著者
本間 秀彰 橋本 義人 宮崎 信義 松本 隆亜 佐々木 希吉
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.457-462, 2007-05-10
参考文献数
24
被引用文献数
3 5

To ascertain the use of health foods by patients and the associated problems, we asked 364 patients who brought prescriptions to our pharmacy to fill out a questionnaire. The questions asked aimed to determine the percentage of patients using health foods, the purpose of using them and the kinds of health foods used as well as the period, the frequency, amounts, and the effects of using them. Other questions concerned the person advising them on the use of health foods, the side effects of health foods, and the awareness of patients regarding the interactions between drugs and health foods. The knowledge obtained from the responses received should enable us to provide better pharmaceutical care to patients.
著者
根来 健二 稲山 雅治 松本 隆司 薮田 達雄 東條 格 藤田 茂之
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.64-67, 2008-02-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
10

Extraction of the lower third molars is a common procedure in oral surgery. After the procedure, disturbance of the lingual nerve is rare. In patients with mild injury, conservative treatment with drugs and stellate ganglion block may relieve symptoms. However, in severe cases, microsurgical treatment of the injured lingual nerve should be performed as soon as possible. We operated microsurgically in 3 patients with lingual nerve disorders that occurred after mandibular third molar extraction. After the operation, senses other than taste recovered in all patients, and taste was improved in 2 of the 3 patients. After the operation, 2 patients were satisfied, and the other was almost satisfied. No patient was dissatisfied. The concept for the management of such an iatrogenic lingual nerve injury remains unclear. In addition, we discuss treatment planning for iatrogenic lingual nerve injury
著者
松本 隆 Takashi MATSUMOTO 清泉女子大学 SEISEN UNIVERSITY
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 = BULLETIN OF SEISEN UNIVERSITY RESEARCH INSTITUTE FOR CULTURAL SCIENCE (ISSN:09109234)

明治の初めから半ばにかけて、心学道話を日本語学習用に加工した教材が相次いで出版された。この時期は、上方語の威信が失墜し、それに代わり東京語に基づく標準的な日本語が形成されていく時期と重なる。小稿は『鳩翁道話』や『心学道の話』を素材とする教材5種の調査をした。両素材は講述筆録であるため話し言葉を学ぶのに向く反面、幕末の刊行で上方語の特徴が濃厚なため新時代の標準モデルにふさわしくない面もある。これら要注意な表現に対し、各教材は注釈を加えたり、上方的でない表現を本文に選ぶなどの処置をとっている。各教材の上方語に対する姿勢は刊行時期によって異なる。早い時期の教材は、東西の言語的な差異を念頭におきつつも、上方語を依然有力な同時代語と捉えている。いっぽう刊行時期が遅くなると、東京語に重心が移りそこを基軸に、距離をおいて上方語を観察する姿勢に変わる。西から東への言語規範の推移は、表面的には刷新に見えるが、根幹においては継承であることを、教材編者ら見識ある非母語話者は心得ていた。そのため旧来の素材からでも新時代に対応しうる言語形式を吸収できたのである。
著者
松本 隆志 瀧本 栄二 齋藤 彰一 毛利 公一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.2269-2278, 2019-12-15

情報漏洩インシデントの主な原因は,人為的なミスによるものであると報告されている.我々はこの問題に対して,これまでファイルごとにデータ保護ポリシを設定可能(以下,ポリシ)とし,ポリシで禁止された範囲へのプロセスによるデータの出力・送信を検出・禁止することによって人為的なミスによる情報漏洩を防止するセキュアシステムSalviaシリーズの開発を行ってきた.それぞれの差異は,主として,プロセスが扱うデータフローの追跡手法であった.本論文では,動的テイント解析機能を有するハードウェアエミュレータとOSの連携によって実現したTA-Salviaについて述べる.TA-Salviaの特徴は,(1) 1バイト単位でポリシを定義できる,(2)メモリ上において1バイト単位でデータフロー追跡が可能,(3)二次記憶装置においても同様に追跡が可能,(4) TA-Salviaどうしであればネットワークを越えたデータフローの追跡も可能な点である.本論文では,特に(4)について,その設計,実装および評価について述べる.評価では,実際にファイル共有やメール送信を行い,データを継続して追跡できていることを示した.
著者
斉藤 幹貴 榎本 剛 松本 隆
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.10-16, 2002-01-15
参考文献数
7

A hierarchical Bayesian approach is formulated for nonlinear time series prediction problems with neural nets. The proposed scheme consists of several steps : <BR>(i) Formulae for posterior distributions of parameters, hyper parameters as well as models via Bayes formula.<BR>(ii) Derivation of predictive distributions of future values taking into account model marginal likelihoods.<BR>(iii) Using several drastic approximations for computing predictive mean of time series incorporating model marginal likelihoods.<BR>The proposed scheme is tested against two examples; (A) Time series data generated by noisy chaotic dynamical system, and (B) Building air-conditioning load prediction problem. The proposed scheme outperforms the algorithm previously used by the authors.
著者
山田 一郎 中田 洋平 松井 淳 松本 隆 三浦 菊佳 住吉 英樹 八木 伸行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.127-132, 2007-07-25
参考文献数
13

テレビ番組のナレーションでは、「場所紹介」や「人物紹介」など特定の事柄を表現するために同じような言い回しが多用される。このような言い回しを含む文章区間が抽出できれば、対応する番組映像区間の場所紹介や人物紹介といったメタデータを付与することができる。本稿では、番組のクローズドキャプションから特定の事柄を表現する文章に類似した文章を抽出するために、文章間の類似性を評価する手法を提案する。提案手法では文章を構文解析した結果、得られる木構造中の部分木を特徴とし、この特徴をサンプリングして学習する GibbsBoost アルゴリズムを用いて文章間の類似性を評価する。紀行番組のクローズドキャプションを対象として、場所を映像とともに説明する定型表現文章区間にある文章との類似性を評価する実験を行い、提案手法の有効性を確認した。In the closed captions, there are a lot of typical expressions to express specific things, for example, first introduction of a guest in a talk show or explanation of a place in travel program. Such information helps us to put metadata to the corresponding scenes. This paper proposes a method to evaluate the similarity between multiple sentences in order to extract a section in which sentences are similar to the typical expressions expressing specific things. The first step generates tree structures from input section of sentences and extracts subtrees from these tree structures. We use Gibbsboost algorithm which samples these subtrees for features and learns the features to evaluate the similarity. In the experiment of judging whether a section of sentences is similar to the section which explains a place with video targeting closed captions of TV programs concerned with travel, we show the effectiveness of our method.
著者
篠塚 望 小山 勇 美濃島 卓哉 俵 英之 上笹 直 渡辺 拓自 松本 隆 安西 春幸 許 俊鋭
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41-44, 2001-02-28
参考文献数
12
被引用文献数
2

内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST) において乳頭切開における凝固と切開を自動的に繰り返す出力モード (エンドカット) を使用し, その有用性に関し検討した。エンドカットを用いたESTは従来の高周波モードを用いたESTに比し, 出血も少なく乳頭切開部の視野も良好に保たれ, 切石率も高い傾向にあった。またEST施行後の血清アミラーゼも低い傾向にあった。エンドカットは切開ナイフと組織との接触面積や切開速度などにより凝固の強さが制御されるため, 乳頭切開の途中で一気に大きな切開が生じてしまうジッパー現象は1例も生じなかった。エンドカットは出血や穿孔を防止し, より安全かつ正確にESTを施行できると思われ, 今後大いに活用されうるものと思われた。
著者
松本 隆仁 乾 博 宮武 和孝 中野 長久 村上 克介
出版者
生態工学会
雑誌
Eco-Engineering (ISSN:13470485)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.223-227, 2007-10-31 (Released:2008-03-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1

We have investigated the effects of light quality and CO2 concentration (0.04% and 10%) on growth of Euglena as a fundamental study. Useful nutrients such as high quality protein and fatty acid, as well as specific saccharide (β-1,3 glucan), contained in Euglena are now being highlighted. In the present study, we investigated the effects of light quality and CO2 concentration on the production of protein, paramylon and fatty acid. Under the CO2 concentration of 0.04%, protein contents in Euglena cultured in red and blue light were 105.0 μg 106 cells-1, paramylon 48.2 μg 106 cells-1, and in blue light fatty acid was 20.3 μg 106 cells-1, higher than those in other light conditions. Whereas under the CO2 concentration of 10%, protein contents in Euglena cultured in red and blue light were 125.6 μg 106 cells-1, paramylon 57.6 μg 106 cells-1, and in blue light fatty acid 29.7 μg 106 cells-1, higher than those in ordinary air conditions (with 0.04% CO2). No significant differences in these nutrient contents were found between the four light quality treatments under the CO2 concentration of 10%. As previous data we showed growth of Euglena depended on chlorophyll contents, protein and paramylon contents depended on chlorophyll contents, too. It was concluded that Euglena would be good nutrition source when they are cultured in each light conditions under CO2 concentration of 10%, so CO2 discharged from industrials, power stations and so on, will be utilized to this new food production system, effectively.
著者
木村 圭佑 篠田 道子 宇佐美 千鶴 櫻井 宏明 金田 嘉清 松本 隆史
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【目的】医療保健福祉領域において専門職連携(以下IPW)は必要不可欠な技術となっている。しかし,リハビリ専門職の養成課程において専門職連携教育(以下IPE)カリキュラムを導入している養成校は少数である。多くのリハビリ専門職は臨床場面において,他の専門職との連携を通して自ら実践的に学んでいる。今回ケースメソッド教育を用いた研修会後に調査した,カンファレンス自己評価表の分析から,経験年数によるIPWに必要な課題を検討する。【方法】ケースメソッド教育は,日本では1962年から慶応義塾大学ビジネススクールで用いられるようになった教育手法である。現在ではビジネス領域だけではなく教職員養成や医療保健福祉領域にまで用いられている。高木ら(2006)によるとケースメソッドは「参加者個々人が訓練主題の埋め込まれたケース教材を用い,ディスカッションを通して,ディスカッションリーダーが学びのゴールへと誘導し,自分自身と参加者とディスカッションリーダーの協働的行為で到達可能にする授業方法」であると定義している。本研究の対象は平成24年~平成25に実施したIPWを目的とした研修会に参加した,異なる職場で働くリハビリ専門職34名である。内訳は,1~3年目以内(以下新人)19名(理学療法士17名,作業療法士2名),4年目以上(以下経験者)15名(理学療法士3名,作業療法士12名)である。尚,全てケースメソッド教育は未経験であった。研修会では日本福祉大学ケースメソッド研究会に登録されている退院時カンファレンス場面のIPWを題材としたケース教材を用いた。参加者にはケース教材の事前学習を促し,研修会の開始前にケースメソッドに関する講義を行った。そして,グループ討議を行った後,筆者がディスカッションリーダーとなりクラス討議,振り返りを実施し最後に篠田ら(2010)が開発したカンファレンス自己評価表を記入してもらった。カンファレンス自己評価表は主に「参加後の満足感」「カンファレンスの準備」「ディスカッションに関するもの(参加者としての気づき,発言の仕方・場づくりへの貢献等)」の全12項目で構成され,各設問に対し5段階評価(「5そう思う」「4:ややそう思う」「3:ふつう」「2:あまりそう思わない」「1:そう思わない」)で回答してもらった。得られた結果を新人と経験者とに分け,カンファレンス自己評価表の各項目を分析した。統計学的処理は,Mann-WhitneyのU検定を用いた(p<0.05)。【倫理的配慮】本研究は,日本福祉大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会が作成したチェックシートに基づき実施した。【結果】カンファレンス自己評価表は全員から回収した。新人と経験者間で有意差が認められた項目は,「積極的な参加」「受容的・許容的な雰囲気づくりへの貢献」「自分の意見・考えを他者へ伝達」「疑問への質問」「参加者の立場から討議の流れをリード(以下討議をリード)」「他者の発言の引用・改良」「多様な対応策の提案」であった。しかし,「討議をリード」に関しては,経験者は2割が「5:そう思う」「4:ややそう思う」と答えるのみに留まった。また,IPWに必要な技術の一つである「主張(結論)+理由(根拠)のパターンでの発言(以下結論根拠の発言)」では両者に有意差は認められず,経験者の中でも実施できている例は少数であった。【考察】新人ではIPWにおいて最も重要である積極的な発言,頷きや受容的な態度といった「人とつながる」技術の未熟さが確認された。新人の課題としては,対立を恐れずに自らの意見を伝える勇気,そしてすべてを受け入れる温かいムード作りに貢献することである。それらが習得でき,初めて専門職同士の力の貸し借りを上手に行い,多様な対応策の検討の実践が可能と考える。一方,経験者では「討議をリード」することも十分に遂行できているとは言い難く,ファシリテーション技術が未熟であることも示唆された。また,「結論根拠の発言」の実践もできていない。そのため他の専門職への情報共有時やカンファレンス時に,専門的評価や分析をもとにして発言の根拠を明確にできていない可能性がある。経験者の課題は自らの専門性から発言の根拠を明確にするだけでなく,反論や対立意見を上手く扱い,他者の意見を重ねて創発的な意見を積極的に発言することである。ケースメソッド教育で養われる能力の中に「人とつながる」「人を束ね,方向づける」が含まれる。今後もケースメソッド教育を通し,リハビリ専門職におけるIPWの課題を解決できるようさらに検討を続けていく。【理学療法学研究としての意義】医療保健福祉領域におけるIPWの重要性は高く,マネジメント教育や患者の健康行動への教育とその目的は拡大しつつある。そのため,リハビリ専門職におけるIPW・IPEに関する取り組みは急務であり,本研究もその一助になりうると考える。
著者
松本 隆之 北川 貴士 木村 伸吾 仙波 靖子 岡本 浩明 庄野 宏 奥原 誠 榊 純一郎 近藤 忍 太田 格 前田 訓次 新田 朗 溝口 雅彦
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.43-49, 2013-07-15

メバチThunnus obesusおよびキハダThunnus albacaresは三大洋の熱帯域を中心に温帯域にかけて広く分布し,日本をはじめとする各国により漁獲され,マグロ属魚類の中でもっとも多獲さる重要種である。大型魚,特にメバチは主としてはえなわ漁業で,小型魚はまき網,竿釣り等の漁業で漁獲される。日本沿岸においては,小型の竿釣り,曳縄等の漁業でも漁獲されており,それらの漁業にとっても重要な魚種である。しかしながら,これら2種については資源の減少もしくは低水準での推移が見られ,その動向には注視する必要があり,また,資源学的研究の強化,およびより精度の高い資源評価が望まれる。そのためには,移動,遊泳行動等の生物学的パラメーターのより詳細な解明も必要である。
著者
坂井 丈泰 澤地 利明 松本 隆
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.783-786, 1996-06-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14

画像入力の高レート化をめざす技術のひとつとして, ビジョンチップと呼ばれる, 光センサ埋蔵型並列アナログ信号処理ともいえるパラダイムがある.Weak stringフィルタは画像中の輪郭成分を保存しつつ雑音成分を取り除くことができるが, resistive fuseと呼ばれる非線形抵抗素子を必要とする.本速報ではそのνMOSトランジスタを用いた実装法について述べ, 初期的実験結果を示す.バイアス電圧によりI-V特性を変化できる点が, 提案回路の特徴のひとつである.
著者
松本 隆信 塩見 哲郎 中谷内 一也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.201-207, 2005
被引用文献数
2

Risk communication is defined as a reciprocal information process between experts and the public concerning some type of risk. Previous studies have not adequately addressed the evaluation of risk communication made by the information source and experts of risk management organizations. The present study examined the evaluations of communication dealing with the risk of nuclear power generation by of public relations officers at a power company. The results showed that messages which elaborated on not only the benefits, but also risk involved in nuclear power, were evaluated as being more fair, honest and self-assuring than those which described only the benefits. Furthermore, two-sided messages were expected to elicit sympathy and trust from the receiver of the messages. These results demonstrated empirically that information sources regard the risk communication as being necessary and useful.
著者
中井 貴大 木村 圭佑 岩田 研二 山崎 年弘 坂本 己津恵 松本 隆史 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 脊髄損傷、脳卒中片麻痺、パーキンソン病(以下:PD)患者に対するトレッドミル歩行訓練(以下:TT)効果についての報告は数多くあり、高いエビデンスを認めている。そこで、今回Th11破裂骨折にて下肢に不全麻痺を呈したPD患者に対して、自宅内での歩行再獲得にTTが有効であった症例について報告する。【症例紹介】 症例は70歳代女性で、腰背部痛の増悪により歩行困難となりTh11破裂骨折の診断を受けた。急性期病院にて硬性コルセットを作成し保存療法となり、発症42日後に当院回復期リハビリテーション病棟に入院し、自宅復帰に向けたリハビリテーションの介入を開始した(患者1日あたりの単位数7単位)。病前は夫と二人暮らしで、既往歴にPDがあったがADLは自立レベル、IADLも一部自立していた。なお、本研究は当院の倫理委員会が定める倫理規定に従い実施した。【初期評価】 Hoehn-Yahr重症度分類はStage3レベルであり、動作時に姿勢反射障害を認めた。また、入院時は座位保持で腰背部痛が増悪(NRS8/10)し、座位時間は約30分程度であった。さらに右下肢には軽度から中等度の表在感覚低下を認め、入院時下肢筋力は右下肢がMMT2~3レベル、左下肢が3~4レベルであった。病棟での移動手段は車椅子で、介助者による駆動の介助が必要であった。歩行は疼痛が強かったため行っていない。入院時機能的自立度評価法(以下、FIM)は64点であった。【経過・アプローチ】 腰背部痛の軽減、座位時間の延長に伴い、入院約2週間後平行棒内歩行訓練を開始した。当初は平行棒を両手で把持した状態でも膝折れが生じるため監視レベルに留まり、入院約1ヶ月で住宅評価を行ったところ短距離を独歩で移動しなければいけない区間が存在したため、歩行能力向上を目的にTTを開始した。TT開始初期は設定速度0.5㎞/hとし、前方両手支持での環境設定とした。歩行能力向上に伴い難易度調整を行った。TT開始から約1ヶ月で速度2.0㎞/h、支持物なしにて約3分間連続歩行が可能となった。TTの効果判定として、10m歩行を測定し、速度、歩行率、介助数の側面から訓練効果について検証した。TT開始当初は10m最大歩行速度0.59㎞/h、歩行率0.88step/sec、介助数3回であったが、約1ヶ月のTT訓練介入で速度2.02㎞/h、歩行率1.68step/sec、介助数0回と歩行速度、歩行率、介助数において改善を認めた。TT開始約2週間で病棟内シルバーカー歩行自立となり、退院時には約50mを介助なしで独歩にて移動可能となったが、自宅環境との違いより、病棟内歩行はシルバーカーに留まった。なお、退院時FIMは99点と向上した。【考察】 TT開始当初の歩容は、PD特有の体幹前傾位で小刻み歩行であった。さらに破裂骨折の影響のため下肢筋出力低下を認め、支持性が低く歩行速度も低下していた。また左右動揺が大きく、バランスを崩した際は姿勢制御が困難であった。TTの導入により、能力に合わせた高速度での歩行を繰り返し行うことと股関節伸展を意識した立脚後期を作ることでCentral Pattern Generatorが賦活し、歩行時の筋活動パターンが学習され、歩行能力向上につながったのではないかと推察された。また、動作特異性から一定量の歩行訓練を行うことで、実動作への転移が高く、短期間での訓練効果が得られたのではないかと考えられた。
著者
徳永 隆治 松本 隆 徳田 功
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.271-282, 1997-12-15
被引用文献数
1

This paper reports a simple algorithm for reconstructing bifurcation diagrams only from time-wave forms of a parameterized family of dynamical systems, without knowing an explicit form of the dynamics and its dependence on the parameters. The algorithm consists of two steps. First, nonlinear predictors are sought using a particular class of nonlinear functions with a lot of model parameters. Second, significant parameters contributing the bifurcation are found by the principal component analysis. Using the parameterized family of nonlinear predictors, it is possible to obtain bifurcation diagram qualitatively similar to that of the original systems. The algorithm is tested against Henon equation and Rossler equation.
著者
竹内 亮 MacKay David J.C. 中沢 進 松本 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2502-2511, 1997-09-25
被引用文献数
6 2

正則化とは, 適当に重み付けされた拘束条件(regularizer)を付加することにより, 逆問題の不良設定性を解消する手法である. 正則化をベイズ推定の枠組みでとらえる際生じる周辺ゆう度の微分公式とregularizer比較(モデル比較)の陽な公式を与え, 数値実験でその有効性を示す.
著者
松本 隆信
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.275-313, 1979-12-01

貴船の本地富士浅間明神の本地浦島太郎小男の草子物くさ太郎
著者
鏑木 崇史 福田 真啓 瀬賀 一恵 松本 隆 / MACKAY David. J. C.
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.19-20, 2009-03-10

本研究は文字入力支援システムDasherを日本語で実現することを目的とする。Dasherは英Cambridge大学のMacKay教授らのグループが提案・実装しており、ある基準での情報圧縮手法に基づく文字入力手法である。英語をはじめ世界60以上の言語で動作することが確認されているが、現在、実装ができていない言語が少なくとも2つある:中国語と日本語である。
著者
春間 賢 隅井 浩治 森川 章彦 上村 直実 忌部 明 木村 学 徳毛 健治 吉原 正治 豊島 仁 井上 和彦 松原 秀樹 梶山 梧朗 松本 隆允
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.851-857, 1989 (Released:2007-12-26)
参考文献数
30
被引用文献数
5 5

胃底腺性過形成性ポリープ (胃底腺ポリープ) の胃酸分泌, 血清ガストリン値および血清ペプシノーゲン1 (PG1) 値について, 健常者と腺窩上皮性過形成性ポリープ (腺窩上皮ポリープ) の値と比較検討した. 胃酸分泌と血清PG1値は健常者と胃底腺ポリープでは差がなく, 腺窩上皮ポリープでは著しい低値を示した. 一方, 血清ガストリン値は, 健常者と比較すると, 胃底腺ポリープではやや低値を, 腺窩上皮ポリープでは著しい高値を示した. さらに, 組織学的な検討とあわせ, 胃底腺ポリープは過形成性ポリープの一つに分類されるが, 胃底腺に高度の萎縮をともなう腺窩上皮ポリープとは異なり, 萎縮のない胃底腺粘膜に発生していることを明らかとした.
著者
矢崎 智浩 三須 俊枝 中田 洋平 本井 滋 小林 剛 松本 隆 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.401-406, 2010-03-08
参考文献数
10

時系列データから興味のあるイベントを自動的に検出する問題は,信号処理やパターン認識,画像処理など,様々な分野に現れる.本研究グループでは,これまで,サッカー動画像データから抽出された選手位置情報に基づく時系列データをもとに,ベイズ隠れマルコフモデルによるイベント検出アルゴリズムを構築してきた.しかし,隠れマルコフモデルでは状態が滞留する確率として「幾何分布」が仮定されるため,必ずしもふさわしくない場合があった.隠れ状態の状態滞留確率を改善することでイベント検出性能に対する向上の余地があったため,本稿では,状態滞留確率をより柔軟に表現可能な「一般化隠れマルコフモデル」によるアルゴリズムを構築し,イベント予測性能の向上を目指す.また,提案アルゴリズムの効果をJリーグのサッカー動画像データを用いて検証する.