著者
石原 凌河 松村 暢彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_101-I_114, 2013
被引用文献数
3

東日本大震災の教訓として,過去の自然災害の教訓や知恵を後世に伝え,それを地域での防災まちづくりや防災教育に活かすことが重要であると言われている.そこで,本研究では,地域で受け継がれている災害伝承の実態を把握するとともに,災害伝承と生活防災行動,防災意識,地域への態度,避難行動,防災対策との関係性について明らかにするとともに,地域単位で災害伝承を行う意義について考察した.その結果,年月が経つにつれて,地域で脈々と受け継がれてきた過去の災害伝承が途切れる可能性が示唆された.また,災害伝承は防災意識や避難行動,地域への態度に直接的な影響はなく,生活防災行動を通じて防災意識や避難行動,地域への態度の醸成につながることが明らかになった.
著者
松村 昂輝 大谷 紀子 木村 司 福井 健一 沼尾 正行
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-125, no.5, pp.1-4, 2019-11-12

本研究では,深層学習の手法を用いた新しい音楽生成方法を提案する.音楽理論の観点から,コードとメロディは互いに調和する必要がある.つまり,音楽を作る際には,コードを考慮した上でメロディを作る事が望ましい.本研究では,コードを考慮したメロディ生成を行う深層学習モデルを対象とする.既存研究において,音楽の重要な要素であるリズムが考慮されたモデルは存在しない.本研究では,リズム ・コード ・メロディを一括に考慮して音楽を生成する新しい手法を提案する.本手法では,以下の三段階の手順に従い,複数の深層学習モデルを用いて音楽を生成する.①RhythmGenerator,RhythmTransformer により,大量の音楽データから学習した,コード及びメロディのリズムを生成する.②生成されたリズムを入力とし,RhythmToChordGenerator がコードを生成する.③生成されたリズムとコードから,ChordToMelodyGenerator によりメロディを生成する.提案手法を用いた実験では,リズム ・コード ・メロディが調和した音楽を生成することができた.
著者
宮谷 慶一 松本 直之 熊谷 亮平 権藤 智之 松村 秀一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.790, pp.2689-2698, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
16

The purpose of this paper is to clarify the cement suppliers for each construction site during the interwar period when cement consumption increased in Japan. Specifically, the authors picked up and analyzed the cement suppliers at each construction site from the contents of the "Completion Reports", which are the construction records made by Shimizu-gumi during this period. There are 3,186 completion reports in total, of which 1,729 have a description of the cement supplier. These 1,792 cases are summarized in tables and figures by use, structure type, prefectures, year of construction, and total floor space. (See Table1-Table3, Fig.2-Fig.3) The findings are as follows: 1. The Cement suppliers can be classified into four types: "Manufacturing Companies", "Shimizu-gumi itself”,"Merchant" and "Supplied by Client". (See Table4) 2. By region, the percentage of “Shimizu-gumi itself” was high in the Kanto, and the percentage of “ManufacturingCompanies” was high in the Hokuriku. On the other hand, the percentage of “Merchant” was high in Chukyo, Osaka, and Kyushu. 3.By period , the percentage of “Merchants” has increased since the Ⅳ period (1936-) .(See Fig.5-Fig.9) 4. The percentage of “Manufacturing Companies” in each region was almost the same as the shipment percentageset by the regulation. (See Table6 and Table7) However, in the Chukyo, the number of cases of Mikawa, which is closely related to the Shimizu-gumi, was the highest. 5. Since the section handling cement was established at the head office, the cases of “Shimizu-gumi itself” were concentrated in the area under the jurisdiction of the head office, especially in Tokyo. 6. Looking at the breakdown of “Merchants” by region, there are some “Merchants” who have a lot of trades, but since there are many cases of "Others", it is indicated that there were trades with various “Merchants”. (See Table8) 7. Looking at the breakdown of “Supplied by Client", there were almost the same number of governments works and private works, and there were many cases of civil works and industry (See Table9). And there were many cases before 1930, when cement sales control began. (See Table9)
著者
西川 浩平 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.405-406, 2020-02-20

新卒の就職活動では,就職活動生が企業にエントリーシート(以下,ES)を提出し,企業がそのESを元に採用を判断するという過程が一般的となっている.ESには,志望動機や自己PRなどを書くよう求められており,企業に 採用された就職活動生のESを分析することで,各企業がどのようなパーソナリティを持った人材を求めているかを推定することが可能である.そこで本研究では,テキストデータであるESに対して機械学習を用いることで,どの企業に提出されたESであるかの推定を行った.本発表では,その推定結果と分析結果を報告する.
著者
滝野 豊 松村 隆弘 二木 敏彦 川端 絵美子 星名 悠里 本田 理沙 油野 友二 柴田 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-545, 2018-07-25 (Released:2018-07-28)
参考文献数
16

肝炎ウイルスやアルコール性肝炎,非アルコール性脂肪性肝疾患などによる慢性肝炎は線維化の過程を経て,将来的に肝硬変症を経て肝癌に至ることが知られている。肝線維化診断のゴールデンスタンダードは肝生検であるが,侵襲的な検査であることから血液成分であるヒアルロン酸やIV型コラーゲン,および生理学的な検査法が利用されている。新しい肝線維化マーカーとしてMac-2 binding protein glycosylation isomer(M2BPGi)が保険適応された。ヒアルロン酸は食事の影響を受けやすいことが知られているが,M2BPGiについての食事の影響は調査されていない。今回,M2BPGiの食事の影響を血中ヒアルロン酸値とIV型コラーゲン値の変動と比較した。ヒアルロン酸のみが食事摂取1・2時間後に食前と比べ有意に測定値が上昇した。M2BPGi値とIV型コラーゲン値は食事の影響を受けなかった。このことから,M2BPGi値測定は随時採血の検査においても正しい評価ができると考えられた。
著者
三浦 麻子 小森 政嗣 松村 真宏 平石 界
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ
巻号頁・発行日
vol.4, pp.26-32, 2019

<p>The present study explored social sharing of negative emotion on social media related to the 3.11 earthquake. A dataset was created from tweets that included one or more of the nuclear disaster at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (F1-NPP) related vocabulary, which were extracted from all Japanese tweets from March 11th, 2011 to April 16th, 2012. The results show anger was less susceptible to attenuation over time and this trend was more obvious in regions farther from the F1-NPP. Anxiety was more commonly shared in regions with a nuclear power plant, but a tendency to decrease over time was observed and this trend was more prominent the closer one was to the F1-NPP.</p>
著者
神田 佑亮 松村 暢彦 藤原 章正
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.463-468, 2010-10-25
参考文献数
5
被引用文献数
3 1

本稿では新エネルギー整備基金の確保を目的とした環境地域通貨流通スキームの構築と併せて、市民を対象としたMMを連携して実施し、環境、まちづくり、交通行動面での効果を評価した。環境地域通貨は、市内の加盟店舗で利用可能なクーポン券であり、新エネルギー発電施設整備基金の確保と市民の割引サービス、地元商店街活性化の両立を目指している。このスキームと市民を対象に適度なクルマ利用を促すモビリティマネジメントを連携して実施した。運用開始後3ヶ月で約130冊の環境地域通貨が流通し、総額の約3割の利用があった。地域活性化の面では、大規模店舗から地域の中小店舗への来訪意図の変容や、購入した店舗とは別の店舗を訪れ利用するといった回遊効果が確認された。交通行動の変容効果の観点では、環境地域通貨を利用した買い物により、買い物時の交通手段も自動車から徒歩や自転車等に転換する意図が見られた。環境面では、MMとの連携実施によりCO2削減効果に相乗効果が見られることが確認された。これらの結果から、両立が難しいと考えられる低炭素まちづくりと地域活性化の共存可能性について1つの方向性が示された。
著者
大原 達美 成清 哲也 松村 一
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.233-239, 2010

本院医療情報室では,2009年7月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版」を参考に,新型インフルエンザ(influenza A : H1N1)パンデミックに備えた業務継続計画(以下BCP)を策定した.同年11月に病院情報システム(HIS)と接続された1部門システムが故障し,1週間部門システムが使用できなくなる経験をしたことから,HISに接続される部門システム全体を視野に入れたBCPの見直しを図った.<br/> 具体的には部門システムのBCP策定に向けて,①部門システムの範囲・機能調査,脆弱性調査,②フェーズ別対策の検討,③ケース別BCPへの展開,に分けて課題の抽出を行った.<br/> この結果,HISと部門システムとの情報システム全体のBCPの策定に際しては,①部門システムが設定する業務再開目標時間(RTO)にはビジネス・インパクト分析(BIA)を実施した上で明確にする,②フェーズ別対策では,システム脆弱性対策チェックシートを使用して共有認識を図る,③ケース別対策については,中長期的対策を視野に入れて策定を進める,との結論に至った.
著者
鈴木 悠 三木 通保 大須賀 拓真 山中 冴 松村 直子 松原 慕慶 金本 巨万 藤原 潔 佐川 典正
出版者
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
雑誌
天理医学紀要 (ISSN:13441817)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.44-50, 2017-12-25 (Released:2017-07-01)
参考文献数
18

妊婦に対して腹腔鏡手術を行う機会は近年増加しており,開腹手術と比して妊娠予後に差がないことが示唆されている.報告の多くは妊娠12週から16週までの間に手術が行われており,16週以降では少ない.今回我々は妊娠16週から18週の4症例に対して腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術を施行したので,文献的考察を加えて報告する.腫瘍径は7.5から9 cm 大で,3例は成熟嚢胞奇形腫,1例は漿液性嚢胞腺腫と成熟嚢胞奇形腫であった.手術時間は157分から232分であり,週数の進行とともに手術時間の延長を認めたが,術後の妊娠経過には異常を認めなかった.手術を行うに際しては,増大した妊娠子宮が障害にならないよう,トロッカーの位置は臍より頭側で,腫瘍患側におくことなどの工夫が必要であった.妊娠16週以降でも画像診断により術前に腫瘍の位置を確認し,トロッカーの配置などを工夫すれば,腹腔鏡下手術は安全に施行できると考えられた.
著者
佐藤 理沙 松村 豊大
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.97-106, 2017

<p>人口減少を食い止めるために徳島県が策定した「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」政策を参照し<b>,</b>人口減少問題は私たち世代の若い世代が解決すべき問題であるという視点を持った。徳島県は全国に先駆け<b>,</b>「人口減少・超高齢社会」の到来が現実のものになると予想されている。人口が減少すると労働力人口が減少し<b>,</b>経済成長・経済活力が減退したり<b>,</b>次世代を担う世代の減少により<b>,</b>伝統行事や文化の継承が次第に困難になることなど<b>,</b>様々な問題を引き起こす。今まで人口減少問題とはどこか他人事のように思っていたが<b>,</b>身近な問題に感じ<b>,</b>若い世代が結婚・子育てをするためにはどのような政策を求めているのか<b>,</b>また<b>,</b>何が必要なのかを「若者目線」から分析した。特に<b>,</b>県の政策の実現性を考察し<b>,</b>出産することができる若い世代の女性の意見を重要視し<b>,</b>政策に反映させることが重要であると主張する。</p>