- 著者
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村上 幸士
桜庭 景植
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.7, pp.477-484, 2010-12-20 (Released:2018-08-25)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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4
【目的】獲得に時間を要し,指導も困難なことが多い腹横筋の効果的なトレーニング方法の立案を本研究の目的とした。【方法】健常男性を対象とし,坐位にて超音波診断装置を用いて腹横筋,内腹斜筋,外腹斜筋の筋厚をイメージング(画像化)した。測定は,腰椎の生理的前弯を一定に保持した坐位にて,両足底接地(安定・不安定),対側膝関節伸展(安定・不安定),重錘負荷(2kg)有りでの対側膝関節伸展および背臥位の6条件で行い,それぞれの条件での腹横筋,内腹斜筋,外腹斜筋の筋厚を超音波診断装置にて測定し,この変化の相違を比較した。【結果】腹横筋の筋厚は,背臥位,両足底接地坐位と比較して,その他の4条件で有意に厚かった(p < 0.05)。一方,内腹斜筋の筋厚は,対側膝関節伸展(不安定),重錘負荷有りでの対側膝関節伸展の2条件のみ有意に厚かった(p < 0.05)。【結論】本研究では,腰椎の生理的前弯を一定に保持した坐位での対側膝関節伸展および坐面,足底面が不安定な両足底接地坐位の2条件が,腹横筋を選択的に収縮させるための効果的なトレーニング方法として示唆された。