著者
山本 光夫 加藤 孝義 多部田 茂 北澤 大輔 藤野 正俊 小豆川 勝見 松尾 基之 田中 潔 道田 豊
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.243-255, 2015 (Released:2015-03-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 5

東日本大震災後の沿岸環境変化の評価を目的とし,岩手県釜石湾において,海水中の栄養塩と重金属濃度,底質の放射性物質含有量に着目した海域環境調査を行った。栄養塩は冬期に高く夏期に低い傾向がみられ,震災前と必ずしも一致しなかった。これは湾口防波堤破壊による湾内環境変化の影響と考えられる。一方で重金属は津波の影響と予想される濃度変化はみられなかった。放射性物質も最大で 60 Bq/kg 以下と他の海域に比べ特に高い値ではない上に現在は減少傾向にあり,安全性の面で海域環境は震災前に戻りつつあることが示唆された。
著者
田中 延吉 田村 幸生 中村 遊香 三阪 力 橋口 衞 佐藤 剛 兼島 孝 左向 敏紀
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.6-11, 1997-03-20 (Released:2008-05-16)

犬では洗浄する目的によって適したシャンプーの使い分けが要求される。犬の品種の多様化に伴い, 皮毛の性状の違いや, 皮膚病の種類も多彩になっている。動物用シャンプーには抗脂漏性, 抗菌性あるいは保湿性成分などを含んだ製品がある。この報告では過剰皮脂分泌に対応するコールタール, イオウ, サリチル酸などを含有したビルバック社製製品についての臨床試験成績を報告する。動物病院9カ所から無作為に39頭を選び試験に供した。1日1回の割合で1~12回洗浄し, べたつき, 臭い, 毛づや, くし通り, ふけ, 痒みなど9項目を観察した。結果は洗浄効果97%, ふけ・痒み90%, 消臭効果全例, 保湿性97%, 毛づや・潤い84%と良好な効果を得, また泡立ち, 泡切れなどの点でも使用しやすく, 副作用も認めなかった。.
著者
篠原 雅尚 村井 芳夫 藤本 博己 日野 亮太 佐藤 利典 平田 直 小原 一成 塩原 肇 飯尾 能久 植平 賢司 宮町 宏樹 金田 義行 小平 秀一 松澤 暢 岡田 知己 八木 勇治 纐纈 一起 山中 佳子 平原 和朗 谷岡 勇市郎 今村 文彦 佐竹 健治 田中 淳 高橋 智幸 岡村 眞 安田 進 壁谷澤 寿海 堀 宗朗 平田 賢治 都司 嘉宣 高橋 良和 後藤 浩之 盛川 仁
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2010

2011年3月11日、東北地方太平洋沖でM9.0の巨大地震が発生し、地震動・津波被害をもたらした。この地震の詳細を明らかにするために、各種観測研究を行った。海底地震観測と陸域地震観測により、余震活動の時空間変化を明らかにした。海底地殻変動観測及び地震波反射法構造調査から、震源断層の位置・形状を求めた。さらに、各種データを用いて、断層面滑り分布を明らかにした。現地調査により、津波の実態を明らかにし、津波発生様式を解明した。構造物被害や地盤災害の状況を明らかにするとともに、防災対策に資するデータを収集した。
著者
田中 真 内田 純平 宮岡 祐一郎 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1383-1394, 2005-06-15
参考文献数
13
被引用文献数
11

演算器ごとに専用のローカルレジスタを持たせるレジスタ分散型アーキテクチャを用いると,レジスタ間データ転送を利用することによって配線遅延が回路の性能に与える影響を削減することが可能である.しかし,高位合成のスケジューリングの段階からフロアプラン情報を考慮する必要がある.本論文では,レジスタ分散型をターゲットアーキテクチャとし,(1) スケジューリング,(2) レジスタバインディング,(3) モジュール配置,の工程を繰り返し,(3) から得られたフロアプラン情報を(1),(3) の工程にフィードバックすることによって,解(合成結果)を収束させる高位合成手法を提案する.フロアプラン情報をスケジューリングに反映させるために,フィードバックされた配置情報とタイミング制約に基づいて,レジスタ間データ転送を利用することができるスケジューリング手法を提案する.また,レジスタ分散型に対応したレジスタバインディング手法を提案する.提案バインディング手法では,ローカルレジスタを入力側と出力側で区別し,出力側レジスタで可能な限りデータを保持することにより,総レジスタ数を削減する.提案手法により,フロアプランを考慮したレジスタ間データ転送を用いた回路を解として得ることが可能となる.計算機実験によって,提案手法の有効性を示す.By using a distributed-register architecture, we can synthesize the circuits with register-toregister data transfer, and can reduce influence of interconnect delay. In this paper, we propose a high-level synthesis method targeting a distributed-register architecture. Our method repeats (1) scheduling, (2) register binding, (3) module placement processes, and feeds back floorplan information from (3) to (1) in order to decide which functional units use registertoregister data transfers. Our scheduling algorithm can use register-to-register data transfer based on floorplan and timing constraint. We also propose a register binding algorithm on a distributed-register architecture. We show effectiveness of the proposed methods through experimental results.

1 0 0 0 OA 静岡遊行記

著者
田中貢太郎 著
出版者
青山書院
巻号頁・発行日
1925
著者
大窄 貴史 成 耆政 鈴木 尚通 中島 弘毅 葛西 和廣 竹内 信江 田中 正敏
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
no.10, pp.13-44, 2012-01-31

本稿は地域スポーツイベントの経済波及効果及び参加者の健康増進への影響について、明らかにすることを目的とした。経済波及効果は大会運営経費の2.01倍であった。満足度における肯定的回答が、およそ8割であった。リピーターの運動機会は、参加者全体の4割で運動機会が増加した。本大会が他の関係団体と共同し、魅力あふれる大会を創造していくことが、塩尻市を中心とする地域の活性化、地域住民への活力及び健康増進に寄与すると考える。
著者
田中 宏幸
出版者
JAPANISCHE GESELLSCHAFT FUER GERMANISTIK
雑誌
ドイツ文学 (ISSN:03872831)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.142-150, 1963 (Released:2009-01-30)

Im Deutschen gibt es ziemlich zahlreiche Konsonantenverbindungen, während solche im Japanischen sehr selten sind. Deshalb scheint es nicht nur theoretisch, sondern auch praktisch sehr fruchtbar, deren Typen und Regeln zu untersuchen. An Hand des Duden (Bd. 1, 141958) und Siebs (181961) habe ich hier versucht, einen Abriß mitzuteilen.Im Anlaut des Wortes gibt es etwa 25 zweigliedrige (meistens Geräusch-+Sonorlaut) und nur 3 dreigliedrige Verbindungen (/šp/ špr štr/). Im Auslaut erscheinen über 50 zweigliedrige (meistens Sonor-+Geräuschlaut), etwa 60 dreigliedrige (/KKs, KKt/-Typus) und 25 viergliedriee Verbindungen (/KKst/-Typus). Der stimmhafte Geräuschlaut erscheint im Auslaut weder einzeln noch gruppenweise. Der Inlaut-Typus ist gewöhnlich dem Auslaut-Typus gleich (z.B /lp, rt/) oder ähnlich (z.B. /lb, rd/). Bei dem anderen Typus, der aus dem ersten Quasi-Auslaut-Typus und einem Sonorlaut besteht (z.B. /fn, tm, rtn, ndl/), ist die Silbengrenze vor dem Sonorlaut eindeutig zu finden. Bei den übrigen ist die Silbentrennung aus dem phonotaktischen Gesichtspunkt manchmal etwas willkürlicher.
著者
加辺 憲人 黒澤 和生 西田 裕介 岸田 あゆみ 小林 聖美 田中 淑子 牧迫 飛雄馬 増田 幸泰 渡辺 観世子
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.199-204, 2002-08-20
被引用文献数
27 20

本研究の目的は,健常若年男性を対象に,水平面・垂直面での足趾が動的姿勢制御能に果たす役割と足趾把持筋力との関係を明らかにすることである。母趾,第2~5趾,全趾をそれぞれ免荷する足底板および足趾を免荷しない足底板を4種類作成し,前方Functional Reach時の足圧中心移動距離を測定した。また,垂直面における動的姿勢制御能の指標として,しゃがみ・立ちあがり動作時の重心動揺を測定した。その結果,水平面・垂直面ともに,母趾は偏位した体重心を支持する「支持作用」,第2~5趾は偏位した体重心を中心に戻す「中心に戻す作用」があり,水平面・垂直面での動的姿勢制御能において母趾・第2~5趾の役割を示唆する結果となった。足趾把持筋力は握力測定用の握力計を足趾用に改良し,母趾と第2~5趾とを分けて測定した。動的姿勢制御能と足趾把持筋力との関係を分析した結果,足趾把持筋力が動揺面積を減少させることも示唆され,足趾把持筋力の強弱が垂直面での動的姿勢制御能に関与し,足趾把持筋力強化により転倒の危険性を減少させる可能性があると考えられる。<br>
著者
河野 敬史 猪狩 忠光 今吉 雄二 田中 敏博 徳永 成光 吉満 敏 寺田 竜太
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.359-369, 2012-09-20 (Released:2015-03-23)
参考文献数
32

薩南諸島と鹿児島県本土に見られる海草13種について,鹿児島大学と鹿児島県水産技術開発センターの標本と調査記録に基づいて分布を整理すると共に,熱帯・温帯性海草の推移帯に位置する奄美大島 2ヶ所で群落構造を調査した。日本本土に主に分布する温帯性種のコアマモとヤマトウミヒルモは奄美大島でも見られたが,アマモは薩南諸島で確認されなかった。熱帯性種の分布は種によって異なり,ベニアマモ,リュウキュウアマモ,ボウバアマモ,リュウキュウスガモ,ウミヒルモ,トゲウミヒルモの6種は奄美大島が北限だったが,ウミジグサ2種は種子島南部でも見られた。一方,オオウミヒルモは薩南諸島,鹿児島県本土の両方で見られた。沖縄以南の海草群落で主要構成種となるリュウキュウスガモは与論島,沖永良部島,徳之島で優占群落が見られたが,奄美大島では一部を除いて点生する程度であり,コアマモやウミジグサ類主体の群落が形成されていた。
著者
滝瀬 竜司 田中 哲朗
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2544-2551, 2012-11-15

現在の将棋プログラムの多くは入玉が絡む局面の扱いを不得意としているが,トッププロに勝つためには,入玉が絡む局面を正しく扱い「自玉が入玉できそうなときは入玉を目指す」,「敵玉の入玉を正しく阻止する」将棋プログラムの作成が不可欠だと考えられる.本稿ではオープンソースの将棋プログラムBonanzaの評価関数を変更することにより入玉指向の将棋プログラムを作成する試みを行った.その結果,元のBonanzaの評価関数に「入玉ステップ数」という特徴を加えて学習した評価関数を用いることにより,勝率を落とさずに入玉率を大幅に上げることができた.Most of recent shogi programs are thought not to treat entering-king positions correctly. The goal of this paper is to make a shogi program that treats entering-king positions correctly. We have conducted a couple of experiments to create an entering-king oriented shogi program by modifying the evaluation function of an open source shogi program "Bonanza". We made an evaluation function which has a new feature "entering-king step" besides original features, and adjusted the weight parameter of this feature based on comparison of moves that appeared in a database of game records. As a result, we succeeded to raise the entering-king rate without decreasing the original winning rate.
著者
坂下 晃祥 田中 秀和 サカシタ アキヨシ タカナ ヒデカズ Akiyoshi SAKASHITA Hidekazu TANAKA
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.19, pp.79-94, 2011-03

2007(平成19)年に社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、より時代のニーズに適合した社会福祉士の活躍が求められている。一方、福祉に関する専門職の資格として、社会福祉士より先に制度化された社会福祉主事については、議論の場に登場する機会が減少し、これまでにもその制度の形骸化が指摘されており、その存在意義が問われている。本稿においては、社会福祉主事任用資格の制定史を振り返り、改めてその意義と課題を探ることにより、今後の議論に活かそうとするものである。
著者
内田 博 高柳 茂 鈴木 伸 渡辺 孝雄 石松 康幸 田中 功 青山 信 中村 博文 納見 正明 中嶋 英明 桜井 正純
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.131-140, 2007-11-01 (Released:2007-11-17)
参考文献数
21
被引用文献数
3 3

1994年から2003年にかけて埼玉県中央部の丘陵地帯で,20×20 km,400 km2の調査区を設定して,オオタカの生息密度,営巣環境,繁殖成績,繁殖特性などを調査した.調査地での生息密度は1996年から2003年にかけて100 km2あたり平均12.8から14.0ペアであった.調査地内の隣接最短巣間距離は平均で1.74±0.59 km(±SD,範囲0.79−3.05 km, N=37)であった.営巣樹木は214例のうち,スギが54%,アカマツ30%,モミ13%と常緑針葉樹が97%を占めた.巣の高さは平均14 m,営巣木の69%の高さにあり,胸高直径は平均41 cmであった.巣は林縁から平均68 m,人家から155 m,道路から100 mの距離にあり,人の生活圏に接近していた.繁殖成功率は平均72%で,年により53~87%まで変動があった.巣立った雛は,産卵以降の全巣を対象にした場合平均1.49羽で,繁殖に成功した巣だけの場合,平均2.06羽であった.巣は前年繁殖に使用して,翌年も再使用したものが61%であった.また,9年間も同じ巣を使っているペアもいた.巣場所の再使用率は繁殖に成功した場合65%で,失敗すると50%だった.繁殖に失敗した67例の理由のほとんどは不明(61%)であったが,判明した原因は,密猟3例,人為的妨害4例,巣の落下4例,カラスなどの捕食5例,卵が孵化しなかったもの4例,枝が折れて巣を覆った1例,片親が死亡4例,近くで工事が行われたもの1例などであった.また,繁殖失敗理由が人為的か,自然由来のものであるかで,翌年の巣が移動した距離には有意差があり,人為的であればより遠くへ巣場所は移動した.
著者
田中 朝雄
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.903-909, 1997
被引用文献数
5

クルーズ・トリパノソーマはシャガス病の原因寄生原虫であり, 非常に近縁のランゲル・トリパノソーマはヒトに無害である。これらの鑑別診断のため, システイン・タンパク質分解酵素の遺伝子の一部をポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) で増幅し, 制限断片長多型性 (RFLPs) による区別を行った。この手技による感度は鋭敏で、1個の細胞を検出し得た。この手技の高感度および簡易性により, 実地への応用が期待できる.
著者
田中 愛子 岩本 晋
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.31-47, 1998-03
被引用文献数
1

Y看護学院保健婦科の学生に死生観に関する質問紙を作成してもらい,それを用いてY看護学院の学生全員(n=296)を対象に調査を行った。作成された質問紙と調査結果は以下の事を示している。1)死生観の質問項目は,「自分の死」「家族・身近な人の死」「死の教育」「生について」「臨床実習と生と死」の5つの視点があった。2)調査を実施する際のインフォームド・コンセントでは,死生観と看護を関連づけて,調査の意図が説明されていた。3)調査した結果は次のとおりである。97.6%の学生が死について考えたことがあり,81.3%が身近な人との死別体験を持っていた。またこの体験や死についての学習は,生や死について考えるきっかけになったと答えていた。脳死は人の死であるかや,人工呼吸機での延命についての考えは,「よくわからない」という答えが多かったが,生命の誕生については94.2%が尊いものであるととらえている。今回紹介した質問項目の範囲においては,死の学習やターミナルステージにある患者との関わりなどの具体的な経験を尋ねる項目では学年や教育課程で相違が見られたが,その他の殆どの質問項目において学年や教育課程による特徴の差は見られなかった。
著者
田中不二雄 著
出版者
春江堂
巻号頁・発行日
1919