著者
宮村 達男 吉田 弘 清水 博之 PHAN Van Tu 米山 徹夫 萩原 昭夫 松浦 善治 武田 直和 RADU Crainic DELPEYROUX F CRAINIC Radu
出版者
国立感染症研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

ポリオウイルスは代表的なエンテロウイルスであり、経口感染によりヒトからヒトへと伝播する。そしてヒトのみが唯一の感受性自然宿主である。糞口感染が日常的におこらないような衛生状態が恒常的に保たれれば、ポリオの伝播は次第に絶ち切られ、ポリオという疾患は消滅するはずである。一気にポリオを根絶する為には、更に強力な免疫計画とサーベイランスが必要であり、この目的をもって世界レベルの根絶計画がWHOの強力な指導のもとにスタートした。我が国の属する西太平洋地域では野生株ポリオウイルスは激減しているが、本研究は最後までウイルスが残っているベトナムをその対象領域として、野生株ポリオウイルスが弱毒性ワクチン株に置き換えられてゆく最後の過程を検証することにある。1997年、ベトナムでは1例、隣国のカンボジアでは8例の野生株が分離された。これらは現地で急性弛緩性マヒ(Acute Flaccid Paralysis:AFP)を生じた小児の糞便検体が当研究室に送付され、ウイルス分離、同定、型内鑑別が行われたものである。そしてこれらの分離株のVP-1領域の塩基配列を決定し、これまで周囲で分離されていた野生株と比較した。その結果、インドシナ半島で複数存在していた株のうちの一つのみが残っていることがわかった。北ベトナムでAFP例から分離されたウイルスは、ここ2年間、すべてワクチン由来株であったが、この1年はワクチン株の分離も減少している。一方、南ベトナムの国家ラボで得られた成績と日本のラボでの成績には、一部不一致がみられた。その問題点を解決する手段として、野本らにより樹立されたポリオウイルスのレセプターを発現しているマウス細胞株(Lα細胞)を用いた、ポリオウイルス選択的なウイルス分離が提唱され、実行されつつある。かくして、1997年3月19日のカンボジアの1例を最後として、野生株は分離されておらず、これが最後の例となるか、更なる強力な監視が必要である。
著者
斎藤 泉 千葉 丈 松浦 善治 宮村 達男
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1990

日本の慢性肝炎(120万人)の半数以上、最近の肝細胞癌全体(1万8千人/年)の半数近くがC型肝炎ウイルス(HCV)によるものと考えられている。クロ-ン化したウイルスcDNAを用いてHCV遺伝子産物の発現系・検出系を開発し、肝炎・肝癌組織中で発現するHCV遺伝子産物を検討することにより、このウイルスによる肝炎・肝癌発症機構解明の基礎を確立するのが本研究の目的である。1.HCVの構造領域cDNAを組み込んだバキュロウイルス発現ベクタ-やプラズミドベクタ-をサル由来細胞株に導入することによりHCVの構造蛋白を発現させた結果、HCVのコア蛋白とエンベロ-プ蛋白の発現と同定に成功した。コア蛋白は糖鎖のつかない22kdの蛋白で、p22と命名し、エンベロ-プ蛋白は糖鎖を持つ35kdの蛋白でgp35と命名した。また粗精製したp22蛋白を用いてHCVのコア蛋白に対する抗体(コア抗体)を検出する実用的なELISAを作製した。2.組換えバキュロウイルスにより産生されたコア蛋白などを抗原として、構造蛋白の検出に用いられるモノクロ-ン抗体を作製した。3.非B型肝癌の8例において、癌部と非癌部からRNAを抽出し、PCR法によりHCVRNAを検出した結果、少なくとも一部の非B型肝癌組織からHCVRNAが検出されることが分かった。本研究によりHCV構造蛋白の特異抗体作製への道が開かれ、患者組織におけるウイルス抗原の検出への基礎が開けたといえよう。一部の肝癌組織からHCVRNAが検出されることは、持続感染状態にあるHCVが細胞の癌化に何等かの役割を果たしている可能性を示唆するが、その証明には今後の定量的検討が必要であろう。
著者
藤原 義久 冷水 一也 源野 広和 松浦 英文 安田 昌司 飯田 健夫 牧川 方昭
出版者
社団法人日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.162-171, 2005-03-10
参考文献数
20
被引用文献数
2

This paper describes the development of a sensor incorporating an algorithm that estimates the quality of comfortableness by measuring peripheral skin temperature, pulse, and galvanic skin response (GSR) that reflect autonomic nervous system activity. A correct answer rate of 83% was obtained between the subjective comfortableness and the estimated comfortableness by the developed sensor. For the application of this human feeling sensor, we used it to estimated the comfortableness of subjects receiving massages, then developed two alternative adaptive massage control procedures based on the sensor's estimate, and verified the effectiveness of the results through testing the subjects. We observed that in course A (dynamic comfortableness) the peripheral skin temperature dropped and the GSR and pulse rate increased, while in course B (static comfortableness) the peripheral skin temperature rose and the GSR and pulse rate dropped. By the end of the control sequence, there was a statistically significant difference in the amounts of change in both the peripheral skin temperature and the GSR between the two sequences (p<0.05). To examine the effects of each course more closely, we mapped the trajectories of physiological change during the control sequences of each course at twentysecond intervals, and the results correlated closely with the subjective assessments. These results suggest that bio-control adapted to comfortableness is feasible.
著者
松浦 弘幸 小井出 一晴 野田 信雄 根本 哲也 伊藤 安海 中野 正博 福田 吉治 今井 博久
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 : BMFSA
巻号頁・発行日
no.20, pp.147-150, 2007-08-02

我々は,衛生統計データを用いて離婚率の社会的要因を重回帰分析した.従属変数は,離婚率である.説明変数は,個人家庭的要因,経済的要因,社会的要因,文化的要因,そして,要因の5つの領域で,30個の変数を用意した.個々のデータの正規分布性を確認した後,変数減少法と分散分析を行い,説明変数の絞込み最終的な重回帰式を決定した.離婚を促進する要因として,完全失業率,年間平均気温,共稼ぎ,核家族,貯金高が大きく作用し,逆に離婚を抑制する要因は,持ち家,年間雪日,学歴,所得が関与している.持ち家政策の推進と,所得の増加は,勤労青少年婦人福祉施設数,3次活動平均時間も増加よりも効果が大である.
著者
松浦 利治
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.79-83, 2007-03

We want to understand the meaning of the Napier Number e and try to make clear the meaning in the business field for example. For business administration students, we propose a financial example. The statement "lim__<n→∞>(1+1/n)^n = e" is illustrated. And some episodes of the Napier Number e - area problem, differential of exponential function, definition of e, Eider's formula and so on - are mentioned.
著者
篠原 俊夫 松浦 祐太郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.46, no.406, pp.1065-1073, 1980-06-25

軸流タービンの内部効率向上のため,損失の大きなブレード先端部および根本部の流れについて翼列実験およびモデルタービン実験を行い,主流と損失流れとの相互関係を明らかにした.そして,翼先端および翼根本での反動度を買えた新しいフローパターンを考え,これをノズルをねじることにより実験して,従来系との比較実験を行った.その結果1%以上のタービン効率の上昇を確認した.
著者
小林 哲 松浦 修平
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-6, 1996-12-20

モクズガニEriocheir japonicaの未成体期(甲幅40mm未満)における鉗脚の相対成長を,飼育条件下で明らかにした.甲幅と鉗脚長節高の関係により,雌雄とも甲幅11mm付近の変曲点により分けられる2つのPhaseの存在が示された.回帰直線には雌雄ともphase間に有意差が認められ,また第1Phaseに有意な雌雄差が無いのに対し第2Phaseでは雌雄差が認められた.さらに,より大型個体での結果を加えることで,モクズガニの全サイズにわたる鉗脚の相対成長様式を推定した.雌雄差の無い1つのPhaseのあとに,雌雄差の拡大するPhaseが,さらに雄では3つ,雌では2つのPhaseに分かれて続くことが明らかになった.
著者
石橋 勇人 山井 成良 安倍 広多 阪本 晃 松浦 敏雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.79-88, 2001-01-15
被引用文献数
14

昨今では,小型で軽量な計算機の普及とともに,自分の所有する計算機を持ち歩き,つねに自分用の環境で仕事をしたいと考える利用者が増えている.これにともなって,大学などにおける情報コンセント(ネットワーク接続用ジャック)設置への要求度はきわめて高くなっている.このような環境では,利用資格を持つものと持たないものが混在しており,さらに,利用資格にもいくつかの種類があることが一般的である.たとえば,学生と教員,事務職員では利用を許可されるサービスやアクセス範囲が異なるであろう.また,利用資格がないものによる利用やネットワーク上で使用する識別子を偽造して身元を偽った形での利用などの不正な行為は防止できなければならない.したがって,単なる利用資格の有無だけではなく,利用者ごとに許された利用範囲をも考慮したアクセス制御と不正利用防止の機構が必要となる.ところが,従来このような利用者ごとのアクセス制御と不正利用防止をともに可能とするようなシステムは存在しなかった.そこで,本論文では,これらを実現する情報コンセントのための制御方式を提案する.本方式は,利用者ごとの柔軟なアクセス制御を可能としているため,オープンな場所に設置された情報コンセントに限らず,利用者によって異なるアクセス制御が必要な環境において有効に適用可能である.我々は本方式を実装し,制御のために用いているフィルタリング機構が十分な性能を発揮できることを確認した.Personal computers are getting much smaller and lighter these days.Since many users carry their own PCs and prefer to use them wherever they go,there exists large demand of using LAN sockets.LAN sockets are often set up at public facilities like libraries,terminal rooms and so on.In such cases, some are allowed to access a network via LAN sockets but some are not.And all those who may use LAN sockets are not granted to access all of the network resources.For example, students, faculties,and officers are not equally allowed to make use of the network resources in general.Also, unauthorized access via LAN sockets including address spoofing should be eliminated.It indicates that we need an access control method regarding each user's qualification,though no systems can achieve this goal so far.We have proposed a new access control method that achieves the goal.Our method is well fit for not only LAN sockets but also networks which require user-based access control.We have implemented an experimental system and confirmed that its filtering performance is sufficient for 100\,Mbps LAN environments.
著者
小坂 俊文 金子 吉史 中田 陽子 松浦 光信 田中 茂男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.963-967, 1996-10-25
被引用文献数
3

イヌマクロファージおよび好中球介在性免疫応答に対する綿状キトサンの皮下埋没の影響について化学発光法(CL)を用いて検討を行った. 白血球数はコントロール群では術後120時間目まで有意に減少した(P<0.05). しかしながら, キトサン埋没群では白血球数,特に好中球数は24から96時間目まで増加した(p%lt;0.05). 全血におけるCL反応は, コントロール群では術後48時間目および96時間目に減少した(p<0.05)のに対し, キトサン群では埋没後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). CL法によるマクロファージ活性の測定ではコントロール群では術後24, 48, 96時間目に著しく減少した(p<0.05). 5 mg/kgキトサン群では24および48時間目では減少した(p<0.05)が, 72時間目から120時間目までは高い活性が認められた. 10 mg/kgおよび20 mg/kgキトサン群では術後のマクロファージのCL反応の低下は認められず, 20 mg/kg キトサン群では術後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). これらの結果よりキトサンは術後の免疫抑制に対する予防として有効で有用な免疫賦活物質であることが示唆された.
著者
松浦 さと子 北郷 裕美 金山 智子 小川 明子 林 怡蓉 寺田 征也 志柿 浩一郎 川島 隆 松浦 哲郎 畑仲 哲雄 畑仲 哲雄 日比野 純一 橋爪 明日香 稲垣 暁
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1992年に制度化されたコミュニティ放送局は、2016年代に入り300局を超えた。それらは、地域の地理的環境や文化的・社会的・政治的・経済的背景に適応すべく多様な運営スタイルで放送が担われている。しかし共通しているのは災害対応への期待が高いことである。特に2011年以後は「基幹放送」としてその責任が重くのしかかる。国際的なコミュニティラジオが「コミュニティの所有、運営、非営利非商業」と定義されていることに対し、日本のコミュニティ放送は、資源動員、法人形態、ジャーナリズムや番組審議会等、独自の成立条件を形成してきた。本研究では長期のフィールドワークと日本初の悉皆調査によってそれらを明らかにした。
著者
松浦 啓一
出版者
国立科学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

1.インド太平洋に出現するモンガラカワハギ科魚類には11属が含まれている.これらの仔稚魚は背鰭条数,臀鰭条数,胸鰭条数,縦列鱗数,頬部鱗列数などの計数的形質や頭部や鰓孔上部の鱗の配列状態,色彩などの組み合わせによって属レベルの分類が可能であることが明らかになった.アカモンガラカ属とソロイモンガラ属は背鰭条数が31本以上あるのに対して他の属では30本以下である.さらにアカモンガラ属とソロイモンガラ属は縦列鱗数の差によって識別できる.(2)上記2属以外の9属においては,ツバサモンガラ属は胸鰭下方に大きな突起をもつので容易に識別できる.なお,この突起は成長によって退縮し,成魚になると目だたなくなる.(3)他の8属においては眼の前方にある溝の有無,鰓孔上部の肥大鱗の有無,頬の鱗の配列状態,尾柄の形,色彩などを組み合わせることによって各属を識別できることが明らかになった.(4)他方,属内の種レベルの分類は仔魚では困難であった.2.これら外部形態及び内部形態を検討した結果,11属の系統関係について以下の結論を得た.ツバサモンガラ属は他のすべての属と姉妹群関係にある.他の10属の中では,アミモンガラ属が最初に分岐し,次にナメモンガラ属が分岐したと考えられる.さらにムラサメモンガラ属,クマドリ属がこれに続いて分岐し,残りの6属と姉妹群関係を形成する.6属の中ではソロイモンガラ属とキヘリモンガラ属が他の5属と姉妹群関係を形成する.そして,ツマジロモンガラ属とモンガラカワハギ属が分岐し,次にアカモンガラ属,そして最後にオキハギ属が分岐したと考えられる.
著者
松浦 正憲 加藤 優 犀川 陽子 乾 公正 橋本 貴美子 中田 雅也
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.50, pp.415-420, 2008-09-01

Accidental ingestion of a toadstool, Russula subnigricans causes lethal poisoning to human. In the 1950's, the first poisoning caused by this mushroom was reported. Since then there have been no reports about lethal poisoning for 50 years, which was enough to raise doubts about its existence. However, in these three years, 2005 to 2007, the poisoning accidents were continuously happened and four people died. Although chemical studies on this fungus were reported using mushrooms distributed in Miyagi prefecture, the isolated compounds, russuphelins, russupherol, and hydroxybaikiain, have no toxicity on mouse. Accordingly, we studied the isolation of the toxic constituent of R. subnigricans. One of the reasons that such a strong toxin has not been revealed until now is the incomplete classification of this mushroom, that is, there are many resemble species distributed in Japan. We collected three species in Kyoto, Miyagi, and Saitama prefectures. The aforementioned compounds were found only in the Miyagi species. All three species show toxicity on mouse by intraperitoneal injection of the water extract; however, only the Kyoto species exhibits toxicity by oral injection. Accordingly, we estimated that the Kyoto species is the genuine R. subnigricans. During the separation steps, we found that the toxicity was remarkably decreased after concentration to dryness; therefore, all manipulations were carefully performed. The water extract was successively separated through ODS column chromatography, ion exchange chromatography, and gel filtration to give an aqueous solution of the toxic compound. The toxic compound was revealed to be unstable under concentration to dryness (polymerization occurs) and volatile, which was turned out to be the cause of decrease in toxicity after evaporation. The unstable toxin was converted to a stable derivative using diphenyldiazomethane. Taking ^1H, ^<13>C NMR and MS spectral analyses of the toxic compound and its derivative into consideration, the structure of the toxic compound was determined to be cycloprop-2-ene carboxylic acid. This compound was found only in the Kyoto species.
著者
松浦 勉 一盛 真 佐藤 広美
出版者
八戸工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

十五年戦争とその敗戦に伴うアメリカの対日占領下の日本の教育学の「戦争協力」と、戦争責任についての「反省」についての態様を検討するとともに、当該期の沖縄と水俣の問題を追究した。主要には「講壇教育学」者の海後宗臣の戦争教育学の展開と、戦後に教育科学研究会の委員長になる勝田守一の教育科学の形成過程を対象化した。期せずして、3.11の原発震災は、沖縄問題と水俣病事件の、教育の視点からの考察を不可避とした。
著者
仁木 啓司 松浦 健二 後藤田 中 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.139-144, 2007-03-02
被引用文献数
2

近年,パワーポイントによるスライド教材を利用した講義が多くなってきている.しかし,スライド教材での授業を行う場合,授業中は教員から学習者への一方向的な授業になるケースも多い.また,パワーポインドを単にWebコンテンツとして学習者に対して,一方的に配布するだけでは,スライド教材の特徴を十分に生かし切れていないと思われる.そこで,本研究では授業中に用いたスライド教材を,学習者自身が自由にカスタマイズし,それを通じて学習内容だけでなく表現手法の向上も行える学習環境を提案する.
著者
芳田 眞一 紫竹 リカルド毅史 松浦 康弘 村松 剛司 岡本 俊弥 宮田 宗一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.299, pp.39-46, 1995-10-20
被引用文献数
6

筆者らは、当社従来比約15倍の処理能力を持つ映像信号処理向きデータ駆動型プロセッサを開発した。本プロセッサは、(1)複数個のプロセッサユニットを1チップに内蔵する、(2)1個のデータパケットに複数データを持たせ同時並列に処理する、(3)命令の複合度を高める、等の手法により高性能化を図っている。データ駆動型プロセッサは、パイプライン型の優れた並列処理能力に加えて、非斉一な演算処理機能を持つマルチプロセッサ構成を容易に実現できるという特徴があり、実時間映像信号処理がソフトウェアで実現可能になる。本稿では、まず本データ駆動型プロセッサの構成を述べ、その特徴を明らかにする。さらに、実測値による性能評価結果を述べた後、一つの応用例として、MUSEデコーダ動画処理システムへの適用例を示す。