著者
貝瀬 満 田中 重之 鈴木 昭文 小林 義隆 西村 誠 領家 俊雄 村岡 威士
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.93-99, 1990-01-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
17
被引用文献数
1

悪性貧血を伴うGastric Antral Vascular Ectasia (=GAVE)の1例を経験したので報告する.症例は82歳女性.高血圧・大動脈弁狭窄・慢性肝障害を合併.高度の大球性貧血を指摘され当科入院.著明な高ガストリン血症を呈する悪性貧血及び胃前庭部にびまん性のvascular ectasia(=VE)を呈するGAVEと診断した.highriskであり手術を見送り,保存的な治療を試みたが長期間に渡り大量の輸血を必要とし,多臓器不全により死亡した.本邦報告例2例を含む50例のGAVEを検討した.GAVEは高齢の女性に多い傾向を示し,内視鏡的にwatermelon stomachとdiffuse antral vascular ectasiaの2つのタイプに分類出来た.VEを生じうる肝硬変・大動脈弁狭窄・強皮症・慢性腎不全などを合併する症例を認め,GAVEの成因との関連が推測された.また,GAVEには高率に無酸症を合併し,無酸症に伴う高ガストリン血症とGAVEの関係について検討を加えた.
著者
山本 武 林 周作
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

食物アレルギーの患者数は急増しているが、未だ有効な治療方法がない疾患である。申請者は、病態モデルマウスを用いた検討により、漢方薬の葛根湯が食物アレルギーの発症を抑制することを明らかにしている。近年、腸管粘膜免疫系が食物アレルギーの発症に関与することが明らかになってきた。そこで本研究では、葛根湯による腸管粘膜免疫系に対する効果の検討を行い、葛根湯が腸管に制御性T細胞を誘導し、腸管粘膜免疫系を制御することにより治療効果を示すことを明らかにした。
著者
井口 健太 小島 有悟 小林 葉 髙井 智琉 平田 彩乃 矢木 陽 小橋 拓司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 97回 (2023/2) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.05-10, 2023-02-27 (Released:2023-02-27)

これまで研究が乏しかった拍手という事象に着目し,「集合的行為としての拍手」を研究対象として,多人数集団による拍手の更なる解明を目指して研究を行った。本校体育館で行われたイベントにおいて,生徒や保護者を含む200人規模の集団の拍手の記録,分析をした。検証の結果,イベント開始時に発生する拍手の開始,終了,またイベント終了時に発生する拍手の開始は,発表者の発話の開始,終了などの周囲からの影響を大きく受けた。その一方,イベント終了時に発生する拍手の終了には個人特有の傾向が強く現れた。
著者
高林 宏輔 片岡 信也 長峯 正泰 藤田 豪紀
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.286-291, 2021-10-15 (Released:2022-10-15)
参考文献数
16

涙嚢鼻腔吻合術を成功させるためには, 十分な骨削開, 正確な涙嚢と周囲解剖の把握, 組織の癒着の予防, 吻合口の安定が重要である。 内視鏡下涙嚢鼻腔吻合術は鼻内の解剖の把握に優れ, 涙嚢粘膜弁や鼻粘膜弁の工夫に加え, 十分な骨削開を行うことで成功率を高めてきた。 しかし, 鼻内での粘膜弁同士の縫合固定は高度な技術を要するため, 施行されないことが多い。 今回われわれは3症例に鼻腔内から鼻腔外に糸を貫通させ, 鼻外で糸を結紮することで涙嚢粘膜と鼻腔粘膜を縫合固定する工夫を行った。 鼻腔内単独での縫合は狭い空間の中で針を回転させる必要があるが, 鼻腔と鼻外を貫通させる縫合法では直線的に針を刺入するだけで粘膜弁の縫合固定が可能であった。 いずれの症例も術後経過は良好で, 手術合併症や再発の所見は認めなかった。 本術式の工夫を報告する。
著者
竹林 純 鈴木 一平 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.15-20, 2023 (Released:2023-02-22)
参考文献数
13

2015年から熱量とたんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の栄養成分表示が加工食品に義務付けられている。栄養成分表示値は, 食品表示基準で定められた分析方法 (表示分析法) による分析値を原則とするが, 日本食品標準成分表 (成分表) の収載値等の合理的根拠に基づいた計算値も認められている。消費者が栄養成分表示を比較して自らに適した食品を選択できるように, 計算値は, 表示分析法による分析値と可能な限り近しい値であることが望ましい。成分表2020年版 (八訂) では, 成分表2015年版 (七訂) から熱量計算方法が変更され, 複数の項目が併記されている栄養成分も多い。そこで本稿では, 表示分析法と成分表2020の分析方法を比較し, 成分表2020を栄養成分表示に用いる場合の適切な参照方法について考察した。
著者
作山 葵 神部 芳則 早坂 純一 月村 久恵 井上 公介 林 宏栄 岡田 成生 野口 忠秀 森 良之
出版者
日本口腔内科学会
雑誌
日本口腔内科学会雑誌 (ISSN:21866147)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.7-12, 2018 (Released:2018-12-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

乾燥剤の誤飲・誤嚥は,高齢者や小児で多く認められる。酸化カルシウムは,食品乾燥剤として多用されており,シリカゲルと比較して誤飲した場合に発熱とアルカリによる粘膜腐食作用により症状が重症化しやすい。今回,われわれは乾燥剤の誤食により広範囲な口腔粘膜化学損傷を生じた1例を経験した。患者は74歳,女性で酸化カルシウムを誤食し当院を受診した。広範囲に口腔粘膜の潰瘍と舌の腫脹,口腔乾燥を認めた。入院の上,口腔衛生管理と栄養管理を行い症状は改善し15日目に退院となった。乾燥剤の種類と摂取量に基づいた適切な処置を行うことが肝要である。
著者
川崎 英二 丸山 太郎 今川 彰久 粟田 卓也 池上 博司 内潟 安子 大澤 春彦 川畑 由美子 小林 哲郎 島田 朗 清水 一紀 高橋 和眞 永田 正男 牧野 英一 花房 俊昭
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.584-589, 2013 (Released:2013-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
14

1型糖尿病は膵β細胞の破壊性病変によりインスリンの欠乏が生じて発症する糖尿病であり,発症・進行の様式によって,劇症,急性,緩徐進行性に分類される.今回,本委員会において急性発症1型糖尿病の診断基準を策定した.劇症1型糖尿病の診断基準を満たさず,口渇,多飲,多尿,体重減少などの糖尿病(高血糖)症状の出現後,おおむね3か月以内にケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥り,糖尿病の診断早期より継続してインスリン治療を必要とする患者のうち,経過中に膵島関連自己抗体の陽性が確認されたものを「急性発症1型糖尿病(自己免疫性)」と診断し,同患者のうち膵島関連自己抗体が証明できないが内因性インスリン分泌が欠乏(空腹時CPR<0.6 ng/ml)しているものを単に「急性発症1型糖尿病」とする.しかし,内因性インスリン分泌欠乏が証明されない場合,あるいは膵島関連自己抗体が不明の場合には診断保留として期間をおいて再評価することが重要である.
著者
石丸 信吾 御林 慶司 竹内 和彦 澤田 悟 大倉 卓二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.434-438, 1999-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3
被引用文献数
1

1998年に富士写真フイルム (株) より発売された新しいモノシートインスタント写真システム “インスタックス” に代表されるように, 最新のインスタント感材はその画質およびタフネスにおいて著しい進歩を遂げた。本報告では, インスタックスフィルムを例にとり, インスタント感材の設計思想及び最新のインスタント感材技術について解説する。
著者
小林 富美惠 井上 信一
出版者
日本原生生物学会
雑誌
原生動物学雑誌 (ISSN:03883752)
巻号頁・発行日
pp.JJP17-01, (Released:2017-12-01)
参考文献数
62

Malaria remains one of the most serious infectious diseases with the high morbidity and mortality among children in the world. Malaria is caused by protozoan parasites of genus Plasmodium.An efficient vaccine for malaria has not successfully developed for the eradication yet. Thus, to support malaria vaccine development, we have to uncover the mechanisms for protective immunity against Plasmodium infection. We have clarified γδ T cell-related protective immunity against erythrocytic stages of malaria parasites by using low virulent Plasmodium berghei-infected mice. Here we summarize recent advances, including our studies, in understanding mechanisms of immune response to erythrocytic stages of Plasmodium infection.
著者
小林真生編著
出版者
明石書店
巻号頁・発行日
2013
著者
小林 正典 清水 勇樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.605-607, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
12
被引用文献数
5 4

〔目的〕本研究の目的は,インソール装着が立位歩行時の下肢の動揺性に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象〕20歳代の健常な成人男性(学生)22名を被験者に用いた.〔方法〕インソールを装着した場合と非装着の場合での開眼片脚起立時間,重心動揺の測定,足趾ピンチ力を計測,比較しインソールの影響を検討した.〔結果〕いずれの計測項目でもインソールを装着した場合に立位安定機能が低下する傾向が見られ,とくに開眼片脚起立時間と足趾ピンチ力で有意な低下が見られた.〔結語〕インソールの装着は,立位歩行時の足底筋を中心としたアーチ機能に影響を及ぼし,下肢の動揺性を増強させる可能性が示唆された.
著者
齋藤 和幸 大井 和起 稲葉 彰 小林 正樹 池田 昭夫 和田 義明
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.18-23, 2021 (Released:2021-01-29)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

症例は49歳男性.2005年に気管支喘息重積発作による心肺停止状態となった.覚醒後に動作時のミオクローヌスが出現し,Lance-Adams症候群(LAS)と診断された.発症11年後にペランパネルを開始しミオクローヌスは著明に減少し,3年以上持続してactivities of daily lifeが改善した.近年進行性ミオクローヌスてんかん症候群にペランパネルが有効な報告があり,本例のようにLASのミオクローヌスに対してもペランパネルによる治療の余地がある.
著者
西岡 和昭 伊藤 正裕 林 省吾 平井 宗一 福沢 嘉孝 大滝 純司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.199-204, 2012-06-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
8

献体標本を用いて各部位の名称や機能を問う実習試験と一般的な解剖学的知識を問う筆記試験の正答率を比較して解析した.1)実習試験の正答率と筆記試験の正答率との相関は弱かった.2)実習試験では,通常の筆記試験では測れない能力を評価している可能性が示唆された.3)人体の構造の多様性・個体差の要素が含まれる献体を用いた実習試験と解剖学知識を問う筆記試験の併用は,学生を評価する上で有用であることが推測された.
著者
髙橋 芳雄 足立 匡基 安田 小響 栗林 理人 中村 和彦
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2-4, pp.189, 2018 (Released:2021-04-26)

【目的】 本邦における中高生を対象にした大規模調査では、8.1%の生徒にインターネット依存傾向があることが明らかになっている(Morioka et al, 2016)。また、中学生においてインターネット依存傾向が身体的・精神的健康に対してネガティブな影響をもつこともわかっている。しかしながら、小学生を対象にインターネット依存傾向についての研究はこれまでにない。本研究では市内の小中学性を対象に調査を行い、児童思春期におけるインターネット依存傾向の実態把握及び、インターネット依存傾向と精神的健康の関連を検討する。 【方法】 市内全国公立小中学校に通う小学四年生以上の全児童生徒を対象に質問紙調査を実施し、8206人(96.3%)から有効回答を得た。インターネット依存についてはYoung's Diagnostic Questionnaire(YDQ)を用いて評価した他、児童生徒の抑うつ症状と生活の質(QOL)を同時に評価した。 【結果】 学年および性別を独立変数、YDQ 得点を従属変数として設定し、二要因の分散分析を行なった結果、学年の主効果および学年×性別の交互作用が有意であった。このことから学年が進むにつれて児童生徒のインターネット依存傾向が強くなること、学年によって性別がインターネット依存傾向に与える影響が異なることが示唆された。また、特に中学一年生から中学二年生にかけてインターネット依存傾向が特に強まることも明らかになった。続いて、YDQグループにおける抑うつおよびQOL の差を検討するために分散分析を行なった結果、“病的インターネット使用” 群では、他の群と比較して有意に強い抑うつ症状を示すともに、QOL が有意に低いという結果が示された。また、小中学性を分けて解析した際にも一貫して同様の傾向が認められた。 【考察・結論】 本研究の結果から学年が上がるにつれて、インターネット依存傾向をもつ児童生徒が増えること、特に中学二年生でインターネット依存傾向をもつ割合が大幅に増加することがわかった。今後は中学2年時に生じるインターネット病的使用の大幅な増加に寄与する因子を特定することが必要である。また、中学生だけでなく、小学生においてもインターネット依存傾向が児童の精神的健康やQOL にネガティブな影響を与えていることがわかり、インターネット依存傾向に対する早期介入の必要性が示唆された。
著者
小林 正秀 伊藤 進一郎 野崎 愛
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース 第114回 日本林学会大会
巻号頁・発行日
pp.60, 2003 (Released:2003-03-31)

カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)の穿入に伴うナラ類集団枯死被害について、カシナガの天敵に関する報告はほとんどない。筆者らは、カシナガが繁殖に失敗している坑道内で、ある種の線虫が増殖していることを発見した。そこで、この線虫がカシナガの密度抑制要因、つまり天敵である可能性を明らかにするための予備実験を行った。被害発生年度が異なる4林分で、健全木、穿入生存木、穿入枯死木から線虫を分離したところ、被害発生初期の林分からは線虫がほとんど分離できなかった。また、有意差はなかったが、健全木と穿入生存木からの線虫の分離数は少なく、穿入枯死木からの分離数が多かった。この線虫は、カシナガ生存成虫から分離できたが、死亡個体や他のキクイムシからは分離できなかった。また、カシナガ成虫を解剖したところ、線虫は鞘翅裏側に存在することが判った。線虫はカシナガ孔道内から分離した酵母でよく増殖した。線虫のカシナガ繁殖に及ぼす影響を調べるため、増殖させた線虫を穿入枯死木と健全木に接種した。その結果、枯死木からは再分離されたが健全木からは再分離されなかった。また、再分離数が多かった木ではカシナガの死亡率が高い傾向が見られた。以上のことから、この線虫はカシナガと共に移動し、カシナガが繁殖した坑道内で、カシナガの餌と考えられる酵母を搾取して間接的にカシナガの密度を低下させることが示唆された。
著者
林部 英雄
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.195-203, 1986-12-10