著者
松浦 智佳子
出版者
科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.196-198, 2014-06
著者
松浦 啓一
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Science Museum. Series A, Zoology (ISSN:03852423)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.191-200, 1981-12

A specimen of a remarkable triggerfish (Balistidae) was found in the stomach contents of the marlinfish Makaira mazara (Istiophoridae) collected from off the Marianas Islands on July 9,1960. It is readily distinguishable from all other balistids by having great protuberances just below the pectoral fins. Since this unusual cahracter is not found in any other balistid, a dissection was made to ascertain if this specimen had any unique internal characters. Although the viscera of the specimen were completely digested by the stomach of M. mazara, the skeleton was still in good condition and shows uniqueness in the pectoral girdle, skull and the first dorsal fin. Thus, the specimen is here described as a new genus and species under the name of Xenobalistes tumidipectoris. The holotype, only known specimen, is deposited in the fish collection of the National Science Museum, Tokyo (NSMT-P).
著者
松浦 章
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.47-76, 2012-04

In the early Edo period, the Tokugawa Shogunate or Bakufu had policies on how to keep the country closed from the outside world. However, even under Shogunate’s strict control, China was open to trading mainly with Japan. A Chinese merchant ship called the “Karafune(唐船)” came to Japan’s trading hub, Nagasaki, and brought silk and silk fabrics, Chinese herbal medicines, books, and sugar, for example. In return, they brought back a variety of things from Nagasaki to China such as copper and Japanese dried seafood (sea cucumber, abalone, shark fin). In the Qing Dynasty, dried seafood was particularly liked and used for popular seafood dishes by the Chinese people at that time. Since the Genroku era (元禄時代) in Japan (康 熙 27-42, 1688-1703) the export of dried seafood products gradually increased, and they were a popular food widely eaten, in particular, in the areas of the lower reach of the Chang River. In the late Qing Dynasty these products were transferred to the inland areas in China and more seafood products were brought for the Chinese to enjoy. This article describes the changes in the amount of copper and dried seafood products exported from Nagasaki to China.
著者
松浦 昌平
出版者
広島県立総合技術研究所農業技術センター
雑誌
広島県立総合技術研究所農業技術センター研究報告 = Bulletin of the Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Agricultural Technology Research Center (ISSN:1882420X)
巻号頁・発行日
no.85, pp.1-70, 2009-09 (Released:2011-07-19)

TSWVおよびCSVdの特異的プライマーを設計し、キク発病葉から全RNAを抽出し、マルチプレックスRT-PCR法を行ったところ、RNAの単独、混合ともに予想される分子量の増幅DNAが認められた。両病原に重複感染したキク粗汁液を鋳型にワンステップ・マルチプレックスRT-PCR法を行った結果、TSWVは10(-8)、CSVdは10(-5)希釈まで検出できた。以上から、キクのTSWVとCSVdを同時に高感度検出することが可能であり、親株の簡易な診断手法として利用できると考えられた。TSWVのLAMPプライマーを設計し、キクを含む各作物から全RNA抽出後、RT-LAMP反応を行った。その結果、キク、トマトおよびピーマンから増幅産物が得られた。LAMP法とDAS-ELISA法の検出感度を比較したところ、LAMP法が約25倍高かった。以上から、RT-LAMP法を利用した、キクを含む数種農作物のTSWV診断が可能と考えられた。2006年、広島県の施設キクで、茎えそ、葉の退緑などの症状が発生し、経済的被害を生じた。罹病株をトスポウイルスのユニバーサルプライマーを用いてRT-PCR法を行った結果、増幅断片が得られた。この断片の塩基配列を解析したところ、Chrysanthemum stem necrosis virus(CSNV)と高い相同性を示した。本病原ウイルスをCSNVと同定し、「キク茎えそ病」と命名した。また、本ウイルスを特異的に検出するプライマーを設計し、RT-PCR法による特異的診断が可能となった。TSWV感染キク親株におけるウイルス局在性および親株から挿し穂への伝染率を調査した。TSWVは、感染親株から採穂した挿し穂内で局在し、その検出頻度は下位茎葉で高く、頂芽で低かった。感染親株から採穂した挿し穂でのウイルス検出率は、約20〜50%で、感染親株の根においては、検出率は50%以上であった。以上から、感染キク親株から挿し穂へのTSWV伝染率は比較的高く、主要な第一次伝染源であると考えられた。露地ギク栽培におけるTSWVの被害発生要因を調査した。その結果、親株が潜在感染し、本圃でミカンキイロアザミウマが多発した場合、着蕾期までにキクえそ病が大発生することを明らかにした。一方、親株が感染しても、本圃で媒介虫の発生が少ない場合、キクえそ病は顕在化しにくいことが判明した。以上から、親株の潜在感染を第一次伝染源とし、本圃で媒介虫の多発による二次感染の結果、キクえそ病が大発生することがわかった。トラップ植物によるキクえそ病の防除効果を検討した。施設においてバーベナをキクに対して約7〜25%の割合でキクと混植した。その結果、バーベナにミカンキイロアザミウマが誘引されることで、媒介虫の発生が着蕾期まで低密度で推移し、TSWVの発生が抑制された。以上から、トラップ植物バーベナの栽植が、キクのTSWV発生を抑制し、総合防除の一手段として利用できる可能性が示唆された。
著者
竹末 芳生 横山 隆 児玉 節 山東 敬弘 村上 義昭 宮本 勝也 津村 裕昭 立本 直邦 松浦 雄一郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1921-1925, 1994-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

過去5年間において当科で経験した術後MRSA腸炎24例を対象とし,発症時期によりMRSAを分類し,その病態,発症機序につき検討した.術後6日以内の早期発症は16例, 7日以降の晩期発症は8例認められた.早期発症例は中等,重症例が75.0%を占め,また末梢血中白血球減少例が62.5%であり,晩期発症例の25.0%, 12.5%と比較し高率であった.これは早期発症例では術後腸管運動が回復しておらず, MRSAが産生した毒素が腸管内にとどまり血中に吸収されたためと考えた.晩期発症例の特徴は長期絶食(11.8±3.1日),抗生剤長期投与(13,9±8.2日)であった.これらは常在細菌叢の変化を生じ, MRSAへの菌交代現象をおこし易いが,腸管運動が正常のため毒素血症は稀であり,軽症例が多くを占めたと推察した.晩期発症例は内科領域で経験されるMRSA腸炎と類似の発症機序が考えられ,早期発症例が術後腸炎の特徴を有していると考えた.
著者
松浦 弘幸 中野 正博 野田 信雄 小井手 一晴 伊藤 安海 根本 哲也
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.27-33, 2007-07-31

我々は,光線力学療法に使用される電磁波の照射エネルギーと温度との関係を表す基本式を提案した.電磁波療法は,電磁波の熱的側面が利用されたものであり,治療計画の立案には,理論的な裏づけが重要である.我々の計算によれば,比熱0.3cal/g.Kの標的組織に100mW/cm^2の低出力パルスレーザーを1秒間照射した場合,局所的な温度上昇は,0.67K程度に達すると予測される.この1秒間で熱が拡散する深さは,0.1cmと見積もられる.また,熱平衡時では,筋肉の温度上昇度合いは高々2.4Kであり,体温が37度であることを考慮すれば,低出力レーザーや電磁波は,温熱療法に利用できる可能性がある.一般には標的組織の厚さが有限であるために,標的組織の背後からの熱反射を考慮する必要があり,温度上昇は本論文の見積もり値よりも大きくなる.これらの点を改良するには,反射率,吸収係数,熱伝導率などの物性値に温度依存性を知る必要がある.
著者
井上 哲生 内田 正興 松浦 鎮 佐竹 文介 西尾 正道 富樫 孝一 夜久 有滋 竹生田 勝次 小野 勇 海老原 敏 谷川 譲 武宮 三三 佃 守 河辺 義孝 松浦 秀博 佐藤 武男 吉野 邦俊 溝尻 源太郎 中田 将風 小池 聰之 中島 格 仁井谷 久暢
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.1026-1033, 1993-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
5

全国のがん専門施設16施設の共同研究として頭頸部癌98例に対しCDDP+PEP+ MTX (PPM法), CDDP+PEP+5FU (PPF法) の無作為比較試験を行い以下の結果を得た.1. PPM法は44例中, CR3例, PR18例で奏効率48%, PPF法は54例中, CR2 例, PR25例で, 奏効率は50%であつた.2. 病期別治療効果では, III期においてPPM法で90%, PPF法で63%の奏効率が得られPPM法で高い効果が認められた.3. 初回再発別治療効果は, 初回治療例でPPM法54%, PPF法56%と高い奏効率を示したが, 再発治療例においては, それぞれ40%, 33%と低下した.4. 副作用は, PPM法で白血球数が2000未満となつた症例が30%に認められたが, その他, 重篤な副作用は認められなかつた.
著者
松浦 和則
出版者
鳥取大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々は、トマトブッシースタントウィルスの内部骨格モチーフであるbeta-Annulus構造を形成する24残基ペプチド が、水中で30-50 nmのナノカプセル(人工ウイルスキャプシド)を形成することを明らかにした本研究課題では、このウイルス由来ペプチドからなるナノカプセルの内部や表面を、タンパク質や無機材料などで「着せ替えた」融合材料を創製することを目指した。まず、金ナノ粒子で着せ替えた人工ウイルスキャプシドを構築するために、29残基のペプチドINHVGGTGGAIMAPVAVTRQLVGSGGGCGを合成し、これに金ナノ粒子(5 nm)結合させ、金ナノ粒子-beta-Annulusペプチドコンジュゲートとした。臨界会合濃度以上の濃度となるように水中に再分散させ、未集合の金ナノ粒子を透析で除くことにより、金ナノ粒子で着せ替えた人工ウイルスキャプシドを構築した。その結果、人工ウイルスキャプシドと同様の約50 nmに金ナノ粒子が30-60個程度集合した構造がTEMで観察された。次に、より毒性の少ないナノカプセルの構築を目指して昨年度構築したヒト血清アルブミン(HSA)で着せ替えた人工ウイルスキャプシドの細胞内導入を検討した。、FITC標識したHSA-beta-Annulusペプチドコンジュゲートを調製し、HT1080細胞への導入を検討したところ、細胞内に十分量のFITCの蛍光が観察され、細胞核近傍のゴルジ体に局在していることが示唆された。またWST-assayにより、このConjugateはHT1080細胞に対して毒性が無いことが示された。
著者
定平 誠 斎藤 忍 松浦 克樹
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-16, 2012-03

埼玉県には他県に引けを取らない魅力あるコンテンツ(歴史遺産、文化、工芸、自然など)が数多く点在する。しかし、これらのコンテンツの魅力を十分に情報発信しきれていないため、埼玉県の全国的な認知度は低いという現状がある。そこで、本研究は埼玉県の魅力あるコンテンツの認知度を高めるべく、コンテンツの演出効果の向上をめざした新たなネットワーク連動型のプラットフォームとなるウェブサイトを構築する。このサイト上で紹介されるコンテンツ情報はYouTubeを始め、Twitter、Facebook、Google+などのソーシャルメディアとの連携を図り、バズマーケッティングへと発展させる。そして、これらの結果を踏まえ、埼玉県のコンテンツの発信能力をいかに強化していけるか、埼玉県のブランド創出につなげていけるか、また、地域能力の向上に貢献することができるかについて考究する。
著者
松浦 勉
出版者
八戸工業大学
雑誌
八戸工業大学紀要 (ISSN:02871866)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.159-166, 2012-03-31
著者
屋良 朝彦 金光 秀和 本田 康二郎 増渕 隆史 松本 大理 大北 全俊 藏田 伸雄 松浦 正浩
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は合意形成やコンフリクト・レゾリューションといった意思決定の方法論を応用倫理学の幾つかの領域(医療倫理、看護倫理、科学技術倫理、技術者倫理、ビジネスエシックス、コミュニケーション論)に適用し、その適用可能性を検証することである。具体的には、年に2回、3年間で6回の研究会を開き、上記各領域の専門家である研究分担者に研究成果を発表させ、上記課題の達成状況について討論した。研究成果を本年度中に「研究報告書 合意形成研究会の活動記録」(仮題)として発行する予定である。
著者
山本 さつき 鈴木 馨 松浦 友紀子 伊吾田 宏正 日野 貴文 高橋 裕史 東谷 宗光 池田 敬 吉田 剛司 鈴木 正嗣 梶 光一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.321-329, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
35

銃器捕殺の勢子による追い込み狙撃法(n=4),大型囲いワナ(銃)(n=6),出会いがしらに狙撃するストーキング(n=9),シャープシューティング(n=14),および麻酔薬を用いた不動化捕獲の移動式囲いワナのアルパインキャプチャー(n=14),大型囲いワナ(麻)(n=8),待ち伏せ狙撃するフリーレンジ(n=10)を用いてニホンジカ(Cervus nippon)を捕獲した.肉体的ストレスの指標として測定したクレアチンキナーゼは,追い込み狙撃法(2,057±1,178 IU/L)がシャープシューティング以外の全ての捕獲方法より,また交感神経興奮の影響を反映するアドレナリン,ノルアドレナリンは,追い込み狙撃法(アドレナリン:16.500±4.655 ng/ml,ノルアドレナリン:20.375±8.097 ng/ml)が他の全ての捕獲方法より有意に高かった(P<0.05).精神的ストレスの指標として測定したコルチゾルは,囲いワナ(アルパインキャプチャー:2.63±1.90 mg/dl),大型囲いワナ(銃:1.38±0.50 mg/dl)および大型囲いワナ(麻:3.10±1.79 mg/dl)が他の捕獲方法より高い傾向が見られたが,これらは全てGaspar-Lópezほか(2010)により報告されたアカシカ(Cervus elaphus)の正常変動範囲内(1.30~6.49 mg/dl)であった.以上の結果から,追い込み狙撃法は身体的負荷が大きいこと,囲いワナは他の方法に比較して著しいストレス反応を伴う捕獲方法ではないことが明らかになった.よって,大量捕獲が可能な囲いワナで生息密度を低下させることは,アニマルウェルフェアに配慮した適切な個体数管理の手法になりうると考えられた.
著者
見上 彪 松浦 善治 川喜田 正夫 児玉 洋 喜田 宏 永井 美之 小沼 操
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究はニュ-カッスル病ウイルス(NDV)の生態と病原性を総合的に解明することを目的とする。そこで病原性に深く関るNDVのヘモアグルチニンーノイラミニダ-ゼ蛋白(HN)ならびに膜融合蛋白(F)をコ-ドする遺伝子をリコンビナントワクチニアウイルス(rVV),リコビナント鶏痘ウイルス(rFPV)あるいはバキュロウイルス(BV)に捜入し,発現HNあるいはFの生物性状、免疫原性などの検討し,以下の成績を得た。1)。NDVのHNを発現するrVVを作出し,NDV感染防御におけるHNの役割を検討した。8×10^6PFUの生rVVを接種した鶏は,すべて強毒NDVによる致死的に耐過した。一方同量の不活化rVVを接種した鶏は,同様の攻撃により死亡した。攻撃耐過鶏はHNに対する抗体産生が攻撃前あるいは攻撃前あるいは攻撃後に認められたのに対して,非耐過鶏では認められなかった。2)。FPVのチミジンキナ-ゼ遺伝子内にVV由来のプロモ-タ-P.7.5制御下にNDVのHNを発現するrFPVを作出した。このrFPVはNDVのHNに特異的なウイルス中和活性のある単クロ-ン性抗体と反応し,SDSーPAGE上でNDV HNとほぼ同じ移動度を示すHNを産生した。3)。NDV宮寺株のHNをコ-ドする _cDNAを組みこんだBVは感染細胞表面にHNを発現した。このrHNはSDSーPAGE上でNDV感染細胞で発現するHNと同じ移動度を示し,ツニカマイシ処理により,そのアミノ酸配列から予想される分子量とほぼ同じ大きさとなった。4)。NDV F蛋白の全長あるいはC端のアンカ-部位を除いた遺伝子を組み込んだ。これらのうち強毒株由来の全長の遺伝子を発現したもののみ下蛋白の前駆体がF_1F_2サブユニットに解裂し,これらはジスルフィド結合でヘテロダイマ-を形成していた。
著者
永森 静志 松浦 善治 宮村 達男 松浦 知和 蓮村 哲
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

まずはじめに、人工肝感染実験に用いる感染性クローンの構築のため、ヒトに輸血後肝炎を発症させ、しかもチンパンジーに対する感染価も高い、一人のC型肝炎患者血清より完全長のcDNA(NIHJ1)を作製した。このNIHJ1のバキュロウイルス発現系を用いてHCV全長の遺伝子を昆虫細胞で発現させたところ、蛍光抗体法や免疫沈降法で全てのHCV蛋白の発現が認められ、前駆体蛋白のプロセッシングも完全に行われていることが確認できた。次に人工肝感染実験に用いるのに適した細胞を調べる目的で以下の実験を行った。AdexCAT7を各種細胞に感染させイムノブロット法とポリメラーゼ活性を指標にしてT7ポリメラーゼの発現を確認した。調べたほとんどの細胞で、EMCVのIRESを持つpT7EMCLucが最も高い活性を示したが、唯一,FLC4細胞のみでHCVのIRESを持ったpT7HCVLucが最も高い活性を示した。このように、EMCVに比べ効率の低いHCVのIRESを持ったpT7HCVLucの活性がFLC4細胞のみで高い価を示したことは、FLC4細胞には、HCVのミニジーンRNAを特異的に安定化させ翻訳効率を上昇させる何らかの宿主因子が存在することが示唆された。単層培養での慢性C型肝炎患者血清を用いた感染実験の結果もFLC4のみHCVRNAの検出が持続したことからも考え会わせ、このFLC4細胞を人工肝の感染実験に用いることに決定した。そして高密度培養用のバイオリアクターを用いて6O日以上にわたり、安定的に細胞培養が可能であることが示されただけでなく、低温培養により細胞の増殖速度をコントロールすることに成功した。そこでこの人工肝にまず前述のC型肝炎患者血清を感染材料として用い、人工肝から流出する培養液をサンプリングしてHCVRNAをRT-PCRで検出したところ、感染開始後1-2日まではHCVRNAは陽性であったものの、それ以降陰性であった。残念ながら培養液からは感染の確証は得られなかった。現在、我々が作製した全長のクローンおよびUSAより供与されたチンパンジーに感染を成立させた感染性クローンを用いた感染実験を継続中である。