著者
宜保 清一 陳 信雄 江頭 和彦 林 義隆 周 亜明
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.50-56_1, 1997-09-15 (Released:2011-02-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3 2

本報告は四国の中央構造線に沿った道路建設に伴い発生した地すべり地の特性について検討を行ったものである。その結果, 地すべりは大半が切土に伴う崩積土のすべりであり, 規模は比較的小規模なものが多く, また, 中央構造線の断層破砕帯の地すべり地の粘性土のせん断抵抗角は小さく, 難工事となりやすいことがわかった。
著者
小林 俊輔
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.181-186, 2017-06-30 (Released:2018-07-02)
参考文献数
6

brain-machine interface (BMI) は中枢神経の信号を解読して利用する, あるいは中枢神経の情報処理に外部から介入して操作する技術である。例えば四肢麻痺の患者の脳活動を記録して解析することにより車いすを運動の意図に基づいて操縦するといった臨床応用が考えられる。BMI には脳に外科的に電極を埋め込む侵襲的な方法や脳波などを利用する非侵襲的な方法がある。神経生理学研究の蓄積により神経活動を読み取り解析する技術は進んでいるが, 外部からの刺激により神経情報処理を修飾する技術に関しては未だ初歩的な段階である。将来的に読み取り・書き込み技術が発達すればコンピューターが生体脳の情報処理を補完することにより高次脳機能障害を治療することが実現されるであろう。
著者
伊藤 正人 小林 奈津子 佐伯 大輔
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.122-140, 2002-03-30 (Released:2017-06-28)

本研究は、並立連鎖スケジュールにもとづく同時選択手続きを用いた3つの実験を通して、ラットにおける強化量の選択行動に及ぼす絶対強化量、体重レベル、経済環境の効果を、選択率と需要分析における価格弾力性を測度として検討した。強化量条件としては、相対強化量を1:3として、絶対強化量(1個45mgの餌ペレット数)を1個:3個から4個:12個の範囲の4条件設け、給餌が実験セッション内に限られる封鎖経済環境と実験セッション外給餌のある開放経済環境の下で各被験体に選択させた。また、セッション時間やセッション外給餌量により体重レベルを実験間で操作した。実験lと3では、体重を自由摂食時安定体重の約80%に維持し、実験2では、体重を自由摂食時安定体重の約95%に維持した。その結果、絶対強化量条件間を比べると、開放経済環境における1個:3個条件よりも4個:12個条件の方が高いことが認められた。選択期と結果受容期の反応に需要分析を適用すると、いずれの体重レベルにおいても、開放経済環境において弾力性の高いことが示された。これらの結果は、経済環境の相違が体重レベルやセッション時間ではなく、セッション外給餌の有無に依存することを示唆している。
著者
林 東煥
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.45-52, 2023 (Released:2023-03-31)

本研究は19世紀に流行した宮廷チェッコリ絵と民画チェッコリ絵における造形性をグラフィクデザインの観点から比較分析を行うことを目的にし、類似性、相違点の究明に焦点を当て、 視覚的特性を究明し、 その特性に関する要因を探求した。なお、美術史の視点ではなく、造形性と生活文化からの視点を採用する。作品は朝鮮時代後期である18世紀~1897年までの作品を網羅している『韓国の彩色画3』『韓国の彩色画6』『CHAEKGEORI』の3編で選定した。比較分析の対象とした作品数は、宮廷チェッコリ絵は11点、民画チェッコリ絵は25点となった。2つの絵における理論的背景より書物の表現、視点及び構図、装飾的要素を中心として探究し、当時の生活文化に基づき、要因を考察した。このような造形的特性の考察を通し、宮廷チェッコリ絵では韓国美術史における正統性があり、民画チェッコリ絵では大衆的な伝統性があることを明らかにした。なお、造形的共通性の中にも差異が明らかになり、伝統チェッコリ絵の様式を継承するデザイン作品の可能性が広がると考える。
著者
関口 達也 林 直樹 寺田 悠希 大上 真礼 杉野 弘明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00006, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

新型コロナウイルス感染症の蔓延(コロナ禍)は,人々の日常生活の様々な場面で大きな変化を引き起こした.本稿では,このうち東京都内在住の一般の人々の食料品の購買行動に起こった行動・意識の変化に着目する.コロナ禍が始まり,緊急事態宣言下を経てさらに一定期間が経過し現在までの食料品の購買行動の変遷状況を整理することで,今後の類似事例発生時の対策検討に役立てること,さらに「買い物不便」に対する人々の意識構造とその変化を把握することが主な目的である.東京都を対象としたアンケート調査の結果を用いて,人々の食料品購入行動(例:店舗選択,交通手段,買い物頻度など)や意識に対する変化の内容と,コロナ禍前の状況との乖離度合いを,複数時点の比較分析から明らかにした.
著者
小林 玄樹 来田 宣幸
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.140-154, 2023 (Released:2023-06-12)
参考文献数
32

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響により東京五輪2020 大会が1 年延期になった.本研究は,このような状況下で東京五輪2020 大会に向けた縦断的な心理的サポートが,選手の心理面にどのような影響を及ぼしたかについて事例的に検討することを目的とした.本研究の対象者は,近代五種競技選手6 名であった.心理面の評価は心理的競技能力診断検査を実施した.その結果,新型コロナウイルス蔓延によるスポーツ活動自粛等の影響により,心理的競技能力は選手によって異なった傾向を示した.また,新型コロナウイルス蔓延によるスポーツ活動停止期からスポーツ活動再開期にかけての心理的競技能力の変化も同様に,選手によって異なった傾向を示した.このことから,新型コロナウイルス蔓延による東京五輪2020 大会延期やスポーツ活動自粛等による近代五種選手の心理面への影響は個人差を有していたことが明らかになった.したがって,特殊な状況下における心理的サポートは選手の心理面を適切に評価し,個人に応じた介入が求められる.さらに,スポーツメンタルトレーニング指導士は,マインドフルネス,身体面及び心理面における目標設定,アスリートのキャリア形成などを介入することで,心理的競技能力の向上,低下の抑制に貢献できる可能性が示唆された.
著者
林 廷玟 後藤 春彦 山村 崇
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.85, no.774, pp.1727-1737, 2020 (Released:2020-08-30)
参考文献数
21

In recent years, industrial heritage as a cultural heritage has received a lot of attention. The preservation of Industrial Heritage, a type of modern heritage, has great significance, not only in terms of the inheritance of material values, such as the age and scarcity of objects for preservation, but also in the inheritance of the "Narrative," which conveys the unique culture acquired by the region during its process of modernization. Industrial Heritage, which comprises the context of the region, should be preserved not as a single entity, but to support the succession of the "Narrative." To this end, it is necessary to establish a method of preserving the environment in the surrounding area and passing on the “storage of memories” that existed there, while also considering the exchange of human resources, technology, goods, etc. The purpose of this study is to clarify the kind of "Narrative" that is spun by a locally rooted industrial heritage. In addition, this work endeavors to provide a concrete understanding of the inheritance itself and its relationship with the "space" of the region.  This research will focus on three Japanese industrial heritages: Kita-ku, Tokyo, and Suzaka city, Nagano and Kiryu city, Gunma. Collect Narrations from three Industrial Heritage volunteer guides to characterize the "Narrative" from Narrations.  The results of this study are summarized as follows. First, it was clarified that the "Episode" forming a "Narrative" can be evaluated from two perspectives, which are the "content of the narration" and the "spatial extent of narrations." The content of the report comprises six parts: Narrations of things, Narrations of science and views, Narrations of military and labor, Narrations of the history of industrial technology, Narrations of human activities and culture, and Narrations of official history. The spatial component of the narrations comprises four categories: “Site-Oriented,” “Semi Site-Oriented,” “Area-Oriented,” and “Not attaced to area.” It was possible to grasp the spatial characteristics of the episode using the above two viewpoints. Therefore, it was found that the spatial characteristics of the episode could be grasped using the following three classifications: "Episodes relating to the particular object", "Episodes relating to the place" and "Episodes without any limitation of an object" by integrating the two viewpoints. Second, many of the "Episodes relating to the particular object" included Narrations of things by discussing specific buildings. Many of the "Episodes relating to the place" consisted of Narrations of science and views, Narrations of military and labor, Narrations of history of industrial technology, and Narrations of human activities and culture, for which extensive discussions were conducted on the region. Most of the "Episodes without any limitation of an object" were Narrations of official history. Focusing on the density of the network diagrams in episodes, "Episodes relating to the place" depicted a larger number of dense co-occurrence networks than "Episodes relating to the particular object" and "Episodes without any limitation of an object." Thus, the "Episodes relating to the place" played an important role in forming a detailed "Narrative."
著者
小川 宣子 小林 由実 山中 なつみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.739-749, 2021 (Released:2021-11-27)
参考文献数
13

ガス加熱と誘導加熱 (IH) の違いが炒め加熱と焼き加熱調理の仕上がりに及ぼす影響について, 炒飯, ほうれん草炒め, 厚焼き卵の味, 物性, 組織構造から調べた. フライパンで水を加熱した時の昇温速度が同程度になるように火加減を設定した. 強火で予熱したフライパンと卵焼き器の鍋底と側面温度は, ガス加熱の方がIHの場合に比べて均一かつ高温になった. 炒飯とほうれん草炒めは強火で各々同じ時間炒め, 厚焼き卵は中火で卵の温度が同じになるよう作製した. ガスコンロで炒めた炒飯はIHヒーターに比べ, 食塩相当量が高く, 付着性が低かった. 炒飯の飯を走査電子顕微鏡で観察した結果, ガス加熱の場合では, IHの場合には見られない表面部分の崩れが観察された. ガスコンロで炒めたほうれん草はIHヒーターに比べ, 組織構造が保持されていた. 厚焼き卵の加熱時間はガス加熱の方がIHに比べて短かった. ガスで加熱した厚焼き卵の表面構造には太い均一な網目構造が観察され, 表面の凝集性が高いことの要因と考えられた. 本研究における加熱条件では, ガス加熱の方がIHに比べて食材からの水分蒸発やたんぱく質の熱変性が促進され, 炒め加熱ならびに焼き加熱調理の仕上がりに影響したと考えられる.
著者
富田 吉敏 庭瀬 亜香 知場 奈津子 小林 仁美 若林 邦江 田村 奈穂 石川 俊男
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.635-643, 2011-07-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
13

心身症の治療は"心身相関の気づき"を促すことである.摂食障害患者の中には,感情,身体症状,食行動に過剰にとらわれる人たちがいて,おおむね治療への意欲に欠け,抵抗が強い.さらにその中で,発言内容が冗長・緩慢,被害的で疎通が悪く情動不安定などの特徴をもち,内省困難で,"心身相関の気づき"が得られにくい症例がある.心理社会的背景では,社会不適応,学業不良,保護者の無理解など生育環境に問題を呈する,などの特徴をもつ場合が少なくない.当科受診患者(外来および入院)の中で,上述の特徴をもち,同意が得られた症例でWechsler成人知能検査第3版(WAIS-III)を施行した.結果はFIQ55〜79と軽度〜境界域の知的能力に相当する症例が目立った.治療法では,薬物療法の併用,短期入院の繰り返し,家族参加などが有効と思われるが,認知変容は困難であった.