著者
木下 奈々恵 小早川 健 松井 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SPT, セキュリティ心理学とトラスト
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-6, 2015-05-07

テレビ番組の評判分析では,ツイッターに寄せられる番組に対するツイートを生かす事が近年制作の現場で求められており,とりわけ 「何が」 評価されたのかを正確に抽出し番組の評判分析に用いる事が信頼性の高い分析に不可欠となっている.毎日膨大な量の番組に対するツイートを人手で仕分けるのには限界があり現実的ではない.そのため,意見対象を多く抽出するための普遍性を持った抽出手法が求められている.そこで,本研究では番組に対する意見が述べられているツイートからの意見対象抽出をタスクとする.ここでの意見対象とは番組内容に関連した名詞のこととし,それらを多く抽出する目的で,過去時制を伴う評価語に着目した意見対象抽出手法を提案する.番組内容に関連した名詞の抽出数について,1) 評価語の時制を考慮せず,評価語を含む全てのツイートに着目した手法 2) 現在・未来時制を伴う評価語を含むツイートのみに着目した手法の 2 つの異なる手法との比較実験を行い,提案手法の有効性を明らかにする.
著者
松井 徹哉 水野 啓示朗 杉山 映 江仮 佳賢 日比野 智也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.582, pp.87-94, 2004
被引用文献数
2 3

Until recently few research efforts have been directed toward the application of seismic isolation systems in large-span spatial structures. This is due to the light weight and relatively long natural period of this type of structure which makes it difficult to apply the commonly used isolation system composed of laminated rubber isolators and dampers. In this paper, the use of a seismic isolation system with sliding mechanism is proposed for large-span spatial structures. In order to confirm its effectiveness in reducing the seismic response, shaking table tests are performed using a small-scale arch model supported by the base structures. It is confirmed that the proposed seismic isolation system is effective in reducing substantially the response due to horizontal ground motions. It is also demonstrated that the response of the arch is significantly influenced by the dynamic properties of the base structures, but can be well predicted by the dynamic response analysis considering the arch-base structure interaction.
著者
大西 広 田上 孝一 瀬戸 宏 松井 暁
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の多くの部分は研究代表者・分担者が所属する社会主義理論学会の協力を得た。特に中国の研究者との交流を重視し、2013年12月に12名の中国人研究者を招き、「中国特色社会主義の行方と理論問題」の主題で第四回日中社会主義フォーラムを開催した。2015年4月には中国人研究者1名を招き講演会「『さあ「資本論」を読んでみよう』について」を開催した。2016年3月には四名の中国人研究者を招き、「中国社会主義の多様性」を主題に第五回日中社会主義フォーラムを開催した。いずれも社会主義理論学会と当科研費プロジェクトの共催である。参加者・集会報告などはいずれも社会主義理論学会HPに掲載されている。
著者
岩崎 誠 松井 信行
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.50-56, 1996-12-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
11
被引用文献数
3

In motion control applications, servo drive systems have widely applied to various load systems with complicated mechanisms. A robot arm with flexible joints is one of typical examples and it forms multi-mass resonant systems which generate mechanical vibration. Since such vibration gives tracking errors in motion and/or increase of settling time, the vibration suppression is indispensable to achieve the high performance robot arm motion. Many schemes such as model-based feedforward control and modern control theory-based feedback control have been proposed to overcome those problems.This paper presents a new feedforward control scheme using optimal control command shaping to suppress the resonant vibration in robot arm motion. By analyzing characteristics of the conventional position controller with the S-shaped position command, an optimal command design can be examined to eliminate the resonant vibration. Based on these analyses, a new command shaping algorithm is proposed. The proposed feedforward scheme can obtain the same vibration suppression characteristics as those by the conventional feedback schemes, regardless of the simple input position command shaping. Experimental results with a prototype show an effectiveness of the proposed control.
著者
松井 一幸
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.67-74, 1984-08-15

2年にわたって製作してきたマイコンシステムを,独自で,両画倍密度で走るCP/Mシステムに発展させることに成功した。このシステムを,音波教材の開発や,電圧自動測定に応用したので報告したい。また, CRTディスプレイを8台まで増設可能にし,本システムを,必修クラブにおけるマイコンBASIC講座に応用したので,マイコン教育の一つの試みとしてレポートしたい。

1 0 0 0 OA 打倒英国

著者
松井賢一 著
出版者
日本人社出版部
巻号頁・発行日
1939
著者
古賀 誠 島田 英樹 松井 紀久男
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
資源と素材 : 資源・素材学会誌 : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.29-35, 2002-01-25
被引用文献数
4 7

A bleeding examination and a flow characteristic examination of grout materials were performed to understand the fundamental characteristic of grout materials. Moreover, an injection experiment of grout materials which used a decomposed granite was conducted to understand the applicability of the analysis technique which introduced filtration theory. The results are as follows:<BR>1) When cement water ratio is large, a bleeding speed becomes slow, but the bleeding ratio becomes small.<BR>2) Plastic viscosity and yield stress become large with increase of cement water ratio. Particularly, plastic viscosity change greatly on <i>C</i> / <i>W</i> = 1 / 1.6. And as compared with yield stress, it is larger about influence on the discharge.<BR>3) Where a cement water ratio does not exceed <i>C</i> / <i>W</i> = 1 / 5, the clogging of the voids was done by a suspension custody. And where <i>C</i> / <i>W</i> = 1 / 3.5, that was done by a surface filter layer.<BR>4) The plastic viscosity measured using Brookfield viscometer is a result when some cement particles aggregate, and shows big value as compared with the theoretical relative viscosity.<BR>5) The result of injection analysis using the theoretical relative viscosity assumed that the cement particle is distributing completely is well as an experiment result in agreement. In the grout materials which flow the inside of the voids, it cleared that plastic viscosity follows the theoretical relative viscosity which the cement particles distributed.
著者
松井 理直
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.53-82, 2002-03-21

情報の構造化は、認知機構の処理する情報のエントロピーの減少として捉えることができる。情報が構造化されるにつれ、エントロピーが減少し、探索に必要な範囲が限定されていく。こうした認知機構の情報構造化過程を形式的に表現する方法の一つに、タイプ継承という手法がある。本研究は、主辞句構造文法 (HPSG) における音韻情報の構造と制約の相互作用を、タイプ継承という点から議論したものである。
著者
山田 善靖 松井 知己 杉山 学
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.158-168, 1994
被引用文献数
16 57

事業体の経営効率を評価するには、その優れている点に焦点を当てて分析する方法とその劣っている点に焦点を当てて分析する方法が考えられる。DEA(Data Envelopment Analysis)は事業体の優れている点から効率性を評価する方法であり、一般に広く利用されている。これに対して本論文では、事業体の劣っている点に焦点を当てて非効率を分析する方法として"Inverted DEA(Inverted Data Envelopmen Analysis)"を提案する。Inverted DEAは、従来のDEAモデルと同じ仮定を用いるが、目的関数にDEAとは逆の関係を与えて事業体の経営に対する非効率の度合いを評価する手法である。次に、ここで提案したInverted DEAが有効に利用される例として、Inverted DEAと従来のDEAを用いて事業体を分類する方法を論じる。この方法は、Inverted DEAとDEAによる評価を組み合わせて用い、事業体の良い所と悪い所を総合的に把握し分類する方法である。この方法は、DEAを単独に用いる場合にしばしば指摘される問題点である、特異な活動をする事業体の評価が高く出る傾向がある点と、大部分の事業体のDEA効率値が1に近い場合、評価が困難である点を補うことができる。最後に実際のデータを用いて、事業体の経営効率の評価分析を行う。
著者
北村 俊雄 稲葉 俊哉 松井 啓隆
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

HL60はレチノイン酸で好中球に、Vitamin D3で単球に分化する。本研究ではHL60分化において経時的にRNAseqを行い、好中球および単球に分化する際に上昇してくる遺伝子を複数の遺伝子を同定した。しかしながら予想したようにこれらの遺伝子が染色体上の近傍に存在するということはなかった。そこで、HL60の分化におけるエピジェネティクスが果たす役割を調べるためにエピジェネティクス因子ASXL1のノックダウンを行い、細胞分化とヒストン修飾の関係を調べた。ASXL1ノックダウンはヒストンH3K4とH3K27のトリメチル化を低下させ、HL60の分化を阻害した。
著者
春日 速水 井口 和信 松井 理生 富樫 一巳
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.174-179, 2010-10-31

シラフヨツボシヒゲナガカミキリ成虫の日周性を明らかにするために,北海道で7月下旬と8月下旬に日中約1時間ごとにトドマツとエゾマツの切株上の成虫数と行動を観察した.晴れた日と薄曇りの日には,成虫は午前中に切株に出現しはじめ,個体数は午後に最大となり,その後減少した.このことから,成虫は昼行性であることが示された.性比は雄に偏っていた.多くの成虫は単独またはマウントをしながら静止していた.雨天時に成虫は出現しなかった.25℃,16時間明期8時間暗期の条件下では,成虫の行動に明期と暗期の間で有意な差は見られなかった.これまでに研究されたヒゲナガカミキリ属3種の比較から,ある種が野外条件下で昼行性であるか夜行性であるかは光条件ではなく,活動に適した体温によって決まることが示唆された.
著者
河合 淳子 松井 琴世 小原 依子 松本 和雄
出版者
関西学院大学
雑誌
臨床教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.53-64, 2004-03-25
被引用文献数
2

本研究は,心臓音と笑い声という2つの音刺激を被験者に呈示することにより,音刺激聴取時における心身の変化を観察するものであった。それぞれの刺激による,生理反応と心理指標を用いて評定を行うことにより,生理的・心理的影響の変化を検討し,音刺激の精神生理学的研究を行うことを目的とした。本実験は,関西学院大学の学生28名,音楽系大学の学生5名(平均年齢21.4歳)を対象とした。実験では,効果音を集めたCDより選択した心臓音と,数人の人間が実際に笑っている声を録音した笑い声を呈示し,それぞれの音刺激聴取時と,安静(無音状態)時における生理反応を測定した。実験で測定されたのは脳波・筋電図・心拍・呼吸・皮膚電気反射・血圧であり,本研究では脳波・筋電図・心拍・呼吸・皮膚電気反射の指標を用いた。また,各音刺激呈示後に,音を聞いている時の気分について12項目,音を聞いている時の心身の自覚について10項目,音の印象について7項目の評定を求めた。各音刺激による生理反応について,中枢神経系である脳波においては,いずれの刺激においても,安静時と刺激呈示時の間でのα波の出現比率に有意な増加は認められなかったもの,β波には有意な増加が,θ波には有意な減少が認められた。呼吸は,安静時と心臓音呈示に有意な増加傾向が認められ,安静時と笑い声呈示には,有意な増加が認められた。皮膚電気反射では,安静と心臓音呈示に有意な減少が認められ,安静時と笑い声呈示には有意な増加が認められた。心拍では,安静時と心臓音呈示に有意な減少が,認められ,安静時と笑い声呈示にも有意な減少が認められた。頤筋においては,心臓音と安静時には有意な差は認められず,安静時と笑い声呈示に有意な増加が認められた。各音刺激においての心理評定では,音を聞いている時の気分においては,心臓音では,「気持ちがくつろぐ」の項目に最も高い値が得られ,笑い声では,「落ち着かない」「集中できない」の項目に高い値が得られた。音を聞いたときの心身の自覚においては,心臓音聴取時の自覚が快の自覚を表す項目に偏り,笑い声聴取時の自覚が不快の自覚を表す項目に偏った。また,心臓音呈示では,「眠くなる」の項目に最も高い値が得られ,笑い声呈示では,「目がさえる」の項目に最も高い値が得られた。音の印象においては,心臓音が,力強い,重々しい音であるという結果が得られ,笑い声が,騒々しく,鮮やかな音であるという結果が得られた。以上の生理指標と心理評定の結果により,心臓音は,α波の出現による「癒し」の効果は認められなかったものの,皮膚電気反射や頤筋の反応回数の減少による緊張感の減少や,音を聞いている時の気分で「気持ちがくつろぐ」という項目に高い値を示し,心身の自覚では快の項目に偏りを見せ,音の印象も肯定的なものであったことから,心身の安定を促し,気持ち落ち着かせる効果のある刺激であることが推察された。また,笑い声は,β波の増加やθ波の減少での覚醒水準の上昇や大脳の興奮性の高まりが顕著であり,頤筋や皮膚電気反射の反応回数増加で緊張感が増していることや,音を聞いている時の気分において「落ち着かない」「集中できない」に高い値をしめし,心身の自覚において不快の項目に偏りを見せ,音の印象においては,「騒々しい」に高い値を示していることから,緊張感を高める不快な刺激であったと推察される。本研究は,胎児が母親の胎内で聞く心臓の拍動音が,幼い子どもに対しても,「癒し」の効果が認められるのに対し,成人したものに対しても同様の効果が得られるのかを示唆したものであったが,今回の実験では,聴覚刺激のみでの実験であり,「癒し」の効果は認められなかった。しかし,心臓音には,心身の安定を促す効果が示唆されたことから,今後の研究において,実験の環境や,心臓音と共に何らかの刺激を与えることなどで,「癒し」の効果は認められると推察される。また,笑い声については,笑うことでの「癒し」の効果が報告されているが,笑い声という聴覚刺激のみでの効果に「癒し」の効果が認められるのかどうかを示唆したものであったが,笑い声刺激は被験者に不快感を与える結果となり,「癒し」の効果は得られなかった。また,笑い声を聞くことだけでは,被験者自身が笑うという効果は得られず,笑うことでの「癒し」の効果も得られなかった。以上のことより,「癒し」の効果は,単一の刺激のみで得られるものではなく,さまざまな要因が重なり合って得られるものであることが推察された。
著者
新井 洋輔 松井 豊
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.27, pp.29-41, 2004-02-27

This study seeks to examine the determinants of behavior toward kouhai (junior members) from senpai (senior members) in university clubs. In study i, thirteen aspects of behavior ...
著者
松井 陽佑 奥山 拓朗 市川 勝 安部 記子 渡邉 和裕 吉野 靖
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ea1028-Ea1028, 2012

【はじめに、目的】 転倒予防対策の方略としては,対象者個々の転倒リスクの評価に基づき転倒の内的・外的要因を解消させるための取り組みを行うべきであるが,簡便且つ客観的な評価方法は未だ統一されていないのが現状である.特に通所系サービスでは利用初日から送迎や移動を伴うため,初回利用日までに転倒リスクを判定し,結果を関連職種で共有しておくことが望ましく,またケアマネジャーをはじめ関連職種との情報共有にも配慮することが必要である.そこで本研究では,当院通所リハセンター利用者の転倒に関するデータを収集・解析し,転倒状況から転倒と関連のある項目を抽出することを目的とした.【方法】 要介護高齢者の転倒要因については,関連文献(Karenら 2001, 他)から抽出するとともに,全国回復期リハ病棟連絡協議会が作成した『転倒リスクアセスメントシート(以下,アセスメントシート)』の項目を準用した.このアセスメントシートは,【a.転倒歴,b.中枢神経麻痺,c.視覚障害,d.感覚障害,e.尿失禁,f.中枢神経作用薬,g.移動手段,h.認知障害】の全8項目からなり,各項目の有無により0~2点を与え,合計点からリスク1(0~3点,転倒の可能性がある),リスク2(4~6点,転倒を起こしやすい),リスク3(7~10点,転倒をよく起こす)の3グループに分類するものである.これらを合わせた全38項目を取り入れた追跡記録用紙を作成し,当通所リハセンターの看護師・介護福祉士・PT・OTにより,プロジェクト開始時以降3ヶ月ごと,および転倒時に記録された.対象者は,平成23年4月1日時点で当院通所リハを利用中の要介護者107名(男61名,女46名,平均73.3±9.0歳,要介護度1:18名,2:32名,3:26名,4:25名,5:6名)で,それぞれプロジェクト開始日から前向きに追跡調査された.3ヶ月間収集したデータについては統計学的検討を行い,非転倒者と転倒者との比較において転倒と有意な関連性のある項目の抽出を試みた.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施している.【結果】 観察期間中の転倒発生件数は24件(22%)であった.107名のうち16名(15%)が1回以上の転倒を経験し,6名(6%)が複数回転倒者であった.転倒場所は居室が最も多く(46%),転倒の96%が日中に発生していた.転倒時の外傷状況として,10件の転倒では外傷はみられず,14件(58%)にて打撲・切創・擦創がみられた.大腿骨頚部骨折や頭部外傷等の重篤な外傷はみられなかった.また,臨床データと転倒の有無をクロス集計にて整理しχ2適合度検定の結果,臨床データと転倒の有無に有意な差を認めた項目は,「中枢神経麻痺の有無」,「中枢神経作用薬の使用」,「過去1年の転倒歴」,「背中が丸くなった」,「1人で動こうとする」,「つまづくことがある」であった(p<0.05).【考察】 通所系サービスでは,利用初日から送迎や移動を伴うため,初回利用日までに転倒リスクを判定し,結果を関連職種で共有しておくことが望ましい.その意味で,本研究は簡便かつ客観的に評価できるアセスメントシートを作成するためのデータ収集の端緒となりうるものと考えられた.また,在宅ケアには様々な職種が関わるため,複雑な判定基準を要するアセスメントは使いにくい.本研究における評価には,PT・OTだけではなく看護師や介護福祉士も加わっており,今回の評価項目が多職種協働のツールとなり,ひいては情報共有の一助になる可能性が示唆された.本研究の転倒群・非転倒群の比較では6項目において有意差を認めたが,調査期間が短いことから今後は症例数を増やして調査を継続していく必要がある.なお,将来的には症例数や調査期間を再調整したうえで,転倒関連項目の統計学的抽出を行い,通所リハで活用できる簡便な転倒リスクアセスメントシートの作成につなげていく予定である.【理学療法学研究としての意義】 高齢者が要介護状態となった様々な要因を踏まえて転倒リスクを判定することは,転倒予防に有用である可能性がある.将来的に,本研究の結果に基づいた簡便に判定できるアセスメントを作成する予定であり,在宅支援に関わる専門職種間での情報共有を図る端緒として有意義である.
著者
山本 陽一 兪 善英 松井 豊
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.590-595, 2015
被引用文献数
2

Fund-raising activities on behalf of victims of the 2011 Great East Japan Earthquake during the year after the earthquake were investigated in residents of the South Kanto area (<i>N</i> = 749), which is adjacent to the disaster area. The percentage of people that raised funds was 67.4%. We investigated the effects of the following on fund-raising activities: demographic variables (sex, age, and educational background), trait empathy (empathic concern, perspective taking, and personal distress), former experience with fund-raising activities, effects of similarity to victims (e.g., experienced inconveniences because of the disaster, or had problems returning home), and psychological closeness to victims (e.g., have family members or acquaintances that suffered from the disaster, or that once lived in the disaster area). The results indicated that fund-raising activities were affected by former experience with fund-raising, similarity to victims, psychological closeness to victims, empathic concern, and being female. The relationship between fund-raising activities for victims and empathy are discussed.
著者
松井 理直
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究i委員会
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.53-83, 2015-03-05

日本語の東京方言では、無声子音に挟まれた狭母音や語末にある狭母音がほぼ義務的に無声化を起こす。この無声化母音については、母音が残存しているかそれとも脱落しているのかという点で多くの議論がなされてきた。本稿では、日本語の母音無声化は音声学の観点からも母音脱落ではないことを主張する。また、この音声過程が素性指定やC/D モデルなどによって適切に説明できることを見る。