著者
沖田 英人 村元 雅之 藤田 恭明 上原 恵子 榊原 香代子 金原 真紀 佐藤 由美子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.409, 2011 (Released:2012-02-13)

アルブミンとCRPの関係について<BR>知多厚生病院NST<BR>沖田英人・村元雅之・藤田恭明・上原恵子・榊原香代子・金原真紀・佐藤由美子<BR>褥瘡治療の大きな壁は誤嚥性肺炎である。感染症でCRPが増加する際にはアルブミン(以下Alb)も低値を示しやすく、一般には感染により増加したストレス係数の分だけ投与エネルギーを増量する。逆に近年は、AlbとCRPは負の相関にあり、CRPの増加する感染時には宿命的に内因性エネルギーが産生されているため、overfeedingにならないよう外因性エネルギー投与量は控えるべき、との意見がある。そこで我々は、スキンケア委員会(褥瘡委員会)とNSTで半年以上観察した重度褥瘡患者11名を対象にAlb、CRP、投与エネルギー量を検討し相関性を調査した。AlbとCRPの相関関係数はほぼ全例で負となり、うち負の相関が得られたのは1例で、その相関係数は-0.86であった。また投与エネルギー量との相関は、ほぼ全例でAlbよりも希薄であった。<BR>今回の調査では、予想していたほどはAlbとCRPの逆相関は得られなかったが、感染や浸襲時には骨格筋が崩壊して肝はCRPを作るためAlb合成がおろそかとなり、この時外因性にエネルギーを投与しても蛋白異化抑制できず、従って感染の消退までエネルギー量を控える、とする考え方は妥当であると思われた。
著者
林 恭子 大津 史子 矢野 玲子 榊原 仁作 後藤 伸之
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.1, pp.139-152, 2011 (Released:2011-01-01)
参考文献数
32
被引用文献数
3 3

The present study investigated risk factors and subjective symptoms associated with drug-induced leucopenia. We selected 248 patients with drug-induced leucopenia from the Case Reports of Adverse Drug Reactions and Poisoning Information System (CARPIS) database of over 47000 case reports of adverse drug reactions and assigned them to a case group. We also randomly selected 743 cases of adverse drug reactions not associated with leucopenia as a control group. A comparison of patient characteristic data between the two groups using logistic-regression analysis revealed that female sex, autoimmune disease and renal damage were background risk factors for drug-induced leucopenia. In addition, thiamazole, ritodrine, propylthiouracil, ticlopidine, allopurinol, minocycline and captopril administration significantly increased the risk of drug-induced leucopenia. A significant association was also found for fever, chills and pharyngeal abnormalities. Based on these findings, we developed two estimated regression equations to help prevent drug-induced leucopenia in the community pharmacy setting.
著者
村山 信雄 榊原 一夫 永田 雅彦
出版者
Japanese Society of Veterinary Dermatology
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.239-241, 2006
被引用文献数
1

6歳齢,避妊雌のメイン・クーンの両耳介と外耳道に暗青色を呈した丘疹と結節を多数認め,耳道は狭窄していた。これら皮疹は幼少よりみられ,徐々に拡大した。病理組織学的検査で耳垢腺の拡張と内腔分泌物の貯留を認めた。全身症状はなく,血液検査の異常も認められなかった。以上よりFeline ceruminous cystomatosisと診断した。0.05%クロルヘキシジン液による洗浄とオフロキサシン・ケトコナゾール・トリアムシノロンアセトニド配合薬の点耳により,1年後に明らかな改善を認めた。<br>
著者
成田 徹男 榊原 浩之
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-55, 2004-01-10

現代日本語の表記原則では、およそ次の3つの規則がある。規則1:漢語は「漢字」で書け。規則2:和語は「漢字」または「びらがな」または「両者の交ぜ書き」で書け。規則3:外来語は「カタカナ」で書け。つまり、当該語の、語種の認定が前提となっているのである。 しかし、最近ではこの規則に合致しない、和語や漢語のカタカナ表記例が多くなっている。それをインターネット上の新聞・雑誌などのサイトに見られる実例について調査して、延べで2119語、異なりで855語の例を得た。そのような表記がさかんになされる背景には、語種以外の、語の分類を、表記文字の使い分けの基準とするような意識があると考えられる。そこで、上記のような規則とは別に、次のような表記戦略を仮説として提示する。語種を基準にしてカタカナを使うのは明らかな外来語についてだけ。それ以外については、たとえば動物名かどうか、などの語の分類が基準として優先される。日本語の、文字の使い分けの習慣は、この方向へ変化しつつあると思われる。
著者
榊原 美文
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.66-70, 1976-06-10
著者
三木 功次郎 北村 誠 榊原 和彦 名倉 誠 長瀬 潤 新野 康彦 直江 一光 宇田 亮子 松尾 賢一 山口 賢一
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.113-118, 2010-08-30

平成18年度より,学生の技術者としての総合的な能力向上を目指して,課外活動を活用して様々なサイエンス活動を行う技術者教育プロジェクトを実施している.活動内容は,科学研究コンテスト等での研究発表,国際科学オリンピックへの参加,サイエンスボランティア活動などで,国際生物学オリンピックでの銅メダル獲得,研究発表会での最優秀賞受賞,ボランティア活動での表彰など多くの成果を挙げている.大会での入賞などを具体的目標として提示し,授業から離れて,各学生がその能力・興味に応じて活動を行うことにより,創造性・問題解決能力・コミュニケーション能力の向上など,多面的な教育的効果が得られることが分かった.また,活動する学生の受け皿として,同好会組織であるサイエンス研究会を立ち上げ,学生が自主的かつ組織的な活動を行うことで,ノウハウの継承,リーダーシップの育成,協調性の向上を行うことができ,教員の負担も大きく増やすことなく実施可能であった.これらの活動は,「人間力」向上にも役立っており,実践的な技術者の養成に非常に有効な手段であると考えられる.
著者
山田 直史 太田 晴子 岡本 紗季 小橋 華子 榊原 紗稀 秋山 史圭 植田 絵莉奈 郷田 真佑 正 千尋 妹尾 莉沙 中村 宜督
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】食品に含まれる抗酸化活性が注目される中、食品の相互作用による抗酸化活性の変化について研究を進めてきた。本研究では、キュウリによるトマトの抗酸化活性の低下作用を、抗酸化活性、ビタミンC含有量およびポリフェノール含有量の測定から解明を試みた。また、サラダの盛りつけを意識して接触状態での影響についても検討を行った。【方法】キュウリホモジネート、トマトホモジネートを1:1で懸濁し、抗酸化活性をDPPHラジカル捕捉活性法で、ビタミンC含有量をヒドラジン法で、ポリフェノール含有量をフォーリンチオカルト法で測定した。また、輪切りにしたキュウリをトマトの断面に接触させたのちに、トマトの抗酸化活性を測定した。【結果】キュウリホモジネート、トマトホモジネートを1:1で懸濁させることで、抗酸化活性およびポリフェノール含有量が、総和から期待される値よりも小さくなった。一方で、総ビタミンC含有量はキュウリとトマトの総和から期待される値とほぼ等しくなったが、酸化型ビタミンCの割合が大幅に増加していた。この結果から、キュウリに含まれるアスコルビン酸オキシダーゼがトマトの抗酸化活性の低下に大きく関与すると考えられた。また、トマトとキュウリを5分間の接触によって、トマトの抗酸化活性はわずかながら低下した。これらの結果から、キュウリにってトマトのアスコルビン酸の酸化が敏速に起こることが示唆された。
著者
榊原 良太 北原 瑞穂
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.179-185, 2016
被引用文献数
30

This study aimed to investigate the relations between CERQ and depression, and anxiety, and also aimed to reveal the characteristics of a Japanese sample through meta-analysis. The results showed that self-blame, acceptance, rumination, catastrophizing, and blaming others had significantly positive correlations with both depression and anxiety, whereas positive refocusing, refocus on planning, positive reappraisal, and putting into perspective had significantly negative correlations with both variables. Moreover, when comparing the correlation coefficients of the Japanese samples and the combined value, correlations between depression and positive reappraisal were significantly larger than the combined value. On the other hand, regarding the correlation coefficients of depression and putting into perspective, the combined value was larger than the value of Japanese samples. In addition, compared to the combined value, the Japanese sample's positive correlation between anxiety and rumination, and negative correlation between anxiety and positive reappraisal were larger.
著者
片岡 良太 高木 和広 榊原 風太
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.326-332, 2010
被引用文献数
1

好気的にエンドスルファンを分解するMortierella sp.W8とCml-45の2株を有機塩素系殺虫剤が残留している土壌から単離した。接合菌によるエンドスルファンの分解はこれまでに報告がない。本研究で単離した菌株は、25℃で28日間培養することにより、α-エンドスルファンを70%以上、β-エンドスルファンを50%以上分解した。毒性代謝物であるエンドスルファンスルフェートの発生は少量に抑えられ、エンドスルファンジオールの生成が確認された。さらに、エンドスルファンエーテル、エンドスルファンラクトンが代謝物として検出された。エンドスルファンスルフェートを初期基質にした分解試験を行ったところ、スルフェート体は分解できないことが確認された。また、本菌は土壌洗浄法を用いて単離された菌株であり、土壌中で菌糸体として存在していたことが示唆された。そのため、今後、エンドスルファン残留土壌のバイオレメディエーションに有望な菌株であると考えられる。
著者
榊原 文 松田 宣子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.59-74, 2003
被引用文献数
1 9

本研究の目的は、精神障害者の偏見・差別及び啓発活勤に関する研究の動向を読みとり、先行研究より明らかにされた知見をテーマ別に整理することで、今後の課題と方向性を体系化することである。精神障害者、啓発活動、偏見、差別、スティグマをキーワードに、1983年から2003年までの過去20年間について、医学中央雑誌及びMEDLINEから文献を検索した。その結果、偏見・差別の意識態度の調査は1970年代より発展してきているものの、啓発活動の方策を系統立てて記したものがないこと、偏見・差別に対する精神障害者自身の内的な世界Iを引き出したものが少ないことが明らかとなった。今後、啓発活動実践による効果測定から啓発活動のあり方を検討することと、精神障害者自身の主体性に焦点を当てた啓発活動を追及することが課題である。