著者
林 俊郎 Toshiro Hayashi 目白大学人間社会学部社会情報学科
出版者
目白大学
雑誌
目白大学総合科学研究 (ISSN:1349709X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.59-69, 2006

The news about the attempted poisoning of Ukrainian presidential candidate Viktor Yushchenko with dioxin was given wide coverage in the world media. Abraham Brouwer, a professor of environmental toxicology at the Free University in Amsterdam, reported that Yushchenko was poisoned with pure TCDD, the most harmful known form of dioxin. His blood contained 100,000 units (pg/g of lipid) of the poison, the second highest concentration ever recorded. Physicians at the Vienna Clinic in Vienna, said that Yushchenko's face was disfigured but he will recover over time. The author attempted to calculate the amount of dioxin with which Yushchenko was poisoned, taking into consideration his toxic intake from the viewpoint of the Yusho investigation previously reported in Japan. Yushchenko's toxic intake was calculated at 1.89mg-TEQ. This value fairly agrees with the maximum incubative amount that exhibits toxic symptoms, mainly chlor-acne (a type of skin disease). This value is equivalent to a daily intake of dioxin over a period of 30, 000 years.
著者
白石 麻衣佳 池田 真琴 渡辺 裕介 中畑 晶博 海老子 淳 須田 守彦
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.197, 2011

【目的】<BR> 当院における全人工膝関節形成術(以下TKA)術後のリハビリは、従来、術翌日より歩行訓練を開始し、自立した杖歩行が可能となるのは術後約1週間前後、入院期間は約2週間であった。今回、積極的に歩行能力の向上を目的としてリハビリを施行した症例に対して、自立した杖歩行に要した期間を調査した。<BR>【方法】<BR> 対象は2011年4月1日以降にTKA施行した6例6膝(女性6膝)、平均年齢74.1歳(67歳~81歳)である。関節アプローチは全例medial parapatellar approachで、固定方法は全例大腿骨側、脛骨側共にセメントを使用した。対象症例に対して、自立した杖歩行までにかかった日数、術前歩行レベル、術前筋力を調査した。筋力は膝伸展筋力をμ-Tas(ANIMA製)を用いて計測した。なお対象者には、ヘルシンキ宣言に基づき説明と同意を得た。<BR>【結果】<BR> 術前歩行レベルは1例のみT字杖歩行で、その他は独歩であった。自立した杖歩行までの平均日数は約4日で、最短2日、最長6日であった。術側筋力は平均15.2±5.2kg、健側の筋力は平均22.4±6.0kgであった。早期に自立した杖歩行となった症例は、術前筋力が高い傾向にあった。<BR>【考察】<BR> 当院では、従来術後2週間で自宅退院が可能となるように術後のリハビリを取り組んでいた。従来の術後プロトコールでは、術翌日より歩行器歩行を開始し、自立した杖歩行までは術後1週間程度を要していた。しかし、症例によっては早期に歩行レベルの向上が図れるものも少なからず存在しており、また、海外におけるTKAの入院期間が日帰りから約1週間であることをふまえて 、今回積極的に歩行レベルの向上を目的として術後リハビリを行った。今回の結果より、自立した杖歩行まで平均4日と従来行ってきたプロトコールよりも早期に歩行能力の向上を得ることができた。また、術前にT字杖を使用していた症例も術後3日にて自立した杖歩行となった。このことから、歩行に関して自立した杖歩行を自宅への退院の指標とした場合、早期に自宅退院可能だと考えられる。また、杖歩行が早期に自立となった症例は術前筋力が高い傾向にあったことから、術前からの筋力訓練は術後の歩行能力改善に有効と考えられる。<BR>【まとめ】<BR> 今回、術後リハビリにおいて積極的に歩行レベルの向上を図った結果、術後平均4日で自立した杖歩行が獲得できた。自立した杖歩行を自宅への退院の指標とすると、術後4日で退院が可能であると思われる。今後は症例数を増やし、年齢や筋力、可動域等をふまえて詳細に術後歩行能力に関与する因子を検討していきたい。
著者
白井 義彦
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.66-86, 1967-02-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究の目的は,木拒川下流における耕地の区画整理の地域的特色とその展開の諸要因を明らかにし,さらにこの中から都市化の手法としての区画整理の実態をとらえ,都市化に計画性を付与するために,区画整理を通じて大都市圏における都市と農村との土地利用の調整策を提起することにある.研究対象地域は,都市化が著しい名古屋市郊外の10市29町村を対象とする.論述の進め方としては,まず対象地域の土地利用の特性を明らかにし,ひとまず1899~1960年における耕地の区画整理地を丹念にしらべ,その展開の地域差とその展開を左右した要因を明らかにする.こうした半世紀をこえる区画整理史において,今日最も重要な問題となってきたのは都市化に対応した区画整理の政策的欠如である.今後の大都市圏における区画整理の意義を考え,二つの事例調査(名古屋市大野木土地区画整理組合・江南市古知野土地改良区)をとりあげて実態調査を行った.大局的にみれば,この地域の区画整理は,都市化に対応した新しい区画整理方式を行なうことによって,乱雑に進行し深まりつつあるスプロール現象を防止しなくてはいけないという意見に到達した.
著者
劉 培建 趙 王愛 白井 秀和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.650, pp.963-968, 2010

The aim of this paper is to examine Viollet-le-Duc's architectural ideology through the analysis of his thought on <i>Rose</i>. In his <i>Dictionnaire raisonn&eacute; de l'architecture fran&ccedil;aise du XI<sup>e</sup> au XVI<sup>e</sup> si&egrave;cle</i>, the doctrine of structural rationalism was invoked through his conviction that Gothic architecture was a rational affair of constructive logic. As well as the Gothic architecture, the rose window in the stone structure has its rationality and economy. In the entry <i>Rose</i>, Viollet-le-Duc viewed three ideas such as construction, composition and decoration, which played the very important roles in the progress of rose window in order to gratify the natural desire. Meanwhile, the functions of rose window are not limited in providing light, reducing construction, giving added solidity and withstanding wind pressure, but it has its movement based on the special system. Therefore, <i>Rose</i> is a work based on the system with its own reasons.
著者
白井 詩沙香
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.427, 2019-04-15

近年,STEM教育や数理・データサイエンス教育の重要性が増し,その土台となる数学基礎力の養成が求められているなか,リメディアル教育や事前事後学習において,eラーニングの活用が期待されている.本稿では,近年注目を集めている数式自動採点システムを利用した数学eラーニングの概要と国内外の動向について紹介する.
著者
高山 泰男 鈴木 円 白野 隆史 山野井 弘充 堀 稔 田中 博 草間 薫 茂呂 周
出版者
日本大学歯学部
雑誌
The Journal of Nihon University School of Dentistry (ISSN:00290432)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.151-158, 1990

We treated a case of adenoid cystic carcinoma that occurred in the right parotid gland of a 51-year-old woman. Although the tumor, including part of the parotid gland, was resected based on a clinical diagnosis of pleomorphic adenoma, it was later diagnosed as adenoid cystic carcinoma of mixed cribriform-solid type by histopathological examination after resection. Therefore, postoperative irradiation with a dose of 51 Gy was performed.<BR>Immunohistological examination of the resected specimen showed that the profiles of carbohydrate antigens were Lewis (a<SUP>-</SUP>, b<SUP>+</SUP>) in both the tumor and surrounding normal parotid tissue. NCC-SG-007 antigen was observed in the tumor tissue but not in the normal parotid gland, suggesting that this antigen was associated with the tumor.
著者
白井 將文
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.335-342, 2002-12-12 (Released:2014-11-12)
参考文献数
14

わが国では更年期と言えば女性特有なものと言う考えが支配的であるが, 男性にも更年期は存在する. ただ女性の更年期に相当する年齢の男性に女性に見られるような症状があるかと言えば必ずしもそうではない. しかしその症状の程度には差こそあれ多くの男性に, 倦怠感・不眠・うつ傾向・集中力の低下・性欲の減退・勃起障害 (ED) などがみられる. 男性の精巣も女性の卵巣と同様加齢と共に機能低下, 即ち精子形成能の低下やホルモン分泌能の低下がみられるが女性と違い精子形成は続いているし, 男性ホルモン分泌の減少も緩やかで, しかもこれら変化は個人差が大きい. 従って出現する症状も女性程激しくなく, 個人差も大きい. この男性に見られる各種症状のうち男性にとって最も関心の高いのが性欲の減退とEDである. 加齢と共に勃起機能, 特に夜間勃起の減少が見られ, 年齢と共に男性ホルモンの欠乏に伴うEDも増加してくる. これら症例に男性ホルモン補充療法を行うと勃起力の回復だけでなく, 気力や体調の改善も見られる. しかし, 前立腺癌の存在を知らずに男性ホルモンを使用すると前立腺癌が発育してしまう危険があるので, ホルモン補充用法前には必ず前立腺癌の無いことを確認すると共にホルモン補充療法中も常に前立腺癌に対するチェックが必要である. また最近EDに対する経口治療薬のバイアグラ®が加齢に伴うEDにも使用され良好な成績が得られている. これらホルモン補充療法やバイアグラ投与で男性のみを元気にしても, ホルモン補充療法の普及していないわが国の女性の多くは性欲の減退や膣分泌液の減少に伴う性交痛などから性交を希望していないことが考えられ, 女性に対するホルモン補充療法や膣分泌液を補う目的のリューブゼリー®の使用なども考慮しながらEDを治療していく必要がある.
著者
渡邉 悌二 白坂 蕃
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

目的 キルギス南部のアライ谷では,家畜(ヒツジ,ヤギ)の放牧が最大の産業である。アライ谷の牧畜は,谷の中の住人が行う水平移牧,谷の外部の住人が行う垂直移牧,および数~20軒ほどの谷の中の世帯が共同で飼育する共同型の日々放牧(ゲズー)からなっている (Shirasaka et al. 2013)。これらの放牧形態のうち,この研究ではゲズーの詳細を明らかにする調査を行った。 <b> </b> ● 結果【アライ谷全域の調査】調査を行った15村のうち,東側(高所)に位置する6村(サリタシ,キチ・アルチャブラック,アルチャブラック,タルディス,サリモゴル,カラカバク)でゲズー(kez&uuml;&uuml;)が行われていたが,西側(低所)に位置する9村(カシカス,ジャイルマ,アチクス,カビク,キジルエシュメ,ダロートコルゴン,チャク,ジャシティレク,ジャルバシ)は同様の形態の放牧がゲズーでなくノバド(novad)という名称で行われていた。アライ谷東部は主要道路で北方のオシに結ばれており,アライ谷からオシの間の村や町でもゲズーが行われているが,南方のカラクル(タジキスタン)ではノバドが行われている。 【アライ谷東部,サリタシ,タルディスの調査】サリタシとタルディスでは (1) 3季・村ベース型,(2) 2季・村ベース型,(3) 3季・ジャイロベース型の3タイプのゲズーが認められた。2011年時点で,サリタシでは,村人が所有するヒツジ・ヤギのうち1,981頭(63家族)が3季・村ベース型ゲズーを行っており,2013年時点で388頭(15家族)が2季・村ベース型ゲズーを行っていた。タルディスには,タルディス,アルチャブラック,キチ・アルチャブラックの3つの集落がある。タルディスでは3タイプすべてのゲズーが存在しており,アルチャブラックとキチ・アルチャブラックには3季・村ベース型および2季・村ベース型ゲズーが存在している。 GPS首輪(合計66頭)を用いた放牧範囲の調査結果からは,一日の水平移動距離が6.8 km~17.3 kmの範囲内にあり,村から半径1.3~5.4 km内で放牧が行われていることがわかった。 村人がゲズー・ノバドに参加する基本的な理由は,家族内の限られた労働力を最小限にするためである。サリタシの場合,ゲズーに参加している63家族のうち,1家族のみが牧畜のみで生計を立てているが,それ以外は教師やトラック運転手,道路作業員,国境警備員など他に職業を有しており,家族の中で家畜の世話をできるのは子どもらに制限される。 【アライ谷全域のゲズー・ノバドの多様性】詳しい調査を行ったサリタシとタルディスでは3タイプのゲズーが認められたが,アライ谷を西に進むとゲズー・ノバドのタイプは少なくとも5つに増える(上記の3タイプに,1季・村ベース型および3季・村/ジャイロベース型が加わる)。ゲズー・ノバドはアライ谷の家畜放牧の形態に多様性を与えることに繋がっている。また,ゲズー・ノバドの存在は,将来の開発が期待されるエコツーリズム資源としても重要である。しかし,多くの家畜が村から半径わずか1.3~5.4 km内の放牧地を使用していることから,将来的には村周辺の放牧地の荒廃が懸念される。
著者
久保田 一雄 町田 泉 田村 耕成 倉林 均 白倉 卓夫
出版者
リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.40-45, 1997-01-18
参考文献数
23
被引用文献数
2

平成2年6月からの5年間に46例のアトピー性皮膚炎患者(男性31例, 女性15例, 25±11歳)に対して, 草津温泉療法(40~42℃, 1回10分, 1日1~2回)を3~28週行った。その泉質は酸性(pH2.0)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉である。32例(70%)で皮層症状が改善し, さらにそのうち18例で掻痒も改善した。皮膚症状の改善は血清LDHの有意な低下でも裏付けられた。皮膚症状改善例のうち, 温泉療法前に皮層表面に多数の黄色ぶどう球菌が検出された15例では, 温泉療法後に13例で消失, 2例で減少した。この草津温泉療法による皮層症状の改善機序として, 皮膚病変の増悪因子である黄色ぶどう球菌に対する酸性温泉水の殺菌作用が推定される。
著者
白沢 智恵
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.443, pp.116-123, 2003-10-13

ネットを使えば「IEEE802.11aの通信速度」「ディズニーシーの休園日」といったことを調べるのは比較的簡単。ところが「昔行ったあの場所」とか「名前の分からないアレ」となると、それなりに頭を使わないと厳しい。検索を超え、ネットでの探索を極めるには、コツがある (白沢 智恵) 検索窓にキーワードを入力して「検索」ボタンをクリック。
著者
白石 武志 上木 貴博 日野 なおみ
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1696, pp.50-57, 2013-06-24

総投票数は264万6847票——。2011年に実施された北海道知事選とほぼ同じ規模の票が投じられるほどの影響力を持つイベントが6月8日に開かれた。アイドルグループ「AKB48」の32枚目のシングル曲を歌うメンバーを決める「第5回選抜総選挙」だ。
著者
白石 太一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.80, pp.73-95, 1999-03

墓室の内部の壁画や彫刻などが,何らかの意味でその墓を造営した人びとの他界観・来世観を反映していることはいうまでもない。この小論は,九州の装飾古墳を取り上げ,そこに表現されている絵画や彫刻の意味を追究し,その背景にある人びとの他界観を追究したものである。北・中九州の装飾古墳は,石棺系,石障系,壁画系の順に展開する。このうち5世紀代に盛行する石棺系や石障系の装飾古墳の中心となる図文は,魂を封じ込めたりまた悪しきものから被葬者を護る辟邪の機能をもつと考えられた直弧文と鏡を表わす同心円文である。やがてこれに武器・武具の図文が加わるが,これも辟邪の意味をもつものであった。また直弧文はその弧線の部分を省略した斜交線文となり,その後の装飾古墳で多用される連続三角文へと変化して行く。6世紀になると墓室内部に彩色壁画を描いた壁画系の装飾古墳が出現する。そこでも基本的なモチーフは5世紀以来の辟邪の図文であるが,新しく船や馬の絵が加わる。船のなかには大洋を航海する大船もみられ,舳先に鳥をとまらせたり,馬を乗せたものもみられる。この船と馬は死者ないしその霊魂を来世に運ぶ乗り物として描かれたものであり,海上他界の思想がこの地域の人びとの間に存在したことを物語る。6世紀後半には,一部に四神の図や月の象徴としてのヒキガエルの絵など高句麗など東アジアの古墳壁画の影響もみられるが,それは部分的なものにとどまった。一方,南九州の地下式横穴には,この地下の墓室を家屋にみたてた装飾が多用される。これはこの地域の人びとの間に地下に他界を求める思想があったことを示すものであろう。同じ九州でも北・中部と南部では,人びとの来世観に大きな相違があっことが知られるのであり,北・中九州の海上他界の考えは,海に開かれ,また東アジア諸地域との海上交易に活躍したこの地域の人びとの間で形成されたものと理解できよう。No one doubts that paintings and sculptures in a burial chamber would be a reflection of the views on death and the other world believed in by people who constructed the tomb. In this essay, I intend to discuss the meaning expressed in the paintings and sculptures of decorated tombs in Kyushu. Ultimately, I hope to approach the philosophy on death and the other world that is behind these art pieces. I will show that such philosophy was quite distinct between northern and middle Kyushu and southern Kyushu. In northern and middle Kyushu, while the ways in which tombs were decorated changed over time, the basic philosophy remained the same.The decorated tombs in northern and middle Kyushu evolved from ones characterized by decorated stone coffins, and then to those featured by a decorated stone partitioning wall inside a burial chamber, and finally to those with mural paintings.In the fifth century when decorated stone coffins and partitioning walls were prevalent, the most dominant subjects were chokkomon (combination of straight lines and arcs) and concentric circles. The former is considered to have the function of quelling the evil to confine the soul into the burial chamber and to protect the dead against evil spirit. The latter probably symbolized a mirror. As time passed, designs of weapon and armor were added to the subjects, and these also had the function of quelling the evil. Chokkomon evolved into diagonally intersecting straight lines, losing the arcs. This eventually developed into a pattern of series of triangles that would become common in later decorated tombs.In the sixth century, tombs with mural paintings appeared. The basic motif of the paintings remained that of quelling the evil. At the same time, boats and horses were adopted as subjects. Some of the boats were so large that would be appropriate to sail on the ocean. Birds perched at the bows and horses were on board. These boats and horses were meant to be a vehicle for carrying the soul to the other world. This further suggests that people in the sixth century maintained a view that the other world was located far away over the ocean.In the late sixth century, four directional deities and a toad, which was the symbol of the moon, were adopted to the subjects. The adoption was under the influence of the Asian continent, including Koguryo, but it was minor. However, the attention of the people in northern and middle Kyushu to the ocean in pursuit of their world after death probably resulted from their international interactions.In southern Kyushu underground tunnel tombs were constructed. The underground burial chambers were decorated so that the chambers looked like a residence. People in southern Kyushu sought their world after the death underground.
著者
町野 麻美 若松 正樹 開田 剛史 森 康一郎 白 晋
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.666-669, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
13

【目的】末梢血白血球数(WBC)が著増する類白血病反応(leukemoid reaction, LR)の臨床的意義をICU入室患者において遡及的に検討した。【対象と方法】最近4年間にWBCが3万/μl以上を呈した患者の基礎疾患,検査所見,転帰などを調べた。【結果】LRは46例に認め,基礎疾患から,感染群(31例)と非感染群(15例)に大別された。前者のうち24例で起因菌が同定された。後者は腹腔内出血6例,心肺蘇生後4例などであった。年齢,WBC最高値,LR持続日数,担癌患者数,ステロイド使用数は感染群で有意に高値であった。好中球の核左方移動は両群とも約87%に認めた。半年後の死亡率に差はなかった(感染群51%,非感染群60%)。【結語】LRはICU入室患者の約2%に発症し,基礎疾患は感染症が多く,非感染例の約2倍を占めた。ICUでのLR発症には,感染症の有無を問わず,予後不良を念頭に置いた全身管理が肝要と考えられた。
著者
石川祐輔 白木宏明 大松史生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.535-536, 2014-03-11

海外拠点を持つ企業が各拠点のユーザIDを独自のID管理システムで管理している場合、拠点を跨る異動が発生した際には、異動元の拠点においてIDの削除漏れが発生し、不正利用される可能性があるという課題があった。当該課題を解決するため、各拠点のユーザIDを束ねるメインIDを定義することで、異動先拠点にて承認及び認証のタイミングで、異動元拠点のユーザIDを使用不能とし、異動元拠点におけるユーザIDの不正利用を防ぐ方式を提案する。
著者
市川 秀和 白井 秀和 ICHIKAWA Hidekazu SHIRAI Hidekazu
出版者
福井大学工学部
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.101-115, 1997-03
被引用文献数
3

Claude-Nicolas Ledoux (1736 --1806) is one of the visionary architects in the18th century France. Recently, the studies on the architect Ledoux are progressing inside and outside the ccountry. Accordingly,the Ledoux's whole figure is making itself clear gradually. In this paper,we chiefly describe the details about the Ledoux's project "a triumphal arch in Kassel". We publish it as introduction to minute research into one of the most impotant architects in the age of French Revoltion, and more profound investigation of the transformation in architectural thought between France and Germany.
著者
谷口 豪 村田 佳子 渡辺 雅子 渡辺 裕貴 白戸 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 = Journal of the Japan Epilepsy Society (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.35-42, 2012-06-30
参考文献数
18

高齢発症のてんかんの原因は脳血管障害、腫瘍、認知症などの変性疾患が多いが、扁桃体腫大との関連を示唆する報告も最近見られている。<br> 今回我々は高齢発症の扁桃体腫大を伴った部分てんかんの患者を経験したので報告する。<br> 症例は64歳時から夜間の睡眠中に「突然激しく動き回る発作」が見られるようになり、その頃から健忘症状および嗅覚の低下などの症状があった。他院で認知症あるいは睡眠時無呼吸症候群と診断・加療されたが症状は軽快せず、当院でビデオ脳波を含む精査の結果、高齢発症の部分てんかんという診断に至った。carbamazepine開始後、発作は消失し健忘症状や嗅覚障害の改善を認めている。本症例では右側扁桃体腫大を認めており、過去のキンドリングラットを用いた実験や症例報告をもとに考察した結果、扁桃体が何らかのキンドリング刺激を受けて興奮が前部帯状回に広がり激しい運動発作を示したと考察した。<br>
著者
山本 聡 辻 博治 原 信介 田川 泰 綾部 公懿 劉 中誠 澤田 貴裕 白藤 智之 田村 和貴 岸本 晃司 新宮 浩 赤嶺 晋治 岡 忠之
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.493-496, 1997
参考文献数
5
被引用文献数
4

鈍的外傷による頸部気管完全断裂の2手術例を経験した。症例1は21歳, 男性。バイク乗車中転倒, チェーンにて頸部受傷。第1と第2気管軟骨間において完全断裂, 両側反回神経と食道の合併損傷も認めた。症例2は55歳, 男性。ショベルカーのアーム部にて前胸部, 頸部を受傷。第1と第2気管軟骨間において完全断裂, 両側反回神経と頸髄の損傷を認めた。両症例とも気管損傷に対しては気管端々吻合術を施行した。鈍的外傷による気管完全断裂症例は受傷早期の気道確保を確実に行えば, 比較的救命率の良い外傷であると考えられた。また, このような症例では気管のみではなく他臓器の合併損傷の可能性もあることが示唆され, 術中術後の充分な検索が必要と思われた。