著者
小林 宏光 津幡 美江 大泉 直子 表 絵美 林 悠佳 森下 道子 中田 弘子 川島 和代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_131-1_136, 2009-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
15

橈骨動脈の触診によって得られた脈拍数の正確さについて検討した。脈拍数の測定時間は10, 15, 30 および 60秒間であった。被験者は看護学専攻の学部学生25名と臨床経験3年以上の看護師22名,計47名であった。各測定時間における脈拍数は重複する60秒間に測定された心電図より得た心拍数と比較され,その差を測定誤差とした。学生群では,どの測定時間でも実際よりも少なめに脈を数える傾向がみられた。看護師群ではこのような誤差の偏りはみられなかった。各測定時間での測定誤差の平均は,学生群で4.26(10秒), 2.46(15秒), 1.36(30秒), 1.42(60秒)であった。看護師群では2.86(10秒),2.44(15秒),0.97(30秒),0.82(60秒)であった。全体的に看護師群の方が学生群よりも誤差が小さい傾向がみられたが,両群の差は統計的有意とはならなかった。どちらの群でも30秒測定と60秒測定の間には有意差はなく,この結果から30秒測定の有効性が示唆された。
著者
小林 哲也
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.22, no.Suppl, pp.suppl_9-suppl_12, 2019-06-30 (Released:2019-07-24)
参考文献数
5
著者
小林 亜希子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究ではダウン症(21トリソミー)で神経細胞数の増加を抑えている遺伝子を特定し、その機能を妨げることで神経細胞を正常に増やすことができる化合物アルジャーノンを発見しました。また、ダウン症のモデルマウスがまだ胎仔の時期に母マウスを通してアルジャーノンを投与したところ、大脳皮質の異常や学習行動の低下といった症状が改善されました。
著者
小林 亜希子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

脳において神経細胞を支えるアストロサイトは、神経細胞の栄養や不要物の排除など、正常な脳機能に重要な役割を果たしている。脳・脊髄損傷などの障害に反応してアストロサイトは活性化し、炎症性細胞の浸潤抑制など神経保護的役割を果たす一方、軸索再生抑制や神経細胞死の誘導など障害的形質を獲得するという多様性を示す。特に「障害性活性化アストロサイト」は、アルツハイマー病などの神経変性疾患に存在することが報告され、神経炎症による神経脱落の主要因であることが示唆されつつある。本申請研究では、活性化環境条件により二面的な性質を示すアストロサイトがどのようにしてその形質を決定するのか、形質運命決定の分子機構を探る。
著者
三浦 翔平 西村 麻美 小林 範久
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.38-39, 2006

We studied organic electrochromic materials, which showed vivid color change to cyan, magenta or yellow upon electrochemical stimulation, from a view point of a new class of color electronic paper. Coloring and bleaching could be repeated without any decay over 500 cycles. Further, flexible electrochromic cell with gel polymer electrolyte has also been demonstrated.
著者
藤野 直樹 小林 哲夫
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.195-211, 1997-06-30 (Released:2017-03-20)
参考文献数
26
被引用文献数
3

Kaimondake Volcano, situated in the Ibusuki Volcanic Region of southern Kyushu, is an undissected volcano which consists of a basal stratovolcano and a small central volcano. We established the eruptive history of this volcano by tephrochronology. Kaimondake Volcano started its eruption ca. 4 ka, and the latest eruption occurred in A. D. 885 (ca. 1.1ka). For about 2,900 years during this period, the volcano had been active, and 12 major eruption deposits (Km 1-Km 12) were recognized. The repose periods between these eruptions were estimated to range from 100 to 400 years. The mode of eruption of this volcano was mainly scoriaceous sub-plinian type, and was frequently associated with phreatomagmatic eruptions because the volcano originated from the shallow sea or near-shore environment. Lava flows were often associated with the scoria eruptions. Submarine lava flows which flowed southeastward are topographically divided into three; among them the lowest one is the most voluminous and is thought to have flowed out in the early stage, probably before Km6 eruption period. Among the 12 major eruption deposits, Km1, Km9 (ca. 2 ka), Km11 (ca. 1.5 ka), and Km12 (ca. 1.1 ka) were voluminous, and largely contributed to the formation of the volcanic edifice. During the latest eruption (Km 12), a central volcano was formed in the summit crater. This central volcano is not a simple lava dome, but a mound of complex volcanic materials with a composite structure. It consists of a basal scoria cone associated with fluid lava flows, which is later capped by viscous lava dome, and then subsequently penetrated by volcanic plug around the summit. The summit crater, which is named Hachikubo, had been thought to be a collapse crater, but it was geologically proved to be a large explosion crater which was successively enlarged during the eruption of Km12a. The total amount of volcanic products was calculated to be 3.1 km3 and 2.3 km3 for tephra and lava flows, respectively. Although there are no systematic relations between eruption volumes and the preceding repose period, the eruption materials containing tephra were more voluminous in the later stage than in the early stage, while those of lava flows were exceptionally large in the early stage of volcanic history.
著者
菊池 里奈 藤井 克幸 上林 悠人 塚畑 宏大 佐藤 愛実 早瀬 彩乃 小宮山 典寛
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.29-35, 2020 (Released:2020-11-02)
参考文献数
14

ネコの尿管閉塞に対する療として、SUB(Subcutaneous ureteral bypass)はスタンダードな治療手段であるが、その多くがX線透視下で実施されている。我々はSUBの設置を、超音波ガイド下および術中単純X線撮影(非透視下)で行っており、今回はその13症例の治療成績、合併症、予後について検討した。その結果、超音波ガイド下におけるSUB設置においても腎数値は従来の報告と同様に改善し、臨床症状も改善した。合併症に関しては、今回の検討では従来の報告に比較すると、術後感染率がやや高かったが、長期的な予後は良好であり、超音波ガイド下でのSUB設置はネコの尿管閉塞に対する有効な一手段と考えられた。また、SUBのカテーテル閉塞防止に関する検討として、食餌内容変化と尿比重の関連を検討したが、症例数が少なく今回は明らかな結果は得られず、更なる検討が必要と考えられた。
著者
稲垣 毅 溝口 知広 小林 義和 白井 健二
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2011年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.407-408, 2011 (Released:2011-09-01)

ロボットの現在位置を操作者が認識可能なナビゲーションシステムを開発するため、その第一段階としてオドメトリを用いた位置計測を提案し、試した。従来の自己位置推定計測法は、ロボットの車輪の滑りや環境の変化により誤差が累積する。そのため、各種センサを使用し自己位置を比較することにより、現在の位置を計測することとした。位置の計測精度を向上させるため、加速度センサを使用し、位置計測の精度を検証した。
著者
林 紘一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.147-152, 2003
被引用文献数
2

本の出版から始まった著作権制度は新しいメディアである映画やテレビコピー機やコンピュータ・システムの誕生に合わせて適用領域を拡大して数世紀を経た今日もなお生き続けているしかし90年代に入ってからのインターネットの急速な進展は長い歴史を持つ制度を根本から揺さぶっているこのような難局に対処するには2つの対立する方法がある1つは現在の制度を前提にその弱点を補い補強すること他の1つは「ゆらぎ」を所与のものとしてそれをも取り込んでしまう柔構造に制度を変えていくことである以下に述べるのは後者の方法論により「創造的破壊」という作業を通じてデジタル時代にふさわしい柔らかな著作権制度を創出しようというv考実験である。
著者
若林 玲奈 宮腰 尚久 土江 博幸 永澤 博幸 島田 洋一
出版者
東日本整形災害外科学会
雑誌
東日本整形災害外科学会雑誌 (ISSN:13427784)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.483-486, 2019 (Released:2020-01-29)
参考文献数
14

BCG接種後の副反応に関してはさまざまな報告がある.今回BCG接種後に右肋骨骨髄炎を生じた症例を報告する.症例は1歳9ヵ月,男児.生後5ヵ月でBCGを接種し,1歳8ヵ月で右前胸部の腫瘤を触知した.切開生検による病理組織学的検査にて,乾酪壊死と多核巨細胞の出現を伴う類上皮細胞肉芽腫を認め,BCG接種後骨髄炎と診断した.イソニアジドとリファンピシンを内服することにより治癒している.
著者
三谷 祐史 細江 浩典 安井 敬三 林 優子 小坂 香織 古野 泰大 犬塚 加菜 河合 潤也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに】リハビリテーション(以下リハ)病院入院時のFIMにおいて軽症群の自宅退院率が高いことは言われているが,軽症にも関わらずリハ病院から自宅退院できなかった症例について検討した報告は渉猟したがなかった。【目的】当院の脳卒中地域連携パス(以下連携パス)を調査し,軽症にも関わらずリハ病院から自宅退院できなかった要因について検討すること。【対象及び方法】対象は2011年4月から2015年3月に当院から,連携パスを用いてリハ転院し,リハ病院から連携パスを回収でき,かつ記載不備のなかった1189名のうち,リハ病院入院時FIM91以上の399例とした。それをFIM別に91-100(以下91群)101-110(以下101群),111-120(以下111群),121-126(以下121群)の4層に分け,さらにリハ病院からの転帰で自宅退院群(以下退院群)と非退院群に分け,それぞれの特徴を回収された連携パスを基に調査した。調査項目は,年齢,当院ならびにリハ病院の在院日数,リハ病院退院時FIM(以下退院時FIM),FIM利得,FIM効率とした。検定には分散分析を行い,多重比較にはTukey法を用いた。有意水準は5%未満とした。【結果】退院群/非退院群は343/56例で,それぞれ91群95/24,101群100/22,111群107/6,121群41/4であった。各項目の平均値は,91群,101群,111群,121群の順に,年齢(歳)が72.0/67.6,73.4/63.9,64.4/67.7,60.8/62.0。当院在院日数(日)が28.2/27.7,27.4/32.6,25.4/24.3,25.7/29.3。リハ病院在院日数(日)が64.8/67.9,52.9/62.4,48.9/55.8,38.3/61。退院時FIM(点)が110.2/107.6,116.2/113.9,121.3/119.5,123.6/124.5。FIM利得(点)が154/12.3,10.5/8.6,6.1/4.2,0.2/2.3。FIM効率(点)が0.27/0.19,0.22/0.19,0.14/0.11,0.03/0.04であった。同じ層内での退院群-非退院群間には全ての項目で有意差は見られなかった。退院群内では,当院在院日数に有意差は見られなかったが,91群121群間でそれ以外の全項目で有意差が見られ,91群111群間では年齢,当院在院日数以外の項目に有意差が見られた。その他,各群間で有意差が散見された。【考察】軽症患者の機能的転帰や予後については,概ねリハ病院入院FIMに準ずることが示唆された。軽症でも非自宅退院となった具体理由を見てみると,再発及び他院での治療を要する他疾患合併によるバリアンス例が全群で13例あった。それ以外では,91群,101群において,入院期間が60日上限の施設へと転出され,60日後に転院となった例が半数近くを占めていた。これらの症例は運動失調や失語症が残存する例,若年で職業復帰を目指す症例などが散見された。その他では,同居者なしや生保にて施設入所となった例,精神症状により転院となった例などが見られたが大きな傾向はつかめなかった。【結論】同程度のFIMであっても,合併症や症状,家庭環境などによって治療が長期化する傾向が見られ,転院先を考慮する必要があると考えられた。
著者
小林 茂文
出版者
三田史学会
雑誌
史學 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.181-220, 2008-12

論文はじめに一 天とミヤコ 1 日本における天命思想 2 権力を表象する「宮」二 人麻呂の宮認識 : 地上の神の宮三 藤原京の造宮思想 1 造宮の事情・形態 2 造宮思想の変遷 3 藤原京の位相四 儀礼とミヤコ 1 踏歌と天皇制 2 北辰祭と天皇制おわりに
著者
中林 隆之
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.194, pp.147-169, 2015-03-31

正倉院文書には、天平二十年(七四八)六月十日の日付を有した、全文一筆の更可請章疏等目録と名付けられた典籍目録(帳簿)が残存する。この目録には仏典(論・章疏類)と漢籍(外典)合わせて一七二部の典籍が収録されている。小稿では、本目録の作成過程および記載内容の基礎的な検討を行い、それを前提に八世紀半ばの古代国家による思想・学術編成策の一端を解明した。本目録には、八世紀前半に新羅で留学した審詳所蔵の典籍の一部が掲載されていた。審詳の死後は、彼の所蔵典籍は、弟子で生成期の花厳宗の一員でもあった平摂が管理した。本目録は、僧綱による全容の捕捉・検定を前提として、内裏が審詳の所蔵典籍の貸し出しを平摂の房に求めた原目録をもとに、それを平摂房で忠実に書写し、写経所に渡したものであった。審詳の所蔵典籍には、彼が新羅で入手したものが多かった。仏典は、元暁など新羅人撰述の章疏類が一定の比重をしめた。それらの仏典は、写経所での常疏の書写に先だって長期にわたり内裏に貸し出されていた。内裏に貸し出された中で、とくに華厳系の章疏類は、南都六宗の筆頭たる花厳宗が担当する講読章疏の選定と布施額の調整などに活用された。漢籍も、最新の唐の書籍や南北朝期以来の古本、さらに兵書までをも含むなど、激動の東アジア情勢を反映した多様な内容であったが、これらも内裏に貸し出され、国家による諸学術の拡充政策などに活用されたとみられる。八世紀半ばの日本古代王権は、『華厳経』を頂点とする仏教を主軸においた諸思想・学術の国家的な編成・整備政策を推進したが、その際、唐からの直接的な知的資源の確保の困難性という所与の国際的条件のもと、本目録にみられたものを含む、新羅との交流を通して入手した典籍群が一定の重要な役割を担ったのである。
著者
田村 幸雄 松井 正宏 吉田 昭仁 小林 文明
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本の原子力発電施設やLNGタンクなどは全て海岸線に沿って建設されており,米国中部の竜巻常襲地域の竜巻発生確率などと較べても,これら我が国の高危険度施設の竜巻遭遇確率は遥に高い。本研究では,従来から設計では採り上げられていなかった竜巻等のシビア・ローカルストームの,原子力発電施設,大規模液化天然ガス貯蔵施設,使用済核燃料再処理施設,有害産業廃棄物処理施設など,被害が発生した際に周辺地域,住民に甚大な悪影響を与える重要施設に対する影響と対策,設計・施工に対するガイドラインを検討した。
著者
大村 智 供田 洋 乙黒 一彦 山田 陽城 宇井 英明 清原 寛章 塩見 和朗 林 正彦
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

我々は天然物由来の新規な構造の抗マラリア剤を発見するために探索研究を行った。4年間の研究期間で、天然物素材等12,832検体を北里研究所のスクリーニングセンターに提供し、in vitroでの抗マラリア活性の評価を行った。その結果、選択毒性の高い抗マラリア活性を有する天然物素材として18種を活性物質取得候補とした。微生物素材からの探索の過程で、放線菌K99-0413株、KP-4050株、K99-5147株、KP-4093株(後に、高生産株OM-0060株を選択)及び糸状菌FKI-0266株の生産する抗マラリア活性物質は各々既知抗生物質のX-206、K-41、polyketomycin、borrelidin及びleucinostatin Aであると同定された。また、抗生物質ライブラリーからは、既に当研究所で発見されたtakaokamycin (hormaomycinと同定)及びoctacyclomycinに抗マラリア活性があることが分かった。さらに、X-206、K-41及びborrelidinはin vivoで既存の抗マラリア剤(artemether, artesunate及びchloroquine)よりも優れた効果を示した。特に、K-41及びborrelidinは新規な骨格の抗マラリア剤としてのリード化合物の可能性があり、今後開発に向けて詳細を検討する必要がある。植物素材からの探索の過程では、ジンチョウゲ科植物根部に含まれる抗マラリア活性物質2種を精製し、既知のbiflavonoid誘導体のsikokianin B及びCあることを同定した。上記の化合物類の抗マラリア活性は新知見である。また、新たにな素材としての海洋生物素材、天然物由来の活性物質誘導体については、現在抗マラリア活性の評価中である。他の選択菌株及び和漢生薬からの抗マラリア活性物質についても現在検討中である。