著者
田中 真 内田 純平 宮岡 祐一郎 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1383-1394, 2005-06-15
被引用文献数
11

演算器ごとに専用のローカルレジスタを持たせるレジスタ分散型アーキテクチャを用いると,レジスタ間データ転送を利用することによって配線遅延が回路の性能に与える影響を削減することが可能である.しかし,高位合成のスケジューリングの段階からフロアプラン情報を考慮する必要がある.本論文では,レジスタ分散型をターゲットアーキテクチャとし,(1) スケジューリング,(2) レジスタバインディング,(3) モジュール配置,の工程を繰り返し,(3) から得られたフロアプラン情報を(1),(3) の工程にフィードバックすることによって,解(合成結果)を収束させる高位合成手法を提案する.フロアプラン情報をスケジューリングに反映させるために,フィードバックされた配置情報とタイミング制約に基づいて,レジスタ間データ転送を利用することができるスケジューリング手法を提案する.また,レジスタ分散型に対応したレジスタバインディング手法を提案する.提案バインディング手法では,ローカルレジスタを入力側と出力側で区別し,出力側レジスタで可能な限りデータを保持することにより,総レジスタ数を削減する.提案手法により,フロアプランを考慮したレジスタ間データ転送を用いた回路を解として得ることが可能となる.計算機実験によって,提案手法の有効性を示す.By using a distributed-register architecture, we can synthesize the circuits with register-toregister data transfer, and can reduce influence of interconnect delay. In this paper, we propose a high-level synthesis method targeting a distributed-register architecture. Our method repeats (1) scheduling, (2) register binding, (3) module placement processes, and feeds back floorplan information from (3) to (1) in order to decide which functional units use registertoregister data transfers. Our scheduling algorithm can use register-to-register data transfer based on floorplan and timing constraint. We also propose a register binding algorithm on a distributed-register architecture. We show effectiveness of the proposed methods through experimental results.
著者
中尾 友香梨 日高 愛子 白石 良夫 大久保 順子 土屋 育子 沼尻 利通 亀井 森 三ツ松 誠 谷口 高志 田中 圭子 中尾 健一郎 村上 義明 二宮 愛理 脇山 真衣 河野 未弥 明石 麻里
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、肥前小城藩の藩主家と藩校に伝わっていた蔵書群である小城鍋島文庫の典籍を調査し、具体例として当文庫所蔵の『十帖源氏』を輪読・翻字し、分析を加えた。主要なる成果物として、2017年5月に『小城鍋島文庫蔵書解題集(試行版)』を刊行し、また2018年3月に笠間書院より『佐賀大学附属図書館小城鍋島文庫蔵「十帖源氏」立圃自筆書入本 翻刻と解説』を出版した。
著者
武本 充治 大石 哲矢 岩田 哲弥 山登庸次 田中 洋平 徳元 誠一 島本 憲夫 黒川 章 須永 宏 小柳 恵一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.418-433, 2005-02-15
参考文献数
32
被引用文献数
15

新しいネットワーク技術と端末技術が開発されることにより,近い将来ユビキタスコンピューティング環境が確立されるが,その環境でユーザにサービスを提供する方法については,まだ十分な技術が開発されていない.我々は,ユビキタスコンピューティング環境に適したサービス提供方法を実現するUbiquitous Service-Oriented Network(USON)アーキテクチャを提案した.USONアーキテクチャにおいては,サービス提供は,サービステンプレート(ST)に基づき,サービス構成要素(SE)を組み合わせることによるサービス合成と,SEとSTの使用履歴などからSTを生成するサービス創発から構成される.STは,BPELなどのワークフロー型サービス連携技術をユビキタスコンピューティング環境に拡張したものであり,SEは,Semantic Webなどと同様に,Semanticsを持つものである.本稿では,主に,サービス合成を実現するために必要となる基本的な機能とその実装について述べ,それらを実際に利用してのアプリケーションを使っての機能検証を行う.本稿で提案する技術により,近い将来のユビキタスコンピューティング環境におけるサービス提供が可能となる.While new network technologies bring ubiquitous-computing environments ever closer, methods to provide suitable services within such environments remain immature. We describe the Ubiquitous Service-Oriented Network (USON) architecture, a new service-provision architecture, covering the basic concept, components and their roles, and the service-provision mechanism. A USON provides services in two phases, a service-composition phase in which service elements (SEs) are combined on the basis of service templates (STs), and a serviceemergence phase in which a new ST is obtained on the basis of the history of usage of SEs and STs. An ST is an extention of workflow-stype service-coodrination description and an SE has the semantic information suitable for ubiquitous-computing environment. This paper mainly describes the functions of USON service-composition, their implemantations using P2P technologies and evaluation with actual applications. The establishment of USON technologies on networks will provide various services within ubiquitous-computing environments.
著者
水谷 澄 新庄 五朗 田中 生男
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.115-118, 2004-12-15

オオチョウバエの各種飼育法の概要を示した,さらに人工汚水と森谷らが1969年に報告したエビオス水溶液による飼育方法を室内観察で比較検討した.その結果,雌成虫が産卵適期であれば両法共培養液を設置後すぐ産卵した.25℃の温度下では,設置52時間後に一部1齢幼虫が孵化したので,卵期間は2〜3日であった.その後設置4日後まで双法の間で幼虫の発育に差は認められなかった.しかしそれ以降は人工汚水区の方がエビオス水溶液区より発育が早く進行した.成虫は両法とも自然個体と同様な大きさの個体が得られた,卵期間は2〜3日,幼虫期間は人工汚水区が8〜14日,エビオス水溶液区が10〜15日,蛹期は双法とも3〜4日であった.成虫の寿命は比較的短く,通常の湿度環境(60〜80%RH)では2週間以内にほとんどが死亡した.
著者
今川 貴博 桑原 文夫 田中 実 阿部 秋男 小栗 健 廣瀬 陽一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1387-1388, 2003

杭の急速載荷試験として重錘落下方式におけるクッション材に粘性ダンパーを用いた模型実験を行った。模型砂地盤に設置した直径41mmの模型鋼管杭の頭部に取り付けた6つのダンパーに63.5kgの重錘を落下させ、杭頭における軸ひずみ、鉛直変位および加速度を測定した。その結果、粘性ダンパーはコイルばねを用いた場合に比べて2倍以上の載荷時間を実現できた。また、静的載荷試験(押込み試験)の第2限界荷重までの荷重~変位量曲線を再現できた。
著者
田中 三郎 宮崎 康次 塚本 寛
出版者
社団法人 日本伝熱学会
雑誌
日本伝熱シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.224-224, 2009

p型ビスマステルライドをビーズミルを用いてナノ粒子を作製,有機溶剤に分散させ,ペースト状のナノ粒子をアルミナ基板に塗布,薄膜の作製を行った.ナノ多孔体薄膜の熱伝導率を3オメガ法により-170℃から室温の範囲で測定した.薄膜の熱伝導率はバルクよりも大幅に小さく,低温になるにつれ熱伝導率は増加せず,バルクと異なる温度依存性を示した.これらの結果から,ナノ粒子で作製したナノ多孔体の熱伝導に及ぼす影響を考察した.
著者
田野崎 隆雄 田中 勝 ピエール モスコビッツ 築谷 淳志 中村 和史
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.465-473, 2003

現在欧州統合の一環として行われているEU各国の環境法規のハーモニゼーションは,CEN-ISOといったNGOの定める規格類をその試験方法として採択し,標準化を図ってきた。欧州においては廃棄物のキャラクタリゼーションが中心になり,特に暴露シナリオによる環境影響評価のハーモニゼーションを進めている。ここでは,汚染土壌及び廃棄物の評価方法の状況を紹介し,その背後にある環境影響評価の考え方を指摘した。
著者
山中 孝文 田中 尚人 星野 裕司 本田 泰寛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.82-95, 2012 (Released:2012-08-20)
参考文献数
27

熊本大学工学部の前身である第五高等学校工学部,のちの熊本高等工業学校は1897(明治30)年,1906(明治39)年に実業専門学校として設立された.上記の学校の卒業生は高等専門学を教授され,工学得業士の称号を授与された.本研究では,まず土木分野における五高工学部・熊本高工の位置づけを整理し,実社会における工学得業士の割合を示した.さらに,卒業時点の進路と勤務先の変遷に関するデータベースを作成することにより,工学得業士の主な勤務先が地方官庁だったことを明らかにした.最終的に,地方官庁の勤務者を抽出してその就業状況について分析することにより,その特徴を考察した.
著者
原田 志津男 松藤 泰典 小山 智幸 田中 恭一
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.883-888, 1999-06-21
被引用文献数
3

本研究は硫酸酸性地盤に5年間暴露した高品質コンクリートの物理性状に関して検討を行ったものである.暴露試験は霧島温泉郷硫黄谷温泉地帯のpH2。0〜4.5の強酸性地盤で実施した.試験体は,高炉スラグ微粉末,シリカフユームなどを用いた低水結合材比コンクリートである.:本論文では,5年間の暴露試験結果,高品質コンクリート試験体内部の物理性状は健全であると考えられるが,暴露試験体の表面はCa成分が溶出し粗くなっており,pH3程度の酸性濃度が大きい地盤に接したものは,重量減少率も比較的大きくなることを明らかにしている.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.957-966, 2009-07-01
被引用文献数
9 1

Three channels, which will cease to be used for analog satellite broadcasting in July 2011 and 4 channels of the BS-17 19, 21, and 23ch, which were assigned to Japan at the WRC-2000, will be used for new digital broadcasting services after 2011. In these channels, a new broadcasting system called "Advanced Digital Satellite Broadcasting System" will be available as well as the current ISDB-S one. The new system can increase transmission bit rate by 30%compared with the current ISDB-S system by using LDPC codes and a roll-off factor of 0.1. The Association of Radio Industries and Businesses (ARIB) conducted evaluation tests to acquire its C/N-BER and synchronous performance as well as confirm how well the TMCC signal functions. Demonstrative tests to transmit Super Hi-Vision were also performed. The tests were done using a satellite simulator and a real satellite transponder. The tests showed that the system performed very well, and the details are reported here.