著者
本田 義輝 齋藤 秀之
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.391-398, 2005-05-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
15
被引用文献数
9 11

Very little quality information is available for generic pharmaceutical preparations and this is particularly so for injectable preparations for which few quality studies have been conducted. With this in mind, we conducted an inter-lot quality variation investigation on nafamostat mesilate preparations for both the original and generic products and compared the results. The investigation involved measuring amounts of impurities other than those of the active ingredient by high performance liquid chromatography.For the nine generic products investigated, impurity amounts were about 2.4 times that of the original (min. 2.0 times-max. 3.1 times). We determined that these differences were not due to hydrolysates of the active ingredient but to unknown substances since the amounts of these unknown substances in the generic products were about 5.7 times (min. 4.7 times-max. 8.0 times) their amount in the original product.Concerning inter-lot variation (maximum value-minimum value), we found that the variation in total impurity amounts for the generic products was 1.8 times (min. 0.7 times-max. 2.8 times) that of the original product, while the variation in unknown substance amounts for the generics was 3.1 times (min. 1.0 times-max.4.6 times) that for the original.The results of the present study suggest that it is necessary to take inter-lot variation into account in evaluating the quality of generic products. They also suggest that the higher contents of unknown impurities in the generics could be a cause of the in-circuit precipitation which has been reported with generic versions of nafamostat mesilate during blood purification in the clinical setting.
著者
杉崎 太郎 中村 元昭 柳田 将志 本田 元就 篠原 光子 生田 哲也 大地 朋和 釘宮 克尚 山本 亮 神田 さおり 山村 育弘 屋上 公二郎 小田 達治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.47-52, 2007-04-05

65nm世代以降、最も一般的に用いら手いる6T-SRAMは多くの問題に直面している。そこで、我々は6T-SRAMに代わるSRAMを検討している。今回、バルクシリコンウエハーを用いて、サイリスタをSRAM(Static Random Access Memory)セルに応用することを試みた。このBulk Thyristor-RAM(BT-RAM)は、バルクシリコンウエハーを用いているために、コストを抑えることができる上に混載デバイスとの相性もよい。さらに100psの高速書き込み/読み出しが可能、オン電流とオフ電流の比が10^8以上、スタンバイ電流が0.5nA/cell以下と非常に良好な特性を示した。また、アノード領域に選択エピタキシャル技術を用いることで、理想セルサイズも30F^2(Fはデサインルール)と従来型の6T-SRAMの約1/4のサイズになっている。このようにBT-RAMは現在SRAMの直面している問題を解決し、65nm世代以降に有望なデバイスであることがわかった。
著者
本田 新九郎 河内 清人 木村 尚亮 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.59, pp.37-42, 1996-06-07
被引用文献数
4

本稿では,大部屋のインフォーマルコミュニケーションの形態がメンバの空間的配置に関係していることに着目し,大部屋オフィス特有の発話モデルを提案した.またそのモデルに基づいて実装した,大部屋仮想オフィスDOOS(istributed Oriental Office Syste)について述べる.DOOSでは,これまで在宅勤務者が感じていた疎外感を減少するため,これまで個室ベースであった仮想オフィスに大部屋を導入し,メンバの空間的配置を考慮する(メンバに仮想的な座席を提供する)ことにより,他のメンバの存在を感じさせ,大部屋特有のインフォーマルコミュニケーションを実現している.In this paper, we propose an informal communication model in a shared space viewing that there is a close connection between the informal communication in a shared room and members' spacial positions. Based on this model, we realized a shared room like virtual office environment named DOOS(Distributed Oriental Office System) instead of former systems based on individual rooms for each member. DOOS aims to reduce the member's alienation, and to realize informal communication which is peculiar to a shared room, considering members' spacial position(provide flxed seat arrangement for members) in a virtual environment.
著者
加藤 徹也 本田 敦也 Kato Tetsuya 本田 敦也 ホンダ アツヤ Honda Atsuya
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.387-395, 2010-03
被引用文献数
1

ハイスピード・ビデオカメラの市販により,運動する物体を撮影して力学法則を確かめるような物理教育の機会が増えている。一般に動画は容量の大きなデータで,その保存・転送・表示における技術上の問題があり,解像度が低い。このため,精度よく物体位置を取得するには限界がある。またハイスピード撮影のデータはフレーム数が多く,効率よい画像処理プログラミングが必要である。われわれは,力学的エネルギー保存の法則の成立を演示することを目的として,512×384pixels の解像度で1秒間300フレームの動画撮影を行い,振り子運動する物体の位置をOpenCVによるプログラミングを通して取得した。画像上で直径81pixel の物体位置を±0.03pixelの精度で得て,水平方向±58pixel,鉛直方向1.1pixelの弧を描く運動から,運動エネルギー・位置エネルギーを十分な精度で決定できた。Recently, the chance to use commercially supplied high-speed video cameras has been increased in physics education to confirm kinetic laws of the motion of bodies. The data files of movies are generally so large in capacity that there are the technical issues to store, transfer, and display the data. In consequence, the resolution of the movie is not enough to determine the position of moving bodies precisely. In addition, the high-speed movies consist of a large number of frames, so that we need to be computer-assisted and to use high-efficient Computer-Vision (shortly, CV) software of the image processing. Thus in order to assert the mechanical-energy conservation law in demonstrational experiments, we recorded motion of some pendulums in the videos with 512x384 pixels in resolution and 300 frames per second in frame rate, and obtained the position of the bodies with a handmade software using OpenCV libraries. In a case of a pendulum, of which the body has the size of 81 pixel in diameter on the image and sweeps in an arc with the horizontal amplitude of ±58 pixels and with the quite small vertical range of 1.1 pixel, the time-dependence of kinetic and potential energies showed the expected compensating behaviors with acceptable errors from the results with the reading positional accuracy of about 0.03 pixel.
著者
寺門 とも子 喜多 悦子 小川 里美 エレーラ ルルデス 本田 多美枝 上村 朋子 松尾 和枝 五十嵐 清
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing (ISSN:21868042)
巻号頁・発行日
no.12, pp.57-62, 2013

日本赤十字九州国際看護大学では2012年10月、国際協力機構(JICA)インドネシア看護実践能力強化プロジェクトの一環として、インドネシア看護職の実践力強化のための継続教育システム(キャリア開発ラダー)実践研修の機会を得た。この実践研修はインドネシア保健省をはじめ、看護教育学部を持つインドネシア大学ほか5大学とその協力病院から責任者レベル看護教育担当者18名が参加し、日本赤十字九州ブロック医療施設3施設と本学の協力によって行い、一定の成果を得た。この成果は、引き続き、JICAプロジェクトとして、本学が中心となり、インドネシア国内の看護職現任教育(インサービストレーニング)に活かし発展させていくこととなった。本学が企画し、研修の評価に関わったので、これまでの経過と成果を報告する。Under the auspices of the Japan International Cooperation Agency (JICA), The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing (JRCKICN) organized and conducted a training program that aims at reinforcing nursing practice in Indonesia by introducing the Japanese Red Cross career development ladder in nursing continuing education system, A total of 18 nurses participated in the training course; they currently hold line management positions at either the Indonesian Ministry of Health, one of the 5 partner faculties of nursing, or partner university hospitals. The first part of the training program was conducted in close collaboration with 3 Red Cross Hospitals and the Kyushu block. Results attained in the program's first phase are being applied during "in service training" at the national lee. This report presents the program planning and implementation processes along with preliminary achievements.
著者
上田 泰史 鈴木 則彦 古川 徹也 竹垣 友香子 高橋 直樹 宮城 和文 野田 孝治 廣瀬 英昭 橋本 智 宮本 彦四郎 矢野 周作 宮田 義人 田口 真澄 石橋 正憲 本田 武司
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.110-121, 1999
被引用文献数
8

1994年9月4日の開港から1996年12月まで, 2年4カ月の調査期間における関西空港の検疫人員は11, 44a534名であり, 検疫時に下痢を申告したものは22, 187名であった。そのうち9, 299名について下痢原因菌の検索を行い, 以下の成績を得た.<BR>1) 下痢原因菌が検出されたのは3,096名 (33.3%) であった.これらの症例から検出された病原菌は<I>Plesiomonas shigelloids</I>が最も多く2,066名 (66.7%), 次いで<I>Aeromonas spp.</I>484名 (156%), <I>Vibrio parahaemolyticus</I>358名 (11.6%), <I>Shigella spp.</I>291名 (9.4%), Salmonella spp.183名 (59%), <I>Vibrio choleraenon</I>-O1 121名 (39%) の順で検出された.下痢原因菌検出例のうち, この6種類の病原菌が検出されなかった症例はわずか2.8%であり, 上記の6種類が海外旅行者下痢症の主原因菌であると考えられた.なお, <I>enterotoxigenic Escherichia coli</I>については検査対象としなかった.<BR>2) 2種類以上の下痢原因菌が同時に検出された症例 (混合感染) が502例みられ, 下痢原因菌検出例の16.2%を占めた.<BR>3) 1995年2月~3月に, インドネシア (バリ島) 旅行者に集中してコレラ患者 (13例) が発見されたその他は, 各菌種とも検出頻度に季節的な大きな偏りは認められなかった。<BR>4) <I>Vibrio spp</I>.の推定感染地はアジア地域に限定され, <I>Shigella spp., Salmonella</I> spp.および<I>P.shigelloides</I>の感染地は広範囲にわたっていたが, <I>Shigella spp</I>. ではとくにインドおよびインドネシアに集中していた.<BR>5)<I>Shigella spp</I>.のうちわけは, <I>S.sonnei</I>が最も多く, 次いで<I>S. flexneri, S. boydii, S.dysmteriae</I>の順に検出された.また, インド・ネパール旅行者から<I>S.boydii</I> provisional serovar E16553が検出された.<BR>6) <I>Salmonella</I> spp.の血清型では, <I>S.</I>Enteritidisが最も多く検出され, 49例 (25.7%) を占めていた.<BR>7) 薬剤耐性株の頻度は<I>Shigella</I> spp.89.2%, <I>Salmonella</I> spp.27.2%, <I>V.cholerae</I>O195.0%であった.<BR>8) <I>V.cholerae</I>01はすべてEI Tor Ogawa型コレラ毒素産生株であった.<BR>9) <I>V.parahaemolyticus</I>の血清型は03: K6が最多数を占めた.耐熱性溶血毒遺伝子 (tdh), 易熱性溶血毒遺伝子 (trh) 保有株がそれぞれ89.8%と14.6%に確認された.
著者
喜多 悦子 江藤 節代 本田 多美枝 上村 朋子 青山 温子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

「人間の安全保障」は、個々の人間は暴力/紛争と、適切な保健サービスの利用・就学・就業・移動など、身近な欠乏から護られるべきとする概念だが、世界人権宣言など、古くから理念の集約とする意見もある。しかし、本理念が新たに必要になったのは、近年、多発する地域武力紛争(Complex Humanitarian Emergency、CHE)や国際武力介入、併発するテロ、巨大自然災害・新たな感染症、格差や貧困など、現在の地球上の人間の安全を脅かすものは、これまでの「国家安全保障」の範疇にはなく、改めて個々人の安全が問われているからといえる。一方、世界で最大多数を占める保健医療者として、人々の安全における看護者の役割は明確でない。本研究では、わが国の看護教育をふくめ、類似の概念があったかどうかを検討し、近隣諸国における看護およびその教育での扱いを調査してきた。これまで、わが国および近隣諸国の保健医療面、特に看護者に「人間の安全保障」の概念があるかどうかを調査したが、明確な認識があるとの確証は得られなかった。アジア随一のドーナーでもあるわが国には、160を超える看護大学と数百看護専門学校があり、看護職養成施設数は充足している感があり、また、その多くで国際保健/看護を扱っているが、国内的にも国際的にも、「人間の安全保障」の概念が取り入れられているとは云い難い。近隣諸国の看護職は、なお、その社会的地位の確立がなされていない上、教育においても、技術的に終始していることが多く、理念、ことに「人間の安全保障」の概念すら明確に理解されていない。国際看護師協会(International Council of Nurses,ICN)の謳う看護者の役割とも矛盾しない保健面における「人間の安全保障」の実践に看護職者の関与が期待されることを、研究報告書としてまとめた。
著者
本田 崇人 松原 靖子 根山 亮 櫻井 保志
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.1-13, 2016-09-30

本論文では,車両走行データのための自動パターン検出手法であるTRAILMARKERについて述べる.TRAILMARKERは,位置情報をともなう様々な車両走行センサデータが与えられたときに,おのおのの道路や場所における車両走行の特徴を抽出し,それらの情報を統計的に要約,表現する.すなわち,走行データに基づく高度な道路地図情報を提供する.具体的に提案手法は,(a)車両走行データをテンソルとして表現した後,そこから複数の部分シーケンスに共通する主要な走行パターンを抽出する.(b)その際の計算量は入力データのサイズに対して線形である.さらに,最も重要な点として,(c)提案手法はパラメータに依存しない.すなわち,事前情報の付与またはパラメータのチューニングを行うことなく,大規模車両走行データの特徴抽出とパターン検出を自動で行うことができる.実データを用いた実験ではTRAILMARKERが様々な車両走行データの中から主要パターンや外れ値シーケンスを効果的かつ効率的に検出することを確認した.
著者
本田 瑞穂 清水 剛 清水 理恵子 永山 敦 屋ヶ田 和彦 山田 裕明 山田 宏文 山根 深一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第11回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.7-11, 2014 (Released:2014-11-17)

新規事業の立ち上げのアプローチとして、自社の技術を組み合わせようとすることはよくあるが、実際にやろうとすると、自社に多様な技術があるにもかかわらず、その全容はつかみきれていないことが多い。本検討では、シーズからのアプローチの試みとして、自社の技術の棚卸しを行うことにより、自社技術の強み・弱みを分析し、新たな事業の提案を行うための手法を、事例を用いて検討した。(1)自社技術のコア技術の抽出の手法、(2)コア技術と他の技術の組み合わせの手法、を中心に報告する。
著者
本田 聡 志田 修 山村 織生
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.39-47, 2003-08-26
被引用文献数
3

スケトウダラ太平洋系群は,親潮および沿岸親潮の影響が及ぶ北海道〜東北太平洋岸の陸棚および陸棚斜面域に分布する重要漁獲対象資源である.主要な産卵場は冬季の噴火湾口部周辺海域に形成される.春季に孵化した着底前0歳魚の多くは日高湾のごく沿岸域に沿って東進し,秋季までに0歳魚の成育場と考えられている道東海域に到達する.この移動は春〜夏にかけての動物プランクトン豊度の移動と一致する.成熟までを主に道東陸棚域で過ごした未成魚は,3〜5歳の冬に初回の成熟を迎え,噴火湾口部へ産卵回遊する.産卵後の成魚は再び道東海域へ移動し,摂餌を行う.以後,成魚は夏の索餌期には道東,冬の産卵期には噴火湾口部へと,襟裳岬を挟んでの季節回遊を繰り返す.本資源は,北海道太平洋岸に隣り合って位置する二つの異なる海域,噴火湾口部周辺海域および道東海域の特性をそれぞれ有効に活かす生活史を持つに至ったと考えられる.
著者
上田 健 本田 浩章
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ポリコーム複合体PRC2 (Polycomb repressive complex 2)は、ヒストンH3の27番目のリジン残基 (H3K27)をメチル化して転写抑制に寄与するとされるタンパク質複合体である。私達は、以前に骨髄異形成症候群において、PRC2の構成因子のひとつであるEEDの遺伝子変異を同定した。本研究では、疾患関連EED Ile363Met変異を有するノックインマウスを用いて変異の機能を個体レベルで解析した。その結果、変異マウスでは、H3K27トリメチル化のピークから周辺への伝播障害を伴い、造血細胞の自律的増殖と造血器腫瘍発生率の増加を呈することが明らかとなった。
著者
兜 真徳 本田 靖 青柳 みどり
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.45-57, 2006-01-30

地球温暖化やヒートアイランド現象に関連して,夏季高温日の個人の温度曝露実態を調べることは,対象地域についての健康リスク評価にとって重要である。筆者らはこれまで,携帯型の温度計を用いて直接測定を行ってきているが,その結果については別途報告予定である。一方,室内における空調機器(AC)による温度制御の実態は,温暖化対策との関連でも,重要な情報であるので,本研究では,質問調査によって,その実態を調査解析した。 約16000の対象者に郵送調査で質問紙を送り,2090の有効回答を得た(有効回答率=13%)。回答者を北海道,本州・九州,沖縄に分けると,AC利用率は北海道で低い(40%)が,その他の地域ではいずれも90%以上であった。AC利用者の中で,気温が25-30℃の範囲で「暑いと感じたらすぐに付ける」は238名,「我慢できなくなったら付ける」が1156名であった。前者では,15-30℃でスイッチを入れる人が60%,後者では30-35℃でスウィッチを入れる人は40%であった。全体的にみると,気温が35℃以上となると,ACを持っている人のすべてがACを利用していることが明らかであった。したがって,気温35℃は,ACを地域全体が一斉に利用する「行動的閾値」であると言える。暑熱日の主訴をみると,最も頻度が高いのが"よく眠れない"と"疲れるあるいは体が不調"が多く,前者は57%,後者が28%であった。また,これらの主訴はその他の地域より沖縄に高い傾向があった。一方,熱中症にかかったことがあるかどうかを聞いた質問に対しては,沖縄が一番低く,反対に北海道で高い傾向があった。北海道でも暑熱日には35℃を越える年もあり,そうした高温日にはその他の地域よりリスクが上昇することを示唆している。本調査結果のまとめには,有効回答率の低さ,また,郵送質問調査でもあり,バイアスがかかっている可能性が否定できない。別途報告している個人曝露調査結果のまとめと比較しつつこの結果を利用していただければ幸いである。
著者
宮川 洋光 本田 克美 宗像 健
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.134-138, 1989
被引用文献数
2

精留効果の組成による変化の原因を究明する目的で, <I>N<SUB>OG</SUB></I>の著しい変化を報告しているLiangらの実験とできるだけ同一の条件のもとに実験を行った.その結果<I>N<SUB>OG</SUB></I>は組成とともに大きく変化することが認められた.<BR>また, 表面張力特性による検討を行うため, この系の沸点液の表面張力を測定したところ, ある組成で極大値をもち, この組成を境としてネガティブ系からポジティブ系に変化することがわかった.また, Moensの提案したstabilising-indexを用いれば<I>N<SUB>OG</SUB></I>との関係がかなりよくまとめられることがわかった.