著者
村上 謙吉
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.65-69, 2008-02-15 (Released:2010-03-25)
参考文献数
3
著者
村上 京子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.90-102, 2010 (Released:2017-03-21)
参考文献数
13

ここ四半世紀の「日本語教育」誌に掲載された実証的研究105編を対象に,データ収集の方法,取り上げられた要因,分析方法について分類した結果,学習者のレベルや母語,学習環境間の比較が中心であることがわかった。これらのグループ間の差を調べることは現状の記述にはなっても,その差異を生み出す原因が何であるのかを探求することは難しい。なぜならば,その差異を生み出す原因をレベルや母語,学習環境に帰してしまうと,そこで追及が終わってしまうからである。一見,母語や学習環境は学習者の習得の差を生みだす直接の原因のようにみえるかもしれないが,実際にはその中に多くの要因が含まれ,相互に関連している。その要因を分析するためには,仮説検証アプローチ,研究成果の蓄積,研究デザインの共通枠組みの構築,個人差研究のダイナミックな視点が必要であることを述べた。

4 0 0 0 OA 「雀合戦」考

著者
村上 紀夫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 = Memoirs of the Nara University
巻号頁・発行日
no.51, pp.184-169, 2023-02-28

本稿は、「雀合戦」と呼ばれる雀が群がって争う現象の情報について論じるものである。雀合戦は、繁殖を終えた雀が秋以降に集団で塒入りするもので、雀の一般的習性である。にもかかわらず、近世以降に江戸周辺でしか文献に見られないのは歴史的・文化的理由がある。この現象を最初に「合戦」という名付けをした遠州からの書状が江戸に到来し、流布したことで、それが鋳型となって天保三年(一八三二)に江戸で発生した雀の集団行動が「合戦」と理解された。「合戦」とする情報の偏在が、報告される雀合戦事例の地域的な偏りにつながったのである。「雀合戦」の噂が江戸周辺に偏在しているのは、情報が江戸に集まりやすいことに加えて、情報をストックしている知識人が多いことが原因であろう。
著者
青野 靖之 村上 なつき
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
生物と気象 (ISSN:13465368)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.25-33, 2017 (Released:2017-04-10)
参考文献数
32
被引用文献数
6 8

We constructed a simplified method to estimate first flowering dates of cherry tree (Prunus×yedoensis), considering temperature conditions in endodormancy process. We adopted the DTS method, which is an accumulation model of forcing effect of temperatures during developing process, as an estimation model of cherry blossom phenology in this study. In our previous studies, DTS method with fixed (pre-determined) starting dates for each site showed high accuracies for cold regions, whereas low accuracies for warm regions. Such accuracy drop was attributed to the volatility in endodormancy completion in warmer region of Japan, affected by inter-annual variation in chilling temperature during winter season. In order to reduce such error, it had been necessary to calculate chilling hours from hourly temperature data and evaluate the progress in endodormancy releasing process, with complicated conventional procedures. In our new model, an annual discrepancy in starting date of forcing effect from the pre-determined dates, calculated from a simplified procedure in our previous model, were calculated as the product of the correction coefficient, Ci, for each year and a winter temperature normal value above a threshold of chilling effect for endodormancy release, (TDJ-1.5), for each site. Annual correlation coefficient Ci was calculated from averaged winter temperatures at 7 secular observatories in warm region in Japan. Estimated first flowering dates with and without correction of starting dates were compared each other. The estimations by new method kept under about 3.2 days of RMSE. The introduction of new method also reduced RMSE within 3 days into approximately half of stations, applied to verification of new method with relatively long (50-year) period.
著者
村上 典子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.227-233, 2017 (Released:2017-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

大災害においては, 災害そのものによるトラウマティック・ストレス, 災害による喪失体験による悲嘆反応, その後の生活環境の変化に伴うストレスなど, さまざまな要素がからみあい, 心身症が発症したり, さまざまな身体症状が現れると考えられる. 急性期には心身医学的視点をもちながら身体症状・身体疾患中心のケアを行い, 心のケアのニーズが顕在化する慢性期には身体医療から入り心のケアもともに行い, 復興期には長期にわたるストレスや喪失悲嘆が身体症状化した被災者へのケアを行うなど, 災害のあらゆるフェイズにおいて 「心身医学的支援」 のニーズは高い. 来たるべき災害に備えて, われわれ心身医学専門家にも準備が必要である.
著者
松井 知子 村上 大輔 椿 広計 高橋 泰城 船渡川 伊久子 山形 与志樹
出版者
統計数理研究所
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2021-07-09

COVID-19、SDGsの複雑に絡み合った課題に対しては、多くの異分野に跨がる学際的研究が 不可欠であり、異分野相関を俯瞰できる方法論が必要となる。従来の統合評価モデルによるアプローチには、1) 不確かさの所在が不明瞭、2) 多様なデータの十分な活用が困難、3) COVID-19のような突発事象への対応不可等の問題がある。本研究では、統計・機械学習により、この従来モデルをデータ駆動型の確率モデルに転換させて、上記の問題1)、2)を解決する方法論Iを確立する。さらにこの方法論Iを、突発事象を含め、様々な事象を包括できるモデル統合の方法論IIへと変革させ、問題3)を解決する。

4 0 0 0 OA 書評

著者
高村 夏輝 村上 祐子
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.39-47, 2007-03-25 (Released:2009-07-31)
参考文献数
9
著者
櫻井 柚夏 廣瀬 文郁 松前 和則 村上 礼雄 田辺 新一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.125-128, 2014 (Released:2017-11-15)

本研究では、冬季暖房時の室内温熱環境が皮膚水分量と熱的快適性に及ぼす影響を把握することを目的として被験者実験を行った。実験では、人工気候室内の床暖房室とエアコン暖房室において、空気温度と相対湿度を各3条件設定し、皮膚水分量、皮脂量、皮膚温の測定および心理量の申告を行った。実験の結果、皮膚水分量は相対湿度、絶対湿度および空気温度が高くなるほど増加するが、エアコン暖房では熱的中立を超えた範囲で皮膚水分量が減少に転じることが分かった。
著者
村上 忠弘 南村 弘佳 馬場 俊雄 新田目 淳孝
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.208-212, 2022-07-15 (Released:2022-07-30)
参考文献数
12

心臓原発未分化多形成肉腫はきわめて稀な心臓悪性腫瘍であり,その予後はきわめて不良である.症例は当院初診時47歳の女性,45歳時に労作時呼吸困難で前医を受診し,心臓エコー検査で左心房に巨大腫瘍を認め切除術を行った.初回手術後の病理検査で未分化多形成肉腫と診断された.その後再発を繰り返し当院で4回の再手術を施行し,Pazopanib投与による化学療法を併施した.初回手術より5年の長期生存が可能となったのでこれを報告する.
著者
村上 正人
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.398-403, 2004 (Released:2007-08-24)
参考文献数
14
被引用文献数
1

人間の感情が動くときに象徴的な咳反応や咳症状が出現するように,咳は必ずしも気道の刺激だけではなく情緒的な刺激によっても生じることがある。いわゆる神経性咳嗽nervous coughは決して多い疾患ではないが,的確な診断と治療がなされないと,改善されぬまま慢性の経過をとりやすい。神経性咳嗽は何らかの心理的機制により,発作性,あるいは持続性に乾性咳嗽が生じるものである。しかし心因性,神経性といいながらよく病歴をとってみるとかつて急性上気道炎,咽喉頭炎や気管支炎に罹患したことが契機になり発症することが多い。長期間持続する慢性咳嗽の鑑別診断は慎重に行い,特に咳喘息との鑑別は重要である。咳反射に対する過敏性を獲得するプロセスに何らかの心理社会的ストレス要因が関与して発症するとされ,ヒステリーによる象徴的な症状(転換症状),内的緊張のはけ口としての咳,緊張時の音声チックと同様なメカニズムなどが考えられている。診断,治療に当たって,bio-psycho-socialな視点からの理解とアプローチが必要である。本症ではしばしば不安障害やうつ状態が合併しており,抗不安薬や抗うつ薬などの神経系作用薬がよく奏効することが多い。心理的要因が症状悪化につながっているときには専門的な心理療法を導入する。
著者
澤原 光彦 村上 伸治 青木 省三
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.51-58, 2017 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6

本稿では, 成人の心身症を含む精神医学的諸問題とその背景にある発達障害的特性について, いくつかの代表的な症状を呈した症例の素描を提示し, 筆者の見解を述べた. 発達障害を背景に生じうる状態像として, ①統合失調症類似の状態, ②うつ病・抑うつ状態, ③双極性障害・双極Ⅱ型障害, ④心身症, ⑤心気症的こだわり, ⑥強迫性障害, ⑦摂食障害, ⑧境界性パーソナリティ障害, を挙げた. これら精神医学的な各症状においては, 症状の表層にのみ関心を奪われ, 背景の発達障害的問題に配慮した支援を行わなければ, 難治化・遷延化の危険がある. 診断においては, 常に成育史に関心を払い, 患者の症状がその疾患の典型病像とどのように異なっているかを細心の注意をもって吟味する必要がある.