著者
渡邊 隆弘 清田 陽司 田辺 浩介
出版者
京都大学図書館機構
巻号頁・発行日
2009-11-27

会期・会場: 2009年11月27日(金) 13:30-16:50 : 京都大学人間・環境学研究科棟地下大講義室 ; 主催: 京都大学図書館機構. 共催: 国立大学図書館協会近畿地区協会. 共催: 大学図書館近畿イニシアティブ.
著者
荒田 直 鋤崎 俊二 傳田 篤 粟島 裕治 岡田 陽
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.350-359, 2009 (Released:2011-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
1 4

Japan relies on imports for the greater part of its energy needs, so that securing reliable future energy resources have become even more significant due to the recent violent fluctuation in the price of oil. In addition, as global environmental problems, such as global warming, become more serious, the need to shift to cleaner energy sources, such as natural gas, becomes more pressing. In this social context, methane hydrate, a new natural gas resource that has been confirmed to exist in the sea surrounding Japan, is expected to become a cleaner source of domestic energy in the future. “Methane Hydrate Exploitation Program in Japan” was published in July 2001 and the Research Consortium for Methane Hydrate Resources in Japan (official abbreviated title: MH21 Research Consortium) was established to oversee the completion of phase-1 of this plan. In this consortium, Engineering Advancement Association of Japan (official abbreviated title : ENAA), which is the group responsible for conducting Environmental Impact Assessment, EIA, has conducted a number of research and developed activities to establish basic technologies associated with EIA and completed almost all of aims during phase-1. In this paper, we introduce overview of our R&D about EIA which should be necessary to implement on methane hydrate production.
著者
永野 光 岡本 正吾 山田 陽滋
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.343-353, 2011
被引用文献数
3

This article describes research directions in the structure of perceptual/tactile dimensions of material textures. We introduce methods of psychological experiments and mathematical approaches for structuring tactile dimensions and summarize such dimensions revealed in previous studies. Furthermore, we discuss the dimensions from the points of view of sensory receptors. Holistically, we suggest that the material textures are composed of at least 5 perceptual dimensions, that are macro and fine roughness, hardness/softness, coldness/warmness, and friction (moistness/dryness, stickiness/slipperiness).
著者
田中 法生 福田 陽子
出版者
国立科学博物館
雑誌
筑波実験植物園研究報告 (ISSN:02893568)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.53-58, 1999-12

筑波実験植物園において,サクラソウの遺伝的多様性を維持できる自生地外保全のための基礎データを得るために,園内3カ所のサクラソウ個体群の自然交配による結果率,種子生産量を調査した。これらを自生地2カ所のデータと比較したところ,送粉者が制限され種子生産量が低いと報告されている田島ヶ原の個体群よりも多く,送粉者が多く種子生産量が高いと報告されている北海道の個体群と同程度であることが示された。園内での種子生産は,送粉者の豊富な自生地と同様の良好な状態と評価できる。また,園内において何らかのマルハナバチ類が頻繁にサクラソウを訪花したことが推測された。今回,サクラソウを訪花するマルハナバチ類は確認できなかったが,園内の他の植物に訪花する2種類のマルハナバチ,コマルハナバチとトラマルハナバチが観察された。
著者
福田 陽子 田中 法生
出版者
国立科学博物館
雑誌
筑波実験植物園研究報告 (ISSN:02893568)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-18, 2000-12

筑波実験植物園において,サクラソウの遺伝的多様性を維持できる自生地外保全のための基礎データを得るために,サクラソウの主要ポリネーターであるトラマルハナバチによる,春から秋にかけて園内で開花する植物への訪花状況を調査した。その結果,4月下旬から10月上旬までトラマルハナバチが利用する14種類の植物が連続的に開花し,花蜜及び花粉収集行動が観察されたことから,トラマルハナバチが恒常的に活動を行い,コロニーの生活史を全うするのに良好な環境であると評価できた。7月中旬から8月中旬の気温の高い期間に,マルハナバチの減少がみられたが,これは園内の花資源の不足ではなく,夏の高温が原因と考えられた。また今回,サクラソウでビロードツリアブによる花蜜収集が観察されたが,トラマルハナバチの訪花は観察されなかった。しかし花弁に見られた多数の爪痕はマルハナバチ類の訪花の可能性を示した。
著者
北田 陽子 瀬山 留加 高井 ゆかり 武居 明美 神田 清子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.489-498, 2011-11-01 (Released:2011-12-14)
参考文献数
22

【目 的】 一般病棟に勤務する看護師による終末期がん患者の家族への支援内容を明らかにすること. 【対象と方法】 倫理審査委員会の承認を得て, A病院の一般病棟に勤務する看護師で, がん看護従事年数が通算3年以上の者を対象に, 半構成的面接によりデータ収集し, 質的帰納的方法を用いて分析した. 【結 果】 対象は19名で, がん看護従事年数は3-20年であった. 分析の結果, 5コアカテゴリーである『家族支援の前提となる経験知や知識技術』『家族支援を行う上での信頼関係の形成』『家族成員及び家族内の状況把握と問題の明確化』『家族を全人的に捉えた実践』『実践の自己評価』が構成された. 【結 語】 看護師は終末期がん患者の家族支援において, 経験などから家族支援の意味づけや, よりよい看護支援への動機づけを行っていた. このことから, 自己の看護を振り返る機会を増やすことで, 家族支援の実践の向上に繋げられる可能性が示唆された.
著者
小巻 泰之 地主 敏樹 竹田 陽介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,2つのデータベースを新規に作成し,以下のような分析結果を得た.1)ドル円為替レートの予測に関するサーベイ・データ(世界経済情報サービスによる「為替レート予測レポート」(以下,WEISサーベイ))2)1980年代後半の外国為替市場の相場状況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)を基に,為替介入(以下,観測介入)と通貨当局者の発言(以下,口先介入)1)為替相場の市場参加者の期待形成について日本での従来の先行研究の多くが利用してきた「国際金融情報センター(JCIF)」のサーベイ・データではなく,世界経済情報サービス(ワイス)によるサーベイ)を用いると,必ずしもJCIFサーベイから得られる結果が追認される訳ではない.2つのサーベイの結果の違いは,その作成方法が電話などによるアンケート調査なのか,各人の予測形成の段階で他者の情報に影響されることにあると考えられるが,市場への影響を考慮する場合,利用するデータ属性の違いも考慮すべきであることが示される.2)為替介入の効果為替介入の市場への影響については,データが開示された1991年7月以降については分析が可能であるものの,それ以前の介入動向の影響について十分な分析は難しい.そこで,外国為替相場の場況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)ベースの情報を収集し,加えて当時の市場コンセンサスについても,日次ベースにて,1980年から2000年まで21年(約7700日分)のデータ(全133系列)の収集を行い,データベースを作成した.これにより,1980年代後半の為替介入の影響をみると,東京市場で伝えられた介入情報は多いにも関わらず,その効果は当局の意図とは異なり,一方向の大きな変動を引き起こすことが示される.この中で,為替市場へ影響を与えたとみられるのは,為替介入,経済指標及び経済指標に関する市場の予測(コンセンサスともいうべきもの)などの定量的な情報だけでなく,通貨当局者の発言,市場での噂など質的な情報も大きな影響を与えていると考えられる.
著者
坂本 和靖 森田 陽子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、人間の行動規定要因としての規範意識の在り方が(Akerlof and Kranton2000)、家計行動に与える影響に関する実証分析を行った。ここでは規範として「性別役割分業意識(男性は仕事、女性は家事・育児)」に注目し、それが既婚女性の時間配分に与える影響を計測した。先行研究に倣い、(年齢・学歴・居住地域から推計された)女性の潜在的稼得所得を軸に分析した結果(Sakamoto and Morita 2020)、夫所得よりも潜在的稼得所得が高い女性ほど就業せず、稼得所得を抑制させる傾向が、また夫よりも実際の稼得所得が高い女性は逸脱行為を補うため家事時間が長くなる傾向が確認された。
著者
髙田 陽一郎 川島 英之
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2023-OS-161, no.7, pp.1-6, 2023-09-12

Amazon Redshift のデータベースにも活用される serial safety net(SSN) は,スキャンといった大量の読み込み操作を多く含む一般的ではないワークロードで高性能を出すことが期待されている.しかしこのようなトランザクションは並列性が上がるほど中断しやすくなり,再実行に大きなコストがかかる.SSN は safe retry 特性と呼ばれる,トランザクションが中断した際にその原因が解消され,同じ原因によって再び中断することがないという特性を保有する.本研究ではこの特性を応用し,ロック機構を用いて対象となるトランザクションの中断回数を高々 1 回に抑える手法を提案する.Snapshot isolation と SSN を実装し,read only トランザクションの挙動を分析した.その結果,コミットまでに最大 29 回リトライするトランザクションが発生し,提案手法が原理的に有効であることが示された.
著者
土田 陽平 齋藤 誠紀 中村 浩章 米谷 佳晃 藤原 進
出版者
日本シミュレーション学会
雑誌
日本シミュレーション学会論文誌 (ISSN:18835031)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.32-36, 2021 (Released:2021-06-15)
参考文献数
12

福島第一原子力発電所の廃炉に伴いトリチウム水の海洋放出が検討されている.また,将来の発電技術として期待されている核融合発電では,トリチウムを燃料として用いる.そのため,トリチウムの生体への影響を詳細に解明することが求められている.我々は,ヒトDNA中の軽水素がトリチウムに置換した際に生じる壊変効果がDNAを損傷するメカニズムを,分子動力学法を用いて解明することを目指している.壊変効果の影響を理解するためには,まずDNA中の各々の軽水素について,トリチウム置換のしやすさを評価する必要がある.そこで本研究では,ヒトDNAテロメア構造のバックボーン中に存在する水素原子を対象に,トリチウム置換のしやすさの指標を得るために分子動力学計算を実施し,各水素の溶媒接触表面積を計算した.計算結果から,バックボーン中の水素原子の中ではH5の水素の溶媒接触表面積が大きいことが判明した.
著者
細川 悠紀 福本 まりこ 吉田 陽子 岡田 めぐみ 藥師寺 洋介 上野 宏樹 川崎 勲 依藤 亨 三田 育子 中本 収 林下 浩士 細井 雅之
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.113-117, 2014-02-28 (Released:2014-03-11)
参考文献数
7

症例は20歳女性.非妊時BMI 32.0.妊娠28週に腹痛を発症,血清アミラーゼ上昇,高中性脂肪(TG)血症,高血糖,腹部超音波検査で膵腫大を認め,急性膵炎と診断された.治療を開始したが糖尿病性ケトアシドーシス(DKA),DICを併発,第3病日子宮内胎児死亡が確認された.帝王切開にて死児の娩出後,高TG血症,DKAに対しヘパリン,インスリン持続投与に加え血漿交換を施行,急性膵炎に対する治療を行い臨床所見の改善を得た.妊娠中はリポ蛋白リパーゼ(LPL)活性が低下するため,正常妊娠においてもTGは高値となるが,特に糖代謝異常合併妊娠においてはTGの上昇が顕著である.本症例は膵炎発症時,すでにHbA1cが高値(NGSP値 9.8 %)であり,未診断の糖代謝異常を基礎として高TG血症となり,急性膵炎に至ったと考えられた.妊娠初期に糖代謝異常を早期診断し適切な管理を行うことで胎児死亡を防ぐことができた可能性がある.
著者
門田 陽介 森野 勝太郎 本山 一隆 重歳 憲治 福江 慧 石井 真理子 芦原 貴司
出版者
一般社団法人 大学ICT推進協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.79-86, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
18

文部科学省が推進するGIGAスクール構想の中で教育現場における「講義のオンライン化」は重要な目標課題の一つであったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけに全国の教育機関における講義のオンライン化が急速に進んだ.オンライン化が感染対策として有効である事は疑問の余地はないと思われるが,オンライン配信による遠隔講義が,対面講義と同等の学習効果を生み出しているかどうかについては,これまで十分な客観的検証がされているとはいえない.我々は,無線LAN接続による位置情報とZoom®ログを用いて学生が遠隔講義と対面講義のいずれに出席していたかを推定し,講義形式が学業成績GPAに与える影響を検討した.粗解析では対面講義参加割合が正に学業成績GPAと相関していた.学業成績には前年度の学業成績と入試成績が関与している事が分かったため,これらの因子を調整したところ,低学年では対面講義を志向する群が遠隔講義を志向する群に比して学業成績が良かったが,高学年では両群に統計学的な差は無かった.本分析は,ポストコロナ期の高等教育機関における教育の在り方について議論する貴重な材料になり得ると考えられる.
著者
市倉 加奈子 日野 亜弥子 田上 明日香 井村 里穂 石田 陽菜 深瀬 裕子 村山 憲男 村瀬 華子 島津 明人 平井 啓 田ヶ谷 浩邦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.21046, (Released:2023-02-01)
参考文献数
39

Workplace changes, such as remote work during the COVID-19 pandemic, have caused serious psychological distress for workers. The aim of this study was to examine job stressors and coping strategies among Japanese workers during the pandemic. The study was a qualitative methods approach using a web-based survey for Japanese workers in May 2020. We asked about job stressors and coping strategies with free text comments. We performed context analysis and categorized job stressors and coping strategies. Of the participants, 59.2 % suffered psychological stress from workplace changes during the pandemic. We identified 11 categories of job stressors including “work-life balance,” “lack of communication,” “overwork,” and “diminishing work role.” We also identified 16 categories of coping strategies including “distraction,” “dealing with work tasks,” “looking for ways to communicate,” “environmental coordination of work-at-home,” “online chatting,” and “psychological disengagement.” This study shows that Japanese workers tried many ways to manage their job stressors under the burden of the state of emergency. In the future, we should examine the association between coping strategies and psychological distress during the COVID-19 pandemic.
著者
村田 陽平
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.453-469, 2006 (Released:2018-01-06)
参考文献数
48
被引用文献数
3 3

Men’s studies in geography have investigated the meaning of gendered space from a male perspective and have contributed to realizing gender equality since the 1990s. While scholars have been eager to conduct case studies, they have paid little attention to theoretical discussions, however. In this paper, I examine the validity of queer theory as a major theoretical framework in contemporary gender studies, and propose an alternative epistemology of men’s studies in geography.Queer theory is a set of ideas based on the thought that the concept of identity or category is not essentially fixed but constructed by social-cultural performance. Influenced by queer theory, gender geography has also deliberately challenged all notions of fixed gendered space in various ways since the 1990s. Queer theory, however, has some limitations as a theoretical framework for deconstructing the concept of identity.I examine the limitations of queer theory from the perspective of the actual meaning of identity for men. By clarifying how we recognize male identity in daily spaces, I argue that queer theory cannot explain the emotions of ordinary men who have no doubt about the existence of male identity. This is because queer theory places too much emphasis on destabilizing identity and it lacks the perspective that people do not always think that identity should be deconstructed.Based on this examination, I propose an alternative epistemology of men’s studies in gender geography by introducing phenomenology. The epistemology of phenomenology has clarified how we recognize the meaning of everyday world, and helps us to understand the nature of human cognition to gendered space. Men’s studies in geography, therefore, should not anticipate destabilizing to male identity and the space, but should examine the actual meanings for men, which can lead to construct space and place for gender equality.
著者
石田 陽子 三浦 奈都子 武田 利明
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.58-65, 2004-04-30 (Released:2016-10-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

薬剤漏出による皮膚組織傷害に対する処置として, アクリノール湿布は日常的に用いられている. しかしながら, その効果を裏づける科学的な実証データは少ない. そこで本研究では, 薬剤漏出による組織傷害に対するアクリノール湿布の作用を明らかにすることを目的に, 実験動物を用いた基礎的研究を行った. 起壊死性抗がん剤であるドキソルビシン (アドリアシン®) と起炎症性薬剤として知られているジアゼパム注射液 (セルシン®) を使用し, ラット背部皮膚にこれらの薬剤を漏出後, アクリノール湿布を4日間施行した. 湿布貼用後, 薬剤漏出部の肉眼的観察および組織学的検索を行った. その結果, 各薬剤を漏出したラット皮膚において, 肉眼的に異常所見は認められなかったが, 組織学的に, 皮下組織に重篤な浮腫や炎症性細胞の浸潤が観察され, 薬剤漏出による組織傷害像を確認した. このような薬剤漏出部において, 組織傷害の程度を, アクリノール湿布を貼用した群と貼用しない群で比較検討した結果, アクリノール湿布の効果を示す知見は得られなかった.
著者
濱野 哲敬 山本 敦史 小林 勉 設楽 仁 一ノ瀬 剛 下山 大輔 佐々木 毅志 高岸 憲二 角田 陽平 大澤 敏久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.810-814, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

腱板修復術後の筋萎縮・脂肪浸潤の変化について検討を行った過去の報告は,腱板修復術の手術操作そのものによる影響を考慮しておらず正確な評価がなされていない.本研究の目的は腱板修復術により腱板構成筋群の筋萎縮,脂肪浸潤が改善しうるか,術後早期と術後1年のMRIを用いて検討することである.2010年4月から2012年3月の間に肩腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った52例52肩を対象とした.筋萎縮の評価はThomazeauらの方法に準じて,棘上筋,棘下筋,肩甲下筋のOccupation ratioを計測し,脂肪浸潤の程度は同じスライスでGoutallier分類に準じて評価した.修復術後2週と1年でのそれぞれの評価を比較検討すると,筋萎縮は棘上筋のみで有意に改善し,この変化は中断裂以下で認められ,脂肪浸潤は棘上筋,棘下筋,肩甲下筋の全てで有意に改善し,この変化は大・広範囲断裂例で認められた.