著者
松井 龍之介 佃 和弥
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

熱硬化型のポリジメチルシロキサンをマトリクスとし、ネマチック液晶E7を分散することで5ミクロン径の液晶マイクロドロップレットを作製し、レーザー光照射によるフォトニックナノジェットの生成と外部電界による液晶分子の再配向に基づく動的制御を試みた。自作のレーザー走査型共焦点顕微光学系によりフォトニックナノジェットの観測に成功した。電界印加によるフォトニックナノジェットの動的制御も確認した。金属ナノ粒子を分散させた液晶によるメタマテリアルにおいて見られる特異な表面波についての理論的な解析についても併せて進めた。
著者
松井 藤五郎
出版者
中部大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,強化学習において利益率の複利効果を最大化するために複利型強化学習という新しい強化学習の枠組みを開発した.複利型強化学習を国債銘柄選択,国債取引,株式取引,n本腕バンディット,ブラックジャックなどに応用し,複利型強化学習がファイナンスやギャンブルのドメインに有効であることを確認した.また,複利型強化学習で導入された投資比率パラメーターをオンライン勾配法によって最適化する手法を開発した.
著者
松井 克之
出版者
滋賀医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

健康な生後1か月の乳児50人を対象として血液検査とUGT1A1遺伝解析を行った。血清総ビリルビン値(TB)は母乳哺育で上昇していたが、完全母乳でない場合は母乳摂取割合による差は認めなかった。TBの平均±SDは完全母乳では8.71±3.77 mg/dL、完全母乳でない場合は4.31±2.58 mg/dLであり、完全母乳であるか否かがTBに影響を与えることが判明した。UGT1A1遺伝子の遺伝子解析も含めた解析を行った結果、完全母乳とp.G71Rのヘテロでは、それぞれでそうでない場合の約2倍にTBが上昇することがわかった。また胆道系肝機能にも大きく影響を受けることが明らかとなった。
著者
小林 泰男 竹中 昭雄 三森 真琴 田島 清 松井 宏樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は草食動物消化管の未培養細菌群の生理・生態を明らかにし、繊維質の消化メカニズムも解明に近づこうとするものである。主に反芻家畜(ウシおよびヒツジ)のルーメン細菌に焦点を当て、これまでDNAレベルで存在のみ認識されていた菌群の分離・培養にチャレンジした。またウマやダチョウの大腸微生物の解析も手がけた。ルーメン内繊維付着性菌群U2は独自に開発したFISH法により牧草茎部に多く存在すること、それらはナイロンバック法で茎部をルーメンに浸漬することで容易に簡易集積できること、抗グラム陰性菌用の抗生物質を添加した液体培地内でさらに集積可能なことを明らかにした。その後PCRスクリーニングを活用することで多くの菌株の中からU2に属する2株の単離に初めて成功した。これらはいずれも繊維付着能を有し、マルラーゼは持たないがセロビオヒドロラーゼを、またキシラナーゼのほかに極めて高いアラビノフラノシダーゼ活性を有することをつきとめた。以上のことから、U2に属する細菌は、単独で繊維質を分解するのではなく、セルロース分解者の近傍に位置し、セルロース分解産物を利用すること、またセルロースを取り巻くヘミセルロース、とくにその側鎖を解離することに貢献しているものと推察された。大腸の細菌遺伝子ライブラリーから、ダチョウおよびウマは既知繊維分解菌の系統的近傍に未知の菌群を多く有していること、ウマは和種馬に特有の菌群が多く存在し、それらが和種馬の繊維分解に貢献している可能性があることを示唆できた。また和種馬は軽種馬にはほとんどみられない大型の繊維分解性プロトゾアを大腸に多く有していることを見つけた。これらの結果は、草食を規定する消化管微生物相の多様性とこの研究領域の奥深さを強く示唆するものであり、いっそうの解析の必要性が感じられる。
著者
長谷部 浩平 金城 紀与史 大西 富文 岸田 直樹 金城 光代 芹澤 良幹 松井 和生 西垂水 和隆
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.1075-1077, 2008-05-10

16歳,男性.モルディブから帰国後7日目に高熱と下痢を生じた.肝機能異常と血小板減少を認め,渡航歴から旅行者感染症を考えた.末梢血スメアでマラリア原虫を認めず,腸チフスとデング熱の可能性を考え抗菌薬を使用の上,国立感染症研究所に依頼しデングウイルス3型遺伝子を検出した.その後皮膚点状出血や凝固時間延長が出現し,デング出血熱の診断基準を満たした.支持療法で改善し入院7日目で退院した.渡航歴の確認が重要と考えた.<br>
著者
西川 伸一 樽井 寛 伊藤 光宏 錦織 千佳子 松井 利充 永井 謙一 宮崎 泰司 伊藤 仁也
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

MDSに脱メチル化剤が大きな期待を集めているが、作用機序については不明だ。本研究では、最終的に4人の患者さんの骨髄から得たCD34陽性ブラスト細胞について、治療前後経時的にゲノムワイドにメチロームと遺伝子発現を解析した。まず、正常、DCMD1, RAEB2と悪性度が進むに連れて、プロモーター領域のメチル化が上昇する傾向を見る事が出来た。また、メチル化の変化が見られた遺伝子でも、極めて限られた転写調節領域が特異的に、転写のメカニズムと連携してメチル化が行われている事がわかった。この遺伝子リストには白血病に深く関わる多くの遺伝子が存在していた。
著者
松井 謙二 中藤 良久 水町 光徳 加藤 弓子
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

喉頭がんなどにより発声困難になった方々が用いる電気式人工喉頭に関して、まず、手首や指のわずかな動きで抑揚を制御できるインタフェースを開発し、次に、装置を小型軽量化して手で保持することなく首に安定して装着可能な構造の人工喉頭を試作した。これらの結果を用いて、トータルシステムのユーザー評価実験を行った結果、新しい発声支援装置として使用が可能と思われるとの良好な評価結果が得られ、装置の有効性が確認できた。
著者
伊藤 三千代 松井 智
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.165-170, 1998-03

聴覚障害者の施設利用時の情報受容と行動の関係から、聴覚障害者への情報提供の配慮点を明らかにすることを目的にテーマパーク内の情報環境調査を行った。その結果、施設内で提供される情報は、1)従業員のコミュニケーションによる情報、2)スピーカーから流れる音声案内・音・音楽等の情報、3)表示物、印刷物などからの視覚的情報、4)空間の配置や風景から得る視覚情報であった。本研究では「テーマパークにおける情報保障・サービス」に関するいくつかの提案のうち、2)スピーカーからの音声案内情報で、情報の構成要素(仕掛け)となる発信源が人間側にあり現実に改善が可能なジャングルクルーズに着目し、その音声言語情報の現状把握と問題点から聴覚情報の入手に障害を持つ来園者が健聴者と同じ水準でアトラクションを楽しめるための手話表現によるガイドの可能性と具体的なガイド方法を提案するものである。
著者
松井 住仁
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.271-284, 1981
被引用文献数
3 1

入院患者の至適温熱環境を求めるため, 内科病棟において1年間温湿度測定, 患者への温冷感等のアンケート調査及びカルテ調査を実施し, 以下の知見をえた.至適温度は秋22~23℃, 冬20~21℃, 春21~22℃, 夏24~25℃, と季節差があった.若年者は, よりより凉しい室温でより涼しく, より暖かい室温でより暖かく感じる傾向にあった.温熱環境に対して類似の温冷感申告を呈する傾向を有す患者を1群として, 5群の疾患群に分類した.この傾向から疾患毎の至適温度を求めることが望ましいと考えた.夏の冷房しすぎ, 冬の暖房しすぎ等, 冷暖房時期, 時間, 実施方法について再考の余地を認めた.湿度感においても季節差があり, 特に冬は乾燥感の申告が増加していた.患者は病室内温熱環境の変化に対して, 衣服, 寝具等によって個々に体温調節を行っており, これによって現在一般的な空調設備は満足しえるものと考えられたが, 個々調節不能な重症者, 幼児等では依然問題が残されている.
著者
松井 義郎
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.349-366, 2001-11-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
37
被引用文献数
2

Osseointegrated implants have begun to be used not only in general practice in dentistry but also in various clinical situations in the maxillofacial region. The process has yielded three problems: the spread of application, new materials and diagnostic methods, and management for difficult situations. This paper presents basic data and clinical guidelines for new applications, it investigates the characteristics of the materials and the usefulness of a new diagnostic method, and it studies effective techniques for difficult cases.The results obtained are as follows: 1. Investigations into the spreading application1) The lateral and superior orbital rim have sufficient bone thickness and width for the implant body to be placed.2) Osseointegrated implants, especially by the fixed bridge technique, are not recommended in the craniofacial bone and jaws of young children.3) Implant placement into bone after/before irradiation must be performed in consideration of impaired osteogenesis, the decrease of trabecular bone, and the time interval between implantation and irradiation.2. Investigations into materials and diagnostic methods1) Hydroxyapatite-coated and titanium implants should be selected according to the characteristics of the materials.2) A dental simulating soft may also be applicable in the craniofacial region.3. Investigations into the management of difficult cases1) Hyperbaric oxygen therapy (HBO), bone morphogenetic protein (BMP), and tissue engineering should be useful for improving the quality and increasing the quantity of bone where implants are placed.2) Soft tissue around implants placed in the reconstructed area should be replaced with mucosal tissue.The data obtained here should be useful for increasing the efficiency of osseointegrated implants, but further basic research is required in the future.
著者
松井 勉 藤村 雄己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.2, 1994-09-26

光ディスクレコーダは、高密度化と高速転送レート化の2つの方向で高性能化を目指して開発が行われている。高密度記録再生特性を左右するのは光ヘッドであり、集束ビームを絞りこみ、光学変調度を大きくとることが大きな課題である。レーザ波長=0.68μm、対物レンズ開口数=0.55のとき、レーザ波長の1/2以下のピット長の高密度記録を達成するには、C/N比(CNR)が最良になるようにフォーカスオフセットを調整する必要がある。このとき、トラッキング誤差信号(TE)が劣化し、トラッキングサーボが不安定になることがあった。これは集束ビームの非点隔差に起因し、対策として、光磁気ヘッドの非点隔差を補正する光学系を実現したので報告する。
著者
澤村 明 渡辺 登 松井 克浩 杉原 名穂子 北村 順生 加井 雪子 鷲見 英司 中東 雅樹 寺尾 仁 岩佐 明彦 伊藤 亮司 西出 優子
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、新潟県の中山間地域を中心に、条件不利地域での居住の継続に必要な要素のうちソーシャル・キャピタルに焦点を当ててフィールドワークを行なった。対象は十日町地域、村上市三面地域であり、他に前回の基盤研究費Cから継続して観察を続けている村上市高根地区、上越市桑取地区についても蓄積を行なった。十日町地域では2000年来3年ごとに開催されいている「越後妻有大地の芸術祭」のソーシャル・キャピタルへの影響を質問紙調査によって捉えた。その結果は2014年6月に刊行予定の『アートは地域を変えたか』で公表する(慶應義塾大学出版会)。
著者
島田 隆 松井 嶺迪 西村 正史 石田 安弘 森 行秀 黒田 一彦
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.310-322, 2011 (Released:2011-11-30)
参考文献数
6

This paper discusses the reprocessing plant concept suitable for the transition period from the Light Water Reactors (LWRs) to the Fast Breeder Reactors (FBRs). This transition requires the reprocessing of spent fuels in order to supply an adequate volume of fissile plutonium (Pu-fissile) for the FBRs. The transition period would continue for more than 60 years, and the reprocessing plant should match with the change in the power generation plan during the transition period. The ability to supply Pu-fissile has been evaluated for two plant concepts. One is the independent-type concept, which contains two processes for reprocessing either LWR or FBR fuels. The other is the modularized-type concept, which contains only one process for reprocessing both the LWR and FBR fuels. The result showed the superiority of the modularized-type concept over the independent-type concept, because the former can enhance the ability to supply Pu-fissile with less reprocessing capacity. Therefore, the reprocessing plant suitable for the transition period is that based on the modularized-type concept.
著者
安藤 清志 松井 豊 福岡 欣治
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本報告書は、1994年に発生した名古屋空港中華航空機墜落事故の遺族77名に対するアンケート調査、「一般遺族」に対する予備調査(有効回答数1253名)、本調査(有効回答数835名)、および、前述の墜落事故遺族に対して2000年に実施した(第1回)アンケート調査の再分析の結果を含む。航空機事故遺族に関しては、事故後8年半を経過した時点においても、統制群として設定された「一般遺族群」と比較して精神的健康度の悪化が持続し、事故の衝撃も残存していた。具体的には、GHQ-12の得点は、事故遺族群が5.73に対して一般遺族群は4.06であり、事故遺族群のほうが有意に高かった。また、IES-Rの得点(侵入、回避、過覚醒得点)は、事故遺族群でそれぞれ12.05,11.06,7.55であったのに対して、一般遺族群ではそれぞれ3.71,4.75,1.68だった。こうした傾向の原因として、悲惨の遺体確認現場の目撃、意味了解の困難さ、ソーシャル・サポートの縮小、不適切な取材活動、当事者(航空会社、メーカー)の対応等が検討された。さらに、日本における航空機事故遺族に対する対策が乏しいことを指摘し、とくに遺族の短期的・長期的な心理的ケアを定める法律の制定が必要であることが強調された。一般遺族調査に関しては、直後悲嘆の規定要因やソーシャル・サポートの効果、死別後の自己変容など多くの側面から分析が実施された。