著者
上野 寛 森 博一 碓井 勇二 宮村 淳一 吉川 一光 浜田 信生
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.689-694, 2002-11-29 (Released:2017-03-20)
参考文献数
14

We studied high-frequency earthquake swarm associated with the eruption of the Usu volcano in 2000 using the data observed by a national seismic network in southern Hokkaido. To get a precise hypocenter location, we applied the double-difference method and station correction to hypocenter determination. Systematic shift of epicenters possibly caused by heterogeneous velocity structure of the upper crust is needed to be consistent with the initial motions of the seismograms at the nearest station. Concentration of hypocenters under the northern flank of the volcano in the initial stage suggests that the magma started its activity at about 5 km in depth at the region. Concentric expansion of swarm area occurred before the eruption and formed doughnut pattern of which center is located near the summit of the volcano. Doughnut pattern may represent relaxation of stress under the volcano which is caused by magma movement and pore pressure change under the volcano.
著者
矢野 裕俊 岡本 洋之 田中 圭治郎 石附 実 添田 晴雄 碓井 知鶴子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、日本の教育において常識とされる問題や事象を諸外国との比較によって、あらためて常識-非常識の対抗軸の中でとらえ直し、そうした常識が世界では必ずしも常識ではないという例が少なくないことを明らかにした。1)異文化理解と国家へのアイデンティティ形成を両立させるという課題は世界各国の教育において重要な関心事とされてきたが、日本では一方において国家を介在させない異文化理解教育の推進と、他方において教育のナショナリズムに対する相反するとらえ方がそれぞれ別個の問題として議論されてきた。2)入学式に代表される学校行事は、集団への帰属意識の形成と結びついて日本の学校では行事の文化が格別に発達した。日本の学校のもつ集団性をこの点から解明する試みが重要である。3)教員研修の文化においても、アメリカでは個々の教員の教育的力量形成、キャリア向上が研修の目的であるが、日本では、教員の集団による学校全体の改善に重きが置かれ、研修は学校単位で行われる。4)歴史教育は、その国の歴史の「影の部分」にどのように触れるのかという問題を避けて通れない。イギリスと日本を比較すると、前者では異なる歴史認識が交錯する中で、共通認識形成と妥協の努力が見られるのに対して、日本では異なる歴史認識に基づいて体系的に記述された異なる教科書が出され、共通認識形成の努力が必ずしも教科書に反映していない。5)戦後日本の大学における「大学の自治」の問題も大学の非軍事化、非ナチ化が不徹底に終わったドイツの大学の例と関連づけて考えてみることによって新たな視点が得られる。
著者
酒井 朗 碓井 彰
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.774-779, 1999-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
15
被引用文献数
3

マスク材を表面に部分的に形成して成長を行う選択横方向成長方法により,転位密度の少ない高品質窒化ガリウムが得られた.成長手法として八イドライド気相成長を用いたが,成長初期の段階で安定なファセット構造が出現し,成長モードが変化することに対応して,転位がその伝播方向を変えることが断面透過電子顕微鏡観察で見い出された.窒化ガリウム中の転位構造とその挙動を詳細に観察し・選択横方向成長による転位削減機構を探る.
著者
林 寛 碓井 美由紀 中山 宜典 清水 幸夫 西山 和孝 國中 均
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.647, pp.604-611, 2007 (Released:2007-12-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1

An ion engine with 10,000sec-class high specific impulse is expected as primary propulsion for interplanetary space mission with extremely high delta-V, and needs high voltage for ion acceleration over 10kV. The microwave discharge ion source without solid electrodes can supply sophisticated technologies and simple composition on electrical isolation for such a high voltage. New electro-static grid made of carbon-carbon composite material was fabricated based on the numerical simulation of “igx” code. The “μ10HIsp” ion engine combining the ECR ion source, microwave discharge neutralizer, DC blocks, propellant isolators, carbon-carbon composite grid and so on generated successfully a plasma beam with 10,000sec specific impulse using 15kV acceleration voltage.

2 0 0 0 OA 京都坊目誌

著者
碓井小三郎 編
出版者
平安古考学会
巻号頁・発行日
vol.上京之部 乾 上巻之六-十一, 1915
著者
白壁 彦夫 碓井 芳樹 根来 孝 大橋 泰之 梁 承茂 韓 東植 松川 正明 小林 茂雄 丸山 俊秀
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.15-25, 1986-01-25

要旨 うまく二重造影すると,潰瘍性病変を変形でとらえるので,変形学が登場した.全体の変形は,胃,大腸など,それぞれに,また,局所の変形は全腸管に普遍的に使うことを,まず,述べた.そして,変形を使って検査,読影,診断するコツを全腸で比較した.更に,比較診断学の展開を虚血症候群について,X線所見の分析と総合の手法で行い,比較診断学の効果を述べた.二重造影法も,機能と二重造影のアベックの動きがある.
著者
碓井 和弘
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学経営論集 (ISSN:18841589)
巻号頁・発行日
no.5, pp.43-52, 2013-03

伝統ある商業教育機関のシンボルには翼や杖,蛇がしばしば使われている。嚆矢は一橋大学である。それは,ギリシア神話のヘルメス,あるいはローマ神話のメルクリウスにまつわるものであり,ヨーロッパで繁栄していたベルギーに存在する商業学校のものを移入したのであった。ヘルメスは,豊穣神であるとともに,商業,盗み,雄弁,競技,道路,旅人の守護神でもあり,その最大の特徴は,コミュニケーション能力の高さと狡猾さである。しかし狡猾である商業には,不信感が付きまとう。商業が社会に存立する根拠が問われるのは,その商業への不信感が背景にある。M.ホールの「取引総数最小化の原理」は,取引においては人が移動する,と前提すれば理にかなっているように見えるが,情報技術の革新は状況を一変させた。この情報技術の革新は,マーケティングにも影響を与えている。『コトラーのマーケティング3.0』は,「参加」「グローバル化のパラドックス」「クリエイティブ社会」の3つを,時代を読み解くキーワードとしている。このマーケティングの変化を学ぶことは,商業教育の象徴と現代性を追求することにも繋がると考えた。論文
著者
碓井 茂夫 野村 直樹 熊谷 光 関根 浩史
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.383-389, 2017 (Released:2018-01-30)
参考文献数
3
被引用文献数
4

SUBARU has developed EyeSight, which has Autonomous Emergency Braking (AEB), “Pre-Collision Braking System”. The concept is to minimize collision damage or if conditions allow, prevent the collision. Through a trial-and-error process, SUBARU has, and continues to enhance the performance of Pre-Collision Braking System. The latest Pre-Collision Braking System was refined to two points. The first is to hasten the reaction to crossing pedestrians coming out from behind obstacles to heighten the speed reduction effect. The other point is to improve the reaction to night-time pedestrians. The effectiveness has been raised by suppressing the drop in the recognition performance caused by peripheral darkness or the color of pedestrians' clothes. These improvements will offer a high level of safety. This report also describes details of traffic accident data, and comparing results of “with EyeSight” and “without EyeSight”.
著者
一志 哲夫 渡邊 朗子 小幡 亜希子 碓井 晋平
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.720, pp.293-301, 2016 (Released:2016-02-28)
参考文献数
29
被引用文献数
3

This paper aims to clarify what kinds of design elements in environments stimulate mental activity. This study examined the effects on the brain activity when wearable optical topography was worn in different color environments. The subjects' mental activity in the prefrontal cortex was measured during working memory tasks in four colored booths: red, yellow, blue, and white. By performing physiological and psychological analyses, this study obtained the following results. 1. The yellow booth can activate mental activity the most. 2. Fatigue increases due to the stimulation of brain activity. 3. "Stimulating" environmental factors can be assumed to affect elements in mental activity, especially information processing.
著者
碓井
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部論集. 行動科学・哲学篇 (ISSN:13424262)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.27-43, 2001-03-15

パーソンズ・ルーマン・ハーバマスの三者は,ともに「象徴的メディア」を扱う共通アリーナにあるので,それぞれの長短を比較・検討することができる.「象徴的」「一般化」「コミュニケーション・メディア」「成果」「操作」という中心概念を置き,三者には,メディアそのものを複雑性縮減,負担解除の装置としてとらえる共通項がある.他方,メディアが生み出す多様性に差がないかどうかを検討する.メディアの記号論,名称,類別,機能と効果,社会分化との関連を,順次検討した.批判的検討を通して,基本的メディア,技術的メディア,個別領域・複合形態でのメディア,の3領域に分けて再編成する可能性を示唆した.メディアと集権化・分権化の関連について問題提起をした。テキストとして,パーソンズ『政治と社会構造』,ハパーマス『コミュニケーション的行為の理論』,ルーマン『社会の社会』を中心にしている.
著者
白石 太一郎 酒井 龍一 植野 浩三 千田 嘉博 碓井 照子 岸本 直文 福永 伸哉
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

大阪府南部には、日本列島内で最大規模の大仙陵古墳(現仁徳天皇陵)を含む堺市の百舌鳥古墳群、それに次ぐ規模をもつ誉田御廟山古墳(現応神天皇陵)を含む羽曳野市・藤井寺市の古市古墳群など、5世紀前後の倭国王墓と想定される巨大前方後円墳からなる大型古墳群が展開している。本研究は、これらの古墳群周辺が都市化される以前め航空写真に基づいて、開発以前の大縮尺の旧地形図を作成し、古墳詳研究の基礎資料を整備し、学界の共有財産として多くの研究者の利用に供するとともに、あわせてこれら近畿の大型古墳群の形成過程やそれら相互の関係、さらにその歴史的意味を追求したものである。3年計画の最終年度にあたる本年度は、(1)前年度までに中心部の図化を終えている古市、百舌鳥両古墳群の周辺部の図化作業を完成した。また(2)古市古墳群に続いて6世紀後半から7世紀代の倭国王墓と想定されるいくつかの古墳を含む太子町磯長谷古墳群周辺について、大阪府が1961年に作成した地形図をもとに、古市、百舌烏古墳群と同縮尺・同仕様で2,500分の1の開発以前の地形図を作成した。さらに(3)この地域で、古墳や同時代の遣跡の調査・研究を進めている地域の研究者や宮内庁書陵部の研究者の参加協力をえて、古市、百舌鳥古墳群り既往の発掘調査のデータ集成を行い、GISを利用してそのデータベース化を進めるとともに、(4)出土埴輪の実測図等の資料集成を行うとともにその編年作業を進め、(5)作成した旧地形図をも利用してこれら古墳群の形成過程の復元的研究を行った。(5)また本年度が最終年度にあたるため、研究報告書を作成した。
著者
重本 直利 細川 孝 望月 太郎 碓井 敏正 細井 克彦 植田 健男 碓井 敏正 細井 克彦 小山 由美 植田 健男 中村 征樹
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

研究成果は以下の5点である。(1)ステークホルダー間調整視点から「評価-機能モデル」を仮説的一般理論としてまとめた。(2)「評価-機能」の相互関係性の検討を行う上での基本用語の整理を行った。(3)韓国およびドイツ等での「大学内ステークホルダー間調整」視点からの調査において、教員、研究員(職員)、学生(院生)における「評価-機能」の相互関係性をまとめた。(4)日本の大学および認証機関における「PDCAサイクル」での評価の取り組みを「評価-機能モデル」から検討し、結論としてコミュニケーション型モデル・了解志向型モデルを提案した。(5)『研究報告書(研究記録を含む)』としてまとめた(2010年3月19日)。また、重本直利は『大学経営学序説』(晃洋書房、2009年)において成果の一部の公表を行った。
著者
平澤 由平 鈴木 正司 伊丹 儀友 大平 整爾 水野 紹夫 米良 健太郎 芳賀 良春 河合 弘進 真下 啓一 小原 功裕 黒澤 範夫 中本 安 沼澤 和夫 古橋 三義 丸山 行孝 三木 隆治 小池 茂文 勢納 八郎 川原 弘久 小林 裕之 小野 利彦 奥野 仙二 金 昌雄 宮崎 良一 雑賀 保至 本宮 善恢 谷合 一陽 碓井 公治 重本 憲一郎 水口 隆 川島 周 湯浅 健司 大田 和道 佐藤 隆 福成 健一 木村 祐三 高橋 尚 由宇 宏貴
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1265-1272, 2003-07-28
被引用文献数
2 12 4

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) が6か月以上継続投与されている慢性維持血液透析患者 (血液透析導入後6か月以上経過例) 2,654例を対象に, 維持Ht値と生命予後との関係をretrospectiveに調査, 検討した. Cox回帰分析による1年死亡リスクは, 平均Ht値27%以上30%未満の群を対照 [Relative Risk (RR): 1.000] とした場合にHt 30%以上33%未満の群でRR: 0.447 [95%信頼区間 (95% CI): 0.290-0.689 p=0.0003] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 0.605 [95% CI: 0.320-1.146 p=0.1231] と有意差を認めなかった. 一方, Ht 27%未満の群ではRR: 1.657 [95% CI: 1.161-2.367 p=0.0054] と有意に予後不良であった. また, 3年死亡リスクも1年死亡リスクと同様, Ht 30%以上33%未満の群ではRR: 0.677 [95% CI: 0.537-0.855 p=0.0010] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 1.111 [95% CI: 0.816-1.514 p=0.5036] と有意差を認めず, Ht 27%未満の群ではRR: 1.604 [95% CI: 1.275-2.019 p<0.0001] と有意に不良であった.<br>これらの調査結果より, 1年および3年死亡リスクはともにHt値30%以上33%未満の群で有意に低値であり, 生命予後の観点からみた血液透析患者のrHuEPO治療における至適維持目標Ht値はこの範囲にあると考えられた. ただし, 1年死亡リスクは, 例数が少ないもののHt値33%以上の群についても低値であったことから, このレベルについては今後再検討の余地があると考えられた.