著者
北村 憲彦 西村 紳 山本 亮平 青木 美香 田中 美有 桑村 充 嶋田 照雅 久保 喜平
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.519-522, 2015

1週間前より食欲絶廃を呈した6歳雌のミニブタが来院した.X線検査にて腹腔内腫瘤を認め,第7病日に開腹下で右背側の腫瘤を切除した.腫瘤は卵巣に近似した発生部位と病理組織学的所見より,顆粒膜細胞腫と診断した.術後症例はQOLが改善して身体状態良好に経過していたが,第223病日に突然神経症状を呈して死亡した.剖検では,下垂体に充実性腫瘤が脳実質を圧迫するように認められたが,腹腔内腫瘍の再発は認められなかった.下垂体腫瘤の病理組織学的所見は腹腔内腫瘍と同様であり,腹腔内腫瘍の細胞は<b>κ</b> light chain陽性であったことから,本症例の腫瘍をあらためて形質細胞腫と診断した.本症例は腹腔内腫瘍の外科的摘出により,QOLが改善して約7カ月間再発もなく良好に過ごせたことから,本症例において外科療法は有効な治療法であったと考えられた.
著者
伊木 亜子 菊地 和美 田中 ゆかり 土屋 律子 木下 教子 坂本 恵 佐藤 恵 菅原 久美子 畑井 朝子 藤本 真奈美 宮崎 早花 村上 知子 山口 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】日本調理科学会特別研究(平成24~25年度「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」)の資料とすることを目的として,昭和30~40年頃までに北海道に定着した家庭・郷土料理に関する書誌情報の調査および聞き書き調査を実施した。これらの調査から得られたおやつ・間食について,主材料や調理操作を分析し地域性を検討したので報告する。<br />【方法】調査は,北海道を道央・道南・道北・道東の4地域に区分し,平成25年4月~26年12月に実施した。<br />【結果】北海道全域で特産のじゃがいもを使った「いも団子」「いも餅」が多く,調理法や食べ方も多様である。また各地にデンプン工場があったため,「でんぷん焼き」や煮豆を加えた「でんぷん団子」もみられる。かぼちゃも各地でつくられ,「かぼちゃ団子」など利用が多い。穀類の利用も各地にみられるが,道南には特に古くから伝わる伝統の菓子が多く,米粉を利用した「こうれん」や「べこ餅」がある。その他では,雑穀のそば・キビなども,まんじゅうや餅に利用されている。全般的に,いもやかぼちゃ・豆類などの農産物,穀類の利用が多く,調理法は,煮る・蒸す・焼くなどが多い。<br />また北海道らしく,干した鱈・鮭(トバ)・かすべ・鰊・数の子など海産物が道北海岸やその他内陸においてもおやつになっている。自家栽培の果物ばかりでなく自生していた桑・野イチゴ・こくわ,胆振地方特産のハスカップも生や加工して利用している。牛乳を用いたおやつは,酪農が盛んな帯広を中心とする道東で,自家製の「牛乳豆腐」や「ヨーグルト」などあるが他での利用は少なく,酪農品を早くからとりいれた札幌で若干みられる。以上より,北海道のおやつ・間食は,各地の産物をうまく利用した地域性があることを確認した。
著者
田中 正明
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.11, pp.27-44, 1970-03-30 (Released:2017-07-25)

After making the appearance of Modern-face Roman by Didots and Bodoni, there were produced various type faces, Fat-face, Egyptians, San Serifs etc., as type face for commerce and advertising. The subject of this essey is a study concerning Type Derign in practical use, through the material of the playbills of London (mainly) in mid-nineteenth century. The material are as follows. Fig. 1 May 21, 1822 Fig. 7 June 17, 1854 (Philadelphia) Fig. 2 Aug. 8, 1831 Fig. 8 Feb. 13, 1860 Fig. 3 May 3, 1839 Fig. 9 Mar. 30, 1860 Fig. 4 May 25, 1840 Fig. 10 Mar. 30, 1860 (detail) Fig. 5 July 1, 1840 Fig. 11 Mar. 31, 1860 Fig. 6 Dec. 16, 1847 (Birmingham)
著者
副田 俊介 田中 哲朗
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.79(2003-GI-010), pp.31-38, 2003-08-04

最中限は竹内郁雄によって提案された3人プレイヤのカードゲームである.本研究は最中限をプレイする強いプログラムを作ることを目的とする.最中限は提案されたばかりのゲームであるため,人間のプレイにおいても,有効な戦略は確立されていない.そこで,人間の知識を使わずに計算機を用いて最中限を分析することにより,有効な戦略を求めることを試みる.この目的のために,最中限をプレイするプログラムを自動対戦させる実験を行い,点数に注目して分析を行った.プログラムは途中まではランダムプレイ,最終ラウンドでは検索によって手を生成するものを用いた.このプログラムは最終ラウンドの検索では相手プレイヤがランダムプレイヤ,つまりどの手も等しい確率で選ぶプレイヤであると仮定して全幅検索を行っている.この実験の結果,最終ラウンドに入る時点で点数が最も高かったプレイヤのゲーム終了時の得点の期待値は -0.56,2番目のプレイヤは0.91,3番目のプレイヤは-0.54となり,最終ラウンドに入る時点で最も中間の位置にいるプレイヤが最も有利であるという経験則と,この条件の元では一致することが確かめられた.
著者
熊谷 浩一 田中 尚人 佐藤 英一 岡田 早苗 Kumagai Koichi Naoto Tanaka Eiichi Satoh Sanae Okada 東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻 東京農業大学応用生物科学部菌株保存室 東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科 東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科 Department of Agricultural Chemistry Tokyo University of Agriculture NRIC Tokyo University of Agriculture Department of Applied Biology and Chemistry Tokyo University of Agriculture Department of Applied Biology and Chemistry Tokyo University of Agriculture
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.274-282,

長崎県対馬市は南北に長い島であり,対馬のそれぞれの農家ではサツマイモを原料とした固有の伝統保存食品である『せんだんご』を小規模に製造している。 せんだんごは,水で戻し,捏ねた生地を麺状に加工して茹であげ『ろくべえ麺』として食される。 ろくべえは,原料であるサツマイモ単体では生じ得ない食感を有していることから,せんだんごの製造工程に着目した。 せんだんごの製造には,"芋を腐らせる(発酵させる)"工程,それを丸めて数ヶ月に及ぶ軒下での"寒晒し"の工程があることから,島内各地域の「せんだんご製造農家」を訪問し,製造方法の調査を行った。 その結果,これら両工程にはカビなどの微生物が繁殖しており,黒色カビが繁殖した場合は味が悪くなるという理由からその部位が破棄され,白色や青色カビが繁殖した部位の製造が続行される。 このことから微生物の働きがあってせんだんごとなり,さらにろくべえ麺特有の食感が与えられると推察した。 さらに,せんだんご製造に重要な働きをすると考えられる微生物を特定するにあたり,数年にわたり島内の調査を重ねた結果,基本的にはせんだんご製造工程には3段階の発酵工程(発酵1(浸漬),発酵2(棚板に広げて発酵),発酵3(ソフトボール大の塊で発酵))と洗浄・成型工程の2工程4区分に分けられることが確認された。Sendango is an indigenous preserved food derived from sweet potato that is traditionally made in Tsushima, Japan located between the Korean Peninsula and Kyushu. The local people process a noodle called Rokube from Sendango and eat it with soup, fish or chicken. Rokube has a unique texture similar to konyaku, and unlike that of cooked sweet potato. There are two or three fermentation processes involved in Sendango production; therefore, we inferred that the unique texture of Rokube may result from the fermentation process. Sendango is manufactured in several farmhouses on the island ; however, the manufacturing process varies among districts. We investigated each local Sendango manufacturing process and determined the microorganisms involved in fermentation. The investigation of Sendango manufacturing procedures was carried out in three towns, Toyotama, Izuhara, and Mitsushima, by interviews and observations between December and February each year from 2008 to 2011. The processes consist of three main fermentations. In Fermentation-1 (F1), sliced or smashed sweet potatoes were soaked in cold water for 7-10 days. Gas production and film formation were observed during F1. In Fermentation-2 (F2), the soaked sweet potato pieces were piled to a thickness of 5-20cm for 20-30 days. Intense propagation of filamentous fungi was observed during F2. In fermentation-3 (F3), softball-sized lumps were formed on the sticky sweet potato by fungi. The sweet potatoes were left outside for approximately 1 month. The lumps gradually hardened by drying. Many fungal mycelia were observed on the surface of potatoes and inside the lumps during F3. The three aforementioned fermentation processes were used for Sendango production in two towns (Toyotama and Izuhara). In Izuhara, smashed sweet potatoes were placed in sandbags knit with plastic strings, and the bags were soaked in the flowing river water. The sandbags collected from the river water were left on the river bank for 20 days. F2 was carried out in sandbags. In Mitsushima, Sendango production consisted of two fermentation processes, F1 and F3. The fermentation process occurs over a long time period. The propagation of filamentous fungi was particularly intense during F2 and F3. It is thought that filamentous fungi are indispensable for Sendango production. We characterized the microorganisms participating in Sendango production based on this investigation.
著者
山口 真一 坂口 洋英 彌永 浩太郎 田中 辰雄
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.69-79, 2016 (Released:2017-02-06)
参考文献数
13

情報通信産業の新しいビジネスモデルとして、基本機能を無料で提供し、付加機能を有料で提供する、いわゆるフリーミアムがある。フリーミアムを採用しているサービスは急増しているが、特にその中でも、非定額型のデジタル財課金のビジネスモデルであるモバイルゲームは、高収益・高成長率を達成している。しかしその一方で、実証研究は少なく、ビジネスモデルの確立途上にある部分も多い。そこで本研究では、モバイルゲームのパネルデータを用いて実証分析を行い、消費者の支払行動と長期売上高の関係を統計的に検証する。推定の結果、前期の有料ユーザ 1 人当たりの平均支払額(ARPPU)は、今期の売上高に非線形で有意な影響を与えていた。また、その極大値は約 11,754 円であった。このことから、長期売上高最大化という観点からは、ARPPU が約 11,754 円になるようにイベントやガチャの頻度、アイテムの価格を調整することが最適であることが示唆された。また、フリーミアムを採用しているサービスの大半がマネタイズに失敗し、サービス終了となっている現在、非定額型フリーミアムは成功手法として着目されている。本研究の結果はモバイルゲーム以外にもいえる可能性がある。
著者
青木 優和 田中 克彦 熊谷 直喜 伊藤 敦 サバン ベギネール 小松 輝久
出版者
日本海洋学会沿岸海洋研究部会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.137-140, 2009

東シナ海から黒潮流域圏を漂流する流れ藻の葉上動物について2002年から2007年の春期に白鳳丸および淡青丸での航海調査を行った.沖合域で採集された流れ藻では,採集場所に拘らず葉上動物群集の組成が類似する傾向があり,群集多様度はガラモ場葉上動物相と比して一般的に低く,沖合のものほど低い傾向が認められた.優占動物上位は主に等脚類と端脚類で,最も卓越し海域と流れ藻の種類によらず出現した種がナガレモヘラムシだが,海域によってその個体群組成は異なった.端脚類のうちヨコエビ類で優占したのは基質藻体を食するヒゲナガヨコエビ科およびモクズヨコエビ科の1-2種だった.ワレカラ類でも沖合では特定の1-2種が優占し,とくに東シナ海で卓越したCaprella andreaeでは,その個体群組成から過大な魚類捕食圧が示唆された.流れ藻葉上動物群集の組成や個体群構造の特徴は,流れ藻の漂流期間や周辺環境を知るための手がかりとなる可能性がある.
著者
田中善明 編
出版者
松田幸助
巻号頁・発行日
vol.1, 1880
著者
田中 久雄 落合 清茂
出版者
山形大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

平成元年度〜3年度の3ケ年において、主に福島県鮫川村から塙町東部にわたる地域と、郡山市東部の宇津峰周辺の地域に分布する深成岩類と変成岩類の地質調査を行い、地質図を作成すると共に岩石の記載を行った。鮫川村から塙町東部にわたる地域には片状黒雲母角閃石ト-ナル岩、黒雲母花崗閃緑岩類、竹貫変成岩類が錯綜して分布する。それらの岩石は棚倉構造線に近づく従い、石英の細粒化・波動消光・伸長、斜長石の変形双晶・波動消光、黒雲母のキンクバンド・波動消光などの変形組織を呈する。この変形組織は棚倉構造線東縁部に近接した岩石で最も著しく、構造線から離れるに従い無変形組織の岩石に漸移しており、後者の岩石が生成した約1億年前には棚倉構造線がすでに活動したことを示している。塙町湯船の、石川深成岩体の閃緑岩と竹貫変成岩類の角閃岩が接する露頭において、角閃岩の部分融解により多数の細脈が生成した現象を見いだし、この露頭の岩石の詳細な記載を行った。角閃岩中の細脈は組織・鉱物組合せ・化学組成において、はんれい岩質から閃緑岩質・ト-ナル岩質・トロニエム岩質へと連続して変化しており、角閃岩の部分融解により生成した溶液が種々の程度に分泌・分化したと推定される。郡山市東部の宇津峰付近にはユ-クセン石、モナズ石、ゼノタイム等の希元素鉱物を含むペグマタイト脈が分布する。このペグマタイト脈をもたらした深成岩類について調査・研究を行い、深成岩類のモ-ド組成、主要・微量化学組成、造岩鉱物の化学組成を明らかにした。含希元素鉱物ペグマタイトをもたらしたと推定されている新期斑状両雲母花崗岩類は、阿武隈山地の深成岩類の中では最もSiO_2に富み、Sタイプに類似した岩石学的性質を示す。
著者
田中 秀幸
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.588-593, 2014 (Released:2016-03-02)

本発表では,中学技術・高校工業・高校情報における教員養成において,計測制御に関する実習を含めた授業を実施するために行ってきたモーター制御系の教材開発について述べる.計測制御系はいくつかの要素が組み合わさった,初学者からは比較的複雑なシステムである.教材としてはそれらの要素を学習者に見やすいよう簡単に部品を分解性に優れた必要がある一方で,授業で使用するためには信頼性を上げる必要があることについて触れる.また,開発したモーター制御系はArduinoとScilab, Scicosを用いて構築しており,授業で活用しているので紹介する.
著者
岩木 信喜 田中 紗枝子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.42, 2017 (Released:2017-10-16)

問題に対する回答に与えられる正答フィードバック(FB)を遅延させると、回答直後に与える場合よりも正答の記憶が定着すると言われてきた(e.g., Kulhavy, 1977)。しかし、手続き上の問題が指摘され、正答FBを与えてから再テストまでの時間(lag-to-test, Metcalfe et al., 2009)を直後FB条件と遅延FB条件の間で統制すると効果が消失したという報告がある。これについては、そのように統制してもなお効果を認めた研究(Mullet et al., 2014)もあり、結果が一致していない。本研究では、漢字熟語の読み課題を使って追試し、効果の有無を検討した。その結果、lag-to-testを統制した場合、遅延FBの学習促進効果は認められなかった。

2 0 0 0 OA 愛と残酷

著者
香涯田中祐吉 著
出版者
黎明社
巻号頁・発行日
1925
著者
稲本 亮平 田中 健一 竹波 信宏 松本 淳一 土居 幹治 藤島 哲郎 河野 修一 江崎 次夫 全 槿雨
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.162-165, 2013 (Released:2014-04-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 3

エチゼンクラゲや食用クラゲなどのクラゲ類を脱塩・乾燥しチップ化したクラゲチップは,自重の約 8 倍の水を吸収するという保水性に優れ,保水機能の低下後は微生物などによって分解され,化学肥料並みの窒素含有量を含むなど肥料効果が認められる。さらに製材の際にでるオガクズも分解のやや遅い有機質の保水材として着目し,この両者の保水性と遅効性の肥料効果を活かして種子吹付工の資材に組み込んだ有機緑化資材を開発した。林道切取りのり面での半年間の実験の結果,植生の発芽や生育状況が無施用区に対して,有意な差を示し,その有効性が確認された。今後,周辺環境に対する負荷の少ない有機質のり面緑化用資材としての活用が期待できる。
著者
友田 陽 関戸 信彰 徐 平光 川崎 卓郎 ハルヨ ステファヌス 田中 雅彦 篠原 武尚 蘇 玉華 谷山 明
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.570-578, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
31
被引用文献数
15 17

Various methods were employed to measure the austenite volume fraction in a 1.5Mn-1.5Si-0.2C steel. It has been confirmed that the volume fractions determined by transmission electron microscopy, scanning electron microscopy/electron back scatter diffraction, X-ray diffraction and neutron diffraction exhibit a general trend to become larger in this order, although the values obtained by X-ray and neutron diffraction are similar in the present steel because austenite is relatively stable. The austenite volume fractions determined by diffraction methods have been found to be affected by the measuring specimen direction, i.e., texture, even by applying the conventional correcting procedure. To avoid this influence, it is recommended to measure both of volume fraction and texture simultaneously using neutron diffraction. Although synchrotron X-ray shows higher angle resolution, its small incident beam size brings poor statistic reliability. The influence of texture cannot be avoided for transmission Bragg edge measurement, either, which must be overcome to realize 2D or 3D volume fraction mapping.
著者
飯島 義雄 秋吉 京子 田中 忍 貫名 正文 伊藤 正寛 春田 恒和 井上 明 安藤 秀二 岸本 寿男
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.500-505, 2009-09-20 (Released:2016-08-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

2005 年12 月,神戸市内において鳥類展示施設の従業員の間でオウム病が発生した.従業員は,オウム病等の人獣共通感染症に関する研修等を受けておらず,鳥の糞の始末等を行う場合にも,マスク,手袋,作業着等の使用は限られていた.67 名の従業員のうち,4 名が肺炎を呈しており,2 名がオウム病肺炎と確定診断された.それ以外に19 名が発熱や咳などの症状を訴えたが,オウム病とは診断されなかった. オウム病発生時,約970 羽が検疫もされず,個体識別もされず飼育されていた.餌や水に混ぜてのドキシサイクリン投与に効果がなかったため,全鳥の個体識別とPCR にてクラミジアの検査を実施した.比較的大量のクラミジアを排出していたトリに,ヒムネオオハシ1 羽,オシドリ1 羽,マガモ3 羽がいた.また,死亡したオキナインコ1 羽の臓器からも大量のクラミジアが検出された. 肺炎患者1 名の気管支肺胞洗浄液がPCR でクラミジア陽性であったことより,主要外膜タンパク質(major outer membrane protein : MOMP)の塩基配列を決定した.上記のトリ由来のMOMP の配列と比較したところ,ヒムネオオハシから検出したMOMP の塩基配列が,患者のそれと完全に一致した.それ以外のトリ由来のものは,1~5 塩基異なっていた.ヒムネオオハシは,閉鎖的な部屋に放たれており,作業中にその排泄物を吸い込んで感染したものと推察された. 今回のオウム病集団発生を通じて,①オウム病など人獣共通感染症に対する知識と感染対策の必要性,②迅速診断の難しさ,③血清診断の難しさ(PCR でオウム病が確認できても,抗体価の上昇が起こらない症例の存在),④糞からのクラミジア検出の難しさ(PCR 阻害物質の残存)を経験した.また,パルスフィールド電気泳動等が確立されていないクラミジアにおいては,MOMP の塩基配列の解析が菌株を比較する方法として有用と考えられた.
著者
田中 昌二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-38, no.10, pp.1-8, 2017-06-17

ユーザ ID やパスワードなどのアカウント情報が外部に漏洩した場合,該当利用者の保有情報が漏洩するにとどまらず,漏洩したアカウントによってサービスが外部への攻撃に利用されるおそれがある.そうしたアカウントハイジャック攻撃の代表的な例に,漏洩アカウントのユーザを送信者としたフィッシングメールなど不正メールの送信がある.そこで,本研究では,SMTP 認証ログのリアルタイム解析し,アカウント単位でクライアント IP アドレスの割り当て国の統計を取ることによって,内部アカウントからの不正メール送信を検知する手法を提案する.さらに,本稿では,検知 / 通報システムの構築,およびその効果について述べる.