著者
元村 拓 金森 昌彦 信清 正典
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.126-131, 2001 (Released:2008-07-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

単純X線像における椎間板腔の高さ,あるいはその断面積がMRIにおける変性度を反映し得るかを検討した.対象は外来患者45人(平均年齢:49.4歳)である.MRIにおけるL3/4およびL4/5高位の椎間板変性をSchneidermanの分類で評価し,単純X線側面像における椎間板腔の測定法として,(A法)本来の椎間板の前方a,中央b,後方cの和を椎体の前後径dで割る方法.(B法)骨棘を含めた椎間板の前方a ’,中央b’,後方c’の和を骨棘を含めた椎体の前後径d’で割る方法.(C法)画像解析により椎間板の面積S1と椎体の面積S2を測定し,そのピクセル比で比較する方法の3つを使用した.その結果A法およびB法ではMRIにおける椎間板変性の程度と呼応していることが分かった.Schneiderman分類における“marked”あるいは“absent”のcut-off値は約0.6∼0.7と考えられた.
著者
望月 能成 石原 伸一 山崎 安信 渡部 克也 森脇 義弘 坂本 和裕 南出 純二 須田 嵩 竹村 浩
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.98-102, 1998-02
被引用文献数
9 6

症例は67歳,男性,肛門部腫瘤と肛門出血を主訴に当院を受診された.肛門管癌と診断し,1995年9月11日経肛門的腫瘍摘出術を施行,術中所見で腫瘍の肛門側に白色に肥厚しだ粘膜が認あられ一部同時に切除した.病理組織学的所見では,腫瘍は高分化腺癌,mp,ly0,V0,ew(―)であった.同時に切除した肥厚した粘膜には腫瘍と連続してPaget細胞の上皮内進展を認めた.肛門周囲Paget病変を伴う肛門管癌と診断し1995年9月25日仙骨腹式直腸切断術を施行した.切除標本ではPaget病変は肉眼的皮膚病変を越え肛門管上皮内にほぼ全周性に認められ,一部肛門縁を越え肛門周囲皮膚に浸潤していた.術後経過は良好で,現在外来経過観察中である.Paget病変を伴う直腸肛門癌は非常に稀であり本邦報告18例を含め検討した.
著者
鳥海 健 荒川 信行 石出 勉 森棟 隆一 安井 浩之 松山 実
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.188-191, 2005-08-20

新しい学校グループウェア「学習アセスメント支援システム」を提案, 開発している. 本システムは学校への導入およびメンテナンスが容易であること, コストを低く抑えること, 学校現場の環境・状況に合わせてシステムのカスタマイズが可能であることを目指している. 本報告ではシステムの技術面および機能面について説明する.
著者
岩渕 博史 岩渕 絵美 内山 公男 高森 康次 永井 哲夫 田中 陽一
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.703-707, 2006-12-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

Glandular odontogenic cyst (GOC) was first proposed by Gardner et al in 1988 as an infrequent developmental epithelial cyst occurring in jaw bones. We describe our experience with a case of GOC arising in the mandible and report the clinical course. The patient was 52-year-old woman with clearly bordered multilocular radiolucent lesions in bothsides of the mandibular premolar region. These cysts were extirpated, and the specimens were studied by routine pathological examination and immunohistochemical staining with cytokeratins. The diagnosis was established to be GOC. The cyst recurred 3.5 years after surgery, and reoperation was performed.
著者
岩渕 博史 岩渕 絵美 内山 公男 高森 康次 永井 哲夫 田中 陽一
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.703-707, 2006-12-20
被引用文献数
2 1

Glandular odontogenic cyst (GOC) was first proposed by Gardner et al in 1988 as an infrequent developmental epithelial cyst occurring in jaw bones. We describe our experience with a case of GOC arising in the mandible and report the clinical course. The patient was 52-year-old woman with clearly bordered multilocular radiolucent lesions in bothsides of the mandibular premolar region. These cysts were extirpated, and the specimens were studied by routine pathological examination and immunohistochemical staining with cytokeratins. The diagnosis was established to be GOC. The cyst recurred 3.5 years after surgery, and reoperation was performed.
著者
森永 弘司 モリナガ コウジ
出版者
同志社大学教育開発センター
雑誌
同志社大学教育開発センター年報
巻号頁・発行日
no.1, pp.3-15, 2010-06-30

実践報告大学の英語教育カリキュラムを策定する際には、大学と企業が学生に期待する英語力が重視され、学生が身に付けたいと望んでいる英語力に対して配慮されることが少ない。しかしながら学生の英語に対するニーズに関しての配慮が足りないと、学生のモチベーションを高めることはできないであろう。本稿は、よりよい英語カリキュラムを策定する際の一助となるよう、本学の学生を対象に行った調査結果を報告したものである。
著者
荒井 秀典 長尾 能雅 森本 剛 坪山 直生
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.36-38, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
4

入院中の転倒・転落により骨折や重大な外傷を生じたり,転倒への恐れから活動性の低下を招いたりすることは高齢者,特に虚弱高齢者で多く発生するため,対策が必要である.京大病院においては平成18年4月に転倒転落事故防止委員会を発足し,院内の転倒・転落事故に対する分析及び対策を行ってきた.また,院内環境・病棟対策班,データ収集・分析・アセスメントスコアシート評価班,院内広報班,事例調査班を作ることにより,転倒・転落原因の調査・分析,およびその対策を講じるとともに,患者への啓発活動を行ってきた.また,入院患者の転倒リスク評価を行い,低・中・高リスクに分類し,その実際の院内転倒・転落事故との関連を分析した.本稿においては本委員会の活動内容を示すとともに,大学病院など急性期病院における転倒予防について述べたい.
著者
角 明夫 森 彩恵 村田 和代 朝比奈 愛 郡山 朋子 下敷領 耕一 矢ヶ崎 和弘 箱山 晋
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.344-349, 2005-09-05

乾物生産量と蒸発散量の測定を介して共生窒素固定量を評価する可能性を探るために, 根粒着生に関するダイズの同質遺伝子系統, T201(根粒非着生系統)とT202(根粒着生系統)をそれぞれ3段階および5段階の窒素(N)施用条件下で栽培した.T201の葉緑素含量(SPAD値)はT202より低く推移し, また両系統の差は無Nから多N区へと順次拡大した.さらに, 根粒重(Ndw)とSPAD値における系統間・処理区間差が大きくなるにつれて, 乾物生産量(DM)と蒸発散量(ET)の間の量的関係における違いが拡大した.生育期間中のDMとETとの間には1次回帰式で表せる関係が認められ, DMが0のときを仮定したET (ET_<w=0>)はT201よりもT202で大きく, またT201におけるET_<w=0>は地面蒸発量(E_0)にほぼ一致した.一方, N施用量によりT202のNdwとET_<w=0>はともに変動し, 両者には密接な関係が認められた.T201とT202の間のET_<w=0>差(δET_<w=0>)から推定したDM差(δW)と両系統間のN集積量の差から評価した固定N量との間に有意な正の相関関係が認められた(P<0.001).これらの結果はN固定のエネルギー・コストに着目した共生窒素固定量の推定が可能であることを示している.
著者
森岡 敬一郎
出版者
創価大学人文学会
雑誌
創価大学人文論集 (ISSN:09153365)
巻号頁・発行日
no.10, pp.A53-A79, 1998-03

ヨーロッパ中世社会における「家族」の役割は極めて大きい。例えば,かのMarc Blochは,名著『封建社会』(La Societe feodale)第一巻「従属の紐帯の形成」,第二部,個人間の紐帯,1,血の紐帯,第一章系族の連続性,の中でこの問題を取り上げている[我々の旧訳ではリニッジを系族としたが,これはリニッジ若しくは系譜の方が良い。改訳の機会があれば改めたい]。また,家族の問題は古今東西を問わず「諸個人の活動を統合し,調和させる」機構として常に重要な役割を果したことは否定出来ない。特に中世初期におい
著者
吉田 寛 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.269-277, 2005 (Released:2007-03-12)
参考文献数
37
被引用文献数
2 3

厚層基材吹付工により中国産コマツナギ(Indigofera spp.)と常緑広葉樹(イボタノキ(Ligustrum obtusifolium Sieb. et Zucc.),シャリンバイ(Rhaphiolepis umbellata Makino),ヤブツバキ(Camellia japonica L.),サザンカ(Camellia sasanqua Thunb.))が混生する植物群落を形成した切土法面について,施工後約9年間の追跡調査を行った。その結果,これらが混生する植物群落を早期に形成させることにより,1)発芽・成立した常緑広葉樹は,林冠が中国産コマツナギに鬱閉された場合でも林床植生を形成して法面表層を保護できること,2)中国産コマツナギと常緑広葉樹との競合により,中国産コマツナギの密度と基底面積が低下する傾向が認められ,常緑広葉樹主体の群落への遷移を促す効果が示唆されること,3)林床植生として形成された常緑広葉樹は,イボタノキのような半常緑性の種を除いて,中国産コマツナギの落葉期においても緑量を持続できることから,特に周辺の森林が常緑性の樹木で構成されている場合には景観保全という観点からも有効であることが確認された。こうした改善効果は,今回使用した中国産コマツナギのほか,法面緑化で広く用いられているヤマハギ(Lespedeza bicolor Nakai.)やイタチハギ(Amorpha fruticosa L.)等を使用した場合においても発揮されると考えられ,マメ科低木群落が有していた,林床植生の衰退,単純林化,遷移の停滞,および落葉期の景観保全上の問題等を比較的容易に改善する手段のひとつとして有望と思われる。
著者
森 時彦
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
東方學報 (ISSN:03042448)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.595-616, 2010-03-25

Construction of cotton mills in Shanghai and Qingdao by Japanese spinning companies reached its peak in the first half of the 1920s. This monograph examines the historical background of such a strategic shift from product export to capital export which was promoted by Japanese spinning companies.