著者
松浦 章
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.47, pp.57-69, 2014-04

It was Chinese sailing ships that most extensively plied the waters of pre-modern East Asia, and such vessels were frequently shipwrecked on the shores of Joseon‑dynasty Korea, Tokugawa Japan, and the Ryukyu Kingdom. In many cases, the shipwrecked crews were able to converse with local rescuers only through the medium of writing, using the Chinese characters (kanji) commonly understood throughout the region. Records of many such written dialogues have been preserved in collections of historical documents from Joseon Korea and Tokugawa Japan. This paper explores the characteristic features observed in such dialogues, focusing primarily on records of written communications between the crews of shipwrecked Chinese sailing vessels and officials of Joseon Korea.
著者
松浦 克昌 永森 光晴
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.157-164, 1996-08-15
被引用文献数
2

状態ベクトル分離型カート・ポール系ファジィ制御方式にはハード方式とソフト方式がある。ハード方式はポール系状態ベクトル制御器の働きをポール全位相空間で有効とする方式である。ソフト方式はこの制御器の働きを、ポール姿勢制御効率のよい倒立領域と垂下領域に制限し、2領域外は非制御域としてポールの自然な振る舞いを取り入れる方式である。ハード方式の問題点は制御器がポール全位相空間で頑張るため、無駄なカートの走行を要することである。これに対してソフト方式は無理な状態では制御を止め、ポールの自然な振る舞いを許し、制限域で効率よくポール振り上げ、倒立安定化制御を行うためカートの無駄な走行を生じない。本論文はソフト方式の有効性を数値シミュレーションにより実証し、ソフト方式を用いたカート・ポール系ファジィ制御方式の設計知見を提供する。
著者
飯島 準一 光定 誠 小坂 至 澤谷 哲央 小川 雅子 新井 浩士 松浦 篤志 若山 達郎 石川 文隆 田中 道雄
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.515-519, 2003-03-31
被引用文献数
5

症例は74歳男性。前日朝から増強する腹痛, 腹部膨満感, 嘔吐を主訴として翌朝当院救急外来を受診した。腹部単純X線上イレウス像を呈し, CTにてdouble target sign陽性で, 中央に低吸収域を認めた。超音波検査でも同様の所見で回腸回腸型腸重積と診断した。手術所見: 回腸末端より約40cm口側に回腸重積を認め, 用手整復後に腸管内に可動性良好な有茎性ポリープ状腫瘤を触知した。回腸部分切除術を施行し術後経過は良好で術後14日に軽快退院した。腫瘤は肉眼的に長径7cmの黒色のポリープ状を呈したが, 病理組織学的所見では内翻した真性憩室で出血壊死を伴い, また憩室頂部に異所性膵組織の迷入を認めた。膵組織には腺房細胞, 導管を認めHeinrichII型と診断した。成人例における憩室壊死の報告はわれわれの検索範囲では2例とまれである。
著者
倉知 扶美 鳥山 夏美 深谷 実栗 松浦 加奈 桜木 惣吉
出版者
愛知教育大学保健環境センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-39, 2014

本研究では,月経に伴う様々な苦痛の原因として重要な疾患である月経前症候群の,身体・精神症状や気分に対するフットマッサージの効果について,性格傾向との交互作用も併せて検討した。その結果,フットマッサージは自覚症状の軽減には必ずしも有効とは言えなかったが,怒り・敵意や混乱といった負の気分の軽減には有効と考えられた。また,非社会的な人には,不安の軽減効果が,不満をため込みやすい人には,泣きそうな気分やめまいの軽減効果が見られた一方,温厚で順応性がある人では,マッサージをしない方が泣きそうな気分の軽減効果が大きいなど,性格傾向によりマッサージの効果が異なることが示唆された。
著者
松浦 弥太郎 清野 由美
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.8, pp.84-87, 2011-05-03

子供の頃から本は好きでしたが、17歳で高校を中退した時期から、ものすごくたくさん読むようになりました。学校に行っていないから、自分で勉強しなきゃいけない。ビジネス書も手当たり次第に読みました。 膨大な量のビジネス書を読んで、一つ分かったのは、「書いてあることは合理的だけど、内容はオリジナルではないな」ということ。
著者
田邉 勝巳 松浦 寿幸
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.77-97, 2006-08

本研究は,株式市場に上場している電機機械・輸送用機械産業の製造事業所データを用いて,1970年から1998年までの工場の立地選択の要因分析を行った。日本全国の事業所データと企業データを接続し,立地の空間的要素として主要な交通施設(空港,港湾,新幹線駅)までの移動時間,本社と各工場の移動時間を考慮している。工場の立地分析は既存研究でも数多く取り組まれてきたが,交通に関連する要因を考慮しつつ,全国の事業所データを用いた分析は少ない。地方自治体は,一般道路や空港,港湾といった交通インフラの整備に力を入れてきたが,その目的の1つに工場誘致による地域経済の発展がある。当研究は,こうした公共事業が企業誘致にどの程度の効果を持っていたのか,そして近年,どの様に変化したのかを明らかにする。有価証券報告書等により工場の設立年・所在地を特定化し,離散選択分析の一種であるコンディショナル・ロジットを用いて実証分析を行った。分析の結果,最寄りの空港,港湾,新幹線駅まで一定の時間内に到達できることが立地要因の1つであることが分かった。更に,本社までの移動時間が立地選択において最も重要な要因であり,高速道路の延伸は特に本社により近い地域の立地確率を高めることが明らかになった。
著者
太田 康嗣 山本 辰久 神吉 正和 松浦 龍基 辻田 圭一
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第17回全国大会
巻号頁・発行日
pp.133, 2002 (Released:2002-09-19)

Since public planning process is now heavily depending upon government officials' personal experiences and skills, sharing knowledge and information of its departments is essential to encourage efficient and logical planning.This paper is focusing on profiles and promising advantages of a bland-new package system "KGM (Knowledge Government Manager) (TM)". KGM integrates major government information systems such as planning, budgeting, staffing and documents database, and also introduces analytical techniques (i.e. operations research). Through these, it is going to support local governments to improve efficiency and to reduce time and/or cost; furthermore, KGM ultimately aims to realize democratic society.
著者
篠原 俊夫 松浦 祐太郎
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.46, no.406, pp.1065-1073, 1980

軸流タービンの内部効率向上のため,損失の大きなブレード先端部および根本部の流れについて翼列実験およびモデルタービン実験を行い,主流と損失流れとの相互関係を明らかにした.そして,翼先端および翼根本での反動度を買えた新しいフローパターンを考え,これをノズルをねじることにより実験して,従来系との比較実験を行った.その結果1%以上のタービン効率の上昇を確認した.
著者
村本 健一郎 松浦 弘毅 椎名 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.949-958, 1993-05-25
被引用文献数
24

落下中の降雪雪片の形状を解析することは,雪片の生成メカニズムを解明する上で重要である.降雪雪片の形状を定量的に解析するためには,多くの雪片像より特徴量を抽出し,それらの相関を明らかにすることが必要である.本研究では,テレビカメラを使って,落下中の降雪雪片を連続的に撮影し,この2次元映像を画像処理して雪片の輪郭線を記録した.記録された輪郭データを用いて,落下中の雪片の運動に関与する雪片の領域の特徴解析と,雪片同士の併合に関与する輪郭線の複雑さとの2通りの解析を行った.領域の特徴解析では,面積,重心,落下姿勢および正規化モーメント特徴量を求めた.一方,輪郭線の複雑さとして,円形度,凹率およびフラクタル次元を計算し,これらの関係を調べた.モーメント特徴量,円形度,凹率は,面積や撮影方向により,影響を受けるが,フラクタル次元は,ほとんど一定値をとることがわかった.
著者
松浦 靖 水谷 政美 柏田 雅徳
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.51, pp.83-86, 2006

当県の特産品であるちりめんの加工プロセスから排出される大量の煮汁には,タウリンなどの機能性成分やグルタミン酸,核酸関連化合物等の呈味成分が含まれている。特に,ちりめん煮汁中の遊離アミノ酸を分析したところ,約49%がタウリンであることが分かった。そこで,イオン交換樹脂を用いたちりめん煮汁からのタウリン回収について検討した。未処理の煮汁と電気透析装置により脱塩した煮汁を強塩基性陰イオン交換樹脂に通液することによりタウリンがそれぞれ,1.03mg/mL-resin,2.04mg/mL-resin吸着されることが分かった。
著者
武隈 洋 岩井 美和子 藤原 俊恵 川岸 亨 熊井 正貴 松浦 麻耶 馬渕 朋美 須田 範行 宮本 剛典 荻野 修 菅原 満 宮崎 勝巳
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.575-584, 2005-07-10
被引用文献数
5 6

The results of cancer chemotherapy have been improved remarkably by the development of new drugs and combining drugs in treatment. However, cancer chemotherapy protocols are complicated and the adverse effects are more severe than those of other pharmacotherapies. It was therefore felt important to create a database of protocols for the preparation and dispensing of drugs used in cancer chemotherapy. Using Microsoft Access, we have created a database from 320 protocols we have collected so far from 12 clinical departments and developed operating programs for it. The database has enabled us to search for a protocol using keywords-names of drugs, diseases and clinical departments-and most of the operations can be carried out by the click of a mouse. With our database, pharmacists are able to access protocols quickly and check prescriptions of anticancer drugs even if they are unfamiliar with computers, and we consider it to be a useful tool for this purpose.
著者
原田 直樹 松浦 賢長
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.13-22, 2010

本研究の目的は、発達障害が疑われる学習面や行動面での著しい困難を抱える不登校児童生徒の実態を明らかにし、今後の支援のあり方を検討することにある。そのため、福岡県の全ての小・中学校を対象にアンケート調査を実施し、その人数、きっかけ、どのような支援が有効であったかを分析し、課題を考察した。その結果、不登校児童生徒全体に対する学習面や行動面での著しい困難を抱える不登校児童生徒の割合は20.2%(知的発達の遅れは認められず、行動面の著しい困難もないものの学習面で著しい困難を示す児童生徒7.3%、知的発達の遅れは認められず、学習面での著しい困難もないものの行動面で著しい困難を示す児童生徒8.7%、知的発達の遅れは認められないものの学習面と行動面ともに著しい困難を示す児童生徒数4.2%)であり、通常学級の児童生徒全体を対象とした文部科学省の同様の調査を大きく上回る結果となった。不登校状況が好転したケースにおける支援の内容については、校内外の協働体制の構築が重要であることを示す結果となったが、これらの児童生徒が不登校に至ったきっかけは、社会関係の取り結びの苦手さや環境変化への弱さなど、発達障害に特徴的なものが挙げられる一方で、家庭の中での課題が最も多く挙げられており、今後の学校の不登校支援機能の向上のために、アウトリーチによる継続的な支援が求められる。これら協働体制構築の調整役と家族支援には、教師よりも専門的に関わることができるスクールソーシャルワーカーによる介入の可能性を指摘した。
著者
片寄 晴弘 福地 健太郎 寺田 努 松浦 昭洋 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-6, 2015-02-23

エンタテインメントコンピューティングや音楽情報科学の研究領域においては多数の 「楽しい」 インタラクティブシステムが制作されてきた.本企画セッションでは,福地氏 (明治大),寺田氏 (神戸大),松浦氏 (東京電機大),橋田氏 (相愛大) を話題提供者として迎え,ショーやイベントにおいて一般聴衆に感動してもらうべく楽しんでいただく (=『魅せる』) ことを目標として,インタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論を実施する.
著者
片寄 晴弘 福地 健太郎 寺田 努 松浦 昭洋 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-6, 2015-02-23

エンタテインメントコンピューティングや音楽情報科学の研究領域においては多数の 「楽しい」 インタラクティブシステムが制作されてきた.本企画セッションでは,福地氏 (明治大),寺田氏 (神戸大),松浦氏 (東京電機大),橋田氏 (相愛大) を話題提供者として迎え,ショーやイベントにおいて一般聴衆に感動してもらうべく楽しんでいただく (=『魅せる』) ことを目標として,インタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論を実施する.
著者
松浦 雅人 大久保 起延 泰羅 雅登 小島 卓也
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は日本大学医学部倫理委員会の承認を受け、対象者はすべて文書と口頭にて研究の主旨を説明し、インフォームドコンセントの得られたpaid volunteerである。視標誘導性サッケード、アンチサッケード、視標追跡眼球運動、注意喚起時の追跡眼球運動の4課題を、健常者21例、統合失調症18例、てんかん16例、てんかん性精神病9例に行い、課題遂行中の機能的MRIを撮像した。課題呈示と眼球運動のモニタリングにはVisible Eyeを用い、MRI装置は通常の1.5T臨床用装置を用い、EPI法を用いて3mm厚で全脳を撮像した。各40秒間の課題遂行と40秒間のbaselineを5回繰り返すbox-carデザインとし、画像解析にはSPM99を用いた。健常者は,サッケード課題遂行時に前頭眼野,補足眼野,頭頂眼野が賦活され,アンチサッケード課題遂行時にはさらに前頭前野,および線条体-視床の賦活が増加した.これは,要求される課題負荷量の増加に応じて脳賦活量も増大した結果で、生理的賦活増加現象と考えられる.追跡眼球運動遂行時には左側の前頭-頭頂眼野が賦活され,注意喚起時には右側前頭-頭頂眼野の賦活が増加した.統合失調症は、サッケード課題遂行時にすでに前頭前野を含む前頭葉皮質の過剰賦活がみられ、前頭葉の機能効率低下あるいは容量低下があると考えられた。また、アンチサッケード課題による線条体-視床の賦活はみられず、皮質下の機能低下が示唆された。さらにアンチサッケードで左半球皮質の賦活増加がみられず、注意喚起で右半球の賦活増加がみられず、左右半球側性化障害も示唆された。一方、てんかん群でも皮質の過剰賦活や生理的賦活欠如がみられたが,てんかん性精神病群ではこのような所見は明らかでなく,てんかん性精神病の神経回路障害は統合失調症のそれとは異なると考えられた.