著者
左達 秀敏 村上 義徳 外村 学 矢田 幸博 下山 一郎
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.67-73, 2010-03-20
参考文献数
42
被引用文献数
3 3

<b>歯磨き行為の積極的休息への応用について:左達秀敏ほか.花王株式会社東京研究所―目的:</b>本研究の目的は,歯磨き行為における積極的休息としての有用性を明らかにすることである. <b>対象と方法:</b>生理指標としてフリッカー値を,心理指標として主観的アンケートを用いて検証した.まず,17名の健康な若年男女(男性12名,女性5名,平均年齢±標準偏差;22.5±1.5歳,右利き)を歯磨き群と非歯磨き群に無作為に割り当てた後,両群にパソコン上で20分の連続計算課題を実施させた.その後,歯磨き行為を行わせ,その前後でフリッカー値と気分を計測した. <b>結果:</b>歯磨き群のフリッカー値は,歯磨きをしない群と比べて有意に増加した( <i>p</i><0.05).一方,気分については,"爽快感"が歯磨きをしない群と比べて有意に増加し( <i>p</i><0.05),"集中力","頭のすっきり感"が増加傾向を示した(<i>p</i><0.1).また,"倦怠","眠気"は,有意に減少した( <i>p</i><0.01).<b>考察と結論:</b>歯磨き行為による体性感覚刺激や口腔内触覚刺激が総合的に大脳活動を賦活させたと考えられ,また,気分を爽快にする効果が認められたことから,歯磨き行為は,積極的休息として応用できる可能性が示唆された.<br> (産衛誌2010; 52: 67-73)<br>
著者
原 慎太郎 中野 哲雄 越智 龍弥 村上 直也 稲葉 大輔 安岡 寛理 中原 潤之輔
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.376-381, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
6

当院における足関節果部骨折の治療成績について調査し,予後決定因子について検討した.調査項目を5項目とし,Lauge-Hansen分類による骨折型,骨折数,距骨転位および脛腓間離開,術直後の整復状態を最終診察時の臨床成績で評価した.足関節果部の予後不良因子は,骨折型ではPronation type,特にSER I・II以外のtype,両果・三果骨折,距骨転位が大きい事であった.術直後整復の評価であるBurwellの基準でも治療成績に有意差を認めたが,Anatomicalにも成績不良が散見された.そこで整復評価をtrue-Anatomical,sub-Anatomicalまで細分化したところ,true-Anatomicalの成績が良好であった.よって術後整復はtrue-Anatomicalを目指すべきである.
著者
村上 加奈 吉田 彩香 吉永 一也
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.59-63, 2014 (Released:2015-06-12)
参考文献数
37
被引用文献数
1

精子は、精巣上体を通過する過程で運動能と受精に必要な能力を獲得して成熟する。しかし、精子は射精されて雌性生殖管に入るまでは、余分なエネルギーを消費しないように運動が抑制され、休眠状態となっている。この休眠状態を保つために、精巣上体管の管腔液は酸性に保たれている。精巣上体管上皮は明細胞、主細胞、基底細胞で構成される。最近、明細胞はプロトンポンプ(V-ATPase)を発現しプロトン分泌を促進すること、主細胞が分泌する重炭酸イオンはV-ATPase を明細胞微絨毛へ蓄積させる作用をもつこと、そして基底細胞は一酸化窒素を分泌し明細胞のプロトン分泌を促進すること、などが明らかにされてきた。本稿では、こうした異なった種類の上皮細胞によるクロストークと精巣上体の酸性環境を調節する機構について概説する。
著者
村上 大輔 澤津橋 基広 吉川 沙耶花 西嶋 利光 齊藤 章 加藤 昭夫 小宗 静男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.30-38, 2012 (Released:2013-01-01)
参考文献数
16

花粉症に対する皮下免疫(減感作)療法は、唯一根治を期待できる治療法である。しかしながら頻回に注射が必要なことや重篤な有害事象が起こる可能性があるため、より侵襲が少なく、利便性が良く、安全な減感作治療法が期待されてきた。そこで簡便に減感作を行える新規経口免疫寛容剤 (スギ抗原 - ガラクトマンナン複合体) を用いて、花粉症患者に対する減感作治療の安全性、その効果について検討した。減感作中の有害事象は、5 名中 1 名で全身倦怠感を認めたのみであった。また、花粉飛散期での鼻症状、重症度スコア、VAS、medication score は、薬物治療群と比較して減感作治療群でスコアの改善がみられた。これらの結果から少人数のパイロット研究ではあるが経口免疫寛容剤 (スギ抗原 - ガラクトマンナン複合体) を用いた経口免疫療法は、重篤な有害事象を認めず、短期間での減感作治療効果が期待でき、花粉症に対する治療の一つの選択肢になり得ると考えられた。
著者
小峯 裕己 飯泉 元気 村上 栄造 木村 洋
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.21-24, 2014 (Released:2017-11-15)

消・脱臭性能を謳う空気清浄機は、自社試験方法やJEM1467に基づいて、消・脱臭性能を確認している。しかし、後者の試験・評価方法には実際の使用状況と異なる試験条件に基づいているなどの問題がある。そこで、JEM1467の問題点を解消した評価・試験方法を提案することを目的に、空気清浄機のVOC除去性能試験方法に関する長谷川・小峯らの研究を参考にして、実大空間のチャンバーを用いて, 建基法で義務付けられている24時間換気を行った状況下で「定常発生法・循環試験」による家庭用空気清浄機の消・脱臭性能試験方法を検討した。
著者
村上 暁信
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.233-236, 1994-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
32

エベネザー・ハワ-ド (1850-1928) は, 1898年にTomorrow: A Peaceful Path to Real Reformを著した。その中で田園都市という新しい都市の建設を提案し, その後の都市計画に多大な影響を与えた。ハワードは著書の中ではオープンスペースの重要性をうたっているが, 実際の建設に際してはほとんど言及していない。田園都市論の形成過程を検討することにより, 彼の関心はむしろ人間の技術の統合である都市建設という行為により多くの労苦が取り除かれることと, 協同の原則に基づいた社会をつくりあげることにあったということが考察された。
著者
白鳥 実 上月 康則 島田 佳和 橘田 竜一 佐藤 塁 村上 仁士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G (ISSN:18806082)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.262-275, 2008 (Released:2008-09-22)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

本研究では,付着藻類群集に着目して,ダム下流減水区間の自濁作用の実態把握とメカニズムについての考察を行なった.ダム上流と減水区間で付着藻類群集を比較したところ,夏季において違いが顕著であった.ダム上流では,出水の有無によらず藍藻優占の現存量の少ない群集が形成されていたのに対し,減水区間では,珪藻優占の群集が形成され,現存量もダム上流より有意に多かった.さらに,減水区間では,付着藻類群集の一部が剥離する現象が見られ,付着藻類の生産した有機物が河床に蓄積されるだけでなく,流水中にも負荷されていることが明らかとなった.このような自濁作用は,出水頻度の低下のみならず,平常時におけるアユ等の摂餌圧の低下によって生じているものと推測された.
著者
塩野 淳子 石川 伸行 村上 卓 河野 達夫 堀米 仁志
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1423-1424, 2016-12-15 (Released:2017-12-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
村木 俊之 垣野 義昭 村上 大介
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.965-969, 2003-07-05 (Released:2009-04-10)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

High speed dry turning is one of the most important themes in ecological manufacturing. But in conventional turning style, it is difficult to reduce cutting temperature because the cutting edge is contacted to the work-piece continuously. Then in mill-turning, high speed face milling is applied for machining of cylindrical parts, and it is possible to reduce cutting temperature by using high speed-interrupted-small depth cutting method so as high speed endmilling. In this study, we have made clear the ability of mill-turning, and optimum cutting conditions for tool life. So we developed the prototype cutters for mill-turning, and tested their performance