著者
松村 昌廣 Masahiro Matsumura
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = St. Andrew's University bulletin of the Research Institute (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.47-55, 2008-06

On January 12, the divided Japanese Diet finally enacted a legislative measure that authorised the Fukuda administration to restart replenishment support for the US-led maritime interdiction operation in the Indian Ocean. Earlier, in the Upper House, the leading opposition Democratic Party of Japan (DPJ) and other mini-parties together voted down the already passed House bill with a simple majority. Subsequently, in the Lower House, the ruling coalition of the Liberal Democratic Party (LDP) and the Komei Party resorted to their two-third majority to override the Upper House decision.During the impasse of five and a half months since then-Prime Minister Shinzo Abe's crushing defeat in the July 2007 Upper House election, the issue of replenishment support continued to represent the major focal point of the political power struggle in Tokyo. This prolonged impasse revealed that the battle between both the LDP and the DPJ was devoid of any ideological divide, a state of affairs that did not sharpen the national debate at all. Worse, it also suggested that neither party had more than a handful of competent next-generation leaders to constitute an effective power nucleus in decade to come.Accustomed to a one-party-dominated system over several decades, both LDP and DPJ leaders are afraid of legislative stalemates and popular distrust of their respective parties. As the result, the confrontation between both parties has continued. LDP leaders are reluctant to accelerate and intensify the current partisan strife, even though doing so would vindicate their policy positions and thereby benefit them in the coming national election. Further, the LDP leadership is not ready to take a full advantage of the Constitutional rules for steering the Diet, while the DPJ counterparts remain opportunistic.Although the Japanese public remains highly skeptical of the inexperienced DPJ that has been incapable to present effective policy alternatives, the LDP under Fukuda is drifting because the Prime Minister is only an excellent manager, but neither an innovator nor a risk-taker who is able to carry out a systemic overhaul, ranging from a resolution to the hung Diet, to the attainment of political leadership over bureaucrats, and to policy innovations on issues that various policy strategists have already proposed.The current Japan's current political stasis awaits a big bang that will bring competent nextgeneration leaders into the power nucleus. This is unlikely to be expected from the existing parties, but possibly feasible either through a reformed LDP or an evolved DPJ, or even a new party to be born out of a reorganization of the two parties along ideological lines. The good news is that we already know the prescription for a more proactive and prosperous Japan. The bad news is that time is running out when rapidly changing international security and economic conditions require Japan to respond promptly and offer visionary leadership.
著者
千賀 義博 横山 千佳 唐木 心優 清水 開 中西 唯稀 松村 竜誠 ワイズナーディラン 武蔵 榎本 浩実 黒河内 寛之
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>長野県伊那市にある、今年で開校70年を迎える伊那西小学校は、校舎を取り囲むように1.4haの「林間」と呼ばれる学校林を所有し、この林間を活用した教育活動に取り組んでいる。1950年の開校当時は、草原だった場所に、翌1952年に背丈より低いカラマツ500本をPTAの手で植樹した。現在は、これらカラマツは優に20mを越える高さに成長している。林間には、他にも、アカマツ、さくら、モミジ等が自然に生えたり、あるいは、卒業記念に植えられたりと、42種類600本以上の樹木が生育している。樹木の多くは、背丈が随分と大きくなり、子どもたちが、全身で触れたり、観察をしたりするには適しているとは言えない状況があり、"子どもたちの目の高さで利活用できる森"は、学校の願いとなっていた。そこで、この森を今後24年かけて、計画的に大規模伐採し、子どもたちの学びの森となるよう、平成31年4月から運用してきている。本研究は、①過去70年の森の成り立ち ②大規模伐採の計画と実施 ③4月からの林の成長を観察することにより、子どもたち及び職員が今後どのような林間をどのように残していくかを見出そうとした研究である。</p>
著者
松村 嘉久 大谷 新太郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.150, 2009

<B>1.はじめに</B><BR> 新羅時代の古都・慶州市は,韓国屈指の観光地である。世界遺産「石窟庵と仏国寺」(1995年登録)が,市街地東南15kmほどの所にあり,市街地南部から南山地区にかけた「慶州歴史地域」も,2000年に世界遺産登録されている。慶州市での観光開発の歴史は古く,朴正煕大統領の指示で1971年から始まり,普門観光団地などが建設されている。市街地北20kmほどに位置する良洞民俗マウルでも,世界遺産登録申請に向けて集落内外での景観整備や施設建設が進みつつある。<BR> (中略)本発表では,慶州市の主な宿泊施設の集積地域で行ったフィールドワークから,宿泊施設の内実と分布特性を概観し,観光機能の分化に迫りたい。<BR><B>2.慶州市の主な宿泊施設の集積地域</B><BR> 慶州市には統計上は333軒の宿泊施設が存在し,客室総数は1万室を超える。その内訳は,A:等級付きの観光ホテル(13軒2,321室),B:コンドミニアム(8軒2,096室),C:旅館(276軒6,090室),D:旅人宿(36軒398室)となる。最も多いCの内実は,観光・ビジネスホテル的なものからモーテル・ラブホテル的なものまで多様である。ただし,韓国のモーテルやラブホテルは客室を時間貸しする所が少なく,一般的な観光客もよく利用する。C・Dのなかで立地条件の悪い所は,廃業状態にあるものも少なくない。<BR> 慶州市の主な宿泊施設の集積地域は,1:慶州高速バスターミナル周辺(50数軒),2:慶州駅周辺(20数軒),3:普門観光団地(20数軒),4:仏国寺周辺(40数軒)である。以上の四つの集積地域で,慶州市の全宿泊施設数の3分の1強を占め,客室数ならば約8割を占める。我々はこれら宿泊施設の外観と周辺の観察に加えて宿泊料金の確認を行い,宿泊施設が分散分布する2を除いた三地域では,包括的な土地利用調査も行った。<BR> 慶州市役所提供の統計資料によると,近年の外国人観光客は50万人前後,国内観光客は600から800万人くらいで推移している。外国人観光客の4割強は日本人が,国内観光客の4割強は学生が占める。2000年の世界遺産登録を契機とする顕著な観光客増は統計から見出せないが,外国人観光客を中心に宿泊を伴うものが確実に増えてきている。<BR><B>3.慶州市における宿泊施設の分布特性と観光機能の分化</B><BR> 集積地域1の宿泊施設はほぼ全てCに属する。宿泊料金は1部屋で2万₩から6万₩,5階建てまでの小規模なものばかりである。民家も多く残るが,バス停付近にレストランや小売店舗が多く,個人観光客が過ごしやすい空間編成が構築されている。格安ゲストハウス集積地域としての認知度が高く,外国人個人観光客の利用も多く,英語や日本語の看板も散見される。2000年の世界遺産登録の恩恵を受け,1の宿泊需要は増加傾向にあるためか,建設・改装中の宿泊施設もあった。<BR> 2の宿泊施設も全てCに属し,宿泊料金は2万₩から4万₩くらいである。日本でいう駅前旅館が多く,サウナ併設で客室を時間貸しする怪しげな所も数軒あった。2010年に慶州KTX新駅ができ,現在の慶州駅は廃止される予定なので,経営維持は困難になると見込まれる。外国人が宿泊するのは極めて稀で,国内ビジネス客が主な客層である。<BR> 湖畔リゾートである3の宿泊施設は,規模が大きく宿泊料金の高いA・Bが中心であり,カジノ・温泉・プールなど,付属施設も充実している。湖畔から離れた所にCが数軒立地している。主な客層は国内観光客と外国人観光客であり,個人よりも団体やパッケージでの利用が多い。国内観光客は9割以上が普門を訪問するが,外国人観光客は5割前後にとどまる。<BR> 仏国寺周辺4はCが多く,AやBも数軒立地する。国内修学旅行生向けの大規模なユースホステルが数軒あるが,学生の長期休暇が終わると次のシーズンまで事実上閉鎖する所が多い。宿泊料金が3万₩から4万₩くらいの小規模なモーテルも立地するが,利用客は少ない。市内循環バスの乗り場付近以外のレストランや複合商業施設は,実に閑散としている。建物こそ真新しい地域であるが,宿泊施設も含めて,すでに廃業,あるいは開店休業状態の所が目立つ。<BR> 慶州市は釜山からの日帰り観光圏で,KIXの開通でそれはさらに広がるであろうが,集客力の高い観光資源が郊外に点在するため,宿泊を伴う観光客は今後とも増加するであろう。宿泊施設の集積地域1・3・4は,各々が異なるタイプの観光客の受け皿となり,観光機能の分化が生起しつつある。1と4では空間的リストラクチャリングが起こる可能性も高い。<BR>
著者
松村 康生
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.271-289, 2019-08-15 (Released:2019-09-12)
参考文献数
35
被引用文献数
1

Food emulsions are thermodynamically unstable systems due to destabilization processes such as flocculation, creaming and coalescence. Thus, the maintenance of kinetic stability is critically important to obtain high-quality commercial products. Our group has been studying the adsorption behavior and interaction at the interface of several components in oil-in-water emulsions, particularly, the two major components, i.e., proteins and low-molecular weight surfactants (emulsifiers) to understand the factors governing quality of food emulsions. In this review, I show the main results of our studies on food emulsions over the past 30 years. The topics are as follows: 1) the interaction of proteins and emulsifiers, particularly the displacement of proteins from the interface by emulsifiers; 2) Fat crystallization as a cause of partial coalescence of oil droplets; 3) Emulsion formation and stabilization by adsorption of fine particles; 4) Rapid evaluation of long-term stability of emulsions.
著者
史 宇華 松村 耕平 Roberto Lopez-Gulliver 野間 春生
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:21888701)
巻号頁・発行日
vol.2017-CVIM-205, no.16, pp.1-6, 2017-01-12

本論文では,マイクロソフト社の Kinect の深度画像から得られるユーザーのスケルトン情報に対して,Random Forest 分類器と AdaBoost を使用してユーザの姿勢をリアルタイムで自動認識するシステムを開発した.ここでは特に食事中の姿勢を対象とし,Kinect で深度データが含まれる悪い姿勢の学習データを録画する.これらの学習データから,ユーザーの Joint の特徴量を抽出し,悪い食事姿勢のデータベースを構築して学習し,五つの悪い姿勢を動画から自動認識できるシステムを開発した.悪い姿勢を食事中の映像から学習し,50 名の被験者に対して行った食事の映像から 93% の認識機能を実現した.本システムを応用し,将来はユーザーの悪い食事姿勢を検出した後,ユーザーにフィードバックを与え,食育トレーニングすることを目指している.
著者
千田 昇 白木 守 松村 一良 松田 時彦 下山 正一
出版者
一般社団法人 日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.25, pp.129-133, 2005-06-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
4

Trench investigation at Shindo relics excavated to clarify geological activity records of Senbonsugi fault which is one of the faults constituting westernmost part of Minoh fault system. Senbonsugi fault had actived at AD679, and wide cracks generated in the ground. These cracks had described in“Nihonshoki (Chronicles of Japan)”as width was about 7 meters.
著者
光本 孝次 松村 信雄 五十嵐 正
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 第1部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.606-610, 1973-01

良い資質の乳牛のイメージを得るために,一般レベルの乳牛群,ブリーダーの乳牛群と輸入乳牛群の体型7部位と乳房形質12部位を測定した。測定時期は約乾乳期と約最高泌乳期の2時期である。1)体高,体長および尻長において,輸入牛とブリーダーのそれには非常に類似した平均値が得られた。輸入牛の腰角幅と〓幅の平均値はブリーダーのそれより大きいようである。一般レベルの乳牛は相対的に小柄である。2)輸入牛の乳房は泌乳による乳房の縦の変化が少なく,横の変化が非常に大きい。3)前後乳頭間隔では輸入牛の膨張係数が低い。
著者
松村 宗治
出版者
公益社団法人日本数学教育学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.544, pp.172-175,359, 1932
被引用文献数
1

頭部頭状、帽状或ハ鞍状ヲ呈シ有柄ニシテ、唇状ニ開ロスル子嚢ヲ有スル子實體ニ限定セラレタル昇龍菌科所屬トシテ從來約12屬ノ發表ヲ見タリ。内4屬、のぼりりよう屬 (<I>Helvella</I>), あみがさたけ屬 (<I>Morchella</I>), すきんかぶり屬 (<I>Verpa</I>) 及ビしやぐまあみがさたけ屬 (<I>Gyromitra</I>) ハ廣ク且ツー般ニ使用セラレツ、アル處ナリ。著者ハ本科ノ本邦産菌類ヲ研究スルニ際シ、各種類ノ性質ト既設屬ノ特性トヲ考慮シテ最良ナリト思考スル分類様式ヲ得タルヲ以テ本文ニハ其様式ト併セテ本邦産種類トヲ報告セリ。<BR>昇龍菌科ヲ子實層ガ帽部表面全汎ヲ被ヘル昇龍菌亞科 (Helvelleae) ト子實層ガ子嚢ナキ褶縁ニヨリテ多數ノ小室ニ分タレタル網笠菌亞科 (Morchelleae) トニ分テリ。<BR>昇龍菌亞科ハ胞子橢圓形或ハ紡錘形、平滑ニシ頭状鞍状、洋傘状或ハ不正球形ヲ呈スル昇龍菌屬(<I>Herpa</I>)、胞子楕圓形或ハ紡錘形平滑ニシテ頭部帽状ヲ呈スル頭巾被屬(<I>Verpa</I>)、胞子平滑球形ナルまるみのぼりりよう屬 (<I>Helvellella</I>) 及ビ胞子頂尖状紡錘形、大形ニシテ熟後膜ニ彫刻ヲ生ズルおほしやぐまたけ屬 (<I>Neogyromitra</I>) トニ分テリ<BR>昇龍菌屬中莖部及ビ頭部裏面ニ絨毛アリ其胞子ガ紡錘形ニシテ大一個、小二個ノ油胞アルモノヲ毛昇龍菌亞屬 (<I>Villihelvella</I>) トナシ本邦産ニー種、長柄毛昇龍 (<I>H. ephippioides</I> IMAI) アリ、本種ハ毛昇龍 (<I>H. Eoguoouym</I>) ニ比シ胞子長大ナル点ニ於テ異り長柄茶椀茸 (<I>Macropodia Macropus</I>) ニ對シテ頭部鞍状ヲ呈スル點ニ於テ區別サル。昇龍菌屬中體ニ絨毛ナク、胞子ハ稍紡錘形ニシテ小油胞ニ個ヲ有スルモノヲ波帽昇龍菌亞屬 (Gyrornitra) トナシ更ニ共莖ノ性質ニヨリテ平滑莖區ト有溝莖區トニ分チ前者中ニ本邦産鳶色昇龍或ハしやぐまあみがさたけ (<I>Helvella esculenta</I>)、後者ニ大笠昇龍 (<I>H. discinoides</I>) アリ、鳶色昇龍ニ關シテハ鳶色昇龍 (<I>H. infula</I>) トしやぐまあみがさたけ (<I>H. esculenta</I>) トノ異同ニ尚論議アルベキモ著者ハ同一種ト認ムルコトニ賛スルモノナリ。大笠昇龍ハ短大ナル子實體ニシテ其莖部ハ著シキ深溝ヲ呈スル點ニ於テ明カニ認識サル。昇龍菌區中體ニ絨毛ナク胞子ハ橢圓形ニシテ大油胞、一個ヲ有スルモノヲ眞正昇龍菌亞屬 (<I>Euhelvella</I>) トナシ、本亞屬ヲ更ニ莖ノ性質ニヨリテ不滑莖區ト有溝莖區ニ分チ前區ニ脚細昇龍 (<I>H. elastica</I>) アリ。本種ノ色彩ハ白色ヨリ暗灰色ニ至ル多様ヲ表ハス、有溝莖區ニアリテハ體ノ暗色ヲ呈スル黒昇龍 (<I>H. lacunosa</I>) ト白色又ハ淡黄色ナル昇龍 (<I>H. crispa</I>)アリ、共ニ本邦各地ニ産スルモノ、如シ。<BR>頭巾被屬ニアリテハ子嚢内ニ通常八個ノ胞子ヲ有スル眞正頭巾被亞屬 (<I>Euverpa</I>) ト子嚢内ニ通常ニ個或ハ四個ノ大形胞子ヲ藏スル大頭巾被亞屬トニ分チ、前亞屬ニハ頭巾被 (<I>V. digitaliformis</I>) 後者ニ大頭巾被 (<I>V. bohemica</I>) アリ、前種ハ其頭部表面殆ンド平滑ナルニ、後者ハ縦ノ皺襞アリ且ツ大形ナルヲ以テ肉眼的ニモ容易ニ區別サル。<BR>まるみのぼりりよう屬 (<I>Helvellella</I>) ハ共タト形稍昇龍菌屬中波帽昇龍菌亞屬ノ有溝莖區ノ種類ニ類似スレ共共胞子ノ球形且ツ小形ナル點ニ於テ區別サル、本邦ニハまるみのぼりりよう (<I>H. sphaerospora</I>) アリ。<BR>おほしやぐまたけ屬 (<I>Neogyromitra</I>) モ亦其外形波帽昇龍亞屬ノ平滑莖區ノ種類ニ稍類似スレ共其胞子ハ大形ナル紡錘形ニシテ其表面に彫刻アルヲ以テ區別サル、本邦産ハおほしやぐまたけ (<I>Neogyr. cmliniana</I>)ナリ<BR>網笠茸亞科ハ唯一屬網笠茸屬アリ。本屬ヲ頭部ト莖部トノ關係ニヨリテ僧帽歌區(Mitrophorae)、離生區(Distantes)及ビ着生區(Adnatae)トニ分チ、本邦産種類トシテ僧帽状區ニ小網笠茸(<I>M. semilibera</I>)アリ、本種ハ頭部ノ下面ガ其約半分迄灣入シテ莖ト連絡スル點に於テ區別サル。離生區ハ莖ノ頂部少シク外方に擴張シテ頭部ト連絡スルモノニシテ小尖網笠茸(<I>M. angusticeps</I>)、尖網笠茸(<I>M. conmca</I>)脚細網笠茸(<I>M. deliciosa</I>)アリ、第一ノ種類ハ頭部ノ直徑莖ノ太サト殆ンド同大ニシテ然カモ頭部圓錐形ヲナスモノニシテ、第ニノ種類ハ頭部ガ3-4糎以上ノ長サヲ有シ、第三ノ菌ハ2-3糎以下ノモノナリ。直生區ハ頭部ガ莖部に直チニ連絡スルモノニシテ本邦産トシテハ第一ニ通常頭部ガ莖部ヨリ長キ網笠茸(<I>M. esculenta</I>)莖部ガ頭部ヨリ長大ニシテ然カモ下方に漸細スル視棒網笠茸(<I>M. Miyabeana</I>)、莖部長大ニシテ其基部膨大シ頭部圓錐形ナル脚太網笠茸(<I>M. cmssipes</I>)及ビ頭部球形ナル大網笠茸(<I>M. Smithiana</I>)アリ。
著者
松村 外志張
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.94-112, 2021

<p>臓器移植などの医療目的や基礎研究ならび産業利用のための人体臓器, 組織, 細胞(以下ヒトモノ)の重要性は急速に高まり, かつ実験技術の飛躍的な進歩はヒトモノが有する生命性を拡大し新たな問題を生み出している. わが国においても, 臓器移植法の改正等, 部分的な取組みはなされてはいるものの, 全体としてみるとき, 自給体制の整備が遅れ, 移植治療の機会の逸失や研究資源を海外からの恵与に依存する状態が続いている. このことがヒトモノという概念を顧慮する機会を逸し, 社会的な整備の遅れを招いていると考えられる. 筆者はこれまでヒトの培養細胞を用いて基礎研究や産業応用を行って来た中で, 出発素材となるヒトの臓器·組織の供給面の検討なくして研究開発は完結しないとの強い信念を抱いてきた. 本稿では, ヒトモノとは何か, そして社会の中でのヒトモノの位置付けを論じた上で, ヒトモノにまつわる問題の解決を目指して, 法規の背景をなす倫理原則をあらためて検討した. 過去の非倫理的な人体実験に対する反省に端を発し, その結晶ともいえるベルモント報告書の倫理原則3ヶ条, すなわちヒトへの敬意原則, 仁恵原則, 正義の原則を尊重することを基本とする. ここで新たに, 敬意原則に「ヒトモノへの敬意」を含め, 正義原則に「ヒトモノの取扱い目的による差別をしない」ことを含める. さらに, ヒトモノを生物多様性に関する国際条約の対象として保護ならびに監視することを第4原則に, そしてヒトモノに対する所有権を認めず, 社会的な求めに応じて加えた加工による付加価値を除き, 授受に利益を付加しない無償性原則を第5原則として付け加えた. これら5ケ条の倫理原則を担保するためには, 必ずしも新たな法規の制定を必要としない部分もあると考えられるが, 制定が不可避な部分もあると考えヒトモノ基本法私案として, いくつかの考えられる方策とともに提案した. ヒトモノ基本法の制定は, わが国におけるヒトモノ取扱いの先進性を世界に宣言し, 今後時間を掛けて現行法規の調整を順次進めることによって, 国内問題を解決に導くとともに, 国際的な協力の輪に入る機会につながるものと期待する.</p>
著者
松村 文人
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.80-90, 2015-01-25 (Released:2018-02-01)

戦後日本では,企業経営者と企業内労働組合が行う企業内交渉の他に,統一交渉,集団交渉,連合交渉,対角線交渉と呼ばれる交渉形態が存在した。これらの交渉では,産業別労使団体が企業の枠を超えた労使交渉の主体として交渉や妥結に関与した。産業別労使団体が関与して企業横断的に展開され,賃上げに関する何らかの統一的な合意が形成された交渉を産業レベル交渉と呼ぶこととする。論文では,6産業(私鉄,石炭,ビール,繊維,金属機械,海運)の産業レベル交渉を対象に,交渉成立の条件,展開の諸相,後退・終了の経緯に関して総括的な考察を行う。また,産業レベル交渉の展開を背景に,企業別組合から産業別組合への移行を構想した私鉄,ビール両組合の事例を取り上げ,産別化挫折の原因をさぐる。日本との比較対象国として,産別交渉の伝統をもつ欧州大陸諸国と,1990年代から産別化に着手し,2000年代より産別交渉を展開する韓国を念頭に置く。
著者
松村 潔 小林 茂夫
出版者
一般社団法人 日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症・再生 (ISSN:13468022)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.209-217, 2001-05-31 (Released:2010-04-12)
参考文献数
30

Prostaglandins play various roles in the brain under physiological as well as pathological conditions. This review summarizes our present knowledge about brain localization of two isoforms of cyclooxygenase, enzymes responsible for prostaglandin biosynthesis, and their possible functions. Cyclooxygenase-1 (COX-1) is con-stitutively expressed in microglia throughout the brain. Little is known about COX-1 function there. COX-1 is also abundantly expressed in the primary sensory neurons both at their cell bodies and at the central terminals in the medulla and spinal cord suggesting its involvement in sensory signal transmissions. COX-2 is constitutively expressed in telencephalic neurons in an activity-dependent manner. This neuronal expression of COX-2 was reported to be involved in the regulation of regional cerebral blood flow. On the other hand, some studies have reported that COX-2 might exert adverse actions after brain ischemia and in Alzheimer's disease. Under various infectious as well as inflammatory conditions, COX-2 is expressed in brain endothelial cells. We presented a large body of evidence that elevation of prostaglandin EZ in the brain and occurrence of fever during infection/inflammation are the consequences of this endothelial expression of COX-2. Thus, brain endothelial cells seem to transmit blood borne cytokine signals to brain by producing prostaglandin E2.
著者
轡田 竜蔵 永田 夏来 阿部 真大 松村 淳
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

この共同研究のねらいは、拠点都市圏から離れた地域(=30万人以上の規模の都市雇用圏の圏外)に創出されている新しいライフスタイルや公共性について、これをオンラインや移動の広域化によって、都市を超えた社会が形成されているという観点を軸にして、社会学的に考察することである。京都府北部地域の20-40代を対象とし、当該課題に関する参与観察・インタビュー・質問紙調査を行う。
著者
松村 史紀
出版者
大阪国際大学
雑誌
国際研究論叢 (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.129-145, 2011-01

After the end of the Second World War, the Soviet Union temporarily maintained the "postwar international order" which aimed to establish peaceful cooperation between the victorious powers and to prevent the defeated nations from restoring their military power. The Sino-Soviet alliance of 1945 was established to embody the order. Instead of analyzing the order, however, previous research merely claims that the Sino-Soviet alliance was unequal because the Soviet Union secured interests in some ports and railways in Northeast China in the treaty. This paper argues that Moscow defended such interests by employing the logic of the "postwar international order". To begin with, this study examines the role of national security and ideology in Soviet foreign policy. Next, the historical process in which Moscow gradually altered their policy from postwar peaceful cooperation to the Cold War strategy is studied. Lastly, this paper argues at length that the Soviets managed to secure their interests in the Sino-Soviet alliance by referring to the logic of the "postwar international order:" victorious powers (the Soviet Union and China) shall cooperatively prevent the defeated nation (Japan) from restoring their military power.
著者
大石 久 星川 康 岡田 克典 佐渡 哲 鈴木 聡 松村 輔二 近藤 丘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.768-772, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

血清(1→3)-β-D-グルカン値の測定による深在性真菌症の血清学的診断は,広く利用されているが,その測定値は真菌症以外の種々の因子による影響を受け,偽陽性を示すことがある.我々は肺リンパ脈管筋腫症の患者に対し,脳死両側肺移植術を施行した.術翌日の血清(1→3)-β-D-グルカン値は2964 pg/mlと異常高値を示した.原因を検討した結果,術中の人工心肺中のポンプ吸引使用により,ガーゼに浸み込んだ血液が体内へ送血されたことが原因である可能性が疑われた.それを踏まえ,我々は生理食塩水とガーゼを使用した(1→3)-β-D-グルカン値の実験的測定を行ったところ,ガーゼから生理食塩水への(1→3)-β-D-グルカン成分の溶出を示唆する結果を得た.ガーゼの大量使用,および人工心肺中にポンプ吸引を行った症例では血清(1→3)-β-D-グルカン値の異常高値を示す可能性があり,注意を要すると考えられた.