著者
林 治助 山田 拓司 渡辺 貞良
出版者
繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5-6, pp.T190-T198, 1974-05-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
9
被引用文献数
2 4

It was found that there was a difference between X-ray diffractograms of Na-Cellulose I derived from the cellulose I family (I and IIII) and that from the cellulose II family (II, IIIII and IVII), and we calssified them as Na-Cellulose II and Na-Cellulose III, respectively. Both Na-Cellulose II and III regenerated cellulose II by washing with cold water. When decomposed with hot water, however, Na-Cellulose II regenerated mixture of cellulose I and II, and Na-Cellulose III regenerated cellulose II. Namely, Na-Cellulose has memory of the crystalline structure of the original cellulose.As described in our previous paper, the chain conformation of cellulose is thought to be a difference between cellulose I and II families, the former has “bent” type and the latter has “bent and twisted” type comformation.The memory of the original structure may be due to the retaining of chain conformation during meroerization and regeneration. When Na-Cellulose II is decomposed by cold water, the chain conformation is changed from “bent” to more stable “bent and twisted” type owing to strong swelling and hydration, and cellulose II was regenerated.
著者
林 愛明 宇田 進一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.103, no.7, pp.XXIII-XXIV, 1997 (Released:2010-12-14)
参考文献数
5

テクタイトは地表に産する黒曜石に類似した天然のガラス質物質であり, 中国では, 紀元十世紀の唐の時代にすでに詳しく記載されており, “雷公墨”と名付けられている(李, 1963). テクタイトは, オーストラリア, 北米, 東南アジア, アフリカ北部, チェコスロバキアなどに分布している(Glass, 1990). テクタイトの成因については, 巨大隕石の衝突に伴い地表の岩石が熔融して形成されたという地球成因説(Glass, 1990)と, 月表面の火山物質(または宇宙物質)が隕石の衝突で飛散し, 地球に飛来したという月(または宇宙)成因説(O'keefe, 1976)などがあるが, いずれも成因を衝突熔融に求めている点では共通している. テクタイトの化学組成は地球物質起源のものが多いことから, 前者の説が有力になりつつある. 今回紹介する海南島のテクタイトの産地には, 不規則な割れ目の発達した砂岩中にシュードタキライトも発見されている(第10, 11図). この地点の周辺に明瞭な断層が存在していないことと隕石坑が存在していることから, このシュードタキライトはテクタイトとともに隕石衝突熔融によるものと考えられる.中国海南島に産するテクタイトは Hainanite と命名されている(李, 1963). そのフィッショントラック年代は約70万年であり, 東南アジアおよびオーストラリア産のテクタイトの年代とほぼ一致している(厳ほか, 1979). このテクタイトの産出層は海南島およびその周辺地域の第四系および古地形面の形成時代の鍵層として利用されている.
著者
坂田 桐子 林 光緒
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.151-160, 1999-12-28

We examined the prevalence of paranormal beliefs that kanashibari was a kind of the psychic phenomenon, and the extent into which the beliefs changed by the education based on scientific knowledge. One hundred and sixty university students who attended 'Biological Psychology' and 186 university students who attended 'Psychology' answered questionnaires at the 1st class and the last class. Scientific findings concerning the kanashibari phenomenon were lectured in 'Biological Psychology', and such a lecture was not done in 'Psychology'. Those who answered 'the psychic has affected kanashibari' were 57.2 0n the first investigation, Though the scientific lecture concerning kanashibari did not have the effect to reduce the 'kanashibari is psychic phenomenon' belief, that had the effect to make students recognize the necessity of scientific studies about kanashibari. As for some of students of the liberal arts, reactance was caused by auditing the scientific lecture, and their attitudes had changed into the direction where paranormal beliefs about kanashibari are reinforced.
著者
牧野 俊郎 若林 英信 松本 充弘 吉田 英生 花村 克悟 山田 純 MIYAZAKI Koji
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

熱ふく射(thermal radiation)は物質における荷電粒子の熱振動に起因する電磁波であり,工業的にも身近にも得やすいエネルギーであるが,そのままではPlanck分布の及ぶ広い波長域に分散し,また,指向性が弱いぼんやりしたふく射である.そのため,レーザーの場合のように特定の波長にそのエネルギーを集中して工学的な機能を発揮させるためには有効でないことが多かった.本研究は,この熱ふく射を特定の波長帯域のふく射が強調されるスペクトル機能性のふく射に変換し制御する技術の開発をめざすものである.電磁波動論・分光学・固体物性論・伝熱工学を基礎として分光熱工学の実験・理論研究を行い,エネルギー工学と生活環境工学のために有効なハードシステムの実現をめざす.牧野・若林・松本は,(1)薄膜系の放射ふく射の干渉と(2)薄膜系のふく射放射理論を検討し,(3)薄膜系エミッターの試作を行った.さらに,(4)表面の鏡面反射率・半球反射率・指向放射率のスペクトルの同時測定法を提案し,(5)熱ふく射に関するKirchhoffの法則を電磁波のレベルで実験的に検証した.また,牧野は,本研究を総括する視点に立ち国内の講演会や国際会議において本研究に関する多くのKeynote講演などを行った.吉田は,スペクトル機能性ふく射を用いる熱・光起電力発電システムを熱システム工学的に検討した.花村は,(1)矩形マイクロキャビティによる放射率の波長制御に関する分光実験・計算を行い,(2)近接場光によるナノギャップ発電に関する実験装置を設計し,(3)GaSb光電変換素子を自らの実験室において試作した.山田は,(1)薄膜系エミッターからの放射ふく射の計算と(2)人体の皮膚の反射に関する分光実験・計算を行い,(3)色素増感太陽電池の改良を検討した.
著者
牧野 俊郎 花村 克悟 山田 純 宮崎 康次 松本 充弘 若林 英信
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,スペクトル機能性ふく射の制御技術開発をめざす熱工学の研究の展開を図るものである.そのような技術は,とりわけ,熱光起電力発電(TPV)システムの開発において重要であり,また,わかりやすい.電磁波動論・分光学・固体物性論・伝熱工学を基礎として分光熱工学の実験・理論研究を行い,熱工学のシステム的な視野をもって,エネルギー工学と生活環境工学のために有効なハードシステムの実現をめざす
著者
東海林 あさこ 福永 健司 橘 隆一 太田 猛彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.191-194, 2008-08-31
被引用文献数
2 2

下水汚泥炭化物の緑化基盤への適用可能性を検討するため,炭化物の理化学的性質を測定した。また,関東ロームに炭化物を異なる比率で混合した基盤で,コマツナ,ヤマハギ,ヤシャブシの生育実験を行った。その結果,下水汚泥炭化物には孔隙は少ないが,pHやECに問題はなく,無機態窒素や燐酸を多く含むため,土壌化学性の改善に有効と考えられた。生育実験では,炭化物の混合直後の播種や,混合率70%(体積比)でも発芽・生育障害は認められなかった。生育改善効果の高い混合率は植物によって違いが見られたが,コマツナとヤシャブシで10〜30%,ヤマハギで30〜70%であった。ヤマハギでは根粒形成も旺盛になった。以上から,下水汚泥炭化物は緑化基盤材料として適用可能であり,土壌改善効果が高いと考えられた。
著者
笠島 一郎 平林 孝之 川合 真紀
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.633-636, 2010-06

ワサビは日本料理(サシミ、すし、そば、漬物等)に独特の香辛料として用いられ、その歴史も古い。ワサビは我が国が原種と考えられる数少ない植物種である。すでに7世紀の飛鳥時代に登場し、江戸時代には静岡地方で栽培が推奨された。これまでいくつかの代表的栽培種が育成されているが、それらの遺伝学的類縁関係に関する知見は少ない。本研究ではRAPD法と呼ばれるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)多型解析により、栽培ワサビ品種及び野生種の類縁関係の解析を試みた。
著者
森内 幸子 志村 二三夫 梨本 光太郎 細谷 憲政 小林 正
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.225-232, 1975-06-25

1α-OH-D_3の十二指腸における^<45>Ca輸送能並びに血清Ca濃度に対する効果を, 腎臓摘出D欠乏シロネズミを用いて観察した.312pmolの1α-OH-D_3を投与して24時間後の十二指腸における^<45>Ca輸送能の増大は, 腎臓摘出動物においても観察されたが, 血清Caの増大は擬似手術を施した群では観察されたが, 腎臓摘出動物においては観察されなかった.1α-OH-D_3の投与量を6,250pmolにして, はじめて血清Caに対する効果が腎臓摘出動物においても観察された.すなわち, 1α-OH-D_3は骨からのCaの溶出作用は弱いが, 小腸からのCaの吸収に対する作用は大きい.それ故, 1α-OH-D_3はDの代謝異常によるD不応性くる病の治療に有効な物質と考えられる.また, 小腸に対する作用と骨に対する作用に差異の観察されたことは, まだ発見されていない1α-25-(OH)_2-D_3以外の最終活性物質が腎臓で生成されて骨に対して作用することを示唆するものと思われる.
著者
武林亮子
雑誌
皮膚病診療
巻号頁・発行日
vol.29, pp.397-400, 2007
被引用文献数
1
著者
宮崎 勝己 小林 豊 鳥羽 光晴 土屋 仁
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ : 日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
no.28, pp.45-54, 2010-02-20
被引用文献数
3

The biology of Nymphonella tapetis Ohshima, 1927, a pycnogonid endoparasitic on some bivalves, is reviewed. After the first discovery of this species from Hakata Bay, Fukuoka in 1926, there were scattered records of N. tapetis from several places in Japan before 2007, but they were on a small scale. In April 2007, N. tapetis appeared suddenly in the commercial bivalve, Ruditapes philippinarum and several other bivalves on the Banzu Tidal Flat in Tokyo Bay. The spread of the parasite was explosive, and caused a mass mortality of the bivalves in the area. Adults of the pycnogonid live freely on or just under the surface of sandy bottoms, and show nocturnal activity. The hatching larva is a typical protonymphon larva. The larva enters the host bivalve, attaches to various soft parts, and feeds on the body fluid of the host. The number of parasites in one host ranges from one to over 60. At least eight different developmental stages can be distinguished in the parasitic larvae and juveniles. Adults leave the host probably just after the maturation molt. The adult male receives one egg-mass onto his ovigers after each mating, and one male can bear up to seven egg-masses. Several experiments were undertaken to attempt to eradicate or reduce the number of N. tapetis, but no effective method has yet been found. Three species of the genus Nymphonella have been described from Japan, the Mediterranean, and southern Africa. They are very similar in morphology, which leads to potential taxonomic confusion.
著者
本間 禎一 木原 諄二 小林 正典 岡野 達雄 藤田 大介
出版者
東京大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1988

極高真空発生のための技術開発の基礎研究として進められた。到達真空度はポンプの性能と材料のガス放出によって決まるが、本研究ではポンプの具体的内容には言及せず、ポンプ構成材を含めた材料のガス放出の機構・評価・制御について扱っている。特にガス放出の定量とメカニズムの解明のために2種類の手法(昇温脱離TDS法とスル-プット法)を用い、またガス放出低減化のための手法も検討して以下の成果を得た。1.ガス放出機構を調べるためのTDS法の手法・装置試作・開発ガス放出機構を基礎的に調べる目的でTDS法を採用した。放出機構評価のためのパラメ-タ-である吸着分子の脱離の活性化エネルギ-、脱離の反応機構、拡散放出の場合の拡散係数などの信頼できる情報を得るために歪のないスペクトルを測定する最適条件、加熱方式を検討した。この考察に基づき、更に表面評価機能(低速電子線回折/オ-ジエ電子分光・光学系)を加えたTDS測定装置を試作した。2.ガス放出量評価のためのスル-プット法測定装置試作と測定スル-プット法に基づくガス放出速度測定装置を試作し、それを用いて各種表面処理(電解複合研磨、バフ研磨、TiN被覆)を施したステンレス剛製真空容器から放出されるガス放出速度を測定した。表面平滑化効果とそのベ-キング後の消失、電解複合研磨処理試料の大気暴露後の分圧(H_2O、H_2、CO、CO_2)測定による新しい知見、温度変動に追随する脱離挙動などの機構解明にもつながる情報・知見が得られた。3.表面改質ガス放出特性を向上させるための表面及び表層の改質方法について考察し、表面析出法(BNおよびグラファイト状炭素)によって低ガス放出材料が得られる可能性があることを示した。
著者
後藤 茂子 林 浩昭 山岸 順子 米山 忠克 茅野 充男
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.391-396, 2002-08-05
被引用文献数
11

2種類の下水汚泥コンポストを20余年連用した試験圃場の深さ10cmまでの土壌中の亜鉛,銅,カドミウム,鉛含有量の経年変化と水平方向(試験区外)への移行について調べ,下水汚泥由来重金属の土壌への蓄積について棟討した.(1)下水汚泥コンポスト中の含有量が土壌中のそれよりも高かったモミガラコンポスト区,オガクズコンポスト区両区の亜鉛およびカドミウムと,モミガラコンポスト区の鉛は,施用によって土壌中に蓄積が認められたが,試験開始後10年が経過したころからは蓄積の鈍化あるいは停滞の傾向がみられた.一方,含有量が土壌より低かった両コンポスト区の銅およびオガクズコンポスト区の鉛は,土壌中に蓄積が認められなかった.(2)土壌に蓄積した重金属の水平方向の移行もまた,蓄積と同様に下水汚泥中含有量の高い亜鉛およびカドミウムで明らかに認められた.これは耕うんに伴う土の移動によると推定した.(3)下水汚泥の施用に伴ってモミガラコンポスト区に添加された亜鉛の分配を,隣接する化学肥料区との間で検討したところ,累積添加亜鉛量の約53.4%が区内の深さ10cmまでの土壌に,約6.5%が隣接する化学肥料区の深さ10cmまでの土壌に存在した.また,累積添加亜鉛量のほとんどが20cmまでの表層土中に存在し,下方への溶脱はそれほど多くはないと考えられた.
著者
高林 哲 小松 弘幸 増井 俊之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3698-3705, 2002-12-15

インクリメンタル検索は情報検索やテキスト編集などの用途に広く用いられている.しかし,日本語の入力にはかな漢字変換という障壁があるため,キーボードから1文字入力するごとに検索を進めていくスムーズなインクリメンタル検索は従来,行うことができなかった.本論文では,指定された読みで始まる単語をコンパクトな正規表現に動的に展開してインクリメンタル検索を行う手法Migemoを提案する.我々はMigemoの実装および評価を行い,これまで困難であったスムーズな日本語のインクリメンタル検索が実現できることを示す.最後に各種の応用例を紹介する.
著者
中村 裕之 人見 嘉哲 神林 康弘 日比野 由利
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

リポソームカプセルのリン脂質2重層にNKT細胞活性化物質「α-GalCer」を挿入し、スギ花粉T細胞エピトープを封入し、CTLエピトープを表面に結合することによってリポソームワクチンを構築した。インフルエンザウイルス感染およびスギ花粉症モデルマウスを対象に、リポソームワクチンを6日間、予防的に投与し、IFV抗体価を指標として検討した結果、新しいインフルエンザウイルスワクチンの有効性が証明された。
著者
益淵 正典 山下 優毅 田中 俊憲 林 鷹治 重田 征子 小埜 和久 佐々木 美枝子 新見 治
出版者
広島文教女子大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

『ホヤ喘息』や『ダニアレルギー』の治療用抗原に関して蓄積してきた知見を基にスギ花粉症治療薬の研究を行った。まず、スギ花粉蛋白質の抽出法の検討を行った。NaHCO_3抽出(CJP-N)ではF画分にCryj1、J画分にCryj2の溶出がみられ、Crij1とCryj2の精製に適していたがPBS抽出(CJP-P)ではよりアルカリ性の弱い画分に様々にアルカリ性度の異なるCryj1,Cryj2、その分解物及び主要抗原以外の抗原の溶出がみられた。次にスギ花粉中のCryj1,Cryj2以外の抗原の存在と、アレルゲンとしての寄与を検討した。CJP-PのSDS-PAGEブロット後のIgE染色では分子量の異なる10個のバンドがみられ、これらは全てCryj1,Cryj2とは異なっていた。Cryj1,Cryj2はSDSで変性を受けてIgEと全く反応しなかった。患者血清を主要抗原で中和後、患者IgEと反応した抗原量を見積った。実験は15人のスギ花粉症患者血清すべてで、主要抗原以外の抗原と反応した。反応は患者による個人差があった。これらの結果を基に、減感作治療用抗原の検索を行い、アレルゲン性が強く、抗体IgGを作る能力が高く、粘膜反応性(結膜反応)をもたず、分子量が1万から10万の間にある抗原、CJP-PのC画分がノミネートされた。この画分は主要画分を含んでいない。今後、主要画分との混合などを検討して、さらに有用なワクチン開発の工夫が必要である。一連の抗原検索中に、イオン交換で分画したCJP-P画分のSDS-PAGE後の、蛋白質のN-末端側のシークエンスを分析した結果、Cryj1のN末端側の分解物(p15)とC末端側の分解物(p29)を発見し、p29が発症抗原である可能性を示唆した。今回我々はスギ花粉ワクチン用抗原を得るために様々な検索を行い、ノミネートされた蛋白質は出てきたがまだ特定するには至っていない。今後、これらの蛋白質の中からさらに効果的なワクチンを開発する方向に向けて研究していく予定である。
著者
三瀬 敏朗 新屋敷泰史 橋本 正明 鵜林尚靖 片峯 恵一 中谷 多哉子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.87, pp.113-120, 2004-08-20
被引用文献数
5

組込みソフト分野では、専任オペレータや安定した環境とは限らない状況での運用を要求される。組込みシステムの信頼性や安全性を確保するために、通常運用で想定から抜け落ちしやすい状況である非正常系に焦点を絞り、仕様分析段階で非正常系要件の抽出を行い、システムの設計要件を明確にする方法について検討を行った。このため、非正常系の分析や要因等の体系化を行い、システムにおける非正常系の連鎖から障害に至る挙動の抽出を行うために、状態とイベントのマトリクスを用いて分析を行う方法を検討し試行した。その結果、基本的な有効性を確認し、今後の課題を検討した。Embedded systems are in need of the consideration about exceptions because of the environment and requirements for running. However, in practice, the consideration about exceptions often slipped out of specifications. Thus, it is an important problem about the cost and quality of embedded systems. Therefore, we have been studying about the methodology to analyze exceptions with exception knowledge systematization and exception state/event analysis matrix. In this paper, we describe the analysis matrix, its application example, and future studies.