著者
林銑十郎 [ほか] 述
出版者
帝國軍事協會
巻号頁・発行日
1939
著者
菅波 美穂 小林 一夫 今村 健太郎 小松 三佐子
出版者
認知リハビリテーション研究会
雑誌
認知リハビリテーション (ISSN:24364223)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.31-42, 2019 (Released:2022-03-30)
参考文献数
14

脳梗塞により前頭葉機能障害がみられた70歳代男性に高次脳機能訓練を行った。本症例は柔軟に新しい状況に対応していくことが難しく,セット転換の制御が低下していた。これらに起因する行動障害は自宅復帰への阻害要因となっていた。そこで,セット転換に必要とされる柔軟性と心的構えの切り替えの機能改善を目的として,前頭葉機能検査に一般的に用いられるStroop 課題とWisconsin Card Sorting Test を応用したColour Stroop訓練およびSet Shift 訓練を導入した。その結果,Set Shift 訓練が前頭葉機能障害の改善に短期的にも長期的にも効果があるということが示唆された。また,包括的なリハビリテーションに加え,本訓練の結果,前頭葉機能テストの成績に向上がみられ,自宅復帰が可能となった。
著者
生野 彰宏 南川 佑太 竹林 慎一郎 奥村 克純
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.23-32, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
47

Many studies have shown that folate deficiency induces DNA hypomethylation and DNA damage. DNA hypomethylation is thought to occur during DNA replication through deficiency of the DNA methylation donor synthesized using folate. However, the relationship between DNA hypomethylation and DNA damage caused by folate deficiency is not well understood. Here, we analyzed DNA damage caused by folate deficiency during the cell cycle S phase in which DNA hypomethylation occurs. Using HeLa cells, we first detected accumulation of intranuclear γ-H2A.X, a DNA double strand break marker, by immunofluorescent staining. We found that DNA damage occurs primarily during S phase, and that folate deficiency enhanced S phase-dependent DNA damage. We also found that folate deficiency caused slowing of the DNA replication fork and a delay in the onset of middle-late S phase. Detailed analyses of DNA damage in S phase progression suggested that the folate deficiency-induced DNA damage increased in all stages of S phase, particularly in middle-late S phase cells. To examine the relationship between DNA damage and DNA hypomethylation, we analyzed the methylation state of the promoter region of the human LINE1 repetitive sequence, where heterochromatin is formed and replicated during middle to late S phase. We found that DNA methylation decreased by about 10% under the folate deficiency condition. Taken together, our results suggest that DNA hypomethylation is associated with DNA damage caused by folate deficiency.
著者
藤澤 修平 吉田 秀典 林 敏浩
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.1-4, 2021-05-22 (Released:2021-05-19)
参考文献数
9

香川大学では,大学低年次における数理・データサイエンス教育を実現するため,基礎科目となる「情報リテラシーB」の開講,ならびに応用科目となる新たな科目提供というつの方策を実施する.本稿では,2020年度に開講した「情報リテラシーB」を踏まえ,今年度(2021年度)に開講する数理・データサイエンス教育の応用科目「データサイエンス×危機管理科目群」の展開について述べる.本学の四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構の協力のもと,「データサイエンスを活用した防災・危機管理」,「レジリエントな社会の構築とコンピューターシミュレーション」,「災害とデータサイエンス」からなる応用科目群を提供することにより,実社会に即した,データサイエンスの学びを深める数理・データサイエンス教育を拡充する.
著者
花野木 政信 磯崎 哲夫 林 武広
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.85-93, 2017 (Released:2020-01-26)
参考文献数
7
被引用文献数
3

大学進学を目指す高校生が文系・理系の選択をどの時期にどのような要因で行うか,文系選択者が中学校理科のどの単元で学習に困難を感じているかを明らかにするために,中学校3年生~高校2年生(N=307),高校1年生,2年生(N=503)を対象に2種類のアンケート調査を行った。その結果,中学校3年生から高校1年生の時期に文理選択をする生徒が多いこと,教科の得意・不得意がコース選択の大きな要因となっていることが分かり,特に中学校段階での数学,理科の学習が重要であることが分かった。文系と理系の比較では,文系選択者の方がコース決定時期が遅く,得意・不得意教科の偏りも大きいこと, さらに文系選択者の場合,理科については割合の計算を含む内容および,不可視な現象に関する内容への理解に課題を有することが明らかとなった。
著者
若林 敬二
出版者
国立がんセンター
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1985

亜硝酸処理により直接変異原性を示す食品は、胃癌の発生に関与している可能性がある。各種野菜及び漬物を亜硝酸処理すると、サルモネラ菌TA100に対する直接変異原性が生ずる。そこで、日本人が頻繁に摂取している白菜に含まれる、亜硝酸処理により変異原性を示す変異原前駆体の分離精製を行った。その結果、4-メトキシインドール-3-アルデヒド(【I】)及び4-メトキシインドール-3-アセトニトリル(【II】)を変異原前駆体として単離した。(【I】)及び(【II】)の亜硝酸処理により生ずる変異原性は、変異原前駆体1mg当たりTA100に対して、-S9uixで、各々156,900及び31,800復帰コロニーであった。(【I】)及び(【II】)は、白菜300gより、各々700μg及び60μg得られ、白菜全体の変異原性の16%及び0.3%を説明することができた。尚白菜中の変異原前駆体として既に報告されているインドール-3-アセトニトリルも、白菜300gより80μg得られた。白菜塩漬け醸成期間中の、亜硝酸処理により生ずる変異原性の経時変化を調べた。その結果、変異原性は生の白菜に最も強く認められ、10日目の塩漬け及び漬け汁には生の白菜の変異原性の33%及び31%に相当する活性が認められた。よって、亜硝酸処理により生ずる白菜塩漬けの変異原性は、醸成期間中に変異原前駆体が生成するためではなく、生の白菜に存在するインドール化合物等の変異原前駆体によるものと考えられる。インドール化合物は環境中に普遍的に存在しており、そのニトロリ化の反応は速い。した員って、亜硝酸存在下におけるインドール化合物の発癌性、特に胃癌誘発の有無を調べることは重要である。
著者
小薮 大輔 小林 耕太 福井 大 飛龍 志津子 目黒 史也
出版者
筑波大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2022-10-07

哺乳類の頭蓋骨は種に関わらず同じ数のパーツ(骨要素)によって構成されていることから,進化上極めて保守的な構造であるとされている.しかし応募者は他の哺乳類には見られない新奇な骨が一部の動物の耳にあることを発見した.この骨は従来の比較解剖学の体系上どこにも当てはまらない全く未知の骨である.予察的研究からこの骨は他の哺乳類では舌器の一部に当たる部位が転じて化骨したものであるという仮説を立てている.本仮説の検証を目指し,本研究ではどの部位が分化してこの骨が形成されるのか,どういった遺伝子とゲノム基盤が関わっているのかを解明する.
著者
小林 義昭 長谷川 隆志 佐藤 誠 鈴木 栄一 荒川 正昭
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.810-815, 1996-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
17

症例は47歳の女性. 平成2 (1990) 年から慢性肝疾患の診断で某院に通院していた. 平成5年4月に肝硬変と診断され, 中国産漢方薬「片仔廣」の内服を開始したところ, 5月頃より湿性咳嗽が出現, 増悪したため, 7月当科に入院した. 両背下部に fine crackle を聴取し, 胸部X線写真で両下肺野に網状影を認めた. 血液ガス分析ではA-aDO2の軽度開大がみられ, 呼吸機能検査では拘束性障害と拡散能の低下を認めた. 薬剤性肺炎を疑って, 片仔廣を中止して無治療で経過観察したところ, 自覚症状, 画像所見, 呼吸機能のいずれも改善した. また, 白血球遊走阻止試験では, 片仔廣による遅延型過敏反応が認められた. 以上の結果から, 片仔廣による薬剤性肺炎と診断した. 本症例は, 本邦における片仔廣による薬剤性肺炎の第1例と思われる.
著者
森川 友喜 井芹 健 稲葉 大朗 林 純一 柴田 孝則
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.627-635, 2019 (Released:2020-02-06)
参考文献数
20

維持血液透析(hemodialysis:HD)患者におけるエリスロポエチン治療に対する低反応性は生命予後不良との関連が報告されているが,HD導入期での検討は行われていない.今回,2011年4月から2016年3月の間に当院でHD導入となった322例を登録,除外基準に基づいて最終的に154例を対象とする後向きコホート研究を行った.1週間当たりの遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン量(rHuEPO)を体重(kg)とHb(g/dl)で割った値をエリスロポエチン抵抗性指数(erythropoietin resistance index:ERI)とし,ERIと各因子の相関,導入後の生命予後との関連について検討した.対象症例154例のうち,男性は112例,HD導入時年齢の中央値は68(61-76)歳,観察期間の中央値は1,204(846-1,839)日であった.ERIと各因子との相関を評価したところ,ERIはHD導入時年齢,性別(女性)と有意な正の相 関,血清鉄値,血清トランスフェリン飽和度(transferrin saturation:TSAT),body mass index(BMI),血清アルブミン値と有意な負の相関を認めた.ERIとの関連が報告されている因子についての重回帰分析では, 性別(女性)と有意な正の相関,TSAT,フェリチン,BMIが有意な負の相関を認めた.HD導入後の死亡は25例(感染症8例,心疾患2例,その他15例)であり,Cox比例ハザードモデルを用いて単変量解析を行ったところ,ERIは全死亡リスク(ハザード比1.07,95%CI 1.036-1.093,p <0.0001)と有意に関連した.多変量解析においても,ERI(ハザード比1.004,95%CI 1.006-1.072,p=0.019)は,HD導入時年齢,カテーテル導入,血清CRP値と共に全死亡リスクと有意に関連した.HD導入期のERI高値は生命予後不良と関連することが示唆された.
著者
礒 千聡 井原 晶子 鈴木 亜美 三藤 雄介 中川 諒 林 涼 小池 康子 新 智美 新 謙一
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.202-205, 2018-05-01 (Released:2018-09-20)
参考文献数
9

77歳の重症慢性閉塞性肺疾患患者に対し,日常生活動作の呼吸困難軽減を目的に在宅にてHigh Flow Nasal Cannula(以下HFNC)を導入した.呼吸困難を伴う食事・入浴の際に使用し,SpO2の改善を認めた.継続使用における問題点として,機器運搬の煩雑さやカニューレのずれがあった.対策として小型の機種に変更し,延長回路を導入した.また,カニューレの固定性を高める為に,持続陽圧人工呼吸療法用ヘッドギアを併用した.HFNC導入4ヶ月後に悪性リンパ腫を併発し,その3ヵ月後に非侵襲的陽圧人工呼吸療法(以下NPPV)へ移行し,その後永眠した.HFNC期間中は体重を維持し,楽しみである入浴が可能な生活を継続できた.本症例より在宅でも安全なHFNC導入は可能であり,NPPV移行までの呼吸サポートとしての有用性が示唆された.
著者
松田 希 小林 俊輔 宇川 義一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.756-760, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

症例は経過12年のパーキンソン病の77歳男性.発症4年後から絵画制作に没頭し,作品展を開催するまで上達した.しかし,発症11年後から人の顔を描く際に執拗に修正するようになり画風が変化した.当初の絵画制作への没頭は衝動制御障害(impulse control disorder; ICD)に起因し,後の画風変化はICDの増悪に加えて,運動性保続など前頭葉機能障害の関与も疑われた.
著者
小林 敏勝
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.107-111, 2005-02-10 (Released:2007-12-25)
参考文献数
8
被引用文献数
7 5

Highly concentrated pastes of Au and Ag nanoparticles were prepared by a novel method using a comb-shaped block copolymer and an amine as protective colloid and reducing agent, respectively. The nanoparticles were applied to paint colorants utilizing the surface plasmon light absorption. Au and Ag nanoparticles exhibited clear red and yellow colors, respectively. It was revealed that the nanoparticles possess aesthetic color properties such as transparency and color saturation as well as excellent weather durability. Further, a novel metal paint system was also developed from using the condensed Ag paste, which enables us to produce metal like coatings by a simple, dry and environmentally friendly process.
著者
宮林 秀次
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.5-11, 1996-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3

北陸新幹線高崎・長野間117kmは, 東京と長野を約1時間半で結ぶ路線である。この区間に施工されたコンクリート橋のうち, 霧積川橋りょうは, 三径間連続のPC方杖ラーメン橋で, 斜の橋脚部の施工にロアリング工法, けた部の施工に張出し架設工法を用い, 国立公園内の現地形に与える工事中の影響を最小限にするように努めたものである。また, 第二千曲川橋りょうは, 新幹線鉄道に初めてPC斜張橋を採用したものであり, スパン133.9mはコンクリート鉄道橋として最長のものである。屋代南・屋代北橋りょうは中央スパンがそれぞれ105mおよび90mのエクストラドーズド橋で, 中程度のスパンの鉄道橋のけた高を低くするための最適な構造として採用されたものである。
著者
井前 讓 品川 健次郎 上田 敦史 小林 友明 翟 貴生
出版者
Japan Society for Simulation Technology
雑誌
日本シミュレーション学会論文誌 (ISSN:18835031)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-17, 2011 (Released:2011-07-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

We propose a new approach to obtain the solutions of HJB equations. Firstly, based on a simple but unique idea, we transform the conventional HJB equations into the virtual-time HJB equations (VT-HJB). As the virtual time goes by, the solution of the VT-HJB equations becomes that of the conventional ones. Then, we solve the VT-HJB equations with respect to the virtual time by means of existing differential equation solvers. Lastly, we demonstrate the effectiveness of our method through numeric experiments with linear and nonlinear control problems.
著者
小林 潤平 川嶋 稔夫
雑誌
第84回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.513-514, 2022-02-17

日本語文は縦書きでも横書きでも読めるという特徴をもつ。どちらが速く読めるのかについては読者の経験によるところが大きいとされ,1929年当時の実験では縦書き文章のほうが速く読めたことが報告されている。電子デバイスが普及した現在では,縦書きや横書きレイアウトのみならず,読者が文字列をスクロール移動させながら読む方式なども採用されている。現代の若年層は,このような新しいかたちでの読み体験を重ねてきており,その経験をふまえた読みの性質を把握することは重要である。そこで本研究では,現代の大学生の読み速度に着目し,縦書き横書きおよび縦スクロール方式が読み速度にあたえる影響について検証した。
著者
富永 浩之 倉田 英和 林 敏浩 安藤 一秋 垂水 浩幸
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.42(2008-CE-094), pp.49-56, 2008-05-10

大学情報系学科の入門的 C 授業において,初心者向けの小コンテスト形式でのプログラミング演習を提案する.また,大会運営を支援するサーバ tProgrEss を開発する.本提案のコンテストでは,授業中に複数の問題を提示し,学生がローカル PC で作成したソースコードをサーバ側にアップロードさせる.サーバは,入出力サンプルによる実行テストで,プログラムの正誤判定を行う.出題においては,学習項目となる書法を整理して,中間目標となる複数の予備テストを導入し,解法のヒントや実装手順を示す.これにより,テストの重要性を認識させ,仕様に沿ったプログラムの完成までを段階的に誘導し,取組みへの手掛かりとさせる.時間と誤答による得点ルールを採用し,結果をランキングとして公開する.これにより,競争意識を促進し,演習を活性化させる.問題作成のガイドラインを示し,授業実践として,実際にコンテスト形式の演習を行った.アンケート評価や学習状況の履歴を分析し,本研究の教育効果を検証した.
著者
原田 斉子 冨田 稔 木村 暁夫 香村 彰宏 林 祐一 保住 功 兼村 信宏 森脇 久隆 祖父江 元 犬塚 貴
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.157-160, 2012 (Released:2013-04-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

Neurolymphomatosisは脳神経を含む末梢神経,神経根あるいは神経叢へのリンパ腫の浸潤を呈する,臨床的には稀な疾患とされている1).今回,寛解導入後に末梢神経障害をきたし,神経生検によりneurolymphomatosisと診断し得たB cell lymphomaの2例を経験した.悪性リンパ腫の寛解導入後であっても末梢神経障害を呈した場合には,neurolymphomatosisを鑑別に入れ,神経生検を考慮する必要があると考えられた.
著者
小林 孝一 平石 邦彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.257-265, 2017-04-01 (Released:2017-04-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

本解説では,遺伝子ネットワークに対するシステム数理的手法の一例を紹介する.ブーリアンネットワークと呼ばれる遺伝子ネットワークのモデルを考え,まず,その概要を説明する.次に,ブーリアンネットワークを簡単に扱うための行列表現を導入する.行列表現を利用した問題として,既知の情報からモデルの詳細を求める問題を考え,その解法を説明する.計算例についても簡単に紹介する.
著者
刈部 博 林 俊哲 平野 孝幸 亀山 元信 中川 敦寛 冨永 悌二
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.965-972, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
54
被引用文献数
10 5

高齢者頭部外傷は予後不良とされ, 病態の解明, 治療法の開発, 予防への取り組みは, 高齢化社会を迎えた本邦における喫緊の課題である. 本稿では, その特徴と問題点について言及・考察する. 高齢者頭部外傷は運動機能や生理機能の低下による転倒・転落が多い. 急性期頭蓋内病変では急性硬膜下血腫の頻度が高く, 血腫量が多いことが特徴で, 加齢による硬膜下腔の拡大など解剖学的特徴に起因する. また, 遅発性頭蓋内血腫や脳血流変化など, 解剖学的・生理学的特徴に関連する病態も高齢者に特徴的である. 近年普及した抗凝固・血小板療法は, 頭蓋内出血増悪の一因であり, さらに治療を困難にしている. 今後, さらなる研究が期待される.