著者
長谷川 琢哉 西川 公一郎 小林 隆 丸山 和純 石井 孝信 中平 武 坂下 健 荻津 透 木村 誠宏
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

物質優勢宇宙創成の謎に迫るべく必須の液体アルゴン三次元飛跡検出装置について、試作機を構築し特性を把握した。今回の性能評価により、同測定装置は、T2K前置ニュートリノ測定装置に必要とされる能力を有することが結論付けられた。20ktから70ktの液体アルゴン三次元飛跡検出装置を、ニュートリノ源から2300kmの超長基線長かつ大深度地下(3000m水密度相当以上)に設置して研究を行えば、ニュートリノ質量階層性、レプトンのCP対称性の研究に関して、他の計画の追随を許さないものとなることが示された。又、大深度地下に測定装置を設置することが、陽子崩壊探索の感度向上に重要であるということが確認された。
著者
平森 智幸 伊藤 元剛 吉川 正雄 廣瀬 明夫 小林 紘二郎
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.503-508, 2003-09-01
被引用文献数
5 6

本研究では,無電解Ni-Pめっき上にさまざまな厚さのAuめっきを施した基板にBGA対応のSn-AgはんだボールおよびSn-Ag-Cuはんだボールを接合し,リフロー後および高温放置後における界面構造の観察および接合強度の測定を行った。Sn-Ag-Cuはんだの場合,Auめっき厚が250nmと500nmの試料では界面にPリッチ層が形成されたが,Auめっき厚の薄い試料では形成されなかった。一方,Sn-Agはんだの場合,Auめっき厚によらず界面にPリッチ層が形成されていた。どちらのはんだにおいてもAuめっき厚の厚い試料では強度試験において界面で破断が生じたので,Pリッチ層の形成は界面強度の低下につながると考えられる。Sn-Ag-Cuはんだでは50nmのAuめっき厚さが最適であった。
著者
林田 敏子
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

女性参政権獲得後、フェミニズム運動が分裂の危機におちいるなか、ファシズムに惹かれていったメアリ・アレンは、ファシスト組織British Union of Fascistsに入党したあとも、フェミニストとしての自己意識を失わなかった。彼女のような「フェミニスト・ファシスト」は、こうした特殊な状況下でこそ成立しうる概念であり、フェミニズム運動とファシズム運動の「共闘」は、戦間期イギリス社会のもっとも大きな特徴を表しているといえる。
著者
小林 隆人 稲泉 三丸
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.20-30, 2003-01-10

オオムラサキの幼虫の越冬期の死亡率とその要因を明らかにする試みの一つとして,栃木県真岡市において1999年11月下旬から2000年3月末にかけて以下の実験を行った.幼虫が越冬している林床の枯葉に,天敵の捕食活動を防止するための1mm,5mm,40mmメッシュのネットを地表に被せた区,風などの物理的要因による枯葉の移動を防ぐために枯葉に重りをつけた区,および無処理区を設けた.いずれの区においても死亡個体数は11月下旬から12月末までは少なかったが,越年後の1-2月には増加した.調査終了時のこれら5つの試験区での幼虫の生存率は64-70%で,全ての調査日において試験区間の生存率の差は有意でなかった.ペンキで標識を付けた枯葉に,越冬幼虫1個体,2個体,3個体に相当する重りをつけ,11月下旬に林床に設置し,翌年3月に再確認したところ,枯葉はすべて設置した地点から見つかった.調査期間中の真岡市における最低気温は-9.3℃,12月の最低気温は-8℃であった.越冬期前半(12月)の越冬幼虫を室温5℃から-5,-10℃まで徐々に低下させた条件,あるいは急激に低下させた条件に置いた場合の生存率はいずれも90%以上の高い値を示し,処理間で有意な差はなかった.幼虫が越冬する枯葉に対する給水頻度を実験的に変えたところ,毎日,4日に1度,7日に1度,15日に1度の間隔で給水した区での幼虫の生存率は高い値を維持したが,30日に1度の給水区,および全く給水しなかった区では,3月初めより他の区に比べ有意に低くなった.野外において幼虫の死亡率を調べた期間において1日当たり10mmを越える降水があった日は1月上旬と3月中-下旬に限られ,20日以上の間降水がない期間が3回あった.以上の結果から,越冬期に捕食者によって死亡するオオムラサキ幼虫の個体数,枯葉の移動による幼虫の消失数は少なく,低温による死亡数も越冬期前半に関しては少ないと考えられた.本種幼虫の越冬期の死亡要因の1つとして枯葉に対する給水頻度が働いている可能性が示唆された.
著者
河崎 善一郎 牛尾 知雄 森本 健志 高木 伸之 王 道洪 中島 映至 林 修吾 ARTHUR Jim MAY Peter CHRISTIAN Hugh WILLIAMS Earle HOELLER Hartmut
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、オーストラリア・ダーウィン地域において、雷嵐観測網を構築し観測を実施した。稠密と広域観測装置を併用した観測網を展開し、豪気象局とも連携して、雷放電開始位置とその領域に存在する降水粒子の分布が時々刻々得られ、正負両極性の電荷が蓄積される領域の境界付近に放電開始点が多く分布し、更に稠密観測からその放電路が境界を沿うように進展し、やがて落雷に至る様子が再現された。中和電荷量推定も行い、積乱雲が世界で他に例を見ないほど高くまで成長する巨大積乱雲ヘクターにおいて、ヘクターの成長と共に中和される電荷の位置も上昇する現象が確認された。
著者
橋本 樹明 澤井 秀次郎 斎藤 芳隆 稲富 裕光 石川 毅彦 小林 弘明 坂井 真一郎 山川 宏 吉光 徹雄 斎藤 芳隆 石川 毅彦 稲富 裕光 澤井 秀次郎 坂井 真一郎 吉光 徹雄 小林 弘明 藤田 和央 坂東 信尚 山川 宏
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

数十秒間の微小重力環境を中程度のコストで実現する手段として、高高度気球から微小重力実験装置を落下させ、自由落下中に微小重力実験を実施するシステムを開発した。飛翔実験にて10^<-4>G以下の微小重力環境を約35秒間実現し、今後の定常的運用に目処を立てた。
著者
竹村 元秀 米原 典史 小林 真之 杉生 真一 森谷 正之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神経損傷ラットの情報伝達機構が大きく変化することが、神経因性疼痛発現の基礎にあることが明らかになった。ぺプチド性C線維を介したシグナリングが侵害刺激をよりシャープに上位中枢に送るが、非ぺプチド性C線維のシグナリングがそのぺプチド性C線維を抑制するといった制御に関わっている可能性を示すデーターを得た
著者
中林 誠一郎
出版者
埼玉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

1.ネットワークの集団挙動の制御興奮性結合と抑制性結合を用いて、ネットワークのクラスター化と集団挙動が観測できる。集団挙動は、電極が最近接する結合節(ノード)の興奮・抑制で支配される場合(対称グラフ)は易しい。結合強度が空間変調される非対称グラフの場合、数理モデルは、常微分方程式では、取り扱えない。ネットワークの動態の記述は、泳動・拡散を露わに含む偏微分系へと変化するので、ab initioな計算は難しい。そこで、実験的に求めたArnold Tongueから、結合定数を経験的なパラメーターとして、連立常微分方程式から半経験的な数理モデルを構築した。2.生理神経回路の構成的研究同一の機能を発現する複数のネットワークの中から、生体系が特定の回路を選んだ背後には、生理的あるいは発生学的な拘束条件があると思われる。腎盂機能を再構成した際には、腎臓細胞と尿管の平滑筋細胞の解剖学的な配列を手引きとして、経験的にトイモデルに機能を発現させた。ネットワークの数理の見通しが良くなれば、計算機を補助的手段として、この逆問題を実験でもとめる。得られた振動子配列から、生理系の設計図を読み解く事ができる、このことを、腎盂のしごき運動を例に実証した。このように、電気化学系のモデルで記述される緩和振動子の同期の特徴およびメカニズムは、神経系の緩和型ニュウロンの連成および電気化学振動子の連成計でみられた実験結果と一致した。連成電気化学振動子系が、神経系の緩和型ネットワークの多くの特徴を模擬できることが示された。
著者
浜野 龍夫 林 健一 川井 唯史 林 浩之
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.21, pp.73-87, 1992-12-31
被引用文献数
4

Crayfish in Lake Mashu, Hokkaido, Japan, were captured with tangle nets in the summer of 1992. All specimens, 171 males and 517 females, had intermediate diagnostic character between two subspecies, Pacifastacus leniusculus leniusculus and P, l. trowbridgii. Although three very large individuals of unidentified crayfish were captured in this lake by poachers of trout in 1975 and 1985, there is no certain confirmation because of illegal samplings. One of the present authors took a chance to measure one of them, a fresh male crayfish with very large chelae, in 1975 when he was 11 years old and recorded only its giant size, i.e. 47 cm carapace length. However, the largest P. leniusculus collected in this study was 5.7cm in c. l. Neoteny may have occurred because there is no secondary sexual character on chelae of adult P. leniusculus males. This lake has no river. Age of the lake is estimated as about 2000 years old. Further, all species of fish and crustaceans in the lake were artificially introduced from other waters. Of crayfish, only P. leniusculus occurs and was introduced from Portland, Oregon, U.S.A., in 1930. From these, the unidentified gigantic crayfish seems to have been P. leniusculus grown to a giant size.
著者
伊藤 一秀 八木 久晴 山口 一 西川 和男 林 徹夫
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.134, pp.21-29, 2008-05-05
被引用文献数
2

本研究は、気中に放出された負イオンならびに正イオンの移流・拡散性状、固体壁面に対する沈着現象、正負イオンの再結合現象等の物理化学現象に着目し、その工学的モデリングと支配パラメータの推定を行うと共に、実空間に適用可能なイオン濃度分布の予測法を開発することに主眼がある。本報(第1報)ではCFDをベースとしたイオン濃度予測モデルの概要を示すと共に、特に、イオンの不均一密度分布に起因する体積力の程度、壁面沈着モデル、再結合モデルといった各モデルの適用が負イオンの濃度分布予測結果に与える影響に関して、2次元居室モデルを対象として検討した結果を報告する。
著者
廣瀬 昌博 花田 英輔 竹村 匡正 吉原 博幸 今中 雄一 岡本 和也 中林 愛恵 本田 順一 江上 廣一 津田 佳彦
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

各医療機関には膨大なインシデントレポートデータが蓄積されているが、インシデントによって発生するあらたな医療費、とくにその多くを占める転倒・転落事例とともに一般事例についても追加的医療費を算出するとともに疫学的側面を明らかにすることができた。また、機械学習法を繰り返すことで、インシデントレポートの自動分類や最適に分類される精緻化が可能であることが分かった。
著者
小林 保子 高橋 泉
出版者
東京福祉大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、重症心身障害児(以下、重症児)とその家族が、地域でより豊かにQuality Of Life(以下、QOL)の高い生活が享受できるよう(1)主たる養育・介助者である母親、(2)きょうだい、(3)家族を地域で支援する事業実践の視点から、先行する諸外国の訪問調査から得られた知見も踏まえ検証し、地域における重症児の「家族支援」の必要性とサービス内容のあり方について方向性を示した。
著者
小林 敏男 金井 一頼 淺田 孝幸 高尾 裕二 関口 倫紀 椎葉 淳 伊佐田 文彦 栗本 博行 松村 政樹 平山 弘 朴 泰勲 寺川 眞穂 古田 武 前中 将之 中田 有吾
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

グローバルニッチ戦略とは,自社の開発技術を評価する特定顧客に対して,そのニーズに叶った製品を開発・供給していく過程で,事業として存続しうる売上規模を獲得でき,その状態を持続可能にすることによって,当該製品が属する市場において参入障壁が高い小市場を形成でき,グローバルな多地域への展開が可能となる戦略のことである。ニッチ市場は,既存市場のセグメント分析から存在論的に発見できるものではなく,特定顧客との密接な協働から形成しうる過程論的な市場である。
著者
谷 早織 新谷 幹夫 白石 路雄 林 明照 丸山 優
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.14, pp.33-36, 2011-03-04

頭蓋顔面骨の形態的特徴を分析し数値化することは解剖学上重要である.従来研究には頭蓋の推定体積や面積比を求めた研究や,解剖学的な特徴点間の距離を計測し平均や相関を求めたものがある.しかし,特徴点全体にまたがる多変量解析を行った報告は無く,複数の特徴点問における関係や変量空間全体の性質は解析されていない.本研究では特徴点53点の座標に対して多変量解析を行った.まず主成分分析を行ったところ,上位35程度の主成分の和によって元の特徴点データを99%の精度で表現できることを確認した.ついで独立成分分析を行い,統計的に独立な変形パターンを求め,考察した.また,メッシュの3279頂点に対しても主成分分析を行った.