著者
齋藤 友紀雄 五関 善成 荒井 悌子 大滝 裕香 山下 淳 田中 宏和 石山 泰三 田中 信大 山科 章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.2, pp.S2_87-S2_91, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
7

症例は42歳, 男性. 自宅で夜間就寝中に突然うなり声を発した後, 意識消失したため, 妻が救急要請した. 娘が心肺蘇生術(CPR)の講習受講者であったため, 確認したところ, 心肺停止状態で消防庁司令室の指示により協力して, 11歳の息子が胸骨圧迫を開始した. 救急隊現着時, モニター上, 心静止であったため, 救急隊がCPRを引き継いだところ心室細動(VF)波形となった. DC 200J施行し, CPR継続したところ心拍再開した(心停止時間16分). 当院救急センター搬送後, 低体温療法開始し, 神経学的な後遺症は認めなかった. 冠動脈造影上有意狭窄なく, アセチルコリン負荷は陰性であった. ピルジカイニド負荷試験では右側胸部誘導にST変化を認めなかった. 心臓超音波検査では心機能良好で, 器質的心疾患を認めなかった. 重度睡眠時無呼吸症候群を認めたが, CPAP療法は希望しなかった. 特発性心室細動の診断で, 第21病日に植込み型除細動器(ICD)植え込み術を施行し, 以後経過良好にて退院した. 現在までのところ, ICD作動は認めていない.
著者
田中 節雄
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.99-110,en232, 1980-09-20 (Released:2011-03-18)

There are two fundamental problems on the socialization in the school. First, the old socialization theory has tried to understand the change of human attitude with the concept of socialization. But has it succeeded? Second, it is said that school is the agency of socialization, but we cannot identify what in the school is the agency of socialization.The task of this article is to understand the socialization from a new point of view, and to make clear what in the school is the agency of socialization. What I state in this article is as follows:1. Socialization is usually regarded as a process. I tried to consider it on two dimensions, “the social relations” and “the change of human attitude as result”.2. By doing so I made clear the difference and the resemblance between education and socialization.3. The old socialization theory has neglected the conflict in the socialization: there is not consensus among all members in the society on what sort of the change of human attitude should be regarded as socialization.4. The old socialization theory neglects the change of the attitude in terms of the gratification of human desires, but it is inadequate.5. In the school the social relations are as follows:(1) The teaching-learning relation(2) The cooperative relations(3) The conditions in which children foresee their class in the future (the anticipatory class relation)6. In contemporary schools the anticipatory class relation regulates the teaching-learning relation and the cooperative relations. Teachers are the gatekeepers. Pupils show various kinds of pathologies.
著者
田中 智子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

2011年度に開始した助成事業「官立高等学校設立史の研究――「学都」論序説――」(課題番号23531029)を、最終年度前年度応募によって引き継いだ。主に、文部省「八年計画」を契機とした「ナンバースクール」(第六~第八高等学校)の設置過程、第一次世界大戦後の各「地名校」設立経緯、京都における七度の官立学校設置(誘致)構想について、文部省ならびに地域の諸勢力(県知事・県会・市会・ジャーナリズム・旧藩主・地域出身中央官僚など)の動向、地域の負担実態を明らかにした。並行して、今日、文部省と地方行政府あるいは国立大学法人が主体となって地方都市で行われている「学都」創生諸事業に対する評価を行った。
著者
田中 一之 山崎 武 服部 哲弥 小澤 正直 黒田 覚 隈部 正博 服部 哲哉 小澤 正直 鈴木 登志雄 黒田 覚 隈部 正博 鹿島 亮
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の主題は, 超準的手法の論理的基礎付けである. 従来集合論をベースに行われた超準的議論を, 計算可能性と結びついた2階算術の弱い体系において実行することにより, 命題の構成的な内容まで超準的に得られるようにする. 代表者が考案した2階算術の超準的方法論の改良と整備を行いながら, 2階算術の超準モデルを研究し, 同時に実数集合の計算構造について探査する. とくに, ランダムな無限列としての実数とその集合の性質を調べる.
著者
田中 友梨 菅原 文香 川原 哉絵 富永 史子 加藤 由美 鈴木 千春 下國 達志 増田 創 東舘 義仁 中川 幸恵
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.479-487, 2019 (Released:2019-08-28)
参考文献数
6

平成30年度の診療報酬改定は、多職種や近隣施設との連携強化、すなわち、地域包括ケアシステムの構築に向けた政策の1つと言える。そこで本研究では、管理栄養士の「入院支援」と「退院支援」の参画を開始し、有用性について検証した。「入院支援」への参画では、入退院センター利用患者の概要を把握し、管理栄養士介入の手順を考案した。「退院支援」への参画では、「看護及び栄養管理に関する情報(2)」の運用方法を検討し、近隣の病院や施設等との連携を図った。「入院支援」では、先行研究同様、入院まで良好な栄養状態を保つことで治療に寄与すること、多職種が介入することで業務軽減につながることが示唆された。「退院支援」では、近隣の病院や施設と転院前後の情報共有を円滑に行うことで迅速な患者の栄養管理が可能となり、患者の食事摂取量の維持や増加、また栄養状態の維持や向上につながることが示唆された。「入院支援」、「退院支援」における管理栄養士の参画は、院内外のスタッフ連携に加え、患者支援につながると考えられた。
著者
田中 崇恵
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.221-231, 2012-04-27

This paper aims to discuss illness from the viewpoint "Otherness" and "Identity" through an overview of the literature and a case study. Illness is often thought of as a bad thing and meaningless. In addition, the act of diagnosis emphasizes the otherness of the illness. On the other hand, the illness is thought to have a deep relation with the person who has the illness, and it therefore has an important meaning. In addition, it was shown that illness becomes a part of a person's identity, or essence of identity. Illness is thoght to wave between "Otherness" and "identity", and it brings transcendence and transformation to the person who has illness. In the case study, the dynamics of the opposite elements "Otherness" and Identity and the aspect of the transcendence that it brings were demonstrated by the client’s dream and the progress of the case. It is important that the psychotherapists support advancement to the road of transcendence and the transformation of the clients without stopping the dynamics of illness.
著者
田中 主税 専田 禎
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.32-35, 1999-01-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
関根 雅人 田中 浩也
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.335-342, 2009
参考文献数
15

This paper describes "ene-geometrix", an installation using fluid thermal convection phenomena. We produced this work to make an opportunity when people obtain the insight to the energy system symbolizing the today's paradigm shift from the mechanical view of nature to the view of nature by the theory of life. In this installation, applied the flow visualization method and the technology of the control engineering, various shapes are drawn on a liquid surface by the flow caused by the thermal actuator control and the Self-organization phenomena.
著者
小豆川 裕子 神戸 雅一 田中 茂
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2007年度春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.18, 2007 (Released:2007-10-17)

今日のKM関連施策は,企業価値の向上のために様々な経営手法を融合させ,知識の保存ではなく,知識の共有・知識の流通をいかに行うか, ICT, Non-ICTを含めた経営手法の組み合わせをどう設定するか,に関心が移っている.とりわけICTツールに依存した反省を踏まえ,「人」を中心に据えたコミュニケーションやコラボレーション,それを喚起する「場」が重視され,ICTも企業コミュニティの再生や組織文化の変革ツールとして位置づけられている.本報告は,今日の知識経営の実践や測定手法の動向を踏まえ,知識経営を実現するイノベーションの受容性に着目したフレームワークの提案を行う.
著者
田中 真也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.81-84, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
7

中学生が「証明」に対して抵抗感をもってしまう原因の一つに,論証における納得の仕方や説得の仕方と ,生徒がこれまでの経験や教科等の学習を通して得た納得の仕方や説得の仕方とのギャップに生徒は戸惑っていることがあるのではないかと考え,本格的な論証指導が始まる前の中学1年で,論証の納得・説得の仕方のよさを感得させておく可能性を探った。論証の機能のうち「発見」に注目した授業づくりをし,生徒の納得・説得の仕方を大切にしつつ,論証の納得・説得の仕方のよさを感得させることを目的に授業を実践した。その結果,論証による説明だけが納得できる説明だとする生徒が増えるなど,生徒の実態に望ましい変化があった。
著者
田中 雅幸 鶴見 由美子 打谷 和記 池嶋 孝広 村中 達也 大植 謙一 廣田 育彦 仲野 俊成 今村 洋二
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.119-127, 2010 (Released:2015-02-20)
参考文献数
9

われわれは処方チェックシステムの精度向上とともに,医薬品マスタメンテナンス作業の省力化が可能なオーダリングシステムの構築に取り組み,ほぼ目標に到達しえたと判断したことから,今回その稼働状況の評価を行った. 電子カルテと薬剤サブシステム間の医薬品マスタの一元管理により,マスタの整合性保持が実現した.また独自の処方チェック用データベースを作成し,処方チェックを電子カルテ側とサブシステム側の二段階に振り分けた.さらに処方監査に必要な検査値や薬歴などを処方せんに出力させる機能を搭載した.その結果,レスポンス低下を招くことなく,監査支援を強化することができた. 電子カルテは安全管理に有用なツールであるが,安易なシステム導入は医療事故を誘発しかねない.医療従事者がシステムを理解した上で完成度の高いシステム構築に参画する必要がある.われわれは今後もシステム改善に取り組み,医療安全に貢献していきたい.
著者
中間 満雄 田中 浩 石井 泉 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.19-25, 2009
被引用文献数
1

活性酸素種 (ROS) は紫外線によって生成され,さまざまな皮膚障害をひき起こす。最近,一酸化窒素 (NO) やパーオキシナイトライト (ONOO<sup>-</sup>) などの活性窒素種 (RNS) が,ROSと同様にさまざまな皮膚障害に関与していることが明らかとなってきた。これまでに,紅斑,メラニン生成,バリア機能の低下,創傷治癒および乾癬などに対するRNSの関与が示唆されており,美しい肌を保つためにはRNSの制御が重要であると考えられる。しかし,RNSの寿命は非常に短いため,RNSを直接的に観測した例はほとんどみられない。本研究では,RNSに特異的な蛍光プローブを用いることにより,表皮角化細胞へのUVB照射によるRNS生成量の増加を直接的に観測した。一方,UVB照射によるRNS生成量の増加は,新規な水溶性ビタミンE誘導体である<i>dl</i>-<i>&alpha;</i>-トコフェリルリン酸ナトリウム (VEP) によって抑制された。さらに,UVB照射によるRNSの生成は,神経型一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を介したメカニズムによって起こることが示唆された。以上から,RNSによるさまざまな皮膚障害に対してVEPが有効である可能性が考えられた。
著者
中間 満雄 田中 浩 石井 泉 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.19-25, 2009-03-20 (Released:2011-12-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

活性酸素種 (ROS) は紫外線によって生成され,さまざまな皮膚障害をひき起こす。最近,一酸化窒素 (NO) やパーオキシナイトライト (ONOO-) などの活性窒素種 (RNS) が,ROSと同様にさまざまな皮膚障害に関与していることが明らかとなってきた。これまでに,紅斑,メラニン生成,バリア機能の低下,創傷治癒および乾癬などに対するRNSの関与が示唆されており,美しい肌を保つためにはRNSの制御が重要であると考えられる。しかし,RNSの寿命は非常に短いため,RNSを直接的に観測した例はほとんどみられない。本研究では,RNSに特異的な蛍光プローブを用いることにより,表皮角化細胞へのUVB照射によるRNS生成量の増加を直接的に観測した。一方,UVB照射によるRNS生成量の増加は,新規な水溶性ビタミンE誘導体であるdl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム (VEP) によって抑制された。さらに,UVB照射によるRNSの生成は,神経型一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を介したメカニズムによって起こることが示唆された。以上から,RNSによるさまざまな皮膚障害に対してVEPが有効である可能性が考えられた。