著者
濱川 みちる 高良 翔太 阿嘉 太志 濱崎 直人 宮里 好一 西野 仁雄 石田 和人 白木 基之 辺土名 まゆみ 安里 克己 仲程 真吾 山城 貴大 平山 陽介 秋月 亮二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに】中枢神経疾患由来の手指拘縮は,関節可動域拡大運動やストレッチなどを継続しても改善困難な症例が多く,進行すると手指の衛生不良や介護負担増などの負の連鎖を招く。今回,拘縮手改善のために開発された高反発クッショングリップ「ミラクルグリップ」(ホワイトサンズ社製)を回復期病棟入院患者・進行性疾患患者に試用し,良好な成績が得られたので報告する。【方法】脳血管疾患あるいは進行性神経疾患にて当院に入院または通院している者のうち,手指拘縮を認める4例を対象とした。グリップ着用前の状態として,症例Aは脳出血で入院(発症後6カ月),右上肢の拘縮と他動運動時痛,手指不衛生を認めた。症例Bは脳塞栓症で入院(発症後4カ月),左上肢の拘縮・他動運動時痛を認めた。症例Cは脳出血で入院(発症後4カ月),右上肢の痙性麻痺,手指炎症,他動運動時痛,白癬による悪臭・蒸れを認めた。症例Dは多系統萎縮症で通院(発症後16年),定期的なボトックス治療とPT・OTを継続していたが,両手指・手関節を中心に拘縮とかぶれを認めた。対象者には,通常の治療と併用して,ミラクルグリップのモニターとして拘縮手に1カ月間,24時間継続して着用していただいた。評価には,着用期間中の表情や手指衛生に加え,着用前・着用2週間後・1カ月後の拘縮側上肢の関節可動域(以下,ROM)を記録した。【結果】症例Aは着用前,痛みのため離床や理学療法も長期間拒否していたが,着用2日後より他動運動時の抵抗が軽減し理学療法も受け入れるようになった。6日後には爪切りや離床も可能となった。症例Bは着用2週間後に手・肘関節のROM拡大,1カ月後には肩関節のROM拡大が得られ,苦痛様表情も軽減した。症例Cは内服治療との併用にて,着用7日後には右上肢の筋緊張が全体的に軽減し,1カ月後には熱感や疼痛,悪臭の消失が得られた。症例Dは着用7日後より他動運動時の抵抗軽減,1カ月後にはかぶれ消失,ROM拡大が得られた。【結論】今回,手指拘縮患者に対しミラクルグリップを1カ月間使用し,拘縮の軽減,表情や手指衛生の改善が得られた。西野らはミラクルグリップの効果として,クッションの強い反発力と圧力のランダム性が,上肢全体・顔面の血流を増加させ,脳血流も増加することを示している。また筋電図では,上肢屈筋群だけでなく伸筋群の筋活動量も増加すると報告している。今回のROMや表情の改善も同様の作用によるものと考える。また手指衛生の改善は,グリップのもつ高い通気性・抗菌消臭作用が拘縮改善と相まってもたらした効果と考えられる。本研究により,回復期病棟入院患者や進行性疾患患者という,病期により症状が変化する患者においても良好な成績が得られることが分かった。しかしモニター試用という条件上,シングルケースデザインを導入できなかったため,効果の持続性についてはさらなる検証が必要である。今後,ミラクルグリップが治療手段の一つとして病期にかかわらず広く利用され,効果を発揮することが大きく期待される。
著者
白濱 謙一 菅原 義則 土田 久幸 川崎 圭子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-81, 1991 (Released:2018-05-01)

バルカン半島の中部からトルコにかけて,特異な様式の伝統的住居がある。石造りの下階に木構造の上階が載った,いわば混構造の建築である。この型の住居の歴史はおそらくビザンチンにまで遡ると思われる。また,わずかずつ違いを見せながらもその分布する地域は,アルバニア,ギリシア,ユーゴスラビア,ブルガリア,ルーマニアそしてトルコにまたがっており,周知のようにこれらの国々は先ごろまで複雑な国際関係にあった。これまで伝統的住居について,自国の文化の範囲で研究されてはいたが,全地域にまたがる包括的な研究は少ない。当研究室では,かねてから住文化における異文化の移入とその後の変容について興味をもっており,この視点から上記の特異な型の住居文化の動向を探りたいと考えた。研究の内容と方法(a)マケドニア(ユーゴ領)の伝統的住居の現地集落調査(1989年8~9月)(b)スコピエ大学建築学科の資料分析 (C)ギリシア北部とトルコに分布する同型の住居と比較以上より,マケドニアの伝統的住居の類型とその分布を把握し,その特徴を周辺地域と比較してこの地域における住文化の交流の様相を解明することが目的である。研究の結果 次のことがわかった。(1)マケドニア住居は,“chardak”(チャルダック)と称する家具の無いホールを持つ。(2)チャルダックはOH型(Outer hall type)とIH型(Inner hall type)がある。(3)他の地域と比較するとマケドニア住居の規模は小さい。それはキリスト教の1家族型であるためである。(4)NH型(No hall type)とCH型(Center hall type)を含めて4つの型の広域分布図を作成した。(5)OH型は非常に古い型と考えるが,現在でも広く存在しているのは素朴な機能主義を持っていたからであろう。
著者
住沢 佳子 福島 脩美 Yoshiko Sumizawa Osami Fukushima 目白大学大学院心理学研究科 目白大学人間学部 Mejiro University Graduate School of Psychology Mejiro University Faculty of Human Sciences
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 = Mejiro journal of psychology (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.111-123, 2008

人型シールは,充分な面接時間がとれずとも質的に低下せず,圧迫感を与えない方法でクライエントの対人関係や対人距離感を知ることを目的とし主に学生相談の中でタックシール(住沢,2002),HRシール(Human Relation seal)(住沢,2003),そして人型シールと徐々に形を変えて導入されてきた。本研究は,クライエントによって認知された対人関係を的確に査定するため,また面接の話題を具体化する道具としても活用することを目的に開発するものである。本稿は人型シール開発のための一連の研究の1つとして人型シール同士の方向,距離,大小,上下について調べた。調査方法としては,大人と子供,好きな相手,過小評価,支配的,味方,板ばさみなどを含む事例を参加者が人型シールで表現し,表現された人型シールから,方向,距離,大小,上下の特徴を調べた。その結果,たとえば互いに好意を持つ関係を表現する場合,2人を向かい合わせに貼るという表現もあるが,近くに貼ることで表現されること,つまり,方向と距離の表現の関係が明らかになった。大小に関しては大人と子供の表現の他に大きく感じる人には大,小さく感じる人には小の人型シールが使用されることがわかった。また上下に関しては立場の強い人が上,立場の弱い人が下に貼られる傾向がみられた。また,貼られた人型シールに漫画の描き込みが多く見られ,人型シールによるクライエント理解に新たな側面を見出すことができた。The "Hitogata-seal" (person form seal) was developed as a tool of adequate assessment of perceived interpersonal relationship in the counseling situation. Also it was expected to become a interaction topic between client and counselor. This paper was one of research projects with hitogata-seal. Participant were given the brief description of two cases in which interpersonal relationship were presented, and were asked to express their perception by arranging of hitogata-seals, in direction, distance, size, and position. The results were the following : The distance was related to the direction for each other. A large seal showed a adult, and a small one expressed a child. In addition, a large seal was used also for the person whom the participant felt important or influential, and a small one as unimportant or weak. A person in strong position was arranged in upper part, and a person in weak was arranged below. A lot of cartoons were drawn on the hitogata-seal. This was able to find a new aspects to the client understanding with hitogata-seal.
著者
望木 郁代 桑畑 綾香 白石 泰三 堀 浩樹
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.355-363, 2015-09-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1

目的 : 医学教育における有効な倫理教育を検討するために, 医学部医学科学生の生命倫理観・死生観を評価した.方法 : 医学科第1, 2, 4, 6学年学生, 他学部第1学年学生を対象として質問紙調査を実施した.結果 : 医学科学生と他学部学生との比較では, 入学間もない時点で, 生命倫理「安楽死」「ヒトクローン」, 死生観「死への恐怖・不安」「人生における目的意識」「死への関心」への態度に差が認められた. 医学科学生では, 生命倫理「着床前・出生前診断」「遺伝子診断」「生殖補助医療」, 死生観「人生における目的意識」への態度に学年間で差が認められた.結語 : 医学科学生の生命倫理観・死生観は, 大学入学時すでに他学部と差があり, 学年ともに変化している. 医学科学生の特性をふまえての有効な倫理教育プログラムの構築が, 今後望まれる.
著者
白石 義人
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.341-345, 2018-05-15 (Released:2018-06-23)

日本における薬物依存や乱用による事件が社会的問題となっている中で,われわれ医療者(麻酔科医)は患者を薬物依存に陥らせないようにすべきことはもちろんである.しかし自分自身が薬物依存に陥ってしまうことは,医療者の社会的信用を失墜し,医療倫理にも反する.残念ながら日本においては処罰(刑事罰,行政処分)という概念が先行して,薬物依存に対する予防・啓発活動,治療システムの構築,さらには社会復帰という各段階を支援し実施する体制は現状では極めて貧弱であると言わざるを得ない.日本における薬物依存の現状や医療者の薬物依存に対する日本麻酔科学会のこれまでの取り組みを概説する.今後とも医療者の薬物依存の存在と危険性を医療者の共通認識とするために継続的に情報を発信していきたい.
著者
森 健一 吉岡 利貢 白松 宏輔 苅山 靖 尾縣 貢
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.503-510, 2011 (Released:2011-11-15)
参考文献数
31

The purpose of this study was to investigate the influence of physiological factors which effect oxygen kinetics and energy system contribution on the power of Wingate test (WT), with focusing on the difference of aerobic capacity. Twenty three male track and field athletes (sprinters, long distance runners and decathletes) performed the WT on electromagnetic-braked cycle ergometer. The applied resistance was 7.5% of body weight, and the duration was 60 seconds. Moreover, aerobic capacity (maximal oxygen uptake [VO2max]) was determined by an incremental test, and anaerobic capacity (maximal accumulated oxygen deficit [MAOD]) was determined by a supramaximal constant load test. The oxygen uptake during each test was recorded by a breath-by-breath method. The participants were divided into two group which was high VO2max group (High group; n = 11) and low VO2max group (Low group; n = 12). In the results, although the VO2max was significantly higher in the High group, the MAOD was not significantly different between two groups. The oxygen uptake during WT was significantly higher in the High group, and the accumulated oxygen deficit during WT was significantly higher in the Low group. The aerobic contribution was significantly higher in the High group than in the Low group. In contrast, the anaerobic contribution was significantly higher in the Low group than in the High group. These results suggest that by the difference of aerobic capacity, aerobic and anaerobic energy supply contribution was different in WT.
著者
白井 みち代
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.88-95, 2019-02-15 (Released:2019-02-26)
参考文献数
29

目的 高齢者の健康は,精神的健康を含め健康を多面的に捉えることが重要であり,今後の介護予防は,老化をポジティブに捉え健康促進していく必要がある。本研究は,要介護リスクとポジティブ思考の関連を明確にするため,地域在住の75歳高齢者における生活機能評価により判定された要介護リスク者と健常者のポジティブ思考を評価することを目的とした。方法 A市の平成27年度(2016)に75歳となった高齢者593人を対象者とし,自記式質問紙調査による郵送調査を行った。前期調査はA市の実態把握調査で,有効回答者数は141人,後期調査の有効回答者数は178人であった。ゆえに,分析対象者は319人とした。分析方法は,基本チェックリストにより,「要介護リスク群」と「健常群」に分け,ポジティブ思考と要介護リスクの関連についてポジティブ思考の構成要素得点を比較検討した。検討では,2群間の連続量の比較に,正規分布とみなされる尺度についてはt検定,偏りのある尺度はMann-WhitneyのU検定を用い,離散量の比較にはχ2検定を用いて行った。要介護リスク判定におけるポジティブ思考の各要素の程度を評価するため,判別分析を実施した。いずれも有意水準は5%未満とした。結果 健常群と要介護リスク群の比較で有意差のあったポジティブ思考の構成要素は,生活満足度K,改訂PGCモラールスケール,ソーシャルネットワーク・スケール,社会参加,自己ネガティブ信念,状態自尊感情であった。判別分析の結果,要介護リスク判別に寄与していた主な変数は自己ネガティブ信念(標準判別係数−0.550),生活満足度K(標準判別係数0.346),自己保存(標準判別係数−0.333)であった。また,他者ネガティブ信念を除くすべてのポジティブ思考の構成要素は,「うつ傾向」と相関していた。結論 要介護リスク者は自己をネガティブにとらえている傾向があり,社会関係が希薄で生活満足度やモラール,自尊感情が低い傾向を示した。とくに,「自己ネガティブ信念」,「生活満足度」は重要な要素であることが示唆された。今後は,ポジティブ思考の構成要素を再考し,要介護リスクとの関連を明確にしていく必要がある。

1 0 0 0 OA 成形圖説

著者
曽槃, 白尾國柱 [ほか編]
巻号頁・発行日
vol.巻20, 1800
著者
白浜 幸高 田中 利昭 藤本 英明 神田 勝利 東海林 麻里子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.G0433, 2007

【目的】<BR> 臨床実習において、レポート等の提出物における個人を推定できると考えられる項目の記載方法、並びに実習終了後の実習中収集した情報の取り扱いは重要な問題である。「個人情報の保護法」の施行以降、各施設間での対応は様々で養成校で書式を統一するのは困難である。<BR> 我々は第28回九州PT・OT合同学会において、追跡調査で実習終了後提出されたレジュメから「臨床実習における個人情報管理の動向」について発表を行った。今回、臨床実習指導者(以下SV)がチェックした「匿名化に関する確認事項」より、流出しやすいデジタル情報の実習中及び実習後の取り扱いなどを新たに加えて、個人情報に関する取り扱いの対応の動向を調べた。またそれに対する本校の取り組みも加えて報告する。<BR>【対象と方法】<BR> 本校学生が平成18年5月~平成18年11月にSVから指導を受けた「匿名化に関する確認事項」の中から、この研究の趣旨の説明に対して同意のあった61施設を対象とした。<BR> その中で個人の特定に関する項目、(1)実習施設名、(2)患者氏名、(3)生年月日、(4)年齢、(5)現病歴、(6)家族構成、(7)家屋情報、(8)病名、(9)疾患部位画像(CT、X-p など)、(10)動画の記載方法、(11)実習終了後の学生パソコンの中のデータの取り扱い方法について項目毎に分類し、割合を検討した。<BR>【結果】<BR>(1)施設名記載許可92%、不許可8%、(2)患者氏名の記載方法イニシャル52%、姓のみのアルファベット25%、代替表示(症例1など)23%、(3)生年月日記載許可42%、不許可13%、簡略表示(年と月のみ)45%、(4)年齢記載許可64%、不許可1%、簡略表示(70歳後半など)35%、(5)現病歴記載許可79%、簡略表示(年と月のみ)21%、(6)家族構成記載許可80%、記載制限(キーパーソンのみ)20%、(7)家屋情報記載許可87%、記載制限(関連箇所のみ)13%、(8)病名記載許可98%、不許可2%、(9)疾患部位画像手書きによる写しのみ許可43%、デジタルカメラによる撮影画像許可57%、(10)動画撮影許可85%、不許可15%、(11)実習終了後のデータ保存についてテキストデータのみ保存可54%、動画データも保存可30%、保存全て不許可16%<BR>【考察及びまとめ】<BR>・各項目において、施設毎、また同施設でも実習時期における取り扱いには違いが見られた。<BR>・動画、画像などのデジタルデータは、多くの実習で活用されているが、保存の許可は30%であった。<BR>・本校で臨床実習初日に、SVに「匿名化に関する確認事項」として紙面上に記載してもらい、学生は厳守して実習に臨むよう指導を行っている。<BR>
著者
羽白 誠
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.538-542, 2004

痒みの伝導路は痛みとほぼ同じであるが, その神経は異なることがわかってきた. 痒みは末梢で炎症などで生じる起痒物質により修飾され, 中枢神経でオピオイドなどにより修飾を受けて, 大脳で認知される. 痒みにつきものの掻破は, 行動そのものの中枢は遠位延髄であり, 痒みの求心神経とは脊髄レベルの反射を形成せず, 大脳皮質からの信号によって起こると考えられている. また痛みは痒みを抑制しており, 両者は連携をとっている. 大脳での痒みの認知は精神状態によって, あるいは周囲の環境によって変化することがあると報告されている. 痒みのコントロールには起痒物質の拮抗薬を用いるのが一般的であるが, 抗不安薬や抗精神病薬, オピオイド拮抗薬なども用いることができる. しかし掻破を特異的に抑制する薬剤はいまのところなく, 皮膚科医にはなじみがうすいが行動療法が主体となっている.
著者
名倉 秀子 山﨑 芳江 栗﨑 純一 志村 二三夫 橋本 真 八巻 公紀 尾崎 健市 白砂 正明 大村 相哲 松村 千香 堀江 寿美 中林 富嗣 河西 康太 岩下 隆
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.25-34, 2017-01-25 (Released:2017-10-17)
参考文献数
16

We conducted an examination of quality control for five school lunch meals offered in June and November. The differences in weight and nutrient content between the time of menu planning and the time the meals were served were measured as yield and nutrient retention factors, respectively. The yield factor was derived from the ratio of the weight of the total ingredients at the time of menu planning to the weight of the school lunch meal served. The yield factors for the five school lunch meals ranged between 87% and 94%, revealing a loss during the preparation process. Furthermore, seasonal ingredients were found to affect the yield factor of dishes using such ingredients. The nutrient retention factor was obtained by measuring the ratio of the nutrient content value of total ingredients at the time of menu planning to the value of the content analysis of school lunch at the time of serving. In all five school lunch meals, a significant decline in the nutrient retention factors was observed for energy content, calcium, magnesium and zinc. Furthermore, significant increases in vitamin A and dietary fiber were observed. However, no differences were observed for protein, fat, carbohydrates, sodium, iron, vitamin B1, vitamin B2, and vitamin C. as the intake amounted to 95% of the weight of the food served and the nutrient intake exceeded 95% for most nutrients except vitamins A and C, the school meals were found to be of high quality,. The quality evaluation of school lunch based upon the yield and nutrient retention factors revealed the need for identifying and investigating the causes of loss or gain during the preparation process to achieve quality improvements.
著者
糸井 志津乃 Shizuno ITOI 目白大学看護学部看護学科
出版者
目白大学
雑誌
目白大学健康科学研究 = Mejiro journal of health care sciences (ISSN:18827047)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.13-17, 2008
被引用文献数
1

本稿では、思春期の子どもたちの睡眠の実態および背景を文献等で概観し、睡眠障害の予防に向けての看護の方向性を検討した。結果、思春期の子ども達は、常時、睡眠時間が短く睡眠不足がみられていた。不十分な睡眠により慢性的に疲労感が残り、精神衛生が悪い傾向にあった。思春期の子ども達の睡眠障害を予防するためには、子ども達自身が睡眠の心身への影響に対しての問題意識をもち、嗜好品、学習と余暇時間のバランス、寝室環境、日中の運動と光、仮眠といったライフスタイルの改善を図ることが必要である。また、思春期という精神的にアンバランスな時期にあることを考慮し、自我形成や問題解決能力の向上を図れるようサポートしなければならない。看護者は家族に対しても日ごろから予どもの様子を観察する視点や方法、ライフスタイルの検討、彼らの精神的サポートについて、健康教育・保健指導の中に含めることが望まれるであろう。
著者
白井 謙太朗 中島 啓介 渡辺 章充 川野 豊 佐久間 啓 吉田 尊雅 宮田 理英 田沼 直之 林 雅晴
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.447-451, 2009 (Released:2016-05-11)
参考文献数
18

インフルエンザ菌 (Hib) による劇症型髄膜炎の1男児例を経験した. 症例は4歳男児. 生来健康であったが, 発熱, 嘔吐を来し傾眠傾向となった. 発症12時間後より細菌性髄膜炎の治療を開始したが, 急激な脳腫脹から脳ヘルニアを来し臨床的な脳死状態となった. 本症例は急性脳症と類似した臨床経過・画像所見を示し, さらには発症1日目の髄液で炎症性サイトカインが著しい高値を呈していた. 文献的考察から, Hibによる劇症型髄膜炎には, DIC (disseminated intravascular coagulation) ・多臓器不全型と急性脳腫脹型があり, 本例はサイトカイン・ストームによる急性脳腫脹型であると考えられた.

1 0 0 0 OA 安土の春

著者
正宗白鳥 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1926
著者
佐藤 洋 白井 保久 田中 定典 今村 太郎 宮ノ下 明大
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.97-100, 2003 (Released:2003-11-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

The purpose of this study was to determine the mechanisms by which Plodia interpunctella (Hübner) infest chocolate cartons and to test the effect of sealing tightness of wrapping film on infestation. The carton samples were wrapped with 25 μm thick OPP film by an industrial wrapping machine. Each chocolate carton was placed in a closed plastic box (215×147×130 mm) together with 5 mg of eggs, two weeks old larvae, three weeks old larvae or five pairs of mating adults of P. interpunctella. The plastic boxes were kept at 25°C and 70% R.H. The number of larvae infesting chocolate was recorded after 10 days. Only newly hatched larvae were able to invade the chocolate cartons in these experiments. However, no entry holes made by the larvae were found on the outer coveringfilm, indicating the larvae invaded through tiny unsealed portions of the outer coveringfilm. To test the effect of tightness of the film on larval invasion, outer coveringfilm of chocolate cartons with different air leak values (>100, 100–200, 200–300, 300–500 cc/min) were exposed to newly hatched larvae. A carton without wrapping was used as a control. In cartons with less than 100 cc/min air leak, no larvae were found three weeks after the beginning of the experiment. Furthermore, the number of larvae which invaded cartons increased as the air leakage value increased. It is recommended that the air leakage value of the outer coveringfilm should be less than 100 cc/min to protect chocolate cartons from the infestation of P. interpunctella.
著者
白柳 弘幸 岡部 芳広 佐藤 由美 藤森 智子 林 初梅 槻木 瑞生
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

戦前の日本国は、台湾・朝鮮・樺太・関東州・満洲国・南洋群島・南方占領地に、地域によって初等教育機関のみの所もあるが、台湾と朝鮮には帝国大学も設置した。今回、それらの学校所在を明らかにした。また、校舎施設や一部教科の指導内容が戦後に引き継がれたことを台湾に於いて確認した。当地からの日本人引き揚げ後も、戦後復興のために残った日本人の大学教員や技術者がいた。その子弟たちが通った日僑学校や日籍学校と呼ばれた日本人学校が台湾・北朝鮮・満洲の主要都市にあり、教育内容等について明らかにした。