著者
田中 裕子 小野 梨奈
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本研究は、オーロラ現象やその生成に関係する太陽風・磁気圏・電離圏相互作用メカニズムの解明を目的とした研究機関、国立極地研究所 宙空圏研究グループのWebサイトリニューアルを、サイエンスアウトリーチの視点から企画・開発したプロジェクトの効果を検証するものである。科学技術のさらなる発展に向けて、研究内容や成果を国民にわかりやすく説明し、双方向コミュニケーションを通じて国民のニーズ把握を行う「アウトリーチ活動」の重要性が年々高まってきている。本研究の目的は、アウトリーチ活動の取組みのひとつとして、大学や研究機関が、最新の研究成果をわかりやすく、かつ簡単・スピーディに公開するためのWebサイトのデザイン設計・構築を行い、Webをベースにしたアウトリーチ活動の効果を検証する。情報拡散手段としていまや欠かせないソーシャルメディアとも連携し、Webサイトを情報収集源として活用している国内外の優秀な大学院生や若手研究者に向けて情報を効果的に発信することで、優秀な人材を確保し、研究グループの研究力強化につなげるWebサイトを目指した。
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 中川 雄公 松本 直也 鍬方 安行 霜田 求 田中 裕 杉本 壽
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.185-190, 2010

生体肝移植のドナーとしての意思決定に対して家族間で軋轢が生じ,臨床倫理問題について検討が必要であった症例を経験したので報告する。症例は40代,女性。薬剤性肝障害で意識障害が進行するため当院へ転院となった。来院時,肝性脳症III度,PT 19%,総ビリルビン濃度26.6mg/dlであった。集中治療を行ったが患者の意識状態が悪化したため,家族に最後の治療手段として生体肝移植の選択肢を提示した。ドナー候補は離婚した父親だけであった。父親は移植ドナーを希望したが,内縁の妻は手術に反対であった。手術までの過程で家族関係は急激に悪化したが,最終的には医学倫理委員会でドナーの同意権の妥当性を確認した上で,父親の意思を尊重して手術が行われた。患者は,肝不全,敗血症を合併して数カ月後に死亡した。意識障害を伴う難治性の急性肝不全症例では,最後の治療手段として生体肝移植を患者家族に提示した時点で,ドナー候補は,「自由な意思決定」が望まれるが,「時間的制約」の中で心理的圧力を受ける。ドナー候補の意思決定のいかんに関わらず,ドナー候補・家族に対する心理的な支援体制が必要である。
著者
田中 裕
出版者
神戸山手大学
雑誌
神戸山手短期大学紀要 (ISSN:13496808)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.B61-B69, 2004-12-20
著者
中村 一恵 田中 裕
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.108-112, 1976

1975年8月16日,北韓36度42分,東経142度14分の本州中部沖,約150kmの東方海上で,1羽の大型シロハラミズナギドリ一種が観察撮影された。筆者らは,これをKermadec Petrel <i>Pterodroma neglecta</i>の淡色型であろうと判定し,F.C.Kinsky氏に写真2枚を添えて報告し意見を求めたところ,氏から本種の淡色型に近い中間型の1羽に誤りない旨の返答を得た。<br>本種には,暗色型,淡色型,中間型の3型があり,海上では他の大型のシロハラミズナギドリ属数種と混同されるおそれが十分にある。とくに北太平洋北西部では,この海域に渡来する大型のハジロミズナギドリ<i>P.solandri</i>が<i>P.neglecta</i>暗色型に酷似するので,これら2種の野外識別が問題となる。<i>P.neglecta</i>の特徴は,どの体色型にも初列風切羽の白い内羽弁により形成される顕著な白または灰自色の三角班が翼下面先端にでることである。しかしこれは<i>P.solandri</i>の特徴でもあるので,<i>P.neglecta</i>暗色型と<i>P.solandri</i>の2種を野外で識別することは近距離以外ほとんど不可能になる。<br>基亜種はケルマデックとロードハウ諸島に繁殖する。本種の非繁殖期の渡りについてはほとんど知られていないが,1967年1月19日,ケルマデック諸島のNorth Meyer島でバンデングされた1羽が,1974年10月7日にフイリッピンのSan Marianoで回収されている。この1例と今回の観察記録は,本種に北太平洋北西部海域に達する長距離の渡りがあることを暗示するものであろう。<br>本種の和名は黒田長久氏(1973)<sup>***</sup>によりカワリシロハラミズナギドリと命名されている。<br>終りに,写真検討の労をとられ種の同定にご協力いただき,あわせて有益な情報をよせられたニュージーランド国立博物館のF.C.Kinsky氏,並びに調査にご協力いただいた東京大学海洋研究所白鳳丸乗組員各位に深く感謝の意を表する。
著者
田中 裕子 久保 裕史
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.167-180, 2017 (Released:2017-05-12)
参考文献数
14

これまで、製造業を中心に業務自動化の取組みが広く進められてきたが、我が国の労働人口が 今後減少すると予測されているなか、ホワイトカラー業務の自動化、なかでも人工知能を活用し た業務の自動化が注目されている。一部の企業においては具体的な検討が進められているが、人 工知能を活用した業務自動化においては、従前の業務自動化とは異なる課題が存在すると考える。 そこで、本論文では、人工知能を活用した業務自動化において想定される課題をとそれに対する有効な方法を示すことを目的とし、過去の人材紹介サービス業における人工知能を活用した業務自動化プロジェクト事例を取り上げ、事例のプロジェクトにおいて発生した問題への対応方法として P2M 理論の適用が有効であることを示す。さらに、人材紹介サービス事業に限定しない一般的な人工知能を活用した業務自動化においてもその有効性を確認する。
著者
竹内 正之 池田 朋宏 新海 征治 田中 裕行 川合 知二
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63, 2007

走査型プローブ顕微鏡を用いた実空間可視化・分光手法は、ナノテクノロジーやナノバイオロジーなど様々な研究分野において重要である。我々は、加熱蒸着できない分子の蒸着手法としてパルス噴霧法を開発することにより、DNAやポルフィリンなどの巨大分子の高分解能可視化および1分子分光を行ってきた。今回、界面に2次元結晶を形成することで知られているダブルデッカーポルフィリン錯体およびトリプルデッカーポルフィリン錯体のSTMによる高分解能STM可視化および分光を行ったので報告する。

1 0 0 0 OA 3.職業性喘息

著者
田中 裕士 田中 宣之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.3096-3102, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
15

職業性喘息の診断は疑って問診することから始まる.欧米では成人発症喘息の5~15%と言われているが本邦でのまとまった報告はない.職場での原因物質が高分子量の蛋白である場合はIgE依存性反応であるが,低分子量である化学物質である場合では必ずしもIgE依存性ではない.またこれらの感作期間のあるものとは別に,reactive airway dysfunction syndromeやirritant-induced asthmaがある.本稿ではきのこ栽培工場就労者にみられた検討をモデルとして,主に診断の複雑さについて述べる.
著者
松田 吉平 田中 謙一郎 今井 秀幸 五井 龍彦 佐藤 恭一 田中 裕久
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00472-17-00472, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
4
被引用文献数
2

The traction drive - integrated drive generator (T-IDG®) has been developed since 1999 to replace current hydrostatic transmission drive generators. The T-IDG® consists of a generator and a half-toroidal traction-drive continuously variable transmission (CVT), which maintains a constant output speed of 24,000 rpm. In terms of coping with recent trends of high-power electric drive aircraft (MEA) and the need for weight reduction, a high-speed traction-drive CVT is advantageous over current hydro-static drive transmissions. To control a speed ratio of the high-speed CVT accurately, it is essential to know the speed-changing response. In conventional study, the speed-changing response is approximately proportional to a rotational speed; however, in the high speed CVT, a minute deformation during the speed change affects its response. This paper describes the analysis and a developed theory of the speed-changing response of a toroidal CVT, with showing test results which verify the response of the high speed CVT, whose input speed is 20,000 rpm at maximum with a peripheral speed of traction contact of 70 m/s.
著者
望月 洋孝 田中 裕人 上岡 美保
出版者
東京農業大学農業経済学会
雑誌
農村研究 (ISSN:03888533)
巻号頁・発行日
no.115, pp.82-98, 2012-09

地域活性化に関する具体的な方策の策定は,行政主導だけではなく,行政と地域住民の双方の協力・努力が不可欠であるとされている。本研究では,このような観点から,住民参加型の地域活性化策で重要となる佐渡市民の意識について,内発的なアイディアを抽出し,佐渡市の実態に照らし合わせて検討を行うことに主眼を置いた。分析の手法としては,TN法における第1ステップを踏襲し,佐渡市民の地域活性化に関する多くの意見やアイディアを集め,「効果の大きさ」,「実行のしやすさ」,「住民参加の可能性」の視点から検討した。その結果,住民が最優先課題と考え,また,合意形成を図りやすい項目として特徴づけられた項目は,「佐渡汽船の乗船運賃を値下げする」,「佐渡産米のおいしさや安全性をアピールする」,「行政担当者が佐渡の課題をよく理解する」の3つであった。また,その他にも,各集落で継承されてきた伝統文化の項目,トキ認証米や地産地消のような食・農に関する項目が上位に位置づけられることを導いた。以上の項目について,長期的に達成するもの,短・中期的に達成するものとの分類を住民と行政等の関係機関が連携して行い,比較的実現が可能なものについては,相互に重点的な検討を行うことが必要であるといえる。
著者
田中 裕美 渥美 良太 吉村 仁 泰中 啓一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.377-378, 2009-03-10
参考文献数
3

米国の中西部から南部:東部にかけて存在する周期ゼミは,13及び17年の素数年の周期で大発生することがよく知られている.その理由として,同時発生による交雑が素数でない周期の絶滅を引き起こしたという仮説がある.近年,私たちは,交雑によって素数周期が選択される事を整数数値シミュレーションモデルによって実証した.今回,新たに素数周期が選択される為の重要な要因として,ある限界個体数以下に個体数が減少した場合絶滅が促進されるという効果が必要であるということがわかった.本報告では数値シミュレーションモデルを用いてこれを検証する.
著者
板倉 修司 奥田 純子 宇田川 加苗 田中 裕美 榎 章郎
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.107-115, 2006-10-14
参考文献数
36

イエシロアリとヤマトシロアリのニンフと職蟻に含まれる灰分,食物繊維,グリコーゲン,脂質,窒素,還元糖,トレハロースおよび水分を定量した.粗タンパク質抽出物のアミノ酸組成,エーテル抽出物に含まれる脂質の脂肪酸組成を分析した.シロアリ乾燥質量に対する総脂質含有率とタンパク質含有率(キチン由来の窒素を除いた推定値)は,イエシロアリのニンフで各々64.33%,15.50%,職蟻で46.46%,29.80%,ヤマトシロアリのニンフで69.08%,9.83%,職蟻で61.15%,20.98%であった.これら2種類のシロアリには,リノール酸(必須脂肪酸),オレイン酸,パルミチン酸およびステアリン酸,さらに必須アミノ酸(ヒスチジン,イソロイシン,ロイシン,メテオニン,フェニルアラニン,バリンなど)および非必須アミノ酸(アラニン,システイン,グルタミン酸,グリシン,プロリン,チロシンなど)が含有されていた.