い,風速と風量の再生量に及ぼす影響を調べた.その結果,空気層の高さが異なる場合,風量の水分蒸発量への影響はほとんどなく同じ空気層の場合には風速が大きいほうの再生量が多かった.また,吸収剤として使用した塩化リチウム水溶液の電導率と温度を測定しあらかじめ作っておいた塩化リチウム水溶液用標準濃度曲線を用いて運転中に水溶液の抽出をせずに濃度を容易に連続して求める新しい方法を提案した.実際にこの方法で濃度を求め連続記録することができた.実験結果から計算して求めた無次元数間の関係は文献所載の層流に対する物質移動の式に比べ0.5m/s以上の風速域ではやや離れるが,より低風速域ではかなり異なる結果となった.
著者
大藪 多可志 木村 春彦
出版者
金沢星稜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

植物は様々な環境要因を認識する能力を有している。また, 移動することは困難なため環境適応能力に優れている。本研究においては, 植物の環境認識能力を生体電位を用いて明らかにすると共にその癒し効果を表現するインタフェースを構築した。インターフェースとしては, 植物にとって良い環境状態であるとき微笑んでいることを顔表現で示す。暑さや寒さを顔表現で示し, 人間からの問いかけに対して環境状態を音声で知らせる。成果を書籍として出版した。
著者
木村 圭志
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

コンデンジジは、SMC2/SMC4の二つのSMC ATPaseサブユニットと三つのnon-SMCサブユニットからなるタンパク質複合体で、M期の染色体凝縮に必須の因子である。最近になって、修復、チェックポイントの活性化、転写制御などの間期におけるDNA代謝にもこの酵素が関与することが報告されている。コンデンシンは、in vitroでATP依存的にDNAに正のスーパーコイルを導入する活性(スーパーコイリング活性)を持つ。我々は、コンデンシンの細胞周期における制御機構を解析した。コンデンシンのタンパク量、及びタンパク質の安定性は細胞周期を通じて一定だった。細胞周期におけるリン酸化を調べたところ、コンデンシンは間期においてCK2で、M期ではCdc2でリン酸化されていた。M期でのリン化がコンデンシンのスーパーコイリング活性を促進するのに対して、CK2による間期リン酸化は著しく抑制した。このCK2による抑制的なリン酸化レベルの細胞周期における変動を調べたところ、M期に染色体上で著しく低下していた。さらに、ツメガエルのM期卵抽出液中で、コンデンシンのCK2部位のリン酸化レベルを上昇させると、染色体の凝縮は阻害された。これらの結果から、コンデンシンの機能は、従来から考えられていたM期キナーゼCdc2だけでなく、CK2によっても制御されていることが示唆された。一方、精製したコンデンシンをin vitro転写系に加えると、転写レベルは抑制された。また、その抑制はCK2によるコンデンシンのリン酸化により解除された。これらの結果から、コンデンシンは、間期においてもクロマチン構造をコンパクトな構造に転換するのに寄与し、CK2リン酸化によるコンデンシン活性の抑制は、クロマチン構造の弛緩と、その結果としての転写活性化に関与している可能性が示唆された。
著者
三枝 正彦 南條 正巳 鳥山 欽哉 木村 和彦 渡辺 肇
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

肥効調節型肥料の発明は肥料を種子や根と接触施用することを可能にした。この方法では土の介在なしに目的とした肥料成分を直接植物根に供給することが可能であり、肥料の利用効率を飛躍的に向上させ、作物の収量と品質を飛躍的に改善することを明らかにした。またこの方法で、不耕起移植栽培や、不耕起直播栽培、接触施肥シードテープ栽培、スティック肥料茶栽培など収量、品質を低下させることなく、環境負荷を低減する画期的農業システムを開発した。
著者
石原 謙 立石 憲彦 木村 映善
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

現在、産婦人科専門医の確保が厳しく、遠隔診断やオピニオンが求められるようになっている。医師との迅速な連携の為に愛媛大学では携帯電話を用いたCTG(胎児心拍陣痛図)の伝送や、安全な医療情報ネットワークを介した伝送による遠隔医療期間の連携の試みを行ってきた。それらは一定の成果を挙げたが、CTG伝送をする為にはサーバの設置やネットワークの整備、設定を要求されるなど、利用までの敷居が高く、普及する要素が低かった。翻って一般家庭におけるブロードバンド環境の普及は進み、現在ではADSLやFTTHの引き込みを前提環境として想定することが容易になった。そこで、一般家庭で利用されているブロードバンド環境下に設定の必要がないCTG伝送システムを実現することによって容易に胎児心拍陣痛図の監視システムの導入が出来ることを目指した。この事によって高リスク因子の妊婦を自宅にて静養させることが実現出来る。具体的には一般家庭で導入されているブロードバンドルータのDHCPもしくはUPnP機能からホームネットワークの環境を自動的に検出し、インターネットへの接続を確立する。どのような環境でも胎児心拍陣痛図のモニタリング・センターへデータを伝送出来るようにHTTPプロトコル上に暗号化されたSOAPメッセージを使って胎児心拍陣痛図を伝送する。RS232Cで接続された胎児心拍陣痛図のプローブからデータを採取し、SOAPメッセージに載せるXML形式の連続データに変換を行い、あらかじめ指定されているモニタリング・センターのWebサービスサーバと公開鍵認証を行って送信する。センターでは各地から取得されたメッセージをXML形式で保存し、データベース参照や地域医療システムとの連携を実現している。設定が不要で場所、時を選ばずに誰でも容易に胎児心拍陣痛図の確認を依頼出来るようになる為、周産期医療の充実化が期待される。本研究を進めるにあたって、医療機関毎に導入している医療機器によって扱われる胎児心拍陣痛図や各種医用波形データが異なる為、MFERの利用を着想し、MFERデータを扱う為のパーサを開発した。現在、医用波形をMFER形式に変換し、それをSOAPメッセージにエンコーディングした上で、リライアブル・マルチキャスト技術を利用したメッセージングシステムでSOAPメッセージを配布する実装の開発中である。
著者
古屋 充子 田中 玲子 米満 吉和 木村 定雄
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炎症性背景をもつ発癌モデルとして内膜症と明細胞腺癌とにおける炎症性微小環境変化を解析した.G蛋白質共役受容体CXCR3を解析したところ,3つの変異体がヒト組織で確認された.定性解析の結果,CXCR3Aは内膜症,癌両者で上昇していた.CXCR3-altは癌で特異的に発現し,CXCR3Bは抑制されていた.CXCL11,CXCL4の発現パターンは各々CXCR3-alt,CXCR3Bと相関した.局在解析では,CXCR3-altは腫瘍血管に,CXCR3Bは正常血管や内膜症血管にシグナルが認められた.以上の結果,G蛋白質共役受容体CXCR3は変異体により発現組織・細胞が異なり,そのリガンド環境も疾患によって異なることが示唆された.CXCR3Bでは抑制性,CXCR3-altでは亢進性シグナルが作動すると予想された.今回期間内では変異体依存性シグナルと4回膜貫通蛋白(TM4)との関連を明らかに出来なかったが,今後は細胞レベルでG蛋白質共役受容体シグナルを介した浸潤・移動能調節機構にインテグリン/TM4がどう応答するか解析する予定である.
著者
木村 昌由美
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

今年度の研究ではラットを用いた実験系において、1)妊娠初期に特有な生殖器官由来の催眠性サイトカインに着目し、そのサイトカインの中枢性作用を阻害したときに生じる睡眠変動について解析を深めるためのさらなる追試を行った。また、2)高齢雌ラットにおいてエストロゲン補填の処置を行い、睡眠一覚醒パターンを記録するのと同時に血中サイトカイン量ならびに脳内アセチルコリン(ChAT)活性を測定し、女性特有な睡眠パターンに対するエストロゲンの総合的な作用に検討を加えた。1)研究代表者による先行研究で、ラットにおいてもヒトと同様、妊娠のきわめて初期に過剰睡眠が誘発されることがこれまでに確かめられている。この時期、着床に重要な役割を担う顆粒球・マクロファージ・コロニー刺激因子(GM-CSF)の中和抗体をラットの脳室内に連続投与すると、対照IgGを投与された妊娠ラットにおける増加した睡眠パターンと比較して、ノンレム睡眠の約25%、レム睡眠の約60%が有意に減少し、最終的な出産を迎えられない母親ラットも数匹確認された。2)高齢雌ラットにおいては、細菌毒の一種であるリポポリサッカライド(LPS)に対する弱まった感受性が、エストロゲン補填処置(ERT)によって回復することが、これまでの研究で示唆されている。追究の結果、SD系雌ラットでは、明期のノンレム睡眠量が明らかに減少する一方、暗期のレム睡眠が増加するという、睡眠-覚醒パターンにおける日内リズムの狂いが著しく観察され、それが一週間のERTで若齢レベルに若返ることが示唆された。その際、E_2処理された群でLPS刺激後の血中TNFα量が有意に増え、IL-1量には変化は見られなかった。脳内ChAT活性は特定の部位でE_2による上昇効果がみられており、この作用がレム睡眠リズムの回復に関係していると考えられる。
著者
品田 宜輝 木村 建一 桂木 宏昌 宋 城基
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.153, pp.45-56, 2009-12-05

北九州市の大学校舎建築に導入されたソーラーチムニーと地中ピットとを組み合わせた自然換気システムを対象とし,運用下におけるその性能を把握することを目的として開校後4年間に渡って実施した実測調査の結果を述べる.本報では実測対象建物の自然換気システムと補助空調システムの概要,本システムの運用状況,自然換気作用時の給排気風量の実測結果について報告する.自然換気が作用する時間は開校3年目まで増え続け,2年目から4年目の自然換気作用時間は冷房期間の33〜61%を占めた.自然換気作用時間の80%程度が夜間であった.自然換気作用時の給排気風量は,年間の全時間平均で,地中ピットからの給気量は6,000m^3/h程度,ソーラーチムニーからの排気量は4,000m^3/h程度であり,4年間を通してほぼ安定していた.この差は主に排気ファンによる影響であり,ソーラーチムニーからの排気量は風量の多い便所排気ファンの運転停止に左右されていた.給排気風量は,中間期に増加し,夏期に減少する傾向が見られた.
著者
大橋 一智 里中 勝人 山本 哲郎 山崎 正利 木村 貞夫 安部 茂 山口 英世
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.396-399, 1993-05-25
被引用文献数
10

The antitumor activity of a preparation of heat-killed cells of Enterococcus faecalis, FK-23. Intraperitoneal injection of the preparation prolonged the lifespan of C3H/He N mice which were intraperitoneally inoculated with MM46 mammary carcinoma. Not only intraperitoneal but also oral administration of the FK-23 preparation inhibited the growth of these carcinomas inoculated intradermally. The tumor-bearing mice produced tumor necrosis factor (TNF) in their sera 2 h after intravenous injection of OK432. This TNF level increased after the mice were fed with food supplemented with the FK-23 preparation. Additionally, the FK-23 preparation inhibited the growth of Meth A fibrosarcoma in cyclophosphamide-treated BALB/c mice.
著者
野田 尚史 小林 隆 尾崎 喜光 日高 水穂 岸江 信介 西尾 純二 高山 善行 森山 由紀子 金澤 裕之 藤原 浩史 高山 善行 森野 崇 森山 由紀子 前田 広幸 三宅 和子 小柳 智一 福田 嘉一郎 青木 博史 米田 達郎 半沢 康 木村 義之
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

現代日本語文法, 音韻論, 古典語, 方言, 社会言語学などの各分野から, 述べ19名の研究者の参加し, 古典語など, ほぼ未開拓であった領域を含む対人配慮表現の研究の方法論を次々と開拓することができた。とりわけプロジェクトの集大成である, 社会言語科学会における10周年記念シンポジウムの研究発表では高い評価を得た。その内容が書籍として出版されることが決定している。
著者
岡島 厚 上野 久儀 溝田 武人 岡野 行光 木綿 隆弘 木村 繁男
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

工業プラントの配管内センサーに用いられるブラフな断面構造物の後流域は、流れの剥離による複雑な渦構造を呈し、構造物は後流渦によって様々な自励振動現象が生じる。高速増殖炉「もんじゆ」のナトリウム漏洩事故の主な原因であった低流速域で起こった流れ方向振動も自励振動の一つである。本研究は円柱や矩形柱断面柱などの構造物の流れ方向流力振動の発生機構に関し、風洞実験、水槽実験、数値シミュレーションによって、主として両端弾性支持円柱した自由振動試験によって、次のようなことを明らかにした。(1)振動する円柱及び種々な断面比の矩形断面柱周りの流れ(レイノルズ数Re=10^4)をスモーク・ワイヤー法によって可視化し、振動特性と流れパターンの対応を示し、共振流速の1/2を境にして二つの励振域において、それぞれ振動円柱周りの対称渦及び交互渦の鮮明な可視化映像を得た。(2)表面粗さを導入して、臨界域以上の高いレイノルズ数領域の円柱周りの流れを実現して、高レイノルズ数領域の渦励振の様相を明らかにした。臨界域では直角方向振動が極端に抑制されることを見出した。(3)矩形断面柱の流れ方向振動に関しては,断面比が小さく垂直平板に近い場合には交互渦による第二励振域が断面比が大きくなりアフターボディーが長くなると、対称渦を伴う第一励振域が支配的となることを明らかにした。(4)二自由度弾性支持円柱の流れ方向の流力振動時の対称渦及び交互渦の渦構造を数値シミュレーションして、それぞれの後流の三次元構造の様相には、相違があることなどを見出し、2つの励振現象は後流の交互渦の形成強さと密接に関係していることを示した。
著者
佐藤 裕子 中木 高夫 濱田 悦子 川島 みどり 木村 義 齋藤 彰 平木 民子 奥原 秀盛
出版者
日本赤十字看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究は看護学生の論理的思考を育成する教育方法の1つとして、看護方法学の授業教材として使用できるコンピューター・ソフトウェアの作成を目指した。このソフトウェアの基盤を構築するために未だ明らかにされていない看護者に特有な推論構造を解明する目的で平成10年度に予備調査を実施した。結果、経験の厚い看護者の推論をより密着して詳細に調査することが必要となり、平成11年度には本調査を実施した。結果、手がかりから仮説へと至る看護者の推論プロセスの特徴、対・患者場面で看護者の即座の行為を導く推論の特徴、さらに看護者に追加される情報によって推論が発展していくことが明らかとなった。得られた資料を土台として、平成12年度から平成13年度にかけて、ソフトウェアの主軸となるルールセットを構築していった。このルールセツト作成作業では現象データからどのような推論が生まれてくるかをシミュレーション化したうえで、現象→推論→根拠→否定手段の4要素のルールからなるセットを蓄積していった。これらをシステムに組み込む作業を経たうえで、ユーザーインターフェイスを開発、ソフトウェア化していった。これと平行し本研究で作成するソフトウェアの適用対象となる看護学生の思考発展調査を平成12年度から13年度にかけて行った。結果、看護学の専門的知識を学習する前の時期は自らの生活体験や身近な家族・親戚、ぞして講義などの影響が大きい学生の思考は、基礎実習を経ることによって、さらに看護過程や看護専門知識の学習を経ることによって、現象を見る視点が多様化し語彙量が増え、表現豊かになっていくという思考の発展が明らかとなった。学生の思考発展に応じた適切な時期と活用法を考慮に入れながら論理的思考を育成することを目指す本ソフトウェアの授業教材化と評価が今後の課題である。
著者
四戸 雄介 羽石 操 木村 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.1063-1073, 2005-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
5

本論文では, ひし形マイクロストリップアンテナ素子(以後, RH-MSA)に逆V字型のスリット素子を複数個装荷し, マルチバンド特性を実現させるマルチバンド平面アンテナ, すなわち, スリット装荷RH-MSA素子の構成法と放射特性について述べる.電磁界シミュレータを用いこれらのアンテナ系の特性を求めたところ, リターンロス特性及び放射パターンなどの特性がC-バンド及びX-バンドにおいて良好なマルチバンド特性を示すことが明らかにされた.また, 本アンテナ系のマルチバンド特性を検証するため, スリット装荷RH-MSA素子が試作された.リターンロス特性などの実測値はシミュレーション結果と設計上有意な範囲で良い一致を見た.これらのことより, 本アンテナ系がマルチバンド用の平面アンテナとして有用な一形式となり得ることが明らかにされた.