著者
岡田 忠司 杉下 朋子 村上 太郎 村井 弘道 三枝 貴代 堀野 俊郎 小野田 明彦 梶本 修身 高橋 励 高橋 丈夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.596-603, 2000-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
11
被引用文献数
33 194

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.
著者
村上 俊男
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.93-102, 2017-03-01

活性酸素の害を防ぐことでその機能性が注目されている抗酸化食品について、DPPH ラジカル消去能の測定法による探索を試みた。その結果、野菜・果物やそれらの飲料は抗酸化力(Δ吸光度/g(ml))が数十前後から百強だったのに対して、香辛料(粉末)は一部を除き概ね数百から数千と高い値を示した。但し一食分を念頭に置くと両者の抗酸化力にほぼ差はなくなること、また強い抗酸化力を有する食品の摂取がヒトの健康に実効があるとの結論づけは時期尚早であることに言及した。
著者
村上 斉 松本 光史 井上 寛暁 森下 惟一 梶 雄次
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.137-148, 2008-09-05
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究では、色落ち海苔の有効利用の一つとして飼料原料としての利用を考えて、肥育豚への給与が飼養成績、栄養素の利用性、背脂肪厚の発達および豚肉の抗酸化特性に及ぼす影響を検討した。試験では、LWD交雑種の肥育豚去勢8頭(2腹、平均体重55kg)を対照と海苔の2区に割り当て、8週間の飼養試験を行った。対照区の豚には、肥育の前期(体重50-80kg)と後期(体重80-110kg)にトウモロコシ・大豆粕主体飼料を調製して不断給与した。一方、海苔区の豚には、対照区の飼料に色落ち海苔2%を添加した飼料を不断給与した。体重と採食量は毎週測定した。肥育前期と後期の最終週にCr2O3を用いたインデックス法により栄養素の消化率を測定した。また、飼養試験の0、2、4、6、8週目に採血と背部P2位置(最終肋骨接合部における正中線より65mmの部位)における超音波画像解析を行い、血漿中脂質過酸化物と背脂肪厚の推移を測定した。さらに、飼養試験終了後、食肉処理場でと畜して、ロース(胸最長筋)を採取し、無酸素条件で凍結保存した後、解凍後0、2、4日間冷蔵保存のロース中脂質過酸化物を測定した。その結果、対照区に比べて海苔区では、肥育前期の採食量は有意に低下する(P<0.05)ものの、増体量に差はみられず、飼料効率は向上する傾向を示した(P=0.08)。肥育後期の飼養成績に両区間で有意差はみられなかった。肥育前期において、海苔区では、乾物消化率は有意に上昇したが、肥育後期では、両区間に差はみられなかった。測定したP2部位の背脂肪厚に両区間で有意差はみられなかったが、と畜後の格付けにおいて海苔区では厚脂による格落ちは少なかった。血漿中脂質過酸化物の推移を試験前の値と比較してみると、対照区では有意な変化はみられないが、海苔区では0週目に比べて6および8週目に有意に低下した。解凍後に冷蔵2、4日間保存したロース中脂質過酸化物の値を解凍直後の値と比較してみると、対照区では有意な上昇がみられるが(P<0.05)、海苔区では有意な上昇はみられなかった(P=0.06とP=0.09)。
著者
村上勘兵衛 編
出版者
村上勘兵衛
巻号頁・発行日
1876
著者
村上 守良 六反田 篤 伊東 励 伊波 富夫 祐田 彰 小住 哲也 香月 俊祐 宮崎 秀夫 佐伯 栄一
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.673-685, 1979-01-31

1964年から1965年にかけて沖縄で大流行した風疹は, 妊娠中であった母親に感染し, 罹患した母親から種々の障害を持った子が出生した.風疹の胎児感染による人体への影響について種々の分野から多数の研究報告がなされ, 長骨の異常, 生歯の異常などが指摘されている.口腔領域の研究報告は少く, 未だ多くの疑問が残されたままとなっている.著者らは発症後12年を経過した昭和52年8月, 沖縄における先天性風疹症候詳児104名(男55名, 女49名)について, 口腔診査, 上・下歯列の印象採得, X線撮影を行ない乳歯残存状況について検討した結果, 次のごとき結論をえた.1.乳歯残存保有者率は男47.27%, 女40.82%, 男女合計44.23%である.2.乳歯残存歯率は男6.27%, 女4.80%, 男女合計5.58%である.3.一人平均乳歯残存保有歯数は男1.25本, 女0.96本男女合計1.12本である.4.1&acd;4歯の乳歯残存保有者が男40.00%, 女38.78%, 男女合計39.41%で, これは乳歯残存を有するもののうち約90%をしめている.5.歯種別, 顎別の乳歯残存歯率は, 正常児に比し, 第二乳臼歯の残存率が男女とも上・下顎において特に高率である.6.乳歯残存の後継歯の存在率は乳犬歯で, 男86.05%, 女94.29%, 男女合計89.74%, 第一乳臼歯では男85.71%, 女100.00%, 男女合計91.67%, 第二乳臼歯では男89.47%, 女100.00%, 男女合計92.31%である.7.先天性風疹症候詳児は正常児より, 乳歯の晩期残存が多数みられ, 永久歯の萌出が遅滞している.
著者
飯島 久美子 小西 史子 綾部 園子 村上 知子 冨永 典子 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.154-162, 2006-04-20
参考文献数
20
被引用文献数
2

A questionnaire survey was conducted to identify the regional variety of Japanese New Year's dishes and how they are prepared. Questionnaires were sent out to students of universities and colleges throughout Japan in December 2001 and 2608 questionnaires were collected in January 2002. Japanese soba was eaten by 74.8% of Japanese on New Year's eve, while Okinawa soba was eaten by 58.8% in Okinawa. Osechi dishes were eaten by 79.6% during the New Year period, most being homemade although some were bought from shops. Kuromame was most commonly eaten, followed by boiled fish paste, cooked herring roe, cooked sweet-potato paste, cooked vegetables, cooked sardines, fried eggs, rolled kombu and vinegared dishes. The cooked vegetables and vinegared dishes were mostly homemade, while fried eggs and boiled fish paste were mostly purchased from shops. The popularity of Japanese New Year's dishes varied according to the region although it has decreased compared to that of 23 years ago.
著者
辻 敏和 永田 健一郎 川尻 雄大 山田 孝明 入佐 俊弘 村上 裕子 金谷 朗子 江頭 伸昭 増田 智先
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.11, pp.1573-1584, 2016 (Released:2016-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3

There are many reports regarding various medical institutions' attempts at the prevention of dispensing errors. However, the relationship between occurrence timing of dispensing errors and subsequent danger to patients has not been studied under the situation according to the classification of drugs by efficacy. Therefore, we analyzed the relationship between position and time regarding the occurrence of dispensing errors. Furthermore, we investigated the relationship between occurrence timing of them and danger to patients. In this study, dispensing errors and incidents in three categories (drug name errors, drug strength errors, drug count errors) were classified into two groups in terms of its drug efficacy (efficacy similarity (−) group, efficacy similarity (+) group), into three classes in terms of the occurrence timing of dispensing errors (initial phase errors, middle phase errors, final phase errors). Then, the rates of damage shifting from “dispensing errors” to “damage to patients” were compared as an index of danger between two groups and among three classes. Consequently, the rate of damage in “efficacy similarity (−) group” was significantly higher than that in “efficacy similarity (+) group”. Furthermore, the rate of damage is the highest in “initial phase errors”, the lowest in “final phase errors” among three classes. From the results of this study, it became clear that the earlier the timing of dispensing errors occurs, the more severe the damage to patients becomes.
著者
村上 雅裕 池本 憲彦 戸屋 成未 朴 美姫 奥山 美結樹 畠山 和子 桂木 聡子 大野 雅子 比知屋 寛之 座間味 義人 室 親明 木村 健 倉田 なおみ 天野 学
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.34-37, 2016-06-10 (Released:2016-07-06)
参考文献数
9

To administer oral anticancer drugs safely, the simple suspension method has been introduced in many hospitals. Therefore, concerning drugs for which it is unclear whether or not this method is applicable, testing must be able to be conducted at any time. In this study, we investigated 20 oral anticancer drugs to expand information on the application of the simple suspension method. Disintegration/suspension and permeability tests were conducted, as described in the 3rd version of the Tube Administration Handbook for Oral Drugs. All products were disintegrated/suspended after 10 minutes. On permeability tests, there was no residue in any tube for tubal feeding. On the final evaluation, the products were regarded as suitable (grade 1). Bicalutamide tablets (80 mg, TCK and KN), which were analyzed in this study, were regarded as suitable (grade 1) on the final evaluation. On the other hand, the simple suspension method is not applicable for a brand-name drug, Casodex® tablets (80 mg). This may be related to the different additives. Furthermore, the results suggest that, even when the simple suspension method is not applicable for a brand-name drug, it may become applicable for generic drugs. This may provide a new merit for promoting the use of generic drugs.
著者
村上 正志 鈴木 隆央 大手 信人 石井 伸昌
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.55-61, 2015 (Released:2015-04-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2

福島県北部の森林における,放射性セシウム(137Cs)の鳥類への生物的な移行を検討した.福島第一原発の事故により放出された放射性セシウム(137Cs)は,東北地方を中心に広く拡散した.森林生態系において,林床のリターに蓄積された放射性セシウムが,鳥類にどの程度取り込まれたかを明らかにするために,5種の鳥類,カビチョウGarrulax canorus,ヒヨドリHypsipetes amaurotis,ヤブサメUrosphena squameiceps,コサメビタキMuscicapa dauurica,ウグイスCettia diphoneの筋肉および肝臓について,137Cs濃度を計測し,森林土壌からの移行係数(Transfer Factor)を算出した.解析した5種の鳥類のうち,ヤブサメにおいて,他種の10倍程度の高い137Cs濃度が観測された.このように,高い値が得られた理由は不明であるが,調査地ではリター層が高濃度に汚染されており,ヤブサメが腐植連鎖に連なり,より高い放射性物質を含んだ餌を利用したことが考えられる.しかし,同様に林床で採餌することが知られている,ガビチョウの137Cs濃度は他種と同程度の値であり,今回の結果から,採餌場所や食性と,放射性セシウムの鳥類への移動の多寡を関連づけることはできないが,生息場所や食性の違いは,少なからず,放射性セシウムの生物的移行の程度に影響していると予想される.
著者
村上 修一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.2-9, 2007-01-05
参考文献数
55
被引用文献数
2

試料に電場をかけるとそれに垂直にスピン流か誘起される効果をスピンホール効果と呼ぶ,これが不純物散乱で起こることば以前より知られていたか,2003年にこの効果か不純物散乱によらずに起こることか著者らにより提唱されたこれは固体のバンド構造に起因したヘリー位相により起こる.その後実験ての報告例もいくつかあり,スピンホール効果の基本的性質については理解か深まってきている他方,スピン流の測定法や試料端でのスピン蓄積との関係なと,未解決の重要な問題も多く,また量子スピンホール効果なと興味深い問題も出てきている本稿ではこの数年でのスピンホール効果の理論・実験における発展について解説する.
著者
村上 純一
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.315-323, 2011-03-10

This paper shows the meaning of the word 'career education', by focusing on the report from Central Council of Education 'About the Connection between Primary, Secondary Education and Higher Education', which was released on December 16th 1999. Today, 'career education'is widely implemented in school education, from primary education to higher education. However, when seeing the detailed contents of 'career education', several points that weren't seen when 'career education'started are seen, and the original meaning of 'career education'is likely to be forgotten. So, this paper indicates the original meaning of 'career education', by examining the report shown above. Since the report is widely said to be a starting point of 'career education', this paper examines the report as a main tool of analysis.
著者
尾石 和弥 村上 紀子 菊池 眞之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.117-120, 2011-03-08

本研究では,描画活動である写生を行っている場合の視線について注視点計器を用いて調べた.モチーフは,柄の無い白色の紙コップ画像,柄付きの紙コップ画像,閉曲線図形画像の3通りで,いずれも3分間で描画を行い,その時の視線を計測した.実験の結果,若年者に比べ高齢者はサッケード距離が短い傾向があった.また,モチーフが複雑になるほど,美術訓練を受けていない人はモチーフを見る時間が長くなり,美術訓練を受けている若年者はモチーフを見る時間があまり長くならないことが明らかになった.
著者
村上 泰治
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.118-125, 1956-10-20
著者
上田 洋 村上 晴美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.59, pp.17-24, 2006-05-30

蔵書検索のために,ユーザの入力文字列に関連する件名を提案する手法を検討した.本手法では,Wikipedia Amazon Web Service GoogleのWeb情報源を用いて検索質問を拡張することにより,BSH4件名標目を提案する.コンピュータ用語を入力文字列とした実験の結果,出力された件名の関連度が一定水準以上であったこと Web情報源の統合使用は単体使用よりも有効であったこと OPACのデータを用いる手法と比べて遜色のない件名が出力できたこと,がわかった.また,コンピュータ用語や流行語を入力文字列とした実験の結果 OPACのデータを用いる手法では件名が提示されない場合に本法は提示できることを確認した.We propose a method to suggest BSH4 subject headings by expanding query according to user's input using such Web information sources as Wildpedia,AmazonWebService(AWS),and Google.Experimental results revealed the following,When computer terms were input,suggested headings were related to the input term;isuggested subject headings were better than we used a mixture of Wildpedia,AWS and Google han When we just used one of them;suggested subject headings were not inferior to those suggested by othermethods that use OPAC data.We also confirmed that when computer and buzz terms were input,our method can suggest subject headings where other methods cannot.
著者
村上 祐介
出版者
『宗教/スピリチュアリティ心理学研究』編集委員会
雑誌
宗教/スピリチュアリティ心理学研究 (ISSN:27581004)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.9-17, 2023 (Released:2023-08-30)

本研究の目的は,(a)輪廻転生信念と環境配慮行動の関連,および(b)これらの関連を政 府に対する信頼が調整するかどうかを検証することであった。167 名 (Mage = 46.13 歳, SD = 13.66; men = 73, women = 94) の参加者が,インターネット調査で自記式質問紙に 回答した。階層的重回帰分析の結果,政府に対する信頼の調整効果は確認されなかった ものの,輪廻転生信念と環境配慮行動との間には,有意な正の関連が示された (β= 0.15, p ‹ .001,95% CI [0.03, 0.28])。今後の課題として,より精緻化された手法を通じて,環 境配慮行動と輪廻転生信念のような宗教的信念の関連を明らかにする必要性が論じら れた。