著者
中川 裕志 湯本 紘彰 森 辰則
出版者
言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-45, 2003-01-10
被引用文献数
40

本論文では,専門用語を専門分野コーパスから自動抽出する方法の提案と実験的評価を報告する.本論文では名詞(単名詞と複合名詞) を対象として専門用語抽出について検討する.基本的アイデアは,単名詞のバイグラムから得られる単名詞の統計量を利用するという点である.より具体的に言えば,ある単名詞が複合名詞を形成するために連接する名詞の頻度を用いる.この頻度を利用した数種類の複合名詞スコア付け法を提案する.NTCIR1 TMREC テストコレクションによって提案方法を実験的に評価した.この結果,スコアの上位の1,400 用語候補以内,ならびに,12,000 用語候補以上においては,単名詞バイグラムの統計に基づく提案手法が優れていることがわかった.In this paper, we propose a new idea of automatically recognizing domain specific terms from monolingual corpus. The majority of domain specific terms are compound nouns that we aim at extracting. Our idea is based on single-noun statistics calculated with single-noun bigrams. Namely we focus on how many nouns adjoin the noun in question to form compound nouns. In addition, we combine this measure and frequency of each compound nouns and single-nouns, which we call FLR method. We experimentally evaluate these methods on NTCIR1 TMREC test collection. As the results, when we take into account less than 1,400 or more than 12,000 highest term candidates, FLR method performs best.
著者
小野 志郎 大森 英行 中川 寛之 岩崎 徹 山賀 秀夫 小澤 宏臣
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.190, pp.295-303, 2001-12
被引用文献数
1

ナホトカ級の油流出事故を想定した高粘度、高波浪対応の油回収装置の開発に着手し、平成9年度の技術調査を踏まえて平成10年度から2年間に亘る要素研究開発を実施した。それら要素技術開発の結果に基づき、全口径型ジェットポンプを中心に油回収装置の小型、軽量化及び高効率化を図り、プロトタイプの実機1/2相当の大型模型を用いて海上災害防止センター横須賀研修所における高粘度油を用いた大掛かりな波浪中高粘度油吸引実験を実施することができた。その結果、本回収機は実海域において所期の性能を発揮できることが確認され、荒天下の高粘度油回収作業において有効な機材であることが実証された。さらに、総合的な船上処理装置の設計が可能となったことで、高波浪下 (最大波高6m) で高粘度油 (10万cSt以上) を多量 (300m<SUP>3</SUP>/h) に回収することが可能な高性能油回収装置の実用化の段階に至った。<BR>本研究の成果は研究で終わるものではなく、出来るだけ早く実機を供給し、油流出による海洋汚染の防除体制の一端を担うことによって、真の貢献が評価されるものと確信している。
著者
安東 俊明 恩田 昌彦 森山 雄吉 田中 宣威 京野 昭二 小林 匡
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.889-893, 1990-04-01
被引用文献数
88

誤嚥魚骨による消化管穿孔・穿通は比較的まれであり,さらにその診断は非常に困難とされている.最近,誤嚥魚骨による小腸穿孔2例,および肛門穿通1例を経験し,2例を術前に診断しえた.小腸穿孔の1例は急性虫垂炎穿孔の診断にて開腹したが,他1例は術前腹部CTにて魚骨を確認した.また肛門穿通例は直腸指診にて魚骨を確認した.本邦報告例は自験例3例を加え240例であり,穿孔・穿通部位は肛門が最も多く,次いで回腸,横行結腸,S状結腸,食道の順で,胃,十二指腸には少なかった.ほとんどの例で何らかの外科的処置がなされているが,術前に診断されている例は少なかった.特に腹腔内消化管穿孔・穿通の術前診断は極めて困難であるが,自験例を含め腹部CTで診断された報告があり有用な検査と考えられた.ただし報告例は炎症性肉芽腫などの慢性炎症に限られており,自験例のごとく汎発性腹膜炎症例を術前に診断しえた報告例はなかった.
著者
谷 真宏 江森 正 大西祥史 越仲 孝文 篠田 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.129, pp.85-89, 2007-12-20
被引用文献数
4

十分統計量を用いた教師なし話者適応において,選択する話者の数を決定する手法を提案する.音声認識における高速な教師なし話者適応の一つとして,話者毎の十分統計量を用いた手法が提案されている.これは,予め用意した複数の話者の中から,評価話者に音響的な特徴が近い話者を選択し,選択された話者の十分統計量を用いて,評価話者に適応した音響モデルを構築する手法である.従来手法では,評価話者に音響的な特徴が近い話者を選択する際,複数の話者の中から,予め定められた数だけ選択する.提案手法では,評価話者と予め用意した話者との音響特徴量空間における話者間距離を基準に,選択する話者の数を決定する.電話による対話音声を用いた認識実験において,従来手法に比較し,単語正解精度が 0.74 ポイント向上した.特に,音響的な特徴が近い話者が少ない評価話者に対して有効であることを確認した.We propose a new speaker selection method for the unsupervised speaker adaptation based on HMM sufficient statistics. The adaptation technique of using HMM sufficient statistics has been proposed as one of the rapid unsupervised speaker adaptation techniques in speech recognition. The procedure is as follows: First the training speakers acoustically close to the test speaker are selected. Then, the acoustic model is trained using the HMM sufficient statistics of these selected training speakers. In this technique, the number of selected training speakers is always constant. In our proposed speaker selection method, the number of speakers is determined by the distances between the test speaker and each training speaker. In our recognition experiments using spoken dialogue data, the proposed method improved word accuracy by 0.74 points. It was confirmed that the proposed method particularly effective when there are not many training speakers around the test speaker in acoustic space.
著者
横堀 正純 清水 公夫 渡辺 秀昭 小司 利昭 森田 修己
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.249-254, 1996-04-01
被引用文献数
4

補綴臨床やスポーツ歯学において全身運動時における咬合接触や咬合力についての研究はきわめて重要と考えられるが,いまだ十分に明らかにされていない.そこで本研究は,握力発揮時にかみしめを自覚している男性を選択し,デンタルプレスケールシステムを用いて握力発揮時と最大かみしめ時の咬合面積と咬合力を測定し,比較検討した.この結果,握力発揮時のかみしめは最大かみしめ時とほぼ同じかみしめを行っている人が多いが,一部の人はこれと異なったかみしめを行っており,個人差が大きいという知見が得られた.
著者
長坂 不二夫 大森 一光 北村 一雄 並木 義夫 村松 高 西村 理 羽賀 直樹 古賀 守 四万村 三恵 瀬在 幸安 楠美 嘉晃
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.400-404, 1997-07-25
被引用文献数
5

症例は79歳男性で, 30年前に左膿胸で手術を受け, 1994年6月肺癌で右下葉切除術後, 50Gyの放射線療法を施行された。右膿胸, 慢性呼吸不全で2度入院し, 以後, 在宅酸素療法を受けていた。1996年8月17日, 心肺停止の状態で当院に搬送され, 心拍動は再開したが脳死状態で人工呼吸器管理となり, 8月26日第2-3気管軟骨輪で気管切開を施行した。気管切開後第87日の11月18日, 口腔内より突然大量出血した。気管カニューレのカフ内圧を上げることにより一時的に止血できたが, 21日再び大量出血して死亡した。剖検所見では気管切開孔より1.8cm末梢で気管と腕頭動脈との間に瘻を形成していた。自験例を含めて検索しえた文献的報告例は29例で, 出血機序による検討では"extratracheal type"が5例, "endotracheal type"が21例であった。従来, 予後不良であったが最近では救命例の報告が増加している。
著者
内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 山田 寛 大谷 淳 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.722, pp.1-6, 2000-03-21
被引用文献数
9

顔面表情に焦点をあて、意図的なコントロールを受けたものと、なんらかの情動喚起に伴い自発的に現れるものとの違い、特に動的な変化の違いを実験的に検討した。被験者の顔面表情の変化を次の2条件下で高速度カメラにより撮影した。1つが意図的表出(動作教示)条件、もう一つが自発的表出条件である。意図的表出条件では、顔面動作教示に従って被験者に6つの基本表情を演じさせた。一方、自発的表出条件では、情動喚起映像(喜び、驚き、怒り、悲しみ、嫌悪、恐れ)を提示し、被験者に自然な表情を自発させた。高速度カメラで撮影した顔面表情の動的変化(特徴点の変位)を、画像解析ツールを用いて測定した。
著者
森 博章 宮脇 健三郎 佐野 睦夫 西口 敏司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.198, pp.159-162, 2008-08-29

人とロボットの円滑なコミュニケーションの実現において,顔の表情は重要な役割を果しており,表情認識はコミュニケーションの状態理解において極めて重要である.本研究では,横顔や後顔も含めた微妙な表情変化を認識することを目標として,第1段階として,検討例がほとんどない横顔の表情認識を扱う.具体的には,Active Appearance Model (AAM)を用いて顔の時系列画像に対して顔モデルの追跡を行い,顔モデルを構成する特徴点から,FACSモデルに対応したAU (Action Unit)特徴を算出し,AU特徴の時系列データの変動パターンを詳細に分析することにより,微妙な表情の変化に着目した認識方式について検討を行った.
著者
反町 晋康 佐藤 格夫 澤口 正俊 小司 利昭 森田 修己
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.112-116, 1997-02-01
被引用文献数
12 3

In order to clarify the reliability of measurement accuracy of the SDM apparatus, thickness of 9 palatine mucosal regions of 2 normo-dentulous subjects was determined and its correlation with the measured values for the same regions by puncturing was examined. Furthermore, thickness measurement was made of 10 palatine mucosal regions of 25 males and 11 females. The results were as follows:<BR>1. Intra-individual change in the measured value tended to be smaller by SDM method than by puncturing.<BR>2. A high correlation was noted between the measured values of palatine mucosal thickness diameter by puncturing and SDM method.<BR>3. As for the palatine mucosal thickness by SDM method:<BR>1) Palatine median region and retropalatine lateral region showed the smallest and the greatest thicknesses, respectively.<BR>2) Males tended to have greater thickness in all regions that were measured than females.
著者
山下 泰生/陳 那森/窪田 八洲洋 陳 那森 窪田 八洲洋
出版者
関西国際大学
雑誌
教育総合研究叢書 (ISSN:18829937)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-32, 2012-03-31

本研究の目的は、大学学士課程教育で必要とされる情報リテラシーに関しての実証的研究を進め、標準的な評価基準としてのモデルルーブリックを開発することにある。本年度は、3年計画の最初の第1フェーズにあたる段階であった。入学時の情報リテラシーに対するオンライン調査を実施し、情報社会の動向を検証するために、テキストマイニングによるキーワード分析結果をもとにして、情報化の状況調査をおこなった。それらの結果を参考にして、オンライン調査の設問を追加し、試行を行った。本報告書で、本年度に行ってきた実施経過を報告し、第2フェーズ以降への課題を明確にしていく。1
著者
小川 修史 田中 昌史 掛川 淳一 森広 浩一郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3-14, 2012-02-10

継時的な比較による児童の変容把握を目的として,小規模校では長期間にわたり継続して比較的短い文書を児童らに記述させる形式の実践が多く行われている.このような実践においては,教師はある時点の文書と自己の児童に関する記憶を比較することで児童の変容を把握していくが,児童数が少なくても長期間にわたり蓄積されていく文書であるため,教師の負担は大きく,記憶内容を忘却あるいは誤認識してしまう可能性がある.そのため,長期間蓄積された文書の分析を支援する仕組みが有用であると考えられる.そこで,本研究では教師に文書集合の特徴的な表現を提示し,それらの表現を手掛かりに文書を分析していく枠組み,つまりテキストマイニング導入のための検討を行っている.本稿では小規模校における継続的な実践で蓄積された文書集合を学期毎にテキストマイニングし,比較することにより抽出された特徴表現の有用性について検討する.
著者
森山 賀文 飯村 伊智郎 中山 茂
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.6-10, 2008-12-05
参考文献数
9
被引用文献数
1

組合せ最適化問題とは,数多くの組合せの中から最適な解を求める問題であるが,問題の規模によっては現実的な時間内に厳密な解を求めることが困難となる場合がある。このような厳密な解を求めることが現実的に困難になるとき,準最適解を可能な限り高速に求める近似的解法が用いられる。その一つとしてアントコロニー最適化(Ant Colony Optimization: ACO)が知られている。しかしながら,ACOの最も基本的なAnt System(AS)を実装する場合でも,アリの群知能に関する知識が必要であり,それらをシミュレートするために煩雑なコーディング作業をプログラム開発者が行う必要がある。そこで本論文では,そのコーディングの煩雑さを軽減し,一般ユーザでもASを容易に適用できる環境構築を目的として,ACOのためのAnt言語を提案する。提案するAnt言語を巡回セールスマン問題に適用した結果,プログラムのステップ数とファイルサイズの大幅な削減ができ,コーディングの煩雑さを軽減することができた。
著者
金森 雅夫
出版者
びわこ成蹊スポーツ大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13489399)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.25-37, 2007-03-15

To clear the positive effect of sport to health promotion, our four-years'experience ofundergraduate education on citizen sport or exercise activity in our department of the collegewere reported. People over 50 years-old have recently shoum an increasing the prevalencerate of Metabolic Syndrome including the risk factors of diabetes, hypertension, and cerebralinfarction. The fact is highly significant for citizens to be encouraged by sport participation.Intervention via sport or exercise activity will expect to clear not only the usefulness of theprevention of the diseases but also the expertise of the health trainer or 'Kenkou-undouSidousi' in Japanese. So we need reforming the curriculum from the view point of healthpromotion, and resetting the core curriculum. Some models are presented.

1 0 0 0 OA 仮名文字桜

著者
森暁紅 著
出版者
二松堂書店
巻号頁・発行日
1926
著者
福田 紀子 有森 直子 武田 后世 丸山 彩香 勝良 泰子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.18-24, 2008-03

本研究の目的は,働く女性が,自らの健康づくりに必要な情報をどのように集め,どのように活用しているかという情報探索行動を明らかにすることである。都内にある事業所3社から7名の女性が研究参加者となった。1グループ3〜4人のフォーカス・グループ・インタビューを2回実施し,情報探索行動に関するデータ収集を行った。インタビュー内容の逐語録を,vaughnら(1996)の手法をもとに帰納的に分析し,情報探索行動に関わるカテゴリーを抽出した。分析の結果,1)心身への気づき・気づかい,2)情報へのアクセスとキャッチ,3)情報の活用,の3つのカテゴリーと,それぞれのサブカテゴリーが抽出された。本結果から,女性が心身への気づきや理解を深め,健康情報の賢い活用者としての能力を高められるような支援の必要性が示唆された。
著者
長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.65-68, 2010-05-06

著者らの先行研究では,高評価のカウンセリング事例の間で,カウンセラーの相槌的表現を最初に含む発話の時系列的生起パターンが共通すること,そのパターンは低評価カウンセリングや日常的悩み相談では観察されないことが示された.本研究では,これと同じ結果が,異なる理論的背景を持つカウンセラーによるカウンセリング対話においても観察されるかどうかを検討する.1人のクライエント役に対する,認知行動療法のカウンセラーによるカウンセリング対話,ユング学派のカウンセラーによるカウンセリング対話,および高校教師による悩み相談を分析した.結果は,両カウンセリング対話における,相槌的表現を含む発話の時系列的生起バターンが,共通性を持つことを示した.結果から,カウンセラーによるクライエント理解の心的プロセスについて考察した.