- 著者
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松井 年行
- 出版者
- Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
- 雑誌
- 日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.12, pp.663-668, 1977
- 被引用文献数
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和三盆糖廃糖蜜中の非透析性色素から得られた褐変色素を精製して次の結果を得た.<br> 1) 透析,DEAE-celluloseカラムクロマトグラフィーで9分画の色素F1~F9に分画し,さらにSephadex G-75によってタンパク質,多糖類を除去して精製した.メラノイジンはSephadex G-75で再クロマトグラフィーの結果,フェノール-硫酸,Lowry-Folin,および440nmの比色の結果,ほぼ同一クロマドパダーンを示したことから精製は十分であると考えられた.なおF2~F8はレダクトン陰性であった.<br> 2) 和三盆糖廃糖蜜め各色素F1~F8を塩酸で加水分解するとグルコース,フラクトース,キシローズ,アラビノース,ガラククトースを得たが,廃糖蜜中の遊離糖はシュークロース,グルコース,フラクトースであった.和三盆糖廃糖蜜の各色素F1~F8の塩酸加水分解で得られたアミノ酸は含量の多い順にグルタミン,アンモニア,アスパラギン酸で,廃糖蜜中の遊離アミノ酸は,アスパラギン,アスパラギン酸,アラニンでそのパターンはアミノ酸,糖ともかなり相違したものとなった.<br> 3) FITC-Dextran 3, Dextran T-10, Dextran T-20を標準物質としてSephadex G-75により測定した廃糖蜜の各色素F1~F8の推定分子量は,F1=9000, F6=14,000, F2=16,000, F4=18,500, F5=19,500, F3, F8=24,000, F7=29,000,となった.<br> 4) IR, ESRの吸収パターンはF2~F.8ともよく似ていた.醤油等のメラノイジンパターンともほぼ同じであった.<br> 5) log moleculer wefightとlog 0.33%1cmE<sub>440</sub>nmの間にほぼ直線関係が見られたが,分子量の大きいものが必ずしも濃色とならなかった.