著者
塚原 康友 本田 茂
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では未熟児網膜症(ROP)の発生におけるアドレナリンα1受容体の働きを解明するために、α1受容体ノックアウトマウスを用いたROPモデル(酸素誘発網膜症)を作成する計画を立てた。当初α1A、α1B、α1D各受容体のダブルノックアウトおよびトリプルノックアウトマウスの作成を試みたが、遺伝子欠損による生殖機能あるいは仔マウスの保育機能不全のため上記ノックアウトマウスの作成は極めて困難であった。そのため研究計画を修正してシングルノックアウトマウスの作成を行う事とし、α1A、α1B、α1D各シングルノックアウトマウスの作成には成功した。本研究期間後もさらに研究を継続する予定である。
著者
熊谷 康太 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.497, pp.49-54, 2014-03-08

近年,組込みシステムの大規模化,複雑化が進んでいる.そのため,組込みソフトウェア開発における機能更新の容易性と生産性の向上が重要となっている.また,組込みシステムの大規模化と複雑化により,十分に検証することが困難なシステムが増加しており,安全性の担保も重要となっている.一方で,組込みシステム向け軽量スクリプト言語が開発されており,この言語は開発における機能更新の容易性と生産性が高いという性質を持っている.しかし,安全性を担保するには,まだ機能の面で不足する点が存在するという問題がある.本研究では,組込みシステム向け軽量スクリプト言語であるmrubyへアクセス制御機構を導入し,安全性を担保できる実行環境を提案する.提案するアクセス制御機構は,リアルタイム制御アプリケーションを用いて評価する.評価の結果から,mrubyに対してアクセス制御機構を導入する影響は小さいと考える.
著者
江上 廣一 廣瀬 昌博 津田 佳彦 大濱 京子 本田 順一 島 弘志 中林 愛恵 福田 治久 今中 雄一 小林 祥泰
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.205-215, 2012 (Released:2012-11-30)
参考文献数
32

2007∼09年度に収集された転倒・転落のインシデントレポート1,764件を対象に,転倒率(件/1,000患者・日)を用いて転倒・転落に関する疫学的側面を検討した。患者の平均年齢は男66.6±18.8歳(950件),女69.9±19.2歳(814件)であった。全体の転倒率は1.84件/1,000患者・日,性別では男2.06および女1.87であった。年齢別では,70歳代が2.82件/1,000患者・日(555件)でもっとも高く,高齢者ほど高い傾向にあった。診療科別において,外科系では整形外科が最低で1.14件/1,000患者・日,内科系では循環器内科および呼吸器内科が最低で1.97を示し,外科系より内科系診療科が高い傾向にあった。また,入院から転倒発生までの日数における転倒率(転倒件数)について,入院翌日が0.16件/1,000患者・日(118件)でもっとも高く,ついで入院3日目が0.12(84件),入院当日が0.11(78件)で以降漸減していた。転倒発生の平均値は12.4日であった。 転倒率からみた転倒の疫学的側面から,入院診療科や入院からの日数に応じた防止策を講じることが必要である。
著者
中地 義和 月村 辰雄 塚本 昌則 野崎 歓 シモン=及川 マリアンヌ 深沢 克己 新田 昌英 畑 浩一郎 本田 貴久
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、19世紀初頭から現代までのフランス文学史の尾根をなす作家のうち、その創作が歴史的出来事の経験や歴史をめぐる深い省察に根ざしている例を精選し、彼らがいかに歴史を内面化しながら作品を創出しているかを探ることを目的とした。またその様態を、各時代の文学理念、言語美学、人文知と関連づけながら、独自の視点からの文学史的通観の構築をめざした。対象になりうる事例の数はおびただしく、個々の事例は作家の生涯に根を張っているため、本格的に扱う対象の数を限らざるを得なかったが、第二帝政期から第三共和政初期、第二次世界大戦期、戦後のポストコロニアル期の文学を中心に、当初の計画に見合う成果が得られた。
著者
屋良 朝彦 金光 秀和 本田 康二郎 増渕 隆史 松本 大理 大北 全俊 藏田 伸雄 松浦 正浩
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は合意形成やコンフリクト・レゾリューションといった意思決定の方法論を応用倫理学の幾つかの領域(医療倫理、看護倫理、科学技術倫理、技術者倫理、ビジネスエシックス、コミュニケーション論)に適用し、その適用可能性を検証することである。具体的には、年に2回、3年間で6回の研究会を開き、上記各領域の専門家である研究分担者に研究成果を発表させ、上記課題の達成状況について討論した。研究成果を本年度中に「研究報告書 合意形成研究会の活動記録」(仮題)として発行する予定である。
著者
矢崎 義雄 栗原 裕基 小室 一成 湯尾 明 山崎 力 塩島 一朗 本田 浩章
出版者
国立国際医療センター(研究所)
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
1997

心臓の発生に必須な転写因子Csxは、成人においても心臓に発現しており、その成人心における役割が注目されている。我々は、Csxの成人心における役割を知るために、Csxを過剰発現するトランスジェニックマウス(Csx Tg)とホメオドメインのロイシンをプロリンに変えドミナントネガティブとして働くCsx(LP)を過剰発現するトランスジェニックマウス(Csx LP Tg)を作成した。成熟Csx Tgの心臓においては心臓特異的な遺伝子であるANP、ミオシン軽鎖、CARPなどの発現が亢進しており、Csxが出生後の心臓においても心臓特異的遺伝子の発現に関与していることが示唆された。一方Csx LP Tg心は組織学的に心筋の変性を示していた。以上のことより、Csxは成人心において心臓に発現している遺伝子の発現を調節していると同時に、心筋細胞の保護に働いており、Csxの機能が低下することにより、心筋障害が生じることが示唆された。本研究によって、エンドセリン-1(et-1)によるG蛋白を介したシグナルが、神経堤細胞から血管平滑筋への分化機構に、bHLH型核転写因子であるdHAND,eHAND、ホメオボックス遺伝子Goosecoidの発現誘導を介して関与していることが明らかになった。その発現部位から、ET-1は上皮-間葉相互作用を介して働いていると考えられる。さらに、CATCH22の原因遺伝子の候補遺伝子として同定されている細胞内ユビキチン化関連蛋白UFD1Lとの間に、「ET-1→ET-A受容体→dHAND→UFD1」というシグナル伝達経路の存在が示唆された。一方、我々は、アドレノメデュリン(AM)のノックアウトマウスにより、AMもET-1同様、胎生期の血管発生および胎生期循環に関与していることを見出し、ET-1とAMと二つの血管内皮由来ペプチドが血管形成に重要な役割を果たすことを明らかにした。
著者
安本 恵 相田 潤 滝波 修一 森田 康彦 本田 丘人
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.77-86, 2014-03

本研究は,バングラデシュにおける子供の口腔疾患の現状を把握し,社会行動的リスク要因との関連性を検証することを目的として行った. バングラデシュMohichail郷の小学校12校,計1,763人(女子899名,男子864名)に対し,口腔内診査(齲蝕経験歯数,プラーク付着状況,歯肉炎)およびアンケート調査を行った.二変量解析を行い,居住区と9つの変数;乳歯齲蝕,永久歯齲蝕,プラーク付着状況,歯肉炎,歯磨きの回数,口腔清掃器具の使用,歯磨剤の使用,家族の喫煙習慣,家族の噛みタバコ習慣との関係を分析した.有意性の検定にはχ2検定を用いた.ロジスティック回帰分析には,従属変数として,永久歯齲蝕,歯肉炎,プラーク付着状況を用い,独立変数として8つの変数;年齢,性別,居住区,口腔清掃法,歯磨きの回数,プラーク付着状況,家族の喫煙習慣,家族の噛みタバコ習慣を用いた.データ分析にはSPSS 11.7Jプログラムを用いた. 二変量解析により,居住区の違いにより口腔疾患の有病率および口腔健康行動に有意差が認められた.ロジスティック回帰分析により,従属変数と関連が認められた独立変数は,永久歯齲蝕;プラークが多い(OR=2.81)居住区が僻地(0.76),年齢が大きい(1.09),歯肉炎;プラークが多い(41.0),家族の喫煙習慣がある(1.44),家族の噛みタバコ習慣がある(1.41),年齢が大きい(1.10),プラーク付着状況;従来型の口腔清掃法(1.63),家族に喫煙習慣がある(1.29),女性(0.71),年齢が大きい(0.92)であった. 本研究の結果から,バングラデシュの農村部における口腔疾患の現状および社会行動的要因が明らかになるとともに,社会経済状況や医療,教育水準などがほぼ均一な典型的農村社会の内部において,地理的要因が口腔疾患の有病率と口腔健康行動に影響を与えていることが新たにわかった.
著者
本田 直也
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学CELL教育論集 (ISSN:21855641)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-28, 2012

大手前大学では1年次必修教育の中で情報活用カを育成している。この教育ではコンピュータの操作方法と機能を覚えるだけで無く、問題解決のために適切に情報活用できる能力を育成している。この情報活用カは在学中の学習においても就職活動においても必須の能力である。本研究ではこれまで卒業した学生を対象に、在学中の情報活用力試験の結果と就職先の関連を分析した。就織者と非就職者との比較、就職者の中での業種別の比較の結果を本稿で示す。
著者
本田 恭子 伊藤 浩正 小田 滋晃
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.185-193, 2011-09-25

This research aims to clarify the requirements of rural inhabitants in hilly and mountainous areas for newcomers from city areas. The result of the questionnaire survey conducted to the whole population of the K district in Iga-city, Mie prefecture is as follows. 1) Elderly inhabitants showed a tendency to hope for newcomers, or in-migrants, to be more beneficial to them such as living long term, constructing or buying houses, and acting as a leader of the area. 2) "Adapting to the area" which had been indicated from previous researches as a key requirement for successful migration had two aspects:obtaining membership (being a member of the rural community) and assimilation (assimilating into the daily life of rural inhabitants), and those who stayed in the district longer (e. g. people engaged in agriculture and forestry or self-employed) are likely to place more importance on the latter. 3) Inhabitants who were involved in agriculture (e. g. farmers) were more likely to expect the in-migrants to farm, but those uninvolved in agriculture (e. g. households that had consigned their farmland) had little interest in whether or not the in-migrants would farm.
著者
本田 健
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ホスホランバン(PLN)は心筋小胞体膜に局在する蛋白質で心筋収縮を負に調節している。その小胞体への局在を制御できれば、心機能の改善ひいては新たな心不全治療に繋がる。本研究ではPLNの小胞体局在にC末端のアミノ酸配列が重要である示唆を得た。また、この部位に結合して「PLNの局在を制御する蛋白質」の探索を試みると同時に、その支援技術としてPLNに特異的に結合する新しい分子ツール・アプタマーを開発した。
著者
深沢 英雄 本田 雅子 市下 浩子 清水 宏俊
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.251-265, 1978
被引用文献数
3

Blood level profiles of flunitrazepam and its N-desmethyl-metabolite were in vestigated after single and multiple administrations of flunitrazepam to groups of 5 healthy male adult volunteers. Urinary excretion of some major metabolites of flunitrazepam was also examined following oral doses of a single 4 mg.<BR>Following the oral administration, the absorption of flunitrazepam was fairly rapid: the peak times were attained within 1-2 hr with peak levels of 9.6-16.0 ng/ml for 2 mg dose and 20.6-30.3 ng/ml for 4 mg dose. The drug then disappear ed from the blood biphasically. The rate of disappearance was independent of the doses, while the AUC for the unaltered drug was dose-related. Blood levels of N-desmethyl flunitrazepam were always lower than those of the unal tered drug. 7-Amino-flunitrazepam and 3-hydroxy-flunitrazepam were major urinary metabolites, comprising about 9% and 5% of the dose, respectively, in the initial 72-hr urine. During repeated administration of the drug at a daily oral dose of 2 mg, the blood level profiles showed gradual elevation during the first few days, and then the steady-state was attained within 3-5 days.<BR>After i. v. injection of 2 mg, flunitrazepam was eliminated from the blood triphasically. The mean AUC for the unaltered drug obtained after the i. v. injection was about twice as much as that obtained after the oral administration of the identical dose.
著者
本田 靖
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:新学術領域研究2008-2012