著者
杉田 映理
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A11, 2022 (Released:2022-09-13)

本報告では、コロナ禍の経済的影響として「生理の貧困」が2021年になって社会的に注目されたことをきっかけに、日本でも広がり始めた生理用品無償配布について考察する。現在、生理用品無償配布は、経済的困窮者の支援だけを目的とした施策となっているが、これまでの海外の動向および本研究におけるトイレ内無償提供の有効性の検証を通じて、生理用品無償配布の目的を問い直したい。
著者
橋本 紀子 井上 惠美子 田代 美江子 井谷 惠子 木村 浩則 杉田 真衣 艮 香織 茂木 輝順 水崎 富美 森岡 真梨 丸井 淑美
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、校歌・校訓の変遷の歴史的調査、人々の男女共学・別学観のインタビュー調査、高校生とOG/ OBの意識調査、学校参与観察、フィンランド・イギリス・韓国での海外調査等々、幅広い視点から行われた。その結果、ジェンダー平等教育の発展・普及のための、以下の重点課題が浮き彫りとなった。(1)新しいジェンダー平等教育の内容づくりを教育課程の見直しも含めて行うこと。(2)そのためには、教材や授業記録等も含めて、これまでの教育実践の掘り起こし、優れた実践の典型化をはかり、テキスト作成に結びつけること、などである。
著者
Lorrae MYNARD 春原 るみ 杉田 美歌
出版者
日本作業科学研究会
雑誌
作業科学研究 (ISSN:18824234)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.10-20, 2023 (Released:2023-07-06)
参考文献数
16

新型コロナウィルスは世界的な作業の混乱を招き,日常生活に広範囲な変化をもたらし,健康や Well-being に対する挑戦を与えている.この状況は作業療法士に作業療法のアートとサイエンスを実践する機会を与えてくれる.作業療法理論と作業科学の知識を,日常生活の混乱に対する支援での実践的スキルに統合することで,作業療法士はこのパンデミックへの対応においてクライアントと同僚の両方,そして広く地域を支援するのに適切な立場にいる.本稿ではパンデミックの状況における市民レベルでの介入の事例を紹介し,新たな機会の提示として考察の重要性と混乱に対する考え方を検討する.
著者
中村 美香 近藤 浩子 岩永 喜久子 今井 裕子 杉田 歩美 須川 美枝子 永井 弥生
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.279-288, 2016-11-01 (Released:2017-01-18)
参考文献数
35
被引用文献数
5 6

【目 的】 看護職がインシデント・アクシデントを繰り返し起こす要因を明らかにする. 【方 法】 インシデント・アクシデントに関する先行研究の質問項目を参考にして, 質問紙を作成した. 急性期病院1施設の看護職689名に対して, 無記名自記式質問紙調査を実施した. 対象者を6か月間のインシデント・アクシデントの頻度によって3群 (0回, 1~2回, 3回以上) に分け, インシデント・アクシデントに関連する質問の項目平均得点を比較した. 【結 果】 有効回答は461名 (有効回答率92.9%) であった. 「不安・緊張」, 「混乱」, 「抑うつ」, 「従順な性格特性」, 「判断力の不足」, 「連携不足」, 「過酷な勤務状況」, 「業務多忙」の8項目の項目平均得点は, インシデント・アクシデントが3回以上の群が有意に高かった (p<0.05~0.001). 【結 語】 看護職のインシデント・アクシデントの頻度は, これらの8項目と関連していた. よって, これらの項目はインシデント・アクシデントのリスクを把握するスクリーニング項目として活用可能であることが示唆された.
著者
杉田 洋介 伊藤 克彦 高野 唯
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.537-541, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

〔目的〕廃用症候群患者の歩行能力回復に影響を及ぼす因子を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象とする廃用症候群の診断名がついた52例を退院時歩行自立群と非自立群に分類し,身体機能,認知機能,血液検査データなどの項目をもとに,多重ロジスティック回帰分析により歩行回復に影響する因子を抽出し,Cut-off値を算出した.〔結果〕膝伸展筋力,身体活動量,総蛋白値の3項目が自立歩行の関連因子として抽出された.各項目のCut-off値は,膝伸展筋力0.35 kgf/kg,身体活動量は9.9 METs・時/週,総蛋白値は6.4 g/dlであった.〔結語〕廃用症候群患者が再び自立歩行を獲得するには,下肢筋力,歩行やベッドからの立ち上がりなどの総身体活動量,静的栄養指標として総蛋白質などが関連していることが示唆される.
著者
吉澤 誠 杉田 典大 湯田 恵美 山家 智之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.3, pp.90-98, 2023-03-01

筆者らは,家庭や職場における簡単な健康管理を目指し,何のセンサも身に着けずに遠隔・非接触的に生体情報を得るための言わば「ウェアレス」なセンシングを実現するための「魔法の鏡」プロジェクトを進めてきた.本論文では,このプロジェクトで開発した,血行状態,自律神経系指標,血圧相関値などの健康関連情報を測定・蓄積・解析するクラウド版「魔法の鏡」と,それをプラットホームとする,体動や照明変動の影響を受けない掌映像脈波計測システム「魔法の球」,及び複数顔同時検出機能のある映像脈波計測システム「魔法の眼」について報告し,その有効性と限界について考察する.
著者
杉田 浩一 白井 邦郎 和田 敬三 川村 亮
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.311-315, 1977-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
3
被引用文献数
3 1

食品中コラーゲンの加熱による変化を解明するため,豚皮より調製した不溶性コラーゲンを水中で加熱し,ゼラチン化の進行状態を観察した。溶出窒素量よりみたゼラチン化は,加熱の温度,時間の増加により促進されるが,温度により限界がある。 pHが低下するとこの限界は除かれ,溶出量が著しく増大する。塩類は酸性側でゼラチン化を抑制し,中性側で促進する。加熱時の溶出物中には,ディスク電気泳動および,ゲルクロマトグラフィーにより,コラーゲンのα, β, γ鎖に相当する成分が検出されたが,ゼラチン化の進行にともない,そのパターンにはペプチド鎖の解裂による低分子化とみられる変化が起こった。
著者
杉田 倫明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.74-82, 1985-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

森林蒸発散に影響を与える因子について,夏季のアカマツ林における熱収支・水収支の観測結果にもとづいて議論した。潜熱フラックスは,渦相関・熱収支法によって得た。樹冠の濡れの程度は,樹冠に付けたウェットネスインディケーターによって求めた。また,遮断量はスルーフォール,樹幹流,林外雨量の値から算出した。さらに,アカマツ林と隣接した牧草地の蒸発散量をアカマツ林の対照データとして利用した。これらのデータの解析の結果,以下の結論が得られた。1)濡れた樹冠の蒸発散速度は,乾いた樹冠のそれと比して,30%程度大きい。したがって,短い時間スケールでは樹冠の濡れは蒸発散量決定における重要な因子である。2)日蒸発散量に対しては,樹冠の濡れは重要な因子ではない。これは,一日中樹冠が濡れていることがまれだからである。3)アカマツ林の日蒸発散量は草地のそれより平均して35%多い。この差は,基本的には両者の有効エネルギーの差に起因する。
著者
杉田 隆 高島 昌子
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.107-115, 2011 (Released:2011-06-20)
参考文献数
27
被引用文献数
2 4
著者
杉田 麟也
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-35, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3

上咽頭炎は多彩な症状を呈するが診断が難かしい. 従来は上咽頭に触った時の痛みの有無, 出血の有無で診断した. 著者は最初に耳下頸部を触診し圧痛及び硬結感の有無で病変の有無を推測し内視鏡検査, 接触痛, 接触出血の有無により上咽頭炎を診断する事を提案した. 治療は1%塩化亜鉛溶液塗布, ベタメタゾン1.5mg (分2) 4日間が種々の症状軽減に有効である. 咽頭痛が主訴の患者の約90%は責任部位が上咽頭であった. 上咽頭炎検出菌は70%が常在細菌であり, 主な検出菌はインフルエンザ菌, カタル球菌であった.
著者
水野 貴斗 氏原 嘉洋 中村 匡徳 杉田 修啓
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual58, no.Abstract, pp.311, 2020 (Released:2020-08-05)

毛細血管再充満時間(CRT)とは,トリアージで循環機能を簡易的に判定する指標で,爪を5秒間加圧した後に解除し,爪の赤みが回復するまでの時間である.CRTは,脱水症の判定など循環機能の判定以外への応用も検討された(McGee et al. 1999)が,水分とCRTの関連性が低く,実用には至っていない.また,CRTは体温に影響されることが知られている(Schriger et al. 1988).本研究では,指標に影響を与える要因を把握し,この要因による影響を補正して正確なCRTを計測できれば,水分量の判定も含む他の病状診断に応用できる可能性があると考えた.そこでまず,CRTを定量的に計測するために,一定の力を負荷できる加圧装置を作製し,加圧を解除した後の爪の色の変化を撮影した.このとき,爪の輝度値の時間変化を測定し,得られたデータに指数関数を回帰し,輝度値が一定値に漸近するまでのうち90%変化するまでの時間を本法でのCRTと定義した.また,信頼性の高いCRTの算出方法を決めるために,連続してCRTデータを得た後,画像処理方法を変えてCRTを算出し,各解析法での値のばらつきを評価した.輝度値をRGB色空間とHSV色空間に分解し,各チャンネルの輝度値の変化からCRTを算出したところ,Greenチャンネルで計測毎のばらつきが最小となった.これは,爪上から見られる白から赤への輝度値の変化が,Greenチャンネルで最大となり,ノイズの影響が最小になるためと考えられる.
著者
Bezawork A. BOGALE 青山 真人 杉田 昭栄
出版者
Japanese Soceity for Animal Behaviour and Management
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.75-83, 2018-06-25 (Released:2018-07-26)
参考文献数
22

ヒトの顔写真を用いた弁別試験を行なうことによって、ハシブトガラスがヒトの表情を識別することが可能であるか否かを検討した。まず、予備試験として、供試したカラスには、一方は「笑顔」、もう一方は「真顔」(無表情)である異なる人物の写真を見せて、「笑顔」を選択させる弁別学習を課した。予備試験をクリアした6羽のカラスについて、予備試験とは異なる人物の「笑顔」と「真顔」の弁別試験を行なった。その結果、6羽中で4羽のカラスについては、「笑顔」である新規な人物を統計学的に有意に高い頻度で選択した。次に、予備試験で見せた人物の写真を用い、同じ表情をした異なる人物の組み合わせを識別する弁別試験を課した。その結果、カラスは、表情にかかわらず、予備試験において報酬を得られた人物を有意に高い頻度で選択した。一方、予備試験で使用した人物について、同一人物の「笑顔」と「真顔」を識別させる試験を行なったところ、いずれのカラスも「笑顔」を有意に高く識別することはできなかった。これらの結果から、ハシブトガラスは異なる人物については「笑顔」を「真顔」と区別でき、新規な人物については「笑顔」を一般化することが可能であることが示唆された。一方、人物の識別能力はその表情によって左右されることはないが、同じ人物において、その表情を識別する能力には乏しいと考えられた。
著者
杉田 正明
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は低酸素(高地)トレーニングの効果を高める至適条件を検討するために運動時の酸素飽和度に着目して幾つかのトレーニング実験を行った。高度や運動強度に関わらず運動中の酸素飽和度を90%以下になるように負荷強度を設定し、1回30分間、一定期間(週2回、4週間)の自転車駆動トレーニング実施によって、有意な持久能力の向上が認められた。したがって低酸素環境における持久能力のトレーニング効果を高める条件としては酸素飽和度が90%以下の水準になるような負荷強度を選択することが重要であるといえよう。
著者
石綿 肇 杉田 たき子 武田 明治
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.145-150, 1997-02-24 (Released:2017-12-01)
参考文献数
15

プラスチック製品は、生態系において分解しにくいことから環境問題として大きく取り上げられている。生分解プラスチックの開発、製品化も図られているが、現在、市販されている製品は大部分が既存プラスチックである。分解促進のために、ポリエチレンのような熱可塑性プラスチックへのデンプンの添加なども試みられている。メラミン樹脂をはじめとする熱硬化性プラスチックは、物理的強度を保つために、通常、製造原料として17%から50%のセルロースが加えられている。そこで、環境保全の観点から、メラミン食器の酵素的及び非酵素的分解について検討を試みた。食器用の未硬化メラミン樹脂コンパウンド及び2種類のメラミン樹脂製コップを粉砕したものを試料として用いた。コンパウンド及びコップ粉末に0.1Mリン酸緩衝液(pH4.5)中40℃でセルラーゼを48時間作用させたところ、コンパウンドではグルコースとして603ppm、コップ粉末では88ppmの糖が遊離した。セルラーゼ無添加では遊離糖は検出されなかった(Fig. 1及び2)。遊離糖のHPLC分析を行ったところ、主成分はグルコースで、セロビオースは見られなかった(Fig. 3)。この時、ホルムアルデヒドとメラミンモノマーの増加がみられたが、セルラーゼの添加による促進は認められなかった。従って、ホルムアルデヒドとメラミンモノマーの増加は、樹脂の非酵素的分解によるものである。コップ粉末での48時間後におけるこれら3種類のモノマーの合計は、原料の約3%であった。メラミン樹脂の非酵素的分解は、温度が高いほど促進され、また、酸性あるいはアルカリ性で促進された(Fig. 5)。これらの結果は、メラミン樹脂は自然環境下で酵素的、非酵素的に徐々に分解されることを示している。遊離したメラミンモノマーはある種の微生物により資化されることが知られており、モノマーによる二次汚染の可能性は低いと考えられる。
著者
近藤 明人 中川 剛 臼井 郁敦 杉田 真一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.23, pp.17-20, 2013-05-29

多くの機械式フェーダやハードスイッチ、出力状態を表示するモニタから構成されていた調光卓、及び、負荷回路制御卓、照明バトン制御卓等を、一つのタッチパネル・ディスプレイに集約して開発することに成功した。これまで既に、TBSの看板番組「輝く!日本レコード大賞」で、メイン調光卓として使用した実績があり、限られたスペースでの多チャンネル制御の実現を証明している。
著者
逢坂 文夫 春日 斉 杉田 稔 松木 秀明 三宅 健
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.72-80, 1987
被引用文献数
7

1984年6月-7月にかけて, 東京都杉並区小学校の学童(766名)を対象に, ATS-DLD質問票(環境庁版)を用いて呼吸器症状および居住環境調査を実施した.同時にその学童にRAST法によるスギIgE値の測定を実施した.学童のアレルギー歴, 乳児期の栄養および居住環境(住宅構造, ペットの飼育状況)とスギIgE陽性率との関係を検討した.その結果下記のようであった.1.アレルギー陽性群のスギIgE陽性率は非アレルギー群のそれに比べ有意に高かった.2.通気性の良い木造住宅のスギIgE陽性率に比べ, 密閉性の高い鉄筋・鉄骨住宅および1・2階のそれは有意に高かった.3.乳児期の栄養およびペット飼育状況別にスギIgE陽性率をみると, 小鳥飼育・人工栄養群が非室内飼育・母乳栄養+混合栄養および非室内飼育・人工栄養群に比べ有意に高かった.